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用語集:た行

多発性硬化症 (multiple sclerosis<MS>)

中枢神経系の白質に脱髄とグリオーシスが出現する原因不明の疾患。という意味でロイコジストロフィーとも近い部分があるが、こちらは基本的に成人の病気。


ダイアップ (Diapp)

ダイアップは和光堂の商品名で、薬品としてはジアゼパムです。抗痙攣剤です。MLD患者の間でもよく効くという評判です。しかし、効きすぎるとボーッとしてしまいます。楓子の場合、他の薬は効いているのか効いてないのかよくわからない感じですが、こいつは入れるとすぐ楽になるのがわかります。しかし、副作用があって、痰が出やすくなります。球麻痺がある患者の場合、痰はすぐ呼吸困難につながり、気道に入っても咳で排出することができないので肺炎の恐れもあり、なかなか気軽には使えません。


代謝異常 (disorder of metabolism)

体内で起きる、生命維持を目的としたあらゆる化学変化の総称が代謝です。たとえば、食物を分解してそこからエネルギーを取り出すのも代謝です。代謝がうまくいかなければ、体内で必要な物質が作り出せない、あるいは有害な物質が分解・排出できない、ということになります。たとえば、ムコ多糖という糖を代謝する酵素が先天的にないのがムコ多糖症という先天性代謝異常症です。現在フェニルケトン尿症、ガラクトース血症、メープルシロップ尿症、ヒスチジン血症、ホモシスチン尿症、チロシン血症といった、比較的発生率が高く、検査費用が安く、検査結果が確実で、しかも早期治療の効果がある先天性代謝異常症については全新生児に対する検査(マス・スクリーニング)が行われています。言い換えれば、それらの条件に当てはまらないMLDのような先天性代謝異常症はほかにもたくさんあります。


大理石骨病 (marble bone 〔disease〕)=骨化石症

常染色体性優性遺伝(遅発性・軽症)と劣性遺伝(先天性・早期発症・重症)の2つのタイプがあります。易骨折性、造血障害、脳神経症状があります。破骨細胞の機能障害が原因であると考えられており、この細胞が単球由来であることから骨髄移植が有効であると考えられています。


ダウン症候群 (Down syndrome)

1866年に、イギリスのダウンという人が発見したので、「ダウン症」という名前が付いています。「ダウン症」は、染色体の異常が原因で生まれてきます。染色体というと、遺伝に関係がありそうですが、大部分の「ダウン症」は、突然変異によって生まれてきます。「ダウン症」の子どもは、だいたい700〜800回のお産に1人の確率で生まれてきます。 日本では、毎年1500人くらいのダウン症の子供が生まれていることになります。この割合は、全世界のどの地域においても、また時代が移り変わっても余り変化がないと言われています。 楓子はその容貌と猿紋から、最初に病院に行ったときダウン症の可能性も疑われました。


多型データ

遺伝子情報には、種として共通の部分と、個体差の部分(たとえば髪の毛の色など)があります。この個体差の部分を特に多型データと呼ぶらしい。


脱髄 (demyelination)

髄鞘(ミエリン)がなんらかの利用で変成、脱落することを指します。他に脱髄を起こす疾患としてはMS(多発性硬化症)が有名です。


単球 (monocyte)

血液の工場である骨の内部にある骨髄に含まれる造血幹細胞は、単球となって血液に溶けて目的の組織まで運ばれ、そこでマクロファージになります。幹細胞が原料だとすると、中間製品みたいなものです。


チアノーゼ (cyanosis)

皮膚や唇が暗青色になる状態で、酸欠状態になるとおきます。けっこうやばい状況です。


ちぢれ毛病 → メンケス(Menkes)病


注入ポール

経管栄養を行う場合、胃より高い位置につるしたプラスチック・ボトルやプラスチック・バッグに液体を入れ、重力を使ってそれをチューブに滴下させます。そのボトルを吊るポールです。


ツェルウェガー症候群 (Zellweger syndrome)

 ツェルウェガー症候群。ペルオキシソームの先天的欠損により発症する常染色体劣性の遺伝子病であるペルオキシソーム欠損症の一つで、乳幼児期に発症し、重症です。治療法はみつかっていません。 ロイコジストロフィーに分類される。


テイ・サックス病 (Tay-Sachs disease)

 GM2-ガングリオシドーシス I 型です。乳児期より発達停滞その他の進行性中枢神経症状を示す、常染色体性劣性遺伝の疾患です。ユダヤ人に多い病気です。 日本にはあまりいないみたいだけど、何家族かが連絡とれてます。患者会も相談しているみたいだけど、まだ実現してません。ライソゾーム病なので、小慢、特定疾患の両方の対象です。ロイコジストロフィー・ネットワークではライソゾーム病仲間、ガングロシドーシス仲間がたくさん参加してます。(2003/09/16)

I Love Tay-Sachs Tay-Sachs病のななせくんのママのページ
National Tay-Sachs & Allied Diseases Association テイ・サックス病の患者団体


テグレトール (Tegretol)

カルバマゼピン(CBZ)の商品名(チバガイギー)。てんかん症状、躁病にききます。フェニトインと同様、全身性強直間代発作、部分発作の予防に有効なので、痙攣重積発作の発生を押さえるために、日常的に服用します。フェニトインと違って美容上の問題もないので女の子の場合にはこれが使われることが多いようです。楓子の場合、80mg/日から始めて、ようすをみながら増量し、現在(98/5)は200mg/日服用しています。なお、いったん服用を始めてから急に中止するとてんかん重積状態になるので注意が必要です。服用後はどうもぼんやりして眠そうで反応が鈍くなる気がします。ただでさえ意識がはっきりしていないので、これは嫌なのですが、てんかんの重積発作は怖いので、しかたなく、という感じで服用してます。


デパケン (Depakene)

バルプロ酸ナトリウム(sodium valproateVPA)の商品名(協和醗酵)で、てんかん治療薬です。さまざまなてんかんの症状に広く有効です。副作用として肝機能障害に注意する必要があります。白質ジストロフィーの場合、てんかん発作が出るので、それを予防するために抗てんかん薬を飲んでいる人がおおいです。楓子は最初の1年半はテグレトールを使ってましたが、現在はデパケンにしています。他のMLDの患者さんもデパケンを使っている(使っていた)人が多いです。


テルネリン (Ternelin)

筋緊張緩和剤です。ひどい肩こりなんかにもよく効くそうです。ねむくなります。わりと一般的に処方される薬のようです。あまり効かなかったので、楓子の場合、本当の初期だけで服用をやめました。他のMLDの患者もテルネリンを投与されているようですが、あまり効いていないようです。テルネリンは商品名で、薬品名は塩酸チザニジンです。


テレミンソフト (Teleminsoft)

ビサコジル(bisacody)の商品名(HMR)です。要するに便秘薬です。楓子はぜひ写真でお見せしたいほど立派なウンチをするのですが(我が家ではテポドン発射と呼んでいる)、さすがに便秘気味で、また、それほどの大物を出すのも結構負担なので、最近はこれを使って便を柔らかくしています。


点頭てんかん (epilepsia nutans)

1841年イギリスの小児科医ウェストW. J. Westが発見したのでウェスト症候群(West syndrome)とも呼ばれる乳児特有のてんかんのタイプです。月齢5〜7ヶ月で発病する場合が多く、成長に従って精神や運動能力の発達障害が出る場合が多く認められます。原因はさまざまですが、先天性の脳の異常や代謝異常が原因であることが多く、たとえばフェニルケトン尿症などが知られています。脳波にヒプサリスミア(hypsarrhythmia)と呼ばれる独特の波形がでます。


トゥースエッテ (toothette)

米国製口腔内洗浄用のブラシです。ペロペロキャンディーのような形で、紙の軸の先に歯車型のスポンジがついています。これで拭うように歯を掃除するのですが、軸が紙だからかみしめても危険がなく、スポンジであたりが弱いので敏感な子供もいやがりません。基本的に使い捨てで、ちょっとお高いですが、最近国産のコピー品が出回り始めたようです。


同胞 (sib)

兄弟姉妹のこと。両親とも共通であれば完全同胞。遺伝的な類似性がもっとも高い可能性が高い。


特定疾患研究対策事業

原因不明で治療法が確立されていない、いわゆる「難病」に対応するために1972年に厚生省が作成した「難病対策要綱」に基づく事業で、目的として「調査研究の推進」「医療施設の整備」「医療費の自己負担の解消」の3つがあげられています。 逆に言えば、「難病」の中で、この政府の事業の対象となるものが「特定疾患」と呼ばれています(つまり、医学的な分類ではありません)。特定疾患対象患者は疾患の種類によって全額治療費公費負担を受けられる場合と、一部自己負担の場合があります。(2001.7.12)


突然変異 (mutation)

遺伝物質、つまりDNAかRNAの塩基配列や数がなんらかの理由で永続的な変化(つまり遺伝する)を受けてしまったことで、遺伝形質が変わってしまうことをいいます。ミュータントというやつですね。mutationという言葉は遺伝関係の説明の中で頻繁に出てきますが、MLD HomePageではそれをだいたい「変異」として説明してます。医学的には「変異」というのは、遺伝的な変化である突然変異と、遺伝しない変化の両方を指すか、あるいはむしろ非遺伝的な変化の方だけを指して言うみたいですが、素人の感覚では「突然変異」というとむしろ非遺伝的な変化を想像してしまうのでこうしてます。(突然)変異には、「置換」「挿入(intercalation)」「欠失(deletion)」「逆位(inversion)」などがあります。ちなみに、染色体の突然変異は普通「染色体異常」と呼びます。


ドナー (donor)

移植手術の臓器提供者です。ただ、骨髄移植の場合は「献血者」に近い感覚です。英語では献血(供血)者もドナーと呼びます。


トリプルマーカー検査

母胎血清マーカーの一種で胎児にダウン症候群のような異常があると、母親の血液中のある種のタンパク質の濃度が変わってくるのを利用して胎児の異常を診断するための検査。3種類のタンパク質をチェックしているので「トリプル」というらしい。朝日新聞の記事によれば結果は「確率」として出、さらにダウン症候群出産のリスクが大きいといわれる35歳女性の場合の確率1/295以上の場合を「スクリーン陽性」としている。


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