☆ 星くずの”たわごと” 16 ☆   更新日: 2022年12月25日

** 人間の体を作っている原子はずっと昔に爆発した古い星の内奥部で作られた。その意味で人間は星くずからできているといえる。 **
** 人間の体を作っている原子は原子核とその周りをまわる電子からできているが、その間はとても広く、何もない真空といえる。 ****

                                      
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☆ 2022年12月25日 : ご購読ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

油彩画846:ショカツサイの花畑 水彩画544:パタゴニア・ペリト・モレノ氷河 水彩画545:パタゴニア・パイネの角

 今週末は、家内が腰を痛めて歩くのもややきついというので、山中湖行きは断念しました(本当は、山中湖の寒さが老人には厳しくなってきたからです)。

 最近糖尿病の診察を受けに病院に行ったのですが、結果が芳しくなくがっかりしています。今年初めから糖尿病の指標HgA1cの値が悪化してきたので、4月から”リベルサス”という薬を追加しました。その結果一時的にHbA1cが”7.2”と改善したのですが、先月になってそれが”8.4”へと急上昇してしまいました。”リベルサス“という薬は、ダイエット用に市販されている薬だそうで、私の場合は食欲がなくなり、体重が2、3kgほど減ってしまい、なんとなく体力が衰弱したように感じました。それで医師と相談し、”リベルサス”は止め、別の薬”ツイミーグ”に切り替えました。ところが今月の診察では、HbA1c値が”9.1”とさらに急上昇し、過去最高の値になってしまったということです(食前血糖値も過去最高の”224”という異常値になりました)。医者も原因がよくわからないで困っているのですが、私は”リベルサス”で体重が大幅に減ったので、体力回復のため少し間食などを増やしたのが原因なのかなと想像しています。しかし本当の原因はわからないので、気持ちが落ち込んでいます。
ました。

 終活報告ということではないのですが、最近ずっと読み続けていた英文の物理学書をようやく読み終わりました。タイトルは”Electronic Processes in Materials(物質内の電子プロセス)”で、大学の研究室に入ったときに購入したものです。貧乏学生だったので、高価な専門書を買うときはいつも躊躇したものです。本文は440ページもあり、量子力学をまったく知らない当時の私にとっては、内容も超専門的で、さっぱり理解できませんでした。退職してから今回二度目の読破?でしたが、退職後量子力学を少し自習したので、理解は少し進んだような気もします。でもやっぱり私には多くが理解困難でした。まだ目が見えるうちに、次の英文の数学書でも読んでみようかと思っています。

 今回の”終活”作品は、2014年2月3日から2月15日に旅行したアルゼンチンとチリにまたがるパタゴニアのツアーの思い出の絵です(=>わんだふる パタゴニア(アルゼンチン&チリ)。左の絵は、ぺりト・モレノ氷河で、先端が約30mの壁となって広がる氷河を見て驚きました(手前で氷河見学している人物の大きさと比較してみてください)。この氷河の上をアイゼンをつけて散策?したことが思い出されます。右の絵は、パイネの角という奇怪な形をした氷河に覆われた山です(氷河湖が間にあるのですが隠れています)。名物の強風で飛ばされそうになりながら散策?したことが思い出されます。油彩画は家内が描いたものです(家の近くの林の中の花畑です)。


☆ 2022年12月18日 : 日本は憲法9条の戦争放棄から軍事国家に方向転換しました

 今週末は、山中湖は雪が予想されたので行きませんでした。

 最近、岸田自民党政権(公明党支援)のすさまじいまでの”戦争をする国への転換”がマスコミを賑わせています。例えば、12月17日の朝日新聞のトップで、「戦後日本の安保転換」と大々的に報じています。ただ、報道内容は”安保関連3文書決定”による”敵基地攻撃能力保有”、”防衛費1・5倍”、”その財源のための増税実施”ということが中心となっているにすぎません。「そもそも違法な軍隊をなぜ保有し、増強するのか」についての問題点がまったく取り上げられていません。
油彩画845:雪の降る村 水彩画543:トルコ・イスタンブール

 今回の”戦争する国への転換”は、安倍自民党が進めてきた反動政策の延長にすぎません。安倍は、”憲法9条改悪”を掲げ、自衛隊を法的に認知された国軍に格上げし、日米安保条約の延長として日米の対等軍事同盟を構築することによって”真の一流国家”になることを目指していました。そして、安倍は長期政権の下で軍事国家への道を着々と進めてきました。しかし、安倍が、マスコミを抱き込み、国民をだましながら進めてきた、自衛隊の海外派遣、集団自衛権の容認などは、もう話題にも上らなくなってきたようです。立憲民主の泉などは、”軍備の増強は必要だが、議論をしないで独断的にで進めるのはけしからん”と言う始末です。あほじゃないですか?

 マスコミは、中国の台湾”侵攻”脅威、北朝鮮のミサイル開発・核武装の脅威、またロシアによるウクライナ”侵攻”の脅威などを、アメリカの手先になったように毎日報道し、一生懸命国民を脅しています。もっと国際政治の背景をきちんと報道してもらいたいものです。これらの問題は、そもそもアメリカの帝国主義による世界戦略に問題があり、日本がそのアメリカの世界戦略に乗っかっているから生じている問題でもあります。日本は、自国の安全をすべてアメリカに依存するのではなく、外交を通じて問題解決に努めるべきです(その時は、経済の問題が立ちはだかるでしょう)。日本が武力を強化して、アメリカと一緒になることによって、アメリカの資本主義防衛に巻き込まれ、戦争を始めることが、真の日本のリスクではないでしょうか。

 マスコミに期待するのも無駄ですが、マスコミが取り組むべきことは、今回の軍事化方針の転換だけではなく、自公政権の反動政策の実態を鮮明に暴き出すとともに、無能な野党を覚醒し、国民に自民・公明・維新・国民民主等の反動勢力の打倒を国民に呼びかけることのはずです。そうでなければ、戦前のように日本が再びアジア侵略戦争に進んでいくことに加担することになってしまいます。日本皇軍のアジア侵略を忘れたわけではないでしょう。といっても、もう戦争のない平和への道に戻ることはないのでしょうね。あきらめるしかないようです。もう進路を変えることはないようですね。 


☆ 2022年12月12日 : 日本は”戦前”のような状況になってきました

油彩画844:孫の肖像 水彩画541:トルコ・カッパドキア 水彩画542:トルコ・エフェソス神殿遺跡

 今週末は山中湖へ行かず、所沢の音楽ホール”ミューズ“に行って、辻井伸行のピアノコンサートを楽しんできました。演奏曲は次の通りです。 1)ベートーヴェン ピアノソナタ第17番 テンペスト、2)リスト 巡礼の年第2年への追加 ヴェネツィアとナポリ、3)ラヴェル ハイドンの名によるメヌエット、亡き王女のためのパヴァーヌ、水の戯れ、4)カプースチン 8つの演奏会用エチュード。 アンコールを3曲も演奏してくれたので、観客は大喜びでした。

 今回の絵は、2013年11月に訪れたトルコの思い出の絵です(=>わんだふるトルコ遺産巡り)。左の絵は、トルコの超有名な観光地カッパドキアの風景です。私は、早朝熱気級に乗って空からカッパドキアの風景を眺めましたが、とても素晴らしかったです。右の絵は、紀元前に栄えたエーゲ海沿岸の都市エフェソスにあった神殿跡の絵です。こちらの遺跡は破壊されていましたが、昔の栄華がしのばれました。油彩画は家内の描いたものですが、さっぱり似ていません。今再挑戦しています。

 ところで、最近我が皇軍”自衛隊”の戦力増強をめぐる陰謀が騒がしいですね。日本を再び”当たり前に”戦争できる国にしようとしています。1947年に敗戦した日本は戦争をしないことを目指してきたのではないですか?それなのに、日本が戦争できるように軍備を増強しようとしています。最近の議論では、軍備の増強は前提になっており、その財源を増税で賄うべきかどうかなどと話が進んでいるようです。これも、あの安倍が国民の目をだまし、着々と戦争ができる国へと道筋をつけてきたからです。彼の”功績”は大きいですね。立憲をはじめとするあほな野党の連中も、戦争をしないためにどうするかなどは全く頭になく、政権の作り出した土俵に乗っかって、戦力増強の議論の渦の中に巻き込まれています。日本の政治状況はまったく支離滅裂です。国民も、やれ中国・台湾だ、やれ北朝鮮だ、さらにはロシアのウクライナ侵攻等々とマスコミに洗脳されて、戦争への道にまっしぐらに突き進んでいるようです。日本はまさに次の”戦争”の”戦前”の時期に来ているような感じがします。

 こんな中で、日本共産党の志位委員長がややまともな発言をしているようです。しんぶん赤旗日曜版(2022.12.4)の記事の概略を一部掲載します。

 「”日本は大きな岐路に立っている。戦争の心配のないアジアを進むのか、軍事対軍事の危険な道に進むのか、二つの道が問われている”--。日本共産党の志位委員長は記者会見(11月24日)で、この間の党独自の外交活動を踏まえて、政府自民党の外交方針を厳しく批判。東アジアすべての国を包摂する平和の枠組みの構築を訴えました。 以下略」

 「アジアの平和の流れとの対比で、志位氏が強く批判したのが政府の有識者会議(私的意見:軍国化推進知識集団のようなものです)の報告書です。”一言でいえば『戦争国家づくり』の青写真だ”と厳しく批判し3点を指摘しました。第一は、報告書が”反撃能力”=敵基地攻撃能力の保有と増強が必要だとして、今後5年を念頭に、同能力を持てるようにするとしている点です。”相手国に脅威を与えるような能力を保持することは憲法上できない”とした従来の政府解釈との整合性をどうとるのかはあ一切書いていません。 以下中略  第二は、大軍拡の財源です。報告書は、”国民全体で負担する”としながら”企業の努力に水を差すようなことのないよう、議論を深めていくべきだ”としています。 以下中略  第三は、報告書が外交不在、軍事一辺倒になっていることです。志位氏は”・・・自民党には『どういう外交で日本の平和を守るのか』は何もなく、軍事一辺倒しかない”と指摘しました。 以下略」

 あきれるばかりです。”中国侵略・人民虐殺”、”朝鮮不法支配”、”満州支配と植民者放棄”、”沖縄戦争や関東大空襲”などなどの悲劇を繰り返してはなりません。皆さんの子供や孫がウクライナやロシアのように戦争に巻き込まれていくのです。欧米帝国主義に引っ張られて、自民・公明・維新・国民民主などの連中に政治をゆだねてはだめです。このままでは、もう引き返せなくなってしまいます。 


☆ 2022年12月06日 : 山中湖はぐずついた天気が続いています

油彩画843:窓際のシクラメン 水彩画539:キルギスの子供たち 水彩画540:キルギス・ソンクル湖&ウスユキソウ

 今週末の山中湖は、またまた曇り空で冷え冷えとし、ほとんど家の中で読書三昧となりました。月、火曜日と全国旅行支援を受けて箱根宿泊に行きました。雨こそ降られませんでしたが、濃い霧に覆われ景色は全然見ることができませんでした。でも、一人5000円の支援は助かりますね。普段は高価で敬遠するホテルでも、何とか泊まることができます。ところが、神奈川県から別途一人3000円のクーポンがもらえたのですが、店によってはスマホのアプリケーションがないと使用ができない仕組みになっておりました。例えば、ポーラ美術館に行って、ピカソの絵画を観賞しようとしたのですが、スマホがないということでクーポンが使えませんでした。無茶苦茶ですよね。公然と新技術に弱い?あるいは新技術が嫌いな年寄りをいじめるのには腹が立ちました。

 先週にもお伝えしましたが、今月からは”終活”で描いた作品を掲載していきます。”終活”作品は海外旅行の思い出の写真を水彩で描いたもので、訪れた国・地域ごとに2、3枚ずつ描いたものです。21年8月22日から22年4月24日まで掲載していましたが、一時中断していたシリーズです。今回の絵は、2013年の夏に訪れたキルギスの思い出の絵です(=>わんだふる キルギス カザフスタン)。左の絵は、チョン・ケミン渓谷の村で少しサッカーボール蹴り遊びをして仲良くなった?少年との記念写真です。右の絵は、放牧民が生活している高地の居留地で、そこの湖畔のテント(”ユルタ”と言います)で一泊しました。とても寒かったのを覚えています。花は雑草のように見ることができるエーデルワイスの仲間です。油彩画は家内が描いたものです。


☆ 2022年11月27日 : 庭仕事がなくなって、あちこち出かけました

油彩画842:残雪のある白樺林 水彩画354:府中郷土の森の池 大菩薩ライン(柳沢峠)から見た富士山

 今週末の山中湖は、雲が多めで、冷え込みはさほどでもありませんでした。久しぶりに富士山の西側の朝霧高原までドライブに行ってきました(田貫湖にも行こうとしたのですが、道標が不親切で、道に迷い、行きそびれてしまいました)。朝日新聞が富士吉田の下吉田で市主催の”布の芸術祭(Fuji Textile Week)”が開催されていると報じていたので、どんな祭りなのか見学に行ってきました。下吉田の商店街は、全国の地方都市の商店街と同じく、シャッターで閉じられた店が多く、すたれていました。そんな中で、10数軒ほどの空き店舗や古民家を利用して、わずかな織物や芸術作品?などの展示がありました。それらを見て回るのに、チケット1000円が必要ということでしたが、チケットを買わないでも展示場に入れてくれました。展示内容からいったら300円程度ではないか?と思いました。来年はもう少し工夫をしたほうがよいのではとも思いました。

 東京への帰りは、久しぶりに大菩薩ラインを通って、柳沢峠を越え、奥多摩、青梅経由で戻りました。奥多摩湖付近では紅葉が少し残っており、観光客も結構出ていたようです。大菩薩ラインがほぼ完成したようで、すばらしいドライブでした。峠近くからの富士山が素晴らしかったので写真を撮りましたが、私は山歩きはもうできないので、ほとんど素通りでした。

 久しぶりの油彩画は家内の作品です。水彩画はひばりが丘カルチャーでの”風景スケッチ”での作品ですが、このシリーズは当面休止し、来週からは”終活”で描いた作品を掲載していきます。


☆ 2022年11月20日 : 山中湖は冬の到来が近いことを知らせています

水彩画352:八王子みるく工房ピュア 水彩画353:国分寺コーヒーショップ 我が家の西の向こうの御殿の風景

 今週末の山中湖は、木々がすっかり葉を落としてしまい、林が明るくなりました。朝はマイナス2度まで下がり、車は霜でおおわれてしまいました。11月9日で報告しましたが、西隣の家が大木を伐採したため見通しがとてもよくなり、その向う隣の立派な御殿がちっぽけな我がログキャビンを見下ろしているように見えます。久しぶりに、富士吉田の吉田散策公園と北富士組合公園?を散策してきました。散策にはよい場所と思いますが、ただ植林をして散歩道を整備しただけの広大な土地といったイメージで、特に面白くもありませんでした。

 20日(日)の朝9時半ころ、湖畔の国道413号線を平野に向けて多くのパトカーや救急車がサイレンを鳴らして走っていきました。最近はサイレンの音は珍しくもなく、交通事故でもあったのかなくらいに思いました。ところが夕方のTVで、山中湖村の平野でツーリングしていたバイク同士が正面衝突をする事故があり、一人が死亡、一人が意識不明の重体、それに後続のライダー二人がけがをしたと報じていました。事故現場は、413号線の筑波大付近のゆるいカーブのなだらかな坂道らしいのですが、バイクが正面衝突するのは珍しいですね。


☆ 2022年11月13日 : 今週末は東京に滞在し、美術鑑賞しました

水彩画350:八王子長池公園見附橋 水彩画351:旧国立駅舎 新国立美術館(日展会場)

 今週末は東京に滞在し、美術鑑賞をしました。一つは、新国立美術館で開催されていた日展です。ここは昨年も行ったのですが、迫力のある絵画がたくさん展示されており、圧倒されました。洋画(油彩画)を見るだけでおよそ2時間かかり、大変くたびれましたが、気に入った写真をたくさん撮ったので、これから模写でもしてみようと思っています。もう一つは、清瀬郷土博物館で開催されていた多摩5都市美術家展です。こちらは多摩5都市に在住の美術家の絵画展(油彩画、水彩画、日本が等)です。サイズが小さいので迫力は劣りますが、気に入った絵も数点ありました。私もいつかは作品の展示ができればと思うのですが、とても無理無理ですね。

 終活の読書報告はもうやめましたが、最近山崎豊子の長編小説を読み終えたのでここに紹介します。一つは、「華麗なる一族 上・中・下」で、もう一つは、「不毛地帯 1〜5」です。どちらも大作でしたが、久しぶりにたいへん面白かったので、一生懸命読みました。どちらも実際の銀行や鉄鋼会社、商社、政界などをモデルにした内容なので、イメージがわいてとても分かりやすかったです。特に不毛地帯の主人公”壱岐正”は、戦前の皇軍大本営参謀本部の参謀であり、敗戦時にソ連に連行され、11年間シベリアに抑留された瀬島龍三がモデルということで、その過酷ながら醜い人生がとてもよく描かれており、一気に読んでしまいました。現在は、塩野七生の大作「ローマ人の物語」文庫本全43巻の読破に取り組んでいます。 


☆ 2022年11月09日 : 今週末は紅葉を堪能してきました

水彩画349:CANONカメラ 我家の前の紅葉の道 隣家のカラマツ伐採 山中湖村山中の剣丸尾溶岩壁

 今週末の山中湖の紅葉は最高潮で、とてもきれいでした。今年は急な冷え込みがあったので、例年に比べても美しさがひときわでした。

 隣家では、カラマツの大木(直径70〜100cm)をクレーン車を用いて伐採していました。我が家との境界にある大木なので、すっきりしました。我が家もカラマツの大木が5本あるので伐採したいのですが、相当な費用が予想されるので今一つ決断ができません。

南アルプス(北岳・甲斐駒岳・鋸山) 八ケ岳南麓富士見高原の紅葉

 久しぶりに、山中の剣丸尾溶岩の露頭を見てきました。ほとんどの人はその存在を知らないでしょうね。 久しぶりに、山中の剣丸尾溶岩の露頭を見てきました。ほとんどの人はその存在を知らないでしょうね。

 政府の”全国旅行支援”が始まったので、これ幸いと6日(日)から原村と富士見高原に行ってきました。こちらも晴天に恵まれ、紅葉がとてもきれいで感激しました。クーポンをもらったので、先月にも行った”たてしな自由農園”へ行って、たくさん買い物をしました。美しい紅葉の山を背景に、ホテルとホテル前の池を油彩でスケッチしました(6番目の写真です)。この紅葉の美しさをどう表現できるか楽しみですが、私の技術では難しそうですね。


☆ 2022年10月30日 : 山中湖夕日の渚紅葉まつりが始まりました

我がログキャビンの紅葉 紅葉まつり(光のアート) 紅葉まつり(光の水族館) 土起こしをした畑

 今週末の山中湖の天気は、やや雲が多かったですが、ようやく晴れ間も見えるようになりました。気温も朝は5℃位まで下がるようになり、ようやく樹々も紅葉してきましたが、見頃は来週以降のようです。我が家の庭も紅葉で賑やかになってきました。カツラ(黄〜橙)、ナツツバキ(黄)、ヤマボウシ(赤褐色)、サラサドウダン(赤)、イタヤカエデ(黄)などがきれいです。

 恒例の紅葉まつりが28日(金)から始まりました。湖畔の紅葉はまだ早いです。今年は、”チームラボ山中湖”という団体が、”呼応する生命とお絵かき水族館”というテーマで”光のアート”?を展示していましたので、ちょっと見学してみました。テーマの意味も展示内容もよくわからないのですが、次のようなメッセージがありました。 
水彩画画348:昭和記念公園
 「アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、さまざまな分野のスペシャリストから構成されている。アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。」 入場料500円もとられて、わけのわからないつまらない展示だと思いました。

 自分と世界の関係を認識するなどといった難しいことは関知せず、現実の世界として落ち葉拾いや草取り、畑の土起こしに精を出しました。先週腰痛が少し出たのですが、今週もちょっと腰が痛かったので、気を付けながら少しずつやりました。

 今回はちょっと変わったことがありました。夜の10時頃、玄関から人の声が聞こえましたので、デッキのライトをつけて外に出てみると、一人の老人がおりました。”何か御用ですか?”と聞くと、その人は”道に迷って方角がわからなくなったが、ここはどこですか?”と聞いてきました。”ここは中区x丁目XX番地ですが、どちらへ行かれるのですか?”と聞くと、その人は”あざみが丘X丁目xx番地の自宅へ行きたい”と応えました。その住所は我が家よりずっと山の上の方だったので、私もよくわからず、別荘地の地図をもってきて、あざみが丘方面へ行く道を教えました。その人は不安ながらも、とぼとぼと山な方へ歩いていきました。別荘地に疎くて道に迷った人は何人も経験していますが、別荘地の住人が真夜中に道に迷って方向がわからないという人は初めてです。その人は、翌日我が家に来て、”ありがとうございました。教わった道はいつも通る道でした”といってあいさつされました。無事に家に帰られたので安心しましたが、何と不思議な話ではないでしょうか。


☆ 2022年10月23日 : 今週末は前半曇りでその後はようやく快晴

水彩画画346:多摩中央公園 水彩画画347:パイナップル&レモン 紅葉し始めたカツラ 狂い咲きのヤマツツジ
 今週末は、東京が快晴にもかかわらず、山中湖は21日(金)と22日(土)の午前はどんよりとした曇り空でした。しかし22日(土)午後になってようやく空が晴れ渡り、23日(日)の朝は放射冷却で5℃まで下がり、ようやく秋らしい天気となりました。山中湖の樹々も、この寒さで少し紅葉を始めたようです。家のカツラが、上部からオレンジ、イエロウ、グリーンとグラデーションの彩りとなり、とてもきれいでした。ところが、ヤマツツジがこの季節に赤い花を数個咲かせています。異常天候のために植物の季節感が狂っているのでしょうか?はじめてです。

 晴れの合間をみて、屋根の一部の汚れ(コケなど)の拭き取りをやりました。年をとると、2段はしごでの作業は躊躇しましたが、家内の支援を受けながらなんとかやりました。朝夕は寒くなってきたので、今シーズン初めて薪ストーブを点火し、暖をとりました。薪ストーブは暖かくて良いのですが、薪の在庫が少なくなってきたので、いつまでもつか心配です。
今シーズン初の薪ストーブ点火


☆ 2022年10月17日 : またまた今週末も雨模様でした

 14日(金)、久しぶりに八ケ岳山麓の原村に行ってきました。中央高速に乗った時は雨模様でしたが、笹子トンネルを抜けると青空が広がり、絶好のドライブ日和となりました。久しぶりの八ケ岳、南アルプス、奥秩父連峰に先ずは感激しました。

 原村では、マーケット”たてしな自由農園”で買い物を楽しみました。ソフトクリームがおいしかったです。その後、富士見高原の”八峯苑鹿の湯”で温泉に入り、リラックスしました。
水彩画画344:高尾山ケーブル駅 水彩画画345:片倉城跡公園

 入浴後気分よく山中湖へ向かったのですが、富士五湖の天気は甲府盆地と違って雨模様でした。翌15日(土)も雨が続き、外の作業も無理なため、早々と東京に戻ってしまいました。本当に今年は雨続きでがっかりです。


☆ 2022年10月10日 : またまた今週末は雨模様でした

水彩画画343:コーヒーミル&レモン フジアザミとホウジャク(スズメガ) マー君のゴウヤ 隣家境界の排水溝の設置

 今週末3連休も、曇りまたは強い雨にたたられました。毎週末の悪天候にうんざりしています。湖畔を散策していたところ、ハチドリのような小さな昆虫がフジアザミの花にとりついて蜜を吸っているのを見つけました。日本には当然ハチドリという鳥はいませんが(私はカナダの山で見たことがあります。とてもかわいい小さな鳥でした)。でもハチドリにとてもよく似た姿で(大きさは昆虫ですから当然小さいです)、花の前でホバリングしながら長い口吻を出して密を吸っていました。家で調べたらスズメガの仲間のホウジャクというガであることが分かりました。ハチではないので刺されないようです。とてもかわいいでした。

 9月にマー君のお母さんから小さなゴウヤの苗を受け取り、成育を依頼されたのですが、それが大きく育ち、3つも実をつけました。9月はもう寒いので実をつけることはないと思いますといったのですが、沖縄の植物なのに寒さに強いのですね。驚きました(マー君一家は秋以降は山中湖へはほとんど来ませんので、写真を撮って渡すことにします)。

 9月26日付けで報告した北西のパーキングの水害(大雨の水で砂利が大量に流され深い溝ができた)は、隣家の庭(最近いろいろと整地?を行った)からの大量の水が隣家より低い我が家のパーキングに流れ落ちたことが原因だと分かりました。隣家からの水を止めるのは難しいので、隣家との境界にブロックを並べ、排水溝を作ってそこに流すようにしました。実際に水流がうまくコントロールできるかは、大雨が降ってみないと分かりませんが、今後様子を見ようと思っています。


☆ 2022年10月03日 : あの長谷川清司ジャズバンドが忍野にやってきた

水彩画画341:深大寺参道 水彩画342:府中大國魂神社 塗装したデッキ

 珍しく、今週末の3日間は快晴の青空が続きました。朝は放射冷却で10℃まで下がりますが、日中の日差しは強く、庭作業していると汗ばむほどでした。この晴天を逃してはならぬということで、懸案だったデッキの塗装を行いました。デッキの板は一部腐朽していてボロボロですが、補修をやってあるのでとりあえず見栄えは少しよくなりました。また、天気が良かったので、文学の森に行って油彩画のスケッチ(ラフデザイン)をしました。キャンパスに風景画を描くのは2回目ですが(1回目は所沢航空記念公園で描きました)、なかなか楽しいものです。老後の活動にはよいですね。

 2日(日)には、何と久しぶりに、あの長谷川清司のジャズを聴くことができました。刑部コンサートがなくなってからは長谷川さんのジャズを聴くことがなかったので感激しました。場所は、忍野村の承天寺(ジョウテンジ)の本堂で、7、80人が集まり、皆さん楽しんでいました(中間休みには、お茶とお菓子が供されました)。演奏メンバーは、長谷川清司(Drums)、板垣光弘(Piano)、ジャンボ小野(Bass)の3人。主な演奏曲は、1.Route66、2.Smile、3.Sunflower、4..シェルブールの雨傘、5.A Night in Tunisia、6.How High the Moon、7.Blue Aranjuez、8.Satin Doll、9.与作、10.Caravan でした。寺の住職によると、ジャズコンサート初回は2019年で、その後コロナで休み、今回の演奏が2回目だそうでした。これからは毎年行う予定とのことでした。先がちょっと長いですが、楽しみが増えました(来年以降も山中湖へ来れたらの話ですが)。よかった、よかった。


☆ 2022年09月26日 : 今週は台風が東海・関東接近!

 今週末は、先週に続いて台風が東海・関東地方に接近しました。ログ・キャビンが心配なので、台風が過ぎるのを見計らって。24日(土)午後に山中湖に向かいました。
大収穫のキュウリとナス 清掃前のブロック壁 清掃後のブロック壁

 大きな被害はありませんでしたが、駐車場の砂利が流され、大きな溝ができていました。早速道路に流された砂利をかき集め。修復しました。やれやれです。でも、天気は台風一過とはいえず、曇り空が続いています。うれしいことに、マー君一家が我が家に訪れてくれました。1か月振りでしょうか。マー君が小学校(アメリカンスクール)に通い始めたので、今年はこれが最後かもしれません。少し寂しいですね。

 被害ではないですが、10日ほど開けたので、キュウリがたくさん採れました。中には長さ30cmほどの巨大なキュウリも数本ありました。処分に困るほどです。ナスも少し採れました。近所の人とマー君のおうちにおすそ分けしました。

 敷地の南隣のブロック壁がオレンジ色のコケ(菌?)で汚れていたので清掃しました。コケが再生しないように、少し漂白剤の入った水で壁を洗ったのですが、効果があるかわかりません。要観察です!
水彩画画338:谷保天満宮 水彩画339:篭とオレンジ 水彩画340:小金井公園の門


☆ 2022年09月18日 : 台風が日本列島縦断!

 今週末は、台風日本列島縦断ということで、東京に体際しました。16日(金)は久しぶりに好天となったので、所沢航空記念公園に行って、油彩画の風景(講演の草地に展示されているプロペラ飛行機)を描いてきました。油彩画の風景画は初めてでしたが、面白かったです(完成自体は2,3週間後となります)。

 今回の油彩画は家内の絵で、3月以来久しぶりの掲載となります。少しずつですが上達しているようです?
油彩画画841:テーブルの上の花 水彩画336:高幡不動五重塔 水彩画337:小川のある風景


☆ 2022年09月11日 : 11日日曜日、ようやく晴れ渡りました

水飲み場のオオルリ 水飲み場で野鳥撮影 ナラ枯れのミズナラの木 ?シャクナゲ? カビと苔のブロック壁
 今週末の山中湖はまたもや雨または曇りでしたが、東京へ戻る日の11日(日)は久しぶりに青空が広がり、夏らしい天気となりました。

 何年ぶりでしょうか、近くの大洞の野鳥の水飲み場を訪れてみました。6、7人のカメラ付きの望遠鏡をもった野鳥観察家?が野鳥を撮影していました。根気強いですね。私にはとてもまねができません。でも、久しぶりに瑠璃色のオオルリを観ることができ、感激しました。ラッキー!散策の途中、ナラ枯れのミズナラの木をあちこちに見かけました。被害対策が有効なのか不安です。なんとか鎮まってほしいものですね。
水彩画334:井之頭公園 水彩画335:昭和記念公園

 庭のシャクナゲが一輪の花をつけました。通常は5月下旬ころから咲き始めるので、今回の花は異常です。こんなことは初めてです。どうしたのでしょうね。庭の南側の隣家(保養所)との間のブロック壁(隣家の所有物)がコケとオレンジ色のカビ?で汚らしくなったので、掃除を試みました。こんなことははじめての体験です。壁は6、7段の高さで、長さは25mほどもありますので、大変です。草刈りカマでそぎ取り、水とタワシで洗い流してみました。多分すぐに再生してくるのではないかと思いますので、後で漂白剤などで表面を洗ってみようかと思います。塀の長さが長いので、今回は半分だけやっておしまいとしました。結構辛い仕事です。


☆ 2022年09月04日 : 今週もまた雨降り続きでした

ヤマガラ カワラヒワ ホオズキ&ヒマワリ フジアザミ&ハナバチ 富士急ハイランド
 今週の山中湖はずっと雨が降り続き、時々雨が上がるといった天気でした(日照時間はわずかでした)。あまりにもうっとおしい天気のため、頭にきて昨日土曜日に東京に戻ってしまいました。

 最近は毎日シカさんの群れに出会ういます。車を駐車場に入れようとしたところ、シカさん2頭が”お先に”といった感じで車の前を通って庭に入り、草を食み始めました。車から降りてもこちらを見ているだけで逃げようとはしません。”コラーッ”と言ってやっと追い出す始末です。

 野鳥がヒマワリの種を求めてよくやってきます。こちらは心が癒されます。大きくなったフジアザミの花にハナバチが訪れています。密が多いのでしょうか?
水彩画332:高尾山参道 水彩画333:ボート係留所

 雨の合間を見て富士急ハイランドのふじやまミュージアムを見学しました。富士山の絵をたっぷり鑑賞しました。ジェットコースターのスカイラインが面白かったので写真を撮ってみました。凄いものですね。キャーキャーという歓声?が空に響き渡っていました。


☆ 2022年08月28日 : 雨模様の曇り空が続いています

豪華な巨大フジアザミ 清楚な花を咲かせるイワタバコ 大きなナス 長ーいキュウリ

 今週は、23日(火)から山中湖に滞在しています。毎日雨模様の曇り空の寒い日が続いていましたが、27日(土)午前中だけ久しぶりに青空が広がりました。今年の夏はは猛烈に扱ったり、梅雨のような雨が降ったりと、へんてこりんな天気ですね。ベラルーシの2人の”孫”とお母さんが東京へ戻っていき、静かになったというか、寂しい感じがしています。マー君は9月から新1年生として入学するので、山中湖に来るのはだんだんと難しくなるそうです。また会えるのを楽しみにしています。

 庭にはようやくフジアザミが大きな花を咲かせ始めました。今年は大きな株は5、6株しかなく、1株あたりの花も4,5個と少なく、勢いがありませんが、まあ花冠は豪華ですね。もう一つ、今年も珍しいイワタバコ(イワタバコ科、イワタバコ属)が石壁の上に小さな可憐な花を咲かせました。目立たないのですが、よく見るときれいな花ですね。今年は、体力激減のため耕す畑を縮小したので、野菜の収穫は少ないのですが、それでもナス、キュウリ、ミニトマトがよく育っています。少し東京に帰ってから戻ってみると、キュウリとナスが巨大になってたくさんぶら下がっています。生命力が強いですね。

 ロシアのウクライナ侵攻が半年たっても、終結する見通しが全くありません。日本のジャーナリズムも、欧米の資本主義諸国に寄り添って必死にロシアの”野蛮さ”を”暴露”することに努めているようですが、他方、この戦争を欧米とは違う目で見てロシアを批判しない中立的な国が多く存在しています。エジプト元外務次官のフセイン・ハリディ氏が、8月20日(土)の朝日新聞にそのような考えを述べていますので、紹介します。

 「この戦争は悲劇で、まったく不要な戦いだ。ただ、私たちは欧米が言うようにウクライナの独立や民主主義を守るための闘いだとは見ていない。2003年のイラク戦争もそうだった。米国が自由や民主主義を掲げて始めた戦争は結局イラクの破壊だった。同じことが今、ウクライナで繰り返されている。ウクライナを助けると言って武器をどんどん送り込み、国土がどんどん破壊されていく。欧米はウクライナを犠牲にして、ロシアを倒したいのだろう。欧米の狙いは、第一にロシアが二度と刃向かわないようにすること、第二は、そのロシアと中国の”同盟”を倒すことだ。戦争は最後には交渉と合意によって終わるが、欧米同盟の誰からも、交渉に向けた声が聞こえてこない。」

 「この新冷戦の中で、エジプトなど”第三世界”の国々は自らの立ち位置を決めなければならない。それは”非同盟”を宣言することだ。自国の利益を守るため、いかなるコストを払っても、どちら側にもくみしないことだ。非同盟主義はインドネシアで1955年に開かれたバンドン会議(第1回アジア・アフリカ会議)で始まった。主導したのはインドのネルー、中国の周恩来、インドネシアのスカルノ、そしてエジプトのナセルといった指導者らだった。超大国の代理戦争に巻き込まれた結末はベトナムやリビア、シリアをみれば明らかだ。非同盟主義が戦争を止めると言うつもりはない。戦争をしているのは超大国。私たちは超大国の競争や紛争に干渉しないし、巻き込まれない。非同盟は自国の独立を守るための盾だ。インド太平洋に目を向けると、米国の戦略は中国の封じ込めだ。10年先の将来を見通した時、エジプトはどちらかにつくことに利益を見いだせない。どの国にとっても平和で安全なインド太平洋であってほしい。それは、スエズ運河を起点にその地域とつながるエジプトの利益でもある。」

 日本の国民もこのレベルの考えぐらいはしてほしいと願っていますが、でもやっぱりアメリカべったりにしかならないのでしょうね。そもそも日本の権力者、資本家どもは、アメリカに叱られて日本の資本主義が吹っ飛んでしまうのが恐ろしいので、アメリカの言いなりになるしかないのでしょう。


☆ 2022年08月21日 : 終活(読み直し)の報告は今回でもって終了します

水彩画330:昭和記念公園 水彩画331:府中郷土の森 明見湖のハスの花 マー君の巣箱完成

 今週末は、カルチャースクールの関係で東京に滞在しています。それにしても東京は蒸し暑いですね。先日画材を買いに立川の世界堂まで行ってきたのですが、暑くてへとへとになってようやく家にたどり着きました。富士吉田の明見湖でハスが咲いているというので行ってみました。沼一面がハスの葉に覆われており、その葉の間から清楚なピンク色の花が浮かんでいるように咲いていました。近郊の人でしょうか、家族連れも楽しんでいました。今週もマー君、アー君が遊びに来てくれました。急に孫が2人増えたようで、賑わっでいます。先週も報告しましたが、マー君と一緒に巣箱作りをやりました(マー君に電動ドライバーを教えました)。完成した家の屋根にマジックで絵を描いて喜んでいました。来春にはシジュウカラが卵を産んでくれるかな?

 今週の終活の本は、ファインマンシリーズの次の2冊H、Iを取り上げます。

H 「ファインマンさん 最後の授業 R..ムロディナウ著、安平文子訳 2003、ちくま学芸文庫」
 
 本書の著者ムロディナウは、カリフォルニア大学(バークレー校)の大学院を卒業(博士号取得)し、物理学者としてキャルテックで研究(特別研究員の資格)を始めたとき、自分の研究室がファインマンの研究室のそばになり、ファインマンと親しくなりました。著者は今後の自分の研究内容や自身の能力などに悩み、ファインマンにいろいろと相談したようです(最終的には物理学者として研究するのはやめ、脚本家に転身しました)。本書は、
、著者がファインマンとの付き合いのなかで、ファインマンの物理学に対する研究態度や日常生活などを、自身の生き方、考え方に照らしながら自伝的に述べています。私自身は研究者になろうとして生きなかったので、若き物理学者の自伝的話にあまり興味をもちませんでした。

I 「ファインマンさんの流儀 量子世界を生きた天才物理学者 R.M.クラウス著、吉田三知世訳 2015、ハヤカワ・ノンフィクション文庫」

 本書の著者ローレンス・M・クラウスは、マサチューセッツ工科大学で物理の博士号を取得後、物理研究の道に進みました。また、サイエンスライターとしても活躍しているようです。著者はファインマンとの交流はわずかだったようですが、ファインマンの物理研究に興味をもち、本書では、ファインマンの論文や著書、講演内容などを調べ上げ、ファインマンの研究内容を詳しく紹介しています。したがって、内容的には数式は使っていませんが専門的で、私の能力では研究内容をさっぱり理解できませんでした。日本の著名サイエンスライターである竹内薫が、”物理学に縁のない読者にもファインマンの素晴らしさが伝わる名著だ!”などと解説でいっていますが、ちょっと無責任だと思います。なお、ファインマンの私的生活振りも随所に挿入されており、ファインマンの生き方なども知ることができます。ただし、物理学の考え方や研究態度などは、著者の想像、推測が多いようで、本当のことはよくわからないといった印象を受けました。

 以上で、ファインマンシリーズの9冊の終活(読み直し)は終了します。さらに、終活としての本の紹介も、これをもって終了とさせてもらいます。読み残している本はまだありますが(塩野七生の”ローマ人の物語1〜43巻”、やさしい英語のノベルズ十冊、それに物理の専門書など)、紹介するのにふさわしい本でもないので、止め頃かと思います。興味のある本があったら(最近は新たに本を買い始めています)、随時紹介するかもしれません。


☆ 2022年08月14日 : 山中湖もお盆の期間は大雨でした

水彩画328:花びんとレモン他 水彩画329:じょうろとクリスマスローズ ブルーのムクゲが満開 道路を流れる雨水(12日夕)

 今週は、8月9日(火)から山中湖に長期滞在しています。天気は、前半は夏空が続き暑かったのですが、12日(金)朝から台風の影響で大雨に見舞われました(14日の昼から晴れました)。右の写真のように、側溝の水が溢れ、道路は冠水して川のように水が流れていました(流される危険を顧みず、傘をさして写真撮影しました)。ただし、被害はありませんでした。山中湖には観光客も多く入ってきたようで、久しぶりに道路がっやや渋滞し、お土産やの前も結構人がいました(中国人はさすがにいないようです)。

 今週もベラルーシの友人?マー君と弟のアー君それにお母さんが来訪してくれました(先週も来てくれました)。マー君と巣箱作りをすることにしました。板の切断は終わったのですが、あいにくの雨続きでその後の作業がストップ(お母さんんも毎日マー君が我が家に行くのは困ると思っているようです?)。残念です。今週から水彩画はカルチャースクールでの作品を掲載していきます。2021年2月28日以来のシリーズとなります。本来屋外の風景スケッチ画なのですが、暑い夏と寒い冬は屋内での静物がとなります。結構描けてるなと自己満足しています。

 今週の終活の本は、ファインマンシリーズの次の1冊Gを取り上げます。

G 「光と物質のふしぎな理論 私の量子電磁力学 R.P.ファインマン著、釜江常好、大貫昌子訳 2007、岩波現代文庫」

 本書は、ファインマンが超難解な量子電磁力学(Quantum Electrodynamics:QED)について、一般人を対象にした4回にわたる講演の内容です。本来、量子電磁気力学は物理専攻の大学院レベルで学ぶ学問で、一般人にわかるように説明することはとても困難な専門的なものです。それにもかかわらず、ファインマンは数学の式を一切使わず、光と電子の振る舞いを楽しく?解説してくれます。内容的にはすばらしいもので、私も量子力学では光や電子をこのように解釈するものかと、改めて認識させられました。特に、今までチンプンカンプンだった”経路積分”や”最小作用の法則”、”ファインマン・ダイアグラム”などなど(このような用語も使われていませんが)が少しばかり意味が解ってきたように思いました(本当かな?)。しかし、対象がそもそも難解で、いくら素人にわかりやすいといっても、理解は極めて困難でした。よって今後もこれらに深入りするつもりはありません(量子力学に親しんでいない方にはあまりお勧めできません)。以下に、”訳者あとがき”の一部を紹介します。

 「先生はまるで手品師のようである。彼の話を聞いているとどんな難解な話題であっても、なんとなくすっきりとわかった気持ちになるのは全く不思議なことだ。(もっともその理論を今度は自分で誰かに説明しようとしても、そう簡単にはいかないのだが。)しかも先生は”ご冗談でしょう、ファインマンさん”でもわかるように、難問があればどうしてもこれを解決するまでやめられないという自称”パズルマニア”でもあった。この本もそもそも友人アリックス・モートナー夫人のため、数式をいっさい使わずにQEDをやさしく解説できないものか、というチャレンジに取り組むうち自然にできあがったものだという。」

 「その著者が世を去られてすでに20年近くの年月が過ぎたが、彼は一見難解で人が怖気をふるうような物理学や数学の理論を、そのユーモアな語り口をとおして誰にでもわかるような形で語ることができる、ごく珍しい学者の一人だった。20世紀の理論物理学界を代表するスーパー頭脳でありながら、少しでも興味を示す者には、とことんまで説明する手間を惜しまなかった先生の暖かく魅力的な姿が、この本にはよく表れていると思う。カリフォルニア工科大学卒業式の式辞で卒業生一堂に”諸君が科学者として話をしているとき、たとえ相手が素人であっても決してでたらめを言ってはならない・・・あくまでも誠実に、何物もいとわず誠意を尽くして語ることが科学者としての責任である。”と諭された先生は、生涯ウソをついたことがめったに無いというまっ正直なひとであった。なにしろノーベル賞を受けたかの”くりこみ”の理論”すら、あれはどうも眉唾ものだ、こんな単純な方法を説明するのに、これほどたくさんの言葉を弄さなくてはならないようでは決してよい数学とは言えない、と告白して憚らないのだ。」

 ちょっと上げすぎではないかとも思われますが、私には本書は本当に素晴らしいものだと思いました

☆ 2022年08月07日 : 夏の夜空の花火を満喫しました

報湖祭花火1 報湖祭花火2 ヒオウギ キキョウとキク

 今週は、7月28日(木)から8月4日(木)と山中湖に長期滞在しました。天気は夏空が続き、8月2日と3日は、最高気温が33.6℃となり、過去最高の記録更新をしたようです。8月1日は恒例の花火大会報湖祭が開かれました。開催場所は山中と旭日丘の2か所限定でしたが、なかなかすばらしい花火が打ち上げられ、久しぶりに堪能することができました。庭には、山中湖村の花のヒオウギが可憐な花を咲かせています。ムクゲやキキョウも花を咲かせました。また、庭には毎日のようにシカさんが訪れてくれます。ありがたいのやら、迷惑なのやら、困ったもんです。

 今週の終活の本は、先々週に続いて、ファインマンシリーズの次の2冊CとFを取り上げます。

C 「科学は不確かだ R.P.ファインマン著、大貫昌子訳 2007、岩波現代文庫」

 本書の”出版にあたって(原出版社から)”を紹介します。 「(前略) 1963年4月、シアトルのワシントン州立大学は、ジョン・ダンツ講演シリーズの一環としてリチャード・P・ファインマン博士を、三夜連続の講演に招いた。博士が日ごろ思いめぐらしている社会一般、戦争と平和、そしてまた空飛ぶ円盤、信仰療法、テレパシーなどについての万人共通の関心、さらに政治家にたいする大衆の不信など、実に広い範囲にわたって、現代の科学者兼公民としての関心事のすべてが、彼独特の流儀で開けっ広げに語られるこの講演には、人間ファインマンの面目躍如たるものがある。これはまさに純金、純粋の詩、いや純粋のファインマンだ。」

 三夜の講演のテーマは、”科学の不確かさ”、”価値の不確かさ”および”この非科学的時代”となっています。中には反共産主義的な偏見がありますが、全般的には好奇心でいっぱいのファインマンが、科学と社会に対してどのように考えていたかをざっくばらんに語っており、読み物としてはおもしろいともいえます。

F 「物理法則はいかにして発見されたか R.P.ファインマン著、江沢洋訳 2001、岩波現代文庫」

 本書の表紙のコメントを紹介します。 「物理法則とはどのような正確のもので、それはどのようなものの見方から発見に至ったのか、語りの名手ファインマンさんが、その心躍る展開を若者に熱っぽく語った。また、ノーベル賞受賞となった自分のアイデアと新理論完成までの曲折を、ユーモアを交えわかりやすく解説。物理の魅力あふれる世界に万人を誘う。楽しい入門書となった。」

 本書は、二部で構成されており、それぞれ”第一部 物理法則とは何か −コーネル大学における講演”と”第二部 量子電磁力学に対する時空全局的観点の発展 −ノーベル賞受賞講演”からなります。

 第一部について、BBC放送の序があり、次のように述べています。 「この第一部を構成している七つの章は、アメリカ合衆国のコーネル大学においてメッセンジャー講演として話されたものである。”物理法則とはどんなものか”について普通の言葉で話してほしいという学生が対象であった。講演は草稿の用意なしに、二、三の覚書きをもとに即席で行われた。 (中略) この第一部の各章は、満員の聴衆にむかって、ファインマン教授が広い演壇の上を自由に動き回りながら、表情たっぷりに話された言葉を伝えている。彼が講演者として傑出していることは世界中に認められており、とくに人を興奮に誘う身ぶりは有名である。この本は、テレビで講演を見る視聴者のために、手引きあるいは後の反芻の助けとして役立つことを目的としている。これはけっして物理の教科書ではないけれども、物理の学生は、諸法則のより透徹した理解を探し求めるとき、彼の論述に大いに啓発されることであろう。」

 このように書かれていますが、講演の内容はとても難しいです。第一部の7つの章とは以下のようなものです。
 1)重力の法則−物理法則の一例として、2)数学の物理学に対する関係、3)保存という名の大法則、4)物理法則のもつ対称性、5)過去と未来の区別、6)確立と不確定性、7)新しい法則を求めて 

 タイトルを見てもわかるように、物理学の重要なテーマが並んでおり、私にとってもいままでもやもやとしていたことが詳しく述べられていました。しかし、何となく何が語られているのかは分かったのですが、内容のほとんどは十分に理解できませんでした(数式はほとんどなく、図表が若干添付されています)。でも、欧米では一般の人々のために(もちろん上流階級の人々)このような科学関連の、それも超一流物理学者の連続講演が開催されるというのはうらやましいですね。若い人が聞いたらきっとモチベーションが上がるのではないでしょうか。

 第二部は、ファインマンがノーベル賞を受賞したときの受賞講演の内容です。彼がどのように物理学を研究し成果を挙げることができたのかを、受賞対象の”量子電磁力学”を中心に詳しく紹介していますが、物理学を探求したことのない私にとってはほとんどイメージがわきませんでした。若い物理の探究者にとってはきっと有効なお話なのではないでしょうか。


☆ 2022年07月31日 : タヌキかアライグマか?昼間庭に現れる!

 今週末の山中湖は、夏空続きです。日中は日差しが強く暑いですが、木陰に入れば汗が引いてしまいます。庭には、タイムの白い花が咲き、良い芳香を出しています。

 とうとう小動物を目撃しました。夕方、タヌキかアライグマが庭の真ん中を二匹歩いているではないですか。まだ明るいのに堂々と歩いているのを見てびっくり!

水彩画152:丸のこと果物 タイムの白い花

 水彩画は、最近描いたもので、私のお気に入りですが、皆さんはいかがですか?恐らく、どこがよいのといったところでしょうか。また久しぶりに湖畔でスケッチをしました。出来栄えが楽しみです??


☆ 2022年07月24日 : 樹々の成長がすごいので、トリミングをしました

水彩画150:ヤンキーズ 水彩画151:白のドレスの女 満開のノリウツギ 赤いつるバラのアーチ

 今週末の山中湖は晴れ時々曇りでしたが、日差しが出ると夏らしくなりました。延ばし延ばししていた垣根のレンギョウのトリミングをやりました。カットした枝の一部は挿し木をしました。ついでに、この1,2か月で大きく伸びたサンショウバラのトリミングもやりました。とげが鋭いので痛くてたまりませんでした。来年もたくさんの花をつけてくれるといいのですが。庭の花ではノリウツギが満開で豪華です。今年初めて赤いつるバラがアーチにとりついて咲きました。これまでずっとつるバラをアーチに絡ませようとしたのですが、バラの成長が悪く、毎年がっかりしていました。うれしいですね。

 今週の終活の本は、先週にに続いて、ファインマンシリーズの次の2冊DとEを取り上げます。

D 「ファインマンさん 最後の冒険 R.レイトン著、大貫昌子訳 2004、岩波現代文庫」
 本書は、ファインマンのエッセイ集と違って、友人R.レイトンがファインマンと企んだ中央アジアのタンヌ・トゥーパ(Tannu Tuva)という国 (当時はソ連の辺境にある地域)を旅行する計画の話です。本のカバーにあった書籍の紹介文を掲載します。

 「いつも冗談が現実になってしまうファインマンさん。今度もふとしたことから、ソ連の辺境にあるトゥーバという国に行こうということになった。ところが、そこに立ちはだかったソ連官僚機構の厚い壁、あれこれ手を尽くしても、なかなからちがあかない。それでも決してあきらめないのがファインマン魂。楽しいエピソード満載、奇想天外な冒険物語。」

 360ページ近くもある本ですが、最後まで飽きずに読み通せるほど面白い話でした。でも、お金持ちのアメリカ人というか、西洋人は、本当に生き生きとチャレンジするのですね。粛々と寡黙に生きる(普通の)日本人とは、精神構造が根底から違うように思いました。ひがみでしょうかね。

E 「ファインマンさんは超天才 C.サイクス著、大貫昌子訳 2012、岩波現代文庫」

 本書は、C.サイクスがファインマンとその関係者にインタビューして聞き出した話を、伝記風にまとめたものです。したがって、内容は今まで紹介したエッセイや講演などとダブるものがありますが、全体的に時系列的にまとめられているので、ファインマンを知るには便利と言えるでしょう。本書に、広島、長崎の原爆投下に関してサイクスとスティーブ・ジョーンズの考えが述べられていたので紹介します。

 「ファインマンは広島と長崎を破壊した原子爆弾の設計に協力した。1992年のジェイムズ・グリックによるファインマンの伝記”ファインマンさんの愉快な人生”の書評を書いたイギリスの遺伝学者スティーブ・ジョーンズは、ファインマンを評して、”倫理的浅薄さの最たる人間”と呼び、 ”この本には科学者の伝記のうち最もショッキングな自白の一つが含まれている。結局は原爆にまで発展したマンハッタン計画に従事していたときのファインマンの告白、つまり彼の学問的生涯で最も幸福だった瞬間とは、あの仕事の恐ろしい結果に対し、何の責任も感じる必要はないと悟ったときだ、というあの告白である。・・・事実、アラモゴルドでの最初の原爆実験にたいする彼の主な感想は、目標(つまり敵国の都市であるべき)を除いては、すべてが完壁だった、というものなのだ。” 後知恵をもってすればもちろんこの種の批判は容易だが、1940年代のファインマンの苦境の現実と、それにたいする彼の反応は、以下に見るようにはるかに複雑なものだったのだ。」

 まあ、科学者に倫理的責任を問うのは無理ですね。私は、ファインマンがこのような重大な問題に対して赤裸々に事実を率直に述べたことに感心します。ほとんどの科学者(いや著名な人々)は、真意を決して語らず、自分をよく見せようとするだけです。それに比べれば、ファインマンはあっぱれじゃないでしょうか??(別に彼の考えに賛同しているわけではありません)

 ついでにもう一つ、科学者の責任について、マービン・ミンスキーの考えが記されていますので、こちらも紹介します。

 「私もその社会的無責任感を少しばかり持っているようだな。ファインマンに大きな印象を受けて以来、ずいぶんこれを実行してきたよ。科学者が無責任なのにはいくつかの理由がある。私はその一つについてはおおいに真剣だ。”ほんとうにこんな研究をしても大丈夫ですか?悪用されたりしませんか?”とよく人に聞かれるが、そういうことの善悪は私などよりよほど人々の間の交流や、苦難の原因などを知り尽くしている人々が考えるべきことだと私は痛感しているんだ。門外漢のこの私なんぞに、ある科学的革新の善悪などをたずねるのは、最悪のことじゃないかな。」

 「1945年8月、たまたま海軍にいた私は、南太平洋に出動して敵を殺す訓練を受けた。ところが原子爆弾が落ちたおかげで、私は結局、南太平洋に送り込まれずにすんだんだ。私はその年戦死する可能性も多分にあったわけだから、個人的利己的な利害関係だけからすれば、それは私にとって最もありがたいことだっただろうね。だからあのときあの状況下で、誰かが私に爆弾を落とすべきかどうか決めろといったとしたら、自分のことしか考えずに”もちろんだよ。落とせ落とせ!”と言うに決まっていた。」

 「科学者が自分の発見に責任を持つべきだなどという考えは、どだいばかげているよ。科学者の頭は新しい考え方を発見する努力で一杯なんだ。しかもそういうときには、伝統に従うような考え方はしていない。それにもう一つ、もし私という人間が何かを理解し、世界のために新しい知識を育てるのに優れているとしたら、そのことこそ私がなすべきことじゃないだろうか。ほかに倫理について優れている人は、たくさんいるだろう。ファインマンはそういった専門外の決断をつけるのには最善の人間とは言えない。いや平均以下かもしれないと、深く自覚していたに違いないと私は思うよ。」

 まあ、科学者だからといって上に奉る必要はないということ。よく科学者が世の中をよく理解していて、社会的知識が豊富なように見せかけて、マスコミの場でおだてられて発言しているのを見ますが、本当に醜態ですね。なんでこんな奴がもっともらしく発言しているの見ると、ありゃーなんだといった感じになりす。ファインマンも、他の本で社会の倫理や宗教などについて発言したりしていますが、あれはやめるべきだと思います。


☆ 2022年07月17日 : 梅雨の末期を思わせる雨が早く終わってほしい

 今週は、梅雨の末期を思わせる雨が降り続いているため、東京に滞在しました。あの猛暑日も困りますが、はやく太陽を拝みたいですね。

 今週の終活の本は、7月3日付けのファインマンシリーズの@「ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)」に続いて、次の2冊AとBを取り上げます。

A 「困ります、 ファインマンさん R.P.ファインマン著、大貫昌子訳 2001、岩波現代文庫」
 本書は、”ご冗談でしょうファインマンさん”と同様、R.レイトンの聞き書きによるファインマンのエッセイ集です。もちろん、ファインマンの奇想天外の”本当に?”、”あり得ない?”といったようなエピソードがたくさん収録されています。その他に、アメリカNASA(航空宇宙局)が1986年1月に打ち上げに失敗したシャトル・チャレンジャー号の爆発に関するファインマンの事故調査活動記録が掲載されています(この当時、ファインマンは10年前頃に発症した腎臓周辺組織のがんと闘っていたようで、事故調査活動の数年後に亡くなっています)。
水彩画149:国立新美術館2

NASAが事故原因を隠蔽しようとしたのに対し、ファインマンは科学者の立場から果敢に真の事故原因究明に孤軍奮闘する姿が書かれており、事故原因がNASAの官僚体制にあったことに納得させられました。日本の官僚組織も同じですが、アメリカの官僚組織がひどいのがよくわかりました。

B 「聞かせてよ、 ファインマンさん R.P.ファインマン著、大貫昌子訳 2009、岩波現代文庫」
 本書は、J.ロビンソンにより編集されたファインマンのエッセイ集です。もちろん、前掲の「ご冗談でしょう、ファインマンさん」、「困ります、ファインマンさん」と同様、楽しいファインマンのエピソードが収録されています。ただし、内容的には、科学、教育、文化などに関するインタビューや講演の内容が中心となっています。特に私が注意を惹かれたのは、架空のパネル・ディスカッションの形を借りてファインマンが意見を述べている”科学と宗教の関係”という小論です。彼自身は私と同様無神論者であると宣言しています。一般に科学を探求する人は、神の存在などは信ずるはずがありません。ところが、彼は宗教は一般の人々に道徳を教えており、それには一般に科学者も同意するはずだといっています(間違っているかな?)。おかしいですね。社会生活を営む人間にとって生活していくためのルールであるという意味で”道徳”を語るのはよいのですが、それを宗教に結びつけ、宗教を一部肯定的にとらえるのは間違いではないのでしょうか?

 さらに、その小論のなかで、ファインマンは”共産主義と科学の観点”を論じています。ファインマンは天才物理学者であり、その業績には尊敬しますが、そこで、彼の超有名な物理学者の地位を利用して、社会的問題について偏見に満ちた意見をいっており、彼らしくないのではないかと思いました(もちろん、彼の天真爛漫な楽しい生き方を批判するものではありません)。一部を抜粋して記してみます。 

 「”無神論”という言葉はあまりにも”共産主義”と密接に結び付けて考えられているので、話を進めるまえに一言これについてふれておきたいと思います。それというのも共産主義にもとづくものの考え方は、政治、道徳を問わずいっさいの質問にたいし、なんの話し合いも疑いもぬきで、ちゃんと答えを与えられているという点で、科学的な考え方とはまったく正反対なものだからです。どんな問題もすべて一度は疑い、話し合わなくてはならない。何ごとであってもよく観察し、試し、その結果、少し変更を加えていくというふうに、とことんまで論じつくすべきだ、というのが科学的考え方なのですから、共産主義とは、まったくあべこべです。」

 「民主主義の政治体制には、話し合いや変更の余地がいつも残されているという点で、いま述べた科学的考えかたにずっと近いものといえましょう。民主主義のやり方では、いきなり国家の進路を一つ決まった方向に向けて、しゃにむに船出するようなことは決してありません。一方、独裁的な考え方では、はじめから何が真実であるかがちゃんと決まってしまっているだけに、たいへん断固とした行動がとれます。だからはじめのうち、それはなかなかカッコよく見えるでしょう。しかしそれも長続きはしません。しばらく進むうち船がてんでまちがった方向に進んでいるのがわかっても、もはやだれ一人として進路を変えられる者はいないのです。そういう意味で世の中の不確かさを認める民主主義は、ずっと科学的な考え方に近いものだと僕は思います。」

 ファインマンらしくないというか、やはり資本主義にどっぷりとつかった平均的なアメリカ人の考えですね。共産主義イコール独裁主義として民主主義とそれを対立させているのはまったくの無知です(現在の欧米の”普遍的価値”と同類のものです)。マルクス主義は経済、歴史、哲学を科学的に分析し、そこから構想された主張、思想です。具体的にいえば、マルクス経済学(剰余価値説と階級の対立)、唯物史観、史的弁証法(私は全然理解できていません)などを基礎に構築された思想といえます。それと、ソヴィエト連邦の政治体制による思想統制(スターリン主義など)をごちゃまぜにしてしまっては、ファインマン自身が科学的ではないということになってしまいます(彼がどのくらいマルクス主義を勉強したかは知りません)。本論文を読んでとても不愉快さを感じました。


☆ 2022年07月11日 : コロナッチの第7波がひたひたと・・・

水彩画148:小川の風景 アジサイ 淡青色のキク

 今週末(土、日曜日)の山中湖も曇り空でしたが、日曜日の午後は陽が少し出て、夏らしくなりました。自民党の圧勝で参議院選挙も終わり、これからは憲法9条の”改悪”が日程に上ろうとしているようです。本当に良いのでしょうか?老いぼれにはもうどうでもよくなってきました。またまたコロナッチ第7波がひたひたと押し寄せてきそうですね。まだ4回目のワクチン接種を受けていないので、そろそろ受けようかと思案しています(接種しないと観光ツアーに参加するのが面倒になるので、それが目的です)。

 ”朝日新聞(2022年7月1日)の”オピニオン&フォーラム”に、”「普遍的価値」を問い直す”という珍しい?タイトルの論文が掲載されていました。最近はアメリカを先頭にとしたヨーロッパ諸国が(ついでのように日本も追随していますが)、お経のように”普遍的価値”、”普遍的価値”と叫んでいますが、そのあたり前の?概念を問い直すとあったので私の目を引き付けました。論者は佐伯敬思(京都大学名誉教授)で、どちらかというと保守的立場の人のようです。私は彼の論文には特に賛成というわけではないのですが、最近の報道メディアの誤った?論調と違った視点があるように思いました。すべて紹介するわけにはいかないので、私がおやっと思ったいくつかを適当に選択して?掲載してみます。

 「もともとこの戦争は、NATO加盟をもくろむウクライナのゼレンスキー政権の崩壊と、ウクライナ東部の占拠を意図するロシア軍の侵略からはじまった。そこには、われわれには容易には理解しがたいロシアとウクライナの複雑な歴史的背景があり、当初はいわば壮烈な兄弟げんかのようなものと思われていた。ところが、ゼレンスキー大統領の国際世論への訴えや、メディアが報じるウクライナ市民の悲惨な映像により、”西側”は即座にウクライナ支援を表明し、次のように主張した。”これは、自由や民主主義、人権や法の支配を奉じる国際社会に対する攻撃である”と。ロシアが侵略したのはウクライナだけではなく”秩序ある国際社会”だというのである。」

 「日本も”西側”の一因としてウクライナを支援している。”西側”とは、冷戦時代をほうふつとさせるいい方だが、ここでは、今日のグローバリズムを支える、自由、民主主義、法の支配、主権国家体制、市場経済等の”普遍的価値”を共有する国家群をさす。日本も米国とともにこの普遍的価値の共有を常々主張してきたからには、ウクライナ支援を表明するのは当然ともいえよう。さらに、戦後日本は”秩序ある国際社会”の大な受益者であり、この秩序を守るのは日本の国益でもある。つまり、”普遍的価値”を守ることが日本の”国益”でもある7,というのだ。」
 *”秩序ある国際社会”とは、アメリカ・ヨーロッパを中心とした資本主義国家群の秩序であり、基本的に資本家階級による資本家階級のための社会秩序のことですよね。それは、アメリカの帝国主義、覇権主義を押し進めるための単なるスローガンにすぎません。

 「この理由はわからなくはないが、私は少し躊躇する。それというのも、上にあげた西側の諸価値は本当に普遍的なのか、という疑問をぬぐいえないからだ。 ・・中略・・ そして、この同意と約束によって仲間を増やしてゆくという連邦の原理をそのまま拡張すれば帝国的原理になる。つまり、”同盟国”を増やしてゆくことで、米国はゆるやかな”アメリカ帝国”的世界を形成することになる。実は、これは共和制のローマが帝国化してゆくやり方であった。かくて、”自由と民主主義の共和国”である米国は、”自由と民主主義の普遍性”を唱えることで、”自由と民主主義の帝国”にもなるのだ。とすれば、グローバリズムを先導するあの”普遍的価値とは何であろうか。それはあくまで”アメリカ帝国”を維持するいかにもアメリカ的価値とみた方がよさそうである。」

 「しかもやっかいなことに、今日、国境を越えて世界に広がった金融市場を、巨額な資本が利益を求めて徘徊するカネに国境はなく、米国のヘッジファンドもロシアのオルガリヒの試算も混ざり合い、ウォール街やシティーで投資されスイスの銀行に消える。このグローバルな金融資本の動きは、先端事業への投資を通じて経済の将来を左右するだけでなく、国家の命運にも多大な影響を与えかねない。グローバリズムとは、自由・民主主義・市場経済という”普遍的価値”を掲げ、またIT革命と金融革命によって冷戦後の世界経済の派遣を求めた米国の演出する壮大な実験であった。」 

 本当はもっと紹介したいのですが。残念です。私の感想はといいますと、著者の視点には、マルクス経済学の視点、すなわち労働者による剰余価値の生産と、資本家によるその奪取、したがってまた労働者と資本家の階級社会の矛盾等々がまったく抜けているところが問題ではないかと思いますが・・・


☆ 2022年07月03日 : 愛らしいリス君が遊びに来てくれました

水彩画147:港のドック ヒマワリの種を食べるリス 地面を除くリス

 今週末(金、土曜日)の山中湖も暑かったですが、日曜日は台風の影響か曇り空で、雨も少しぱらつき、やや涼しかったです。庭にニホンリスが遊びに来て、野鳥のためのヒマワリの種を食べていました。とてもしぐさがかわいいですね(それに比べて、花や野菜を食べるニホンジカはかわいくない!!)花は、先週と同じような花がぱらぱらと咲いているだけで、やや寂しかったです。草取りは朝から夕方までやっているので、大部きれいになってきましたが、腰が痛くてたまりません。

 現在終活で読んでいる本は、ノーベル賞物理学者ファインマンの一連のエッセイ集です。彼のエッセイは、奇想天外な話題に満ち、自らの体験をユーモアたっぷりに語っており、これが一流理論物理学者の語る話かと信じられないくらいです。物理学の話も少し含まれていますが、一般の人でも、彼の痛快なエピソードには大笑い間違いなしと思います。私の持っている書籍は次の通りです(D、E、H、Iはファインマンの著書ではありません)。

@ 「ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)、(下) R.P.ファインマン著、大貫昌子訳 2000、岩波現代文庫」
A 「困ります、 ファインマンさん R.P.ファインマン著、大貫昌子訳 2001、岩波現代文庫」
B 「聞かせてよ、 ファインマンさん R.P.ファインマン著、大貫昌子訳 2009、岩波現代文庫」
C 「科学は不確かだ R.P.ファインマン著、大貫昌子訳 2007、岩波現代文庫」
D 「ファインマンさん 最後の冒険 R.レイトン著、大貫昌子訳 2004、岩波現代文庫」
E 「ファインマンさんは超天才 C.サイクス著、大貫昌子訳 2012、岩波現代文庫」
F 「物理法則はいかにして発見されたか R.P.ファインマン著、江沢洋訳 2001、岩波現代文庫」
G 「光と物質のふしぎな理論 私の量子電磁力学 R.P.ファインマン著、釜江常好、大貫昌子訳 2007、岩波現代文庫」

H 「ファインマンさん 最後の授業 R..ムロディナウ著、安平文子訳 2003、ちくま学芸文庫」
I 「ファインマンさんの流儀 量子世界を生きた天才物理学者 R.M.クラウス著、吉田三知世訳 2015、ハヤカワ・ノンフィクション文庫」

 今回は、@「ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)」を取り上げます(実は、(下)は行方不明です)。上巻には、23編のエッセイがあります(下巻は18編)。まず、著者自身が記した”僕の略歴”を紹介します。

 「僕の過去の簡単な年譜は次の通りである。1918年ニューヨーク市のすぐかたわらの、ファーロッカウェイという小さな海辺の町に生れ、1935年17際になるまでをここで過ごした。その後MIT(マサチューセッツ工科大学)に4年間在学、1939年頃プリンストン大学に移った。プリンストンにいる間にマンハッタン計画(注:アメリカの原子爆弾製造計画で、製造された原子爆弾が日本に投下された)にたずさわった僕は、1943年4月にはロスアラモスに行くことになった。ロスアラモスには1946年10月から11月まで滞在、その後はコーネル大学に就職した。アーリンと結婚したのは1941年だが、彼女は1945年僕のロスアラモス滞在中、結核で亡くなった。コーネルには1951年ころまで勤めたが、1945年はブラジルで過ごし、1951年には再び半年間ブラジルに滞在している。その後キャルテック(カリフォルニア工科大学)に移り、それから現在に至るまでここにずっと腰を落ち着けている。 中略・・・ 現在の僕の家内は英国人のグウェネスで、彼女との間にカールとミシェルという二人の子供がある。」
 注:量子電磁力学の”くりこみ理論”を完成し、1965年にシュウィンガー、朝永振一郎とともにノーベル物理学賞を受賞した。著書には、本HPでも取り上げている”ファインマン物理学 5巻”がある。

 次に、この本をファインマンと共に編集支援したキャルテックの友人ラルフ・レイトンの”まえがき”を紹介します。

 「この本の数々の話は、過去7年にわってリチャード・ファインマンと楽しくドラムをたたきながら、気のおもむくままに集めたものである。どれ一つとってみても、それぞれが実に面白い話なのだが、こうしてこれだけ集めてみるとその豊富さにはつくづく驚くほかない。ただ一人の人間が、一生の間によくこれだけ傑作で、しかもとほうもない事件に出くわしたものだ。まったく信じられないくらいである。また一人の人間がこれほどたくさんの悪気のないいたずらを思いつくことができたということも、読者にとってたいへんな刺激となるに違いない。」

 まったく、レイトンの言う通りです。まずは読んでみてください。面白いこと請け合いです。


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