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用語集:さ行

臍帯血 (cord blood)

臍帯というのは胎児と胎盤を結ぶチューブで2本の動脈と1本の静脈が走っています。臍帯血がなんで骨髄移植の代わりになるか、という話は『骨髄バンク』という本に書いてあるのを読んだが、細かいことは忘れたのでまた調べておきます。たしか、臍帯血は骨髄と同じような成分が含まれている一方で、拒絶反応が出ないので、骨髄バンクより安全で確実、といった話だと思います。冷凍保存しておけば長期のストックが可能だし。うちの場合、ちょうど第二子妊娠中というナイスなタイミングだったのですが、MLDだという診断が降りる前に出産が済んでしまい、臍帯血の保存の手続きをとれなかったのが実に残念です。


臍帯血バンク (code blood bank)

臍帯血移植をするための臍帯血をストックし、移植希望者に斡旋するための機関です。骨髄バンクは国の事業として全国的に組織されているようですが、臍帯血バンクはいまのところ医療機関やボランティアが中心になって行っているようです。骨髄バンクでドナーがみつからない場合に、こちらで臍帯血を手配して臍帯血移植を受ける、といったことが可能です。


在宅酸素療法 (home oxygen therapy 〈HOT〉)

症状が安定した慢性呼吸不全の患者が自宅に酸素濃縮器や酸素ボンベを用意して、常時酸素吸入を受けながら生活を行うというもので、「療法」といっても、それで病気を治すというよりも、患者のQOLを高めるための試みであると言えます。日本では1985年から保険適用となり、患者のQOLの向上や社会復帰の実現が進みました。保険適用基準は「動脈血酸素分圧55Torr以下の者および動脈血酸素分圧60Torr以下で睡眠時または運動負荷時に著名な低酸素血症をきたす者であって、医師が在宅酸素療法を必要であると診ためたもの」となってます。


座位保持椅子

重度の障害がある子供は自分で座ることができません。しかし、そうかといって寝たきりで過ごすと(人間の身体はそういうふうにできてないので)よくないので、なるべく座らせたり、場合によっては立たせたりします。座位保持椅子は、そういう子供の身体を支えることができる特殊な椅子です。食事なども身体を立てた状態でないとノドを通りにくく、また、座った状態でないと手で作業するのが難しくなるので、座位保持椅子に座ること自体が一つの訓練としての正確をもっています。ただ、ふーたんの場合には、むしろ身体の緊張などが激しいため、訓練と言うより、いちばん楽な姿勢に保つという意味をもっています。


サチュレーション (saturation index 〈SI〉)

平均赤血球血色素濃度を対比する指数で、要するに呼吸でどこまで酸素が取り込めているか、酸欠になっていないかを知るための数値です。実際には、なんかLEDみたいな赤いランプとセンサーのついた指輪みたいのをはめて、光の透過率を計っているみたいですが、詳細は不明です。苦しそうな呼吸をしていると不安になるのですが、これを見るとけっこう正常だったりします。苦しそう、ゼコゼコやってるときは、むしろ呼吸しようという反応なので安心で、静かなときの方が危ないと言われました。そういわれても不安なんで自宅用に買うかと思って聞いたら「値切って20万円」とか医者に言われてあきらめました。100が標準で、95以下だと問題があるみたいです。


酸性マルターゼ欠損症 (acid maltase deficiency) → ポンペ病


サンフィリッポ病 (Sanfilippo syndrome)=ムコ多糖症(MPS)III型

欠損酵素の種類により4タイプがあり、ヘパラン硫酸が蓄積されます。2〜3歳頃から急速に痴呆が進行しますが、ほかのムコ多糖体症に比較して、骨変化の軽いのが特徴です。


ジアゼパム(diazepam)

抗不安薬、マイナートランキライザーです。ンゾジアゼピン系向精神薬で、催眠、筋弛緩、抗けいれんなどの作用があります。商品名としてはダイアップ(座薬)、セルシン(注腸液)になります。MLDの患者の筋緊張やてんかん発作を押さえるのに広く使われています。1年ほど前の状態が悪かった頃は、この薬が頼りでした。現在は体調が回復しているので、それほどではないですが、それでも痙攣が続いていやな雰囲気のときなどにはなくてはならない存在です。(2001/10/07)


GM1-ガングリオシドーシス(gangliosidosis) →βガラクトシダーゼ欠損症


GM2-ガングリオシドーシス(gangliosidosis) →GM2-ガングリオシドーシス


シェーグレン・ラルソン症候群(Sjogren-Larsson syndrome)

常染色体性劣性遺伝の疾患で、患者の息子をもつご家族の話では、脂質代謝異常症で、治療法は確立されていないそうです。症状としては魚鱗癬が特徴的で、運動障害や言語障害などが見られます。ちなみに、女性に多く見られる粘膜の乾きを症状とするシェーグレン症候群というのもありますが、同じスウェーデンのシェーグレン先生でも、これは別のシェーグレン先生で、まったく別の病気です。


シクロホスファミド(cyclophosphamide)

悪性腫瘍や免疫抑制に用いられるアルキル化剤の代表です。この薬自体は直接作用しませんが、体内で代謝されて生じた物質が活性化し、性腫瘍細胞の核酸代謝を阻害すると言われています。


脂質(lipid)

水に溶けずに、アルコールなどの有機溶媒に溶ける物質、つまり油の仲間です。体内における脂質はたとえば中性脂肪のようにエネルギー源として存在するだけでなく、生体膜などの材料になります。また、ステロイドのようにホルモンとして生理を調整する役割を果たすものもあります。


シャイエ症候群 (Scheie syndrome=MPS-IS)

ムコ多糖症IS型。ハーラー症候群に似た症状だが、軽い。


重積発作

てんかんの大発作が連続して起きてとまらなくなる状態で、続くと危険です。


常染色体の (autosomal)

性染色体以外の染色体の〜。(例)autosomal inheritance=常染色体性遺伝。


小児慢性特定疾患(Specific Child Chronic Diseases)

先天性代謝異常に対する医療費給付に始まり、血友病、小児癌、喘息などの難病の治療法の確立と医療費の援助を目的とし て行われている小児慢性特定疾患治療研究事業の対象となる疾患です。先天性代謝異常症だったらまず認定してもらえると思います。


静脈閉塞症 (veno-occlusive disease <VOD>)

種々の要因により、静脈が詰まってしまう疾患です。


触媒 (catalyst)

化学変化の速度を増加させる働きのあるものを指します。生化学反応では、酵素が触媒として作用します。


神経幹細胞  (neural stem cell)

人間の皮膚や血液の細胞は常に古くなった部分が捨てられていますが、それでもなくならないのは、細胞分裂によって細胞の数が増え続けているからです。一方で、いったん分裂して特定の機能を果たし始めると、それ以上分裂しない(数の増えない)細胞もあります。分裂によって数が増える細胞を幹細胞と呼び、骨髄移植に使われる造血幹細胞などがあります。中枢神経を構成する細胞については、自己修復機能などがないことなどから幹細胞はない、あるいは成長の早い時点でなくなってしまうとされていましたが、90年代に入って幹細胞、つまり神経幹細胞が大人にも存在することがわかり、重要な研究テーマになってます。神経幹細胞は自己複製を行いながら、さまざまな神経細胞に文化することができます。これをうまく使うと、いったんダメージを受けた脳細胞を修復、再生することができる可能性があり、実際にそのような治療目的での研究が進みつつあります。


人工呼吸器 (respirator/ventilator)

ベンチレータ、レスピレータなどと呼ばれています。要するに肺が動かなくなった場合に、その代替をさせ、肺の中に空気を送り込んだり排出させたりする機械のことです。いろんな種類がありますが、大きく分けて従量式と従圧式に分類されています。


新生児マススクリーニング

現在日本ではすべての新生児に対して6種類の先天性代謝異常症のチェックを行っています。新生児マススクリーニングに関しての情報はこちら


腎性尿崩症

尿崩症はなんらかの理由で多量の尿が出る(1日4リットル以上)病気の総称で、先天的なものの他にさまざまな原因があります。その中で腎性尿崩症は、伴性劣性遺伝による腎尿細管の水再吸収不全が原因で起きます。


水解酵素 (hydrolysis enzyme)

水の付加反応によって、特定の化合物の結合が切断され、別の化合物が生成されることを水解(加水分解)と呼びます。この反応を起こすことができる酵素が水解酵素です。


髄鞘(myelin sheath)

神経繊維はちょうど電線に似ていて、導線にあたる神経軸策と、それを覆う絶縁体である髄鞘(ずいしょう)から成り立っています。髄鞘は脊椎動物にしかありません。髄鞘を構成している物質であるミエリン (myelin)で、「ミエリン」といった場合に髄鞘を指す場合もあります。


錐体路徴候 (pyramidal signs)

錐体路は哺乳動物特有の神経伝導路で、精緻で熟練を要するような運動を司ります。錐体路が障害をうけると、筋力が低下し、随意運動麻痺と痙性麻痺がおきます。この他、深部反射の昂進、バビンスキー反射の出現、腹壁反射の消失などが観察できます。


スクリーニング(screening)

文字通り「ふるい分け」です。健常者を含めた集団から、異常な傾向をもつ人を選び出す医学的な手法です。当然、スクリーニングの結果以上を示した人は、さらに詳細な検査を行います。先天性代謝異常症に関しては、日本の場合、全新生児を対象に6種類の疾患についてスクリーニングが実施されています。なお、現在米国ではクリビット教授のグループが、新生児に対するMLDのマススクリーニングの実験を計画中です。(1999)


ステロイド(steroid)

ステロイド核をもつ化合物の総称です。と、言われてもなんのことかさっぱりわからないわけですが、まぁ、ホルモンだと思っておけばいいのではないでしょうか。


スフィンゴシン(sphingosine)

長鎖アミノアルコールの一種で、スフィンゴ脂質の長鎖塩基です。パルミトイルCoAとセリンを出発物質として生合成されます。


スプライシング(splicing)

DNAに保存された遺伝情報は、いったんRNAに転写されてから利用されますが、そのときに不要なイントロンの部分はスキップして、必要なエクソンの部分だけを転写します。これがスプレイシングです。


スルファチド(sulfatide)=硫脂質

セレブロシドのガラクトースのC-3位に硫酸がエステル結合したもので、脳白質のミエリン構成脂質として重要です。これが異常蓄積するとMLDになります。


ズダン好性白質ジストロフィー(sudanophilic leukodystrophy)

中枢神経系を進行性に侵す変性疾患です。詳細はまだ解明されていません。


精神遅滞(<mental> retardation)

簡単に言うとIQ70以下の知的障害。かつては精神薄弱と呼ばれていた。


生検(biopsy)

体の組織の一部(皮膚とか)を採取して検査することです。診断の確定のためなどに必要になってきますが、体を傷つけることになるし、痛そうなんで、親としては抵抗ありますね。


生着(engraftment)

骨髄移植で患者の体内に注入されたドナーの骨髄が、患者の身体に定着すること。いわば原料としての幹細胞が、完成品としての血液などへ成長するのが観察できることです。骨髄移植を行っても、ドナーの骨髄が生着しなければ移植は失敗となります。


セニラン( Seniran)

ブロマゼパム(bromazepam)の商品名(コックスジャパン)です。ブロマゼパムは、不安や緊張、睡眠障害などを抑える向精神薬です。依存性があり、眠気、めまい、ぼんやり感、吐き気、排尿困難などの副作用があります。楓子の場合、筋緊張を鎮め、調子の悪いときに浅くなりがちな睡眠を深くするにはダイアップ(ジアゼパム)しか方法がないのですが、ジアゼパムは連続して服用すると問題があることもあり、なるべく投与の間隔を空けるためにセニランと交互に服用しています。セニランを入れると、脱力するだけでなく、機嫌がよくなり、こちらの話しかけに反応して笑ったりします。そのため、最近はセニランが効いているふーたんのビデオが多いです。


セラミド(ceramide)

スフィンゴシンの2位のアミノ基に長鎖脂肪酸が酸アミド結合したもので、生物界に広く分布します。セラミターゼという酵素によってスフィンゴシンと脂肪酸に分解されますが、この酵素が欠損するのがファーバー病(Farber disease)です。


セルシン( Cercine)

ジアゼパムの商品名(武田)です。てんかんの痙攣の発作を予防、鎮静化します。楓子はふだんは同じジアゼパムでも座薬になったダイアップの方を使っているのですが、大発作を起こしてしまったときに素早くそれを止めるには、注腸液の方がよいので、この応急手当用にはセルシンを使っています。


セレザイム

ジェンザイム社製の酵素製剤。ゴーシェ病の酵素欠損を補う薬。先天性代謝異常症の酵素補充療法としては先陣を切って実用化されたもの。


セレブロシド(cerebroside)

神経組織中の糖脂質。スフィンゴシンに長鎖脂肪酸がアミド結合したものをセラミドといい、1位にガラクトースまたはグルコースがβ-グリコシド結合したものをセレブロシドといいます。通常、セレブロシドといったら、ガラクトースがβ−グリコシド結合したガラクトセレブロシドを指します。脳白質に多く存在し、健常な成人の場合10.9mg/100mg(乾燥重量)含まれています。ガラクトセレブロシダーゼという酵素によってガラクトースとセラミドに分解されますが、この酵素が遺伝的に欠損しているとKrabbe病になります。


セロイドリポフスチノーシス(ceroid lipofuscinosis) セロイドリポフスチン蓄積症、神経セロイドリポフスチン症(NCL) 、バッテン病、シュピールマイアー・フォークト病、バッテン・メイヨウ病

セロイドやリポフスチンが臓器に蓄積する疾患です。かなりいろいろな名前で呼ばれているようで、分類も複数あるようでわかりにくいです。もともと人間の病気としてはバッテン病、イヌの病気として(神経)セロイドリポフスチン症と呼ばれていた病気が、病因同じということで最近ではセロイドリポフスチン症と呼ばれるようになってきた(発見者名を病名にする習慣は避ける方向なので)みたいです。数家族と教育関係者、専門研究者がインターネット上で連絡をとってます。その情報によれば、発症率は2万人に1人、(常染色体?)劣性遺伝、8種類のタイプに分かれる中の6種類まで原因遺伝子が判明しています。ライソゾーム病の一種なので、小慢および特定疾患の対象になってます。(2003/09/16)

 

代謝変性疾患について教えてください セロイドリポフスチノーシス関係者が参加している掲示板

BDSRA(Batten disease support & research association) セロイドリポフスチノーシスの患者団体


線維芽細胞(fibroblast)

動物の繊維性結合組織の主要な細胞で培養しやすいため研究によく用いられます。


潜血(occult bleeding)

肉眼では確認できないが、検査すると尿や便の中に出血が見られる(=潜血反応)状態です。消化器系から出血している場合などに見られます。


尖足(talipes equinus;pes equinus)

アキレス腱が縮んでしまう結果、足先が頭と反対の方向に伸びた状態に変形してしまう、つまり、バレリーナみたいな感じになってしまう現象です。


染色体(chromosome)

生物の細胞内にある、DNAを中心とした組織。高等生物の場合、DNAやRNAや各種タンパク質などは複雑な長いひも状になって細胞中に存在しますが、細胞分裂がはじまると、短いひも状(太さ1〜2ミクロン、長さ数ミクロン〜数十ミクロン)に固まり、色素に染まって顕微鏡で観察しやすくなります。これが狭義の染色体です。体細胞は、両親から受け継いだ2組の染色体(これを相同染色体という)をもっています。人間の場合、23個の染色体が2組で、計46個の染色体をもっています。相同染色体は、基本的に同じ位置に同じ役割を果たす情報が納められているわけですが、1組の染色体、つまり性染色体だけはまるで違っており、これがX、Y染色体です。


先天性副腎過形成(CAH:Congenital Adrenal Hyperplasia)

 先天的に副腎皮質ステロイドの合成に関する酵素の障害のためホルモンのバランスがおかしくなる病気。新生児マススクリーニングの対象にもなっている(一部のタイプだけが対象らしい)。患者の会はないようですが、インターネット上でご家族が連絡をとってます。(2003/05/02)

お月さまのえくぼ CAHのママたちが作った病気に関する情報ページ

ママのたまてばこ CAHの「うんたん」のママのページ


ソリタ3号( Solita-T No.3)

清水製薬が作っている、代表的な維持輸液です。成人の場合、1日1500〜2500mlの水分が必要ですが、口からそれがとれない場合は、ソリタのような維持輸液を点滴します。脱水症状を防ぐためです。経管栄養の場合は、点滴でなく、顆粒状のものを温湯に溶いて直接胃に流し込みます。うちで使ってるのは「ソリタ-T顆粒3号」というやつですが、成分は、塩化ナトリウム58mg,塩化カリウム149mg,無水リン酸二水素ナトリウム60mg,クエン酸ナトリウム(2水塩)196mg,炭酸マグネシウム(4水塩)14mg.電解質濃度(mEq/L)Na 35,K 20,Mg 3,Cl 30,H2PO45(mM/L),citrate 20.熱量:約9kcal/3gです。急速な水分補給ができますが、実際には牛乳とかスープみたいな飲料を使うことが多いので、我が家の場合ソリタそのものはあまり使いません。



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