McIntosh C1100 Tube Preamplifier

マッキントッシュ C1100
真空管 プリアンプ






ウルトラシャープな音像と
真空管とは信じられない超低ノイズ



C1100は、一般にイメージされている真空管
アンプの音を期待すると、かなり違っています。
マッキントッシュが時代最高のプリを作ってみたら、
その素子は、たまたま真空管だっただけで、
これが最新の半導体アンプの音であっても
まったく違和感のない音です。




2017/4/2の追記感想
 C1100は導入から約3か月たって、当初の試聴で予想していたのをはるかに上回る快適な音で鳴っています。DEQ2496で調整できることとは縁がない方向の音の改善であるので、いろいろと考えさせられます。

 DEQ2496さえあれば、プリアンプが不要なわけでは、もちろんないばかりか、逆にDEQ2496があったから、プリアンプの差がますますよくわかる。加えて、DEQ2496がいかにお安くとも、全体のボトルネックにはなってもいないのにも自信を深めました。C1100とのコスト差は50倍を越えますが、まあ、それもオーディオの面白さの一つでしょう。

 C1100は、いわゆるストレートワイヤを目指すアンプでないことは確実で、何かを追加して、それが故にとてつもなく音が良くなってしまう。プリ出力なので、録音して比較することができませんが、そこは、気のせいとか言える範囲をはるかに超える差がありました。

 ちなみに、アナログディスクにあってCDにない「なにか」を追加している気がしたMPD-3(DAC)とは違い、C1100は、アナログディスクの再生に使っても、追加するその「なにか」が過剰にはなりません。アナログディスクもますますよくなる。しかもCDも、「なにかが足りない」とまったく思わせない音で鳴る。何が違うのかな。



以下、当初からの本文です。

 
C29C40C46を引き継いだ私のプリアンプは、結果としては当然とも思えるC1100でした。でも、ここに至る道は、意外に遠い道のりだったのです。

 
実を言えば、DEQ2496の導入によってC46の8素子イコライザが必須ではなくなった段階で、次はマッキントッシュ以外のプリもありうると考え、2年ほど前から各社プリアンプをサーチしていました。

 お店での試聴はもとより、自宅試聴までさせていただいたプリもあったのですが、どれも、「C46を凌駕する」 とは思わせてくれなかったのです。
 もちろん、それぞれに良さはありますが、「C46が断然良いよな」 と思わせる点もあったりして、なかなか、私が目指すプリには出会えなかったのでした。
 実際、
試聴すればするほど、C46とJBL4344の相性は群を抜いているのがわかりました。耳障りな音を巧みに緩和しつつ、美しい音を聴かせます。


 そんな2016年の年末近く、マッキントッシュ、C1100を自宅で試聴させていただく機会を得たのです。

なぜC52ではないのかというと、あの高さではうちのラックには入らないから。C1100なら二筐体になるとはいえ、C46と同じ高さなのです。だからマッキントッシュが買えるとしたら、これしかなかったのです。


まずフォーカスに驚く!
 聴きなれたマッキントッシュの音色でありながら、その音像のフォーカスが非常にシャープ、つまり個々の音像のサイズが非常に小さく収束する。

 最初に聞いた時は、
「スピーカーがELACに切り替わっているな」とマジで思って、スイッチを確認に行きました。 でも、JBL4344から出ている音なんです。え、そんな馬鹿な・・・。

 音の定位や分離がいいのとは、ちょっと違います。定位も分離も、基本これまでと近いのですが、個々の楽器の音のサイズがはるかに小さいのです。もちろんボーカルでは人の口も小さい。これまでのELAC-310CE級です。こんなことがアンプの差で可能なの? 同軸型でもない、4Wayの4344のままで? 


次に静寂感に驚く!

 このウルトラフォーカス音像に驚いているうちに、一曲が終わり、
曲間の無音状態での静けさに、度肝を抜かれました。
 え、これってプリのS/Nが良いってこと? 

 残留ノイズなんて聴こえていないと思ってましたが、暗騒音として、感じていたのですね。それがなくなると、はっきりと 「静かになった」 とわかるのです。

 
DACのD-02xは、ソースに入っているノイズを減らしてくる。だからノイズ低減用AI内蔵か、と表現しましたが、C1100の静寂は、そういうデジタル・マジックとは異なる。曲が終わり、編集エンジニアがボリウムを絞りこみ音声信号がゼロレベルになる時、さらに暗黒に引き込まれていく感じ・・・。 要するに:

曲間で部屋が静まり返っている。




今さらですが
C1100は真空管アンプです

 
私は、デジタル派でもアナログ派でもない。A級派でもAB級派でもない。もちろん真空管派でもない。

自分で聴いた音だけが選択基準。方式やデバイスにこだわりはありません。

 もちろん、真空管アンプの音の良さは認識していました。その一方で、S/Nがいまいち、という印象も、多分多くの人と同様に、持っていました。
 でも、現代の真空管アンプはそんなことないのです。中でもC1100は、電源を別筐体に分け、完全バランスアンプとした威力もあるでしょう。


 一方、C1100の音像サイズの小ささは、まさに真空管のトランジェント特性や位相特性の良さを反映しているのではないかな。


音に慣れるまでは、気味が悪いほどのスーパーフォーカス。
トライアングルが本当にステージ奥の方の
 1点 で、チーン と鳴る。 バイオリンの音も、小さい楽器に持ち替えたかと言うほど一回り小さい。チェロは小さくならないけど、音の位置が正確。弦楽六重奏曲では、たしかに六人いるなあ、とわかるし。3重奏、4重奏なら演奏者がわかるのが当然でしたが、6重奏の変化は意外。女性ボーカルも顔が、というか、口がとても小さい。ピアノは、録音スタイルにもよるけれど、接近して録っている例では、手の動きまで見える。これは不思議。スピーカーがJBL4344のままでは、こんなことは絶対に実現しないと思っていました。


そうはいっても
DEQ2496はやはり必須

 もしDEQ2496による左右バランスの正確な調整がなければ、このC1100のピンポイントフォーカスには気が付かなかったのは確実です。

 「S/Nがいいな、高域の立ち上がりがなかなかいいな」とかいうだけに終わっていたでしょう。

DEQ2496による調整があったからこそ、その価値に気が付けたのだと思います。




アナログディスクのS/N比までも改善!

 フォノイコライザは、フェーズメーション EA-3IIのままで、C1100のフォノイコライザ―は使っていないのですが、ちょっと意外だったことに、EA-3IIの出力のノイズが、-3dBほど減りました。
  
C1100内蔵フォノイコライザについてはこちら

私のデジタルシステムは-80dBまでレベルが直読できます。今まで、フォノイコライザの出力には、-78dBくらいのノイズがランダムに入っていましたが、C1100にプリが変わってからは、-80dBまででは、ノイズが測定不能です。
        
オカルト現象ではなくて、科学的理由があります。下の写真のように、LPプレーヤーとEA-3IIの間に、プリがあるからなのです。MCカートリッジからの出力がプリのうしろを通り、EA-3IIに行くので、ここでノイズを拾っていたということです。
     


上からトーレンスプレーヤ、C1100アンプ部、フォノイコライザ EA-3II、C1100電源&制御部

 C46は、筐体にAC電源が入っていたわけですが、C1100のアンプ部(写真の上側)には、コントロール部(下側)からDC電流しか供給されません。だから、周辺に放射しているノイズがC46より少ないのです。これは、予想していなかった利点でした。
 まあ、もっと近くにイコライザを置くというのが本当は正しいのですが、置き場所がないのです。


 ちなみに、誘導ノイズには気を使っていて、イコライザへのフォノケーブル(アース線付)は45cmの極短線、さらに外にはアルミホイルを巻いてアースに落とした
こだわりの二重シールドにしてあって、もちろんAC線からは十分に離してあったんです。それでもハムを拾っていたってことですね。



エージングの様子

 購入して電源を入れた直後から、試聴機とは違いますが、結構いい音がしてましたので、そのまま調整を始めてましたが、やはり初期変化は小さくなく、時間の無駄になりました。

 電源を入れておくだけではあまり変化がないようなので、出力をヘッドホンにし、ハイレゾをリピートにして入力。音量は普通聴くレベル。そのまま30時間ほど放置して置いたら、ようやく音は安定。

 最初からこれをやったほうが早かったと思いました。
 その後は、よく安定しています。



電源投入後の音の変化


 真空管で現実の問題として気になっていたのが、日々の電源投入後、どれくらいで音が安定するのか、でした。
 

さすがに、真空管は電源を入れっぱなしにはできないから、C1100は電源を毎日オフにせざるを得ないでしょう。

 もともと、自己発熱する真空管は立ち上がりが早い、という常識は知っていました。それが1分か、10分か、1時間か、という問題。
ONにした時のC1100の動作
 まず、スタンバイからONにしますと、10-20秒ほど
真空管のLED照明がオレンジ色に変わります。いかにもWarmUp中みたいな感じ。
 そのあと、
照明が緑に変われば、ミュートがOFFで、音出しが可能になります。

 音を聞いてみると、まあ、ほぼ出だしから問題ない音です。ちょっとだけ高域がうるさいのが緩和していくのに3分とはかかりません。

正直、これはC1100のせいかどうかさえ微妙な範囲。これまでも音が出ていない時間が長いと(数時間とか)、音が落ち着くのに数分かかっていました。

 現実には、まずONにして音を出してから、ちょっと着替えなどして10分ほどで戻れば、最初から安定した音が聴けます。
 これなら、毎日電源オフでもまったく困りませんね。省エネだし。

毎日電源オフから音の安定を待つのは面倒かも、
というのは、まったくの杞憂でした。



小音量での楽しみ
 私は割と大音量で聴くことが多いのですが、C1100では、小音量でも別の良さがあります。

 以前は、音を小さくすると、音像は同じ大きさのまま、単に音が小さくなるだけだったのですが、
C1100では、音量をすこし絞ると、その分、音像も小さくなって、ちょっと距離が遠ざかり、なんか舞台に演奏者がいる感じが出てきます。
 バイオリン独奏などだと素晴らしいです。




C1100の二つの筐体を収めるため、やむなく、D-07aは引退しました。LP用のADコンバータは、ADI-2だけに収束したことになります。C46もお嫁入りしていきました。素晴らしいプリアンプであることにいまも変わりないので、あたらしいオーナーのもとで、また大活躍してほしいと思います。



2017年1月31日
2017年2月27日追記
 

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