註:このセッションは要するに白質ジストロフィー(の症状)に効く薬と使用上の注意です。今回の大会を通じて印象的だったのは、米国の患者の家族は、服用している薬について非常に意識が高く、医者任せにしていないということでした。お互い情報も交換しているし、選択もしているようです。これは一つには米国では医薬分業が進んでいて、診察(患者と医者の関係)、投薬(患者と薬局の関係)が分かれているせいではないかと思います。なお、このセッションは白質ジストロフィー患者全般に対するものであるため、成人型の患者や、若年型の初期症状にしか意味のない薬も含まれていると思われます。
◆緊張(原語ではspasticity=痙縮と表現)に効く薬
- Baclofen
- diazepam
- dantrolene
- clonidine
- tizanidine
白質ジストロフィー患者の症状でもっとも問題になるのは緊張である。緊張は患者にとって辛いだけでなく、それを続けることは実際には運動しているのと同じことなので非常に疲れる。(それほど症状の進んでいない若年型の患者や、成人型の患者の?)症状の一つとして疲れやすさがある理由の一つもこれだと思われる。緊張した筋肉は延ばす必要がある。また、非常に強い緊張は間接などにも負担をかける。
Baclofenは代表的な緊張緩和の薬で広く使われている。diazepamも似たような効果と副作用がある。clonidineは低血圧の副作用があるが、パッチによる経皮投与が可能という特徴があり、場合によっては便利かもしれない。また、米国ではまだ認可されていないが、他の国では既に使われているBotulinum toxinに個人的に注目している。この薬の特徴は症状に直接効くことで、筋肉注射を行う。chemical
denervation(筋肉的神経遮断?)の効果がある。また、これらの薬の経験から言えることとして、もともとMLDのための薬として開発された薬はない(市場性がないから)が、パーキンソン病の薬がけっこう使えるということだ。
◆behavior(刺激への反応?)に効く薬
- Dexidrine
- Ritalin
- Cyler
- Tricyclic antidepressants
※これは成人型患者の話のようなのでよくわかりません
◆depression(抑鬱症状)に効く薬
- Selective serotonin *Prozac
- Tricyclic antidepressants
- Lithi
※これもおそらくALDの成人型患者などの話だと思うのでよくわかりません。
◆agitation(動揺?)、aggression(攻撃性)、thought disorders(思考の混乱?)に効く薬
- Mellaril
※これも成人型の話でしょう
◆苦痛を緩和する薬
- Anti-inflammatory agents
- Carbamazepine =>tegretal
- Opiates
※カルバマゼピン(商品名テグレトール)は抗痙攣(てんかん)剤として使われていると思っていましたが、それだけではないようです。これは知りませんでした。以前クリビット先生と面談したときは、米国の患者もテグレトールはよく使うと言ってましたが、私の聞いた範囲ではテグレトールを使っているという患者の家族はいませんでした。ただ、このあたりは違う商品名だったりするのかもしれないので、なんとも言えません。全般に米国の患者は苦痛除去に積極的、というか、それとバーターのものがあっても苦痛緩和の方を選びがちという印象を受けました。
◆seizures(発作)に効く薬
- Dilantin
- Phenobarbital
- Tegretol(No erythromycin)
- Depakote
※このあたりは日本の患者の家族もお馴染みだと思います。
◆便秘に効く薬
省略
※いろいろわからないこともあったのですが、日米の医療事情の違いもあるだろうし、薬や効果については専門用語も多く、ちょっと私の英語力では質問のしようがないので、内容に怪しい部分もあります。
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