【物忘れ】
認知機能は年齢を経るごとに低下しますが、日常生活で物忘れが目立つようになったり、 急速に進行する場合は脳の病気が隠れている可能性があります。 アルツハイマー型認知症は早期に診断し治療を開始することにより進行を遅らせることができます。 また、慢性硬膜下血種や正常圧水頭症であれば外科手術により劇的に症状が改善します。以下に代表的な認知症の分類と症状を挙げます。
(1)アルツハイマー型認知症
(症状)徐々に進行する短期記憶障害(ついさっきのことを忘れる)、見当識障害(日時などが分からなくなる)、 学習障害(新しい家電製品が使えない)
(原因)
神経細胞の周囲に老廃物であるアミロイドβが沈着することにより神経細胞が障害される
(治療)
今だ根治薬は開発されていないが、進行を抑制する薬がある
(2)レビー小体型認知症
(症状)幻視(見えないものが見える)、認知機能の変動、パーキンソン症状など
(原因)
神経細胞に異常なタンパク質が蓄積する(レビー小体)
(治療)
今だ根治薬は開発されていないが、症状を軽快させる薬がある
(3)脳血管性認知症
(症状)急激に認知機能低下が進行するのが特徴
(原因)
脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)後遺症。小さい梗塞や出血が増えることも原因となる
(治療)
脳卒中予防が大事
(4)正常圧水頭症
(症状)歩行障害(すり足歩行)、尿失禁、認知機能低下が特徴的で徐々に進行する (原因)
脳髄液の循環不全
(治療)
外科的治療にて症状が改善する
(5)慢性硬膜下血種
(症状)頭部外傷後4週間前後してからゆっくり症状が出現。ボーっと活気がなくなり、上下肢脱力を伴う
→急速に悪化する可能性あり
(原因)
外傷による硬膜下腔の小出血と髄液の硬膜下腔への漏出によって、毛細血管の豊富な被膜が形成される。 この被膜から血液成分の漏出により血種が貯留する
(治療)
外科的治療。早期に発見されれば内科的治療(投薬)にて治癒する
(6)脳腫瘍
(症状)病巣部位により会話の混乱や記憶障害、手足の麻痺
(7)脳挫傷
(症状)集中力低下、性格変化、学習障害
(原因)
脳の障害程度により程度は様々