13世紀初期の鎌倉幕府成以後に西国三十三ヶ所霊場に倣って 足柄峠の坂の東、坂東にも設定された三十三ヶ所観音霊場は坂東太郎を中心に据えて鎌倉を起点に時計回りで巡礼するように設定されている。宗派的には真言・天台系を中心に幅が広く、比較的由緒ある古刹寺院が多い。源頼朝自身の観音信仰の影響も大きいが、幕府の安定に拠る治安の良さが巡礼の広がりに貢献したとされている。
そもそも坂東の地(武蔵、相模、安房、上総、下総、常陸、上野、下野の八ヶ国)が自意識に目ざめたのは平安中期の939年、平将門が岩井の地で謀反を起した時である。これを契機として古代から中世へと歴史は転換するのである。
坂東三十三ヶ所観音霊場ルート図 青色は鉄道、赤色は徒歩
ルート
全ルートは全長1,148`、全て歩くと45日かかる。一方秩父三十四ヶ所は上のルート図に同一縮尺でオーバーラップさせた秩父盆地の地図に全ておさまる位コンパクトで 歩いても4日で歩ける。
霊場と霊場の間の距離が一日で歩ける距離10里(40`)を越えるところがいくつかある。歩兵だって一日の行軍はこの位が限度だ。また都市化が著しく、快適に歩けない。全長約1,000`の四国八十八ヶ所ほどの人気がないのはこれが原因だろう。
というわけで平幡良雄著「坂東観音巡礼」を参考にしつつ以下の原則で 朱印を集めながら12日で全てを廻ることにした。
1.2泊3日の区切り打ちで全てを廻ることにする。各回の起点は前回の終点まではもどらない。
2.鉄道とバス(青色ルート)があるところではこれを優先利用する。発願(ほつがん)印と結願(けちがん)印はあきらめ、納経印だけとして順番を無視し、鉄道で廻りやすい順とする。
3.最寄駅、バス停から寺までは歩き(赤色ルート)を原則とする。バス路線のハブとなる都市に戻って出直す時はそれを避けるために寺から寺に直接歩くものとする。バスの本数が少ないとき、納経など時間が不足するときのみタクシー利用とする。
4.最も遠方からの参加者が前泊を必要としない集合時間とする。(長野発新幹線始発6:00または江ノ島始発5:15を基準とする。
5.宿泊はビジネスホテル個室として安眠を確保する。そのための公共交通機関の利用はいとわない。
6.浅草寺で発願の集いを行う。
詳細な巡礼順は下表の通りとする。霊場の詳細な位置は場所名をクリックすればグーグル地図が表示される。時刻は特に表示なき場合は出発時刻。
場所 |
霊場 | 巡礼路 (→は鉄道・バス、⇒は原則として徒歩) ご詠歌 |
東京都台東区浅草2-3-1 | 13番浅草寺(浅草せんそう観音) |
発願の集い 2006/7/28(金) 12:00雷門集合⇒13番浅草寺⇒あさくさ→(都営地下鉄)→浅草橋⇒13:00野田屋形船 ふかきとが 今よりのちは よもあらじ つみ浅草に まいる身なれば |
横浜市南区弘明寺267 | 14番 弘明寺(ぐみょうじ) |
第1回-第1日 9/8(金) 8:30JR横浜駅中央コンコース京急改札口前集合→(京浜急行)→8:49ぐみょうじ⇒14番弘明寺 ありがたや 誓いのうみをかたむけて そそぐ恵みに さむるほのやみ |
鎌倉市二階堂903 | 1番杉本寺(杉本観音) | 14番弘明寺⇒9:23ぐみょうじ→(横浜市営地下鉄)→9:43とづか→(横須賀)→9:55着かまくら⇒若宮大路⇒金沢街道⇒1番杉本寺 頼みある しるべなりけり 杉本の 誓ひは末の 世にもかはらじ |
逗子市久木5-7-11 | 2番岩殿寺(がんでんじ) | 1番杉本寺⇒報国寺⇒旧巡礼道⇒逗子ハイランド⇒2番岩殿寺 たちよりて 天の岩戸を おし開き 仏をたのむ 身こそたのしき |
鎌倉市大町3-1-22 | 3番安養院(田代寺) | 2番岩殿寺⇒新名越の各トンネル⇒3番安養院(昼食) かれきにも 花咲く誓ひ 田代でら 世を信綱の 跡ぞ久しき |
鎌倉市長谷3-11-2 | 4番長谷寺(長谷観音) | 3番安養院⇒由比ヶ浜大通り⇒4番長谷寺 長谷寺へ まいりて沖を ながむれば 由比のみぎはに 立つは白波 |
小田原市飯泉1161 | 5番勝福寺(飯泉いいずみ観音) |
4番長谷寺⇒14:41はせ→(江ノ電)→ふじさわ→(東海道)→15:46着かものみや⇒巡礼街道⇒5番勝福寺⇒巡礼街道⇒17:59かものみや→(東海道)→18:13着ひらつか⇒緑風荘泊(Hotel
Serial No.358) かなはねば たすけたまえと 祈る身の 船に宝を つむはいいづみ |
平塚市南金目896 | 7番光明寺(金目かなめ観音) | 第1回-第2日 9/9(土) 7:20緑風荘⇒7:35平塚駅北口→(神奈川中央交通バス
、2番のりば、秦野駅北口行き、平71,74,78)→7:57金目⇒7番光明寺 なにごとも いまはかなひの 観世音 二世安楽と たれか祈らむ |
厚木市飯山5605 | 6番長谷寺(飯山観音) | 7番光明寺⇒9:41つるまきおんせん→(小田急)→9:53いせはら→10:17(神奈川中央交通バス
、3番のりば、上谷戸行き)→七沢病院入口⇒巡礼峠⇒物見峠⇒貉坂峠⇒白山⇒6番長谷寺 飯山寺 建ちそめしより つきせぬは いりあいひびく 松風の音 |
座間市入谷3-3583 | 8番星谷寺(星谷しょうこく観音) |
6番長谷寺(昼食)⇒14:16飯山観音前→(神奈川中央交通バス、厚18)→14:46ほんあつぎ→(小田急)→14:54着ざま⇒8番星谷寺⇒16:02いりや→(相模)→16:32はしもと→16:43着、17:06発はちおうじ→(八高)→18:19着おごせ⇒越生駅前、越生館泊(Hotel
Serial No.359) さわりなす 迷ひの雲を ふき払ひ 月もろともに 拝む星の谷 |
埼玉県比企郡都幾川村西平386 | 9番慈光寺 | 第1回-第3日 9/10(日)
7:20越生館⇒7:46おごせ→(八高)→7:51みょうかく⇒8:30明覚駅→(タクシー2,500円)→8:45慈光寺⇒9番慈光寺 聞くからに 大慈大悲の 慈光寺 誓いも共に 深きいわどの |
埼玉県東松山市岩殿1229 | 10番正法寺(岩殿いわどの観音) |
9番慈光寺⇒9:46慈光寺入口→(ときがわ町営バス、町役場行き)→10:10着明覚駅⇒10:43みょうかく→(八高)→10:52着、11:10おがわまち→(東武東上)→11:34着たかさか⇒11:44高坂駅前→(川越観光バス、2番乗り場鳩山ニュータウン行き)→11:51大東文化大学⇒10番正法寺 後の世の 道を比企見の 観世音 この世を共に 助け給へや |
埼玉県比企郡吉見町374 | 11番安楽寺(吉見観音) | 10番正法寺⇒12:16大東文化大学→(川越観光バス)→12:30たかさか→(東武東上)→12:35着ひがしまつやま
(昼食)⇒13:34東松山駅東口→(川越観光バス、鴻巣駅経由免許センタ行き)→13:45百穴入口⇒11番安楽寺⇒16:45百穴温泉(入浴解散)→(
タクシー1,600円)→17:00東松山→(東武東上)→17:55いけぶくろ(二次会) 吉見よと 天の岩戸を 押し開き 大慈大悲の 誓いたのもし |
埼玉県岩槻市139 | 12番慈恩寺 |
第2回-第1日 11/12(日) 7:30東武野田線おおみや駅改札口集合7:35おおみや発→(東武野田)→7:53着とよはる⇒12番慈恩寺 慈恩寺へ 詣る我が身も たのもしや うかぶ夏島を 見るにつけても |
群馬県北群馬郡伊香保町水沢214-1 | 16番水澤寺(水沢観音) | 12番慈恩寺⇒9:15とよはる→(東武野田)→9:32着、9:54発おおみや→(新幹線Maxとき315号)→10:18着たかさき⇒11:20高崎駅→(群馬バス、伊香保行き)→12:22着水沢
駅⇒16番水澤寺(昼食) たのみくる 心も清き 水沢の 深き願いを うるぞうれしき |
群馬県群馬郡榛名町白岩448 | 15番長谷ちょうこく寺(白岩しらいわ観音) | 16番水澤寺⇒13:39水沢駅発→(群馬バス、高崎行きバス)→14:07着箕郷本町バス停→(徒歩4km)→15番白岩観音⇒(徒歩2km)→16:06トドメキ駅→(群馬バス、榛名湖)→16:40着高崎駅⇒17:02たかさき→(両毛線小山行)→18:40着とちぎ⇒サンルートプラザ栃木泊(Hotel
Serial No.370) 誰も皆な 祈る心は 白岩の 初瀬の誓ひ 頼もしきかな |
栃木県栃木市出流町288 | 17番満願寺(出流いづる観音) | 第2回-第2日 11/13(月) 8:00ホテル⇒8:45栃木駅→(栃木市営バス)→9:45出流観音⇒17番満願寺 ふるさとを はるばるここに たちいづる 我がゆくすえは いづくなるらん |
栃木県日光市中禅寺2578 | 18番中禅寺(立木観音) | 17番満願寺⇒10:30出流観音→(栃木市営バス)→11:30着、11:45とちぎ→(JR特急スペーシアきぬがわ3号)→しんかぬま→(東武日光)→12:36とうぶにっこう⇒13:00東武日光駅→(東武バス)→13:45中禅寺湖温泉⇒18番立木観音⇒14:46中禅寺湖温泉→(東武バス)→15:26着(遅れて15:55着)JR日光駅⇒16:00にっこう→(日光)→16:47着うつのみや⇒東横イン宇都宮泊(Hotel
Serial No.371) 中禅寺 のぼりて拝む みずうみの うたの浜路に たつは白波 |
栃木県宇都宮市大谷町1198 | 19番大谷寺おおやじ(大谷観音) | 第2回-第3日 11/14(火) 8:25JR宇都宮駅→(関東バス、立岩行きE番乗場)→9:02大谷観音前⇒19番大谷観音 名を聞くも めぐみ大谷の 観世音 みちびきたまへ 知るも知らぬも |
栃木県芳賀郡益子町4469 | 20番西明さいめい寺 | 19番大谷観音⇒9:58大谷観音前→(関東バス、宇都宮行き)→11:09JR宇都宮駅→(東野バスM番乗場
東高橋経由益子方面)→12:13着益子城内坂⇒20番西明寺⇒14:37益子城内坂→(東野バス)→15:40着JR宇都宮駅⇒16:00JRうつのみや解散 西明寺 ちかひをここに 尋ぬれば ついのすみかは 西とこそきけ |
茨城県久慈郡大子町大字上野宮字真名板倉2134 | 21番八溝山(やみぞさん)日輪寺 | 第3回-第1日 2007/3/24(土) 7:34着、うえの集合8:00発→(常磐線JR特急スーパーひたち7号)→9:23みと→(
水郡線)→10:38ひたちだいご⇒10:42常陸大子(ひたちだいご)→(茨交県北バス0295-72-0428)→11:27蛇穴(じゃけつ)⇒八溝登山口⇒標高差500m⇒21番日輪寺
(おにぎり昼食)⇒標高差500m⇒16:15蛇穴→(茨交県北バス)→17:00常陸大子⇒17:48ひたちだいご→(水郡線、水戸行き)→19:04みと⇒テラス・ザ・ガーデン水戸泊(Hotel
Serial No.375) 迷ふ身が 今は八溝へ 詣りきて 仏のひかり 山もかがやく |
茨城県常陸太田市天神林町4942 | 22番佐竹寺(さたけでら北向観音) | 第3回-第2日 3/25(日) 7:09みと→(水郡線)→7:53着ひたちおおた→タクシー3km→22番佐竹寺 ひとふしに 千代をこめたる 佐竹寺 かすみがくれに 見ゆるむらまつ |
茨城県笠間市笠間1045-1 | 23番観世音寺(佐白さしろ観音) |
22番佐竹寺→タクシー3km→9:17ひたちおおた→(水郡線)→10:05みと→(水戸線)→10:30着かさま→タクシー3km→23番観世音寺 夢の世に ねむりもさむる 佐白山 たえなる法(のり)や ひびく松風 |
茨城県真壁郡大和村1 | 24番楽法寺(雨引あまびき観音) |
23番観世音寺⇒3km⇒12:02かさま→(水戸線)→12:18着いわせ、昼食⇒5km⇒24番楽法寺⇒5km⇒16:55いわせ→(水戸線)→17:45ともべ→(常磐線)→18:16着つちうら⇒ライフイン土浦東泊(Hotel
Serial No.376) へだてなき 誓をたれも 仰ぐべし 佛の道に 雨引の寺 |
茨城県つくば市筑波町747-1 | 25番大御堂おおみどう) | 第3回-第3日 3/26(月) 7:17土浦バス停西口5番乗場→(関東鉄道バス)→8:12着8:35発筑波山口バス停→8:41着筑波神社&25番大御堂 大御堂 かねは筑波の 峯にたて かた夕暮れに くにぞこひしき |
茨城県新治郡新治村1151 | 26番清滝寺(きよたきじ) | 25番大御堂⇒13km⇒26番清滝寺(昼食後13:00発)⇒5km⇒14:22発藤沢神社前バス停→(関東鉄道バス)→14:40着15:00発つちうら→(常磐線
快速)→15:57着うえの解散 わが心 今より後は にごらじな 清滝寺へ まいる身なれば |
千葉県香取郡下総町滑川1196 | 28番龍正りゅうしょう院(滑河なめかわ観音 | 第4回-第1日 4/28(土)
7:34着、けいせいうえの集合8:00発→(京成特急スカイライナー9号)→8:53着けいせいなりた⇒9:05なりた→(成田線・鹿島神宮行)→9:19着なめかわ(滑河)⇒28番滑川観音 音にきく 滑河寺の 朝日ヶ渕 あみ衣にて すくふなりけり |
千葉県銚子市馬場町293 | 27番円福寺(飯沼観音) | 28番滑川観音⇒10:54なめかわ→(成田)→11:57着ちょうし(昼食)⇒1.5km⇒27番円福寺 このほどは よろずのことを 飯沼に ききもならはぬ 波の音かな |
千葉県銚子市天王台9822-1 | 番外満願寺 | 27番円福寺⇒4km⇒番外満願寺⇒いぬぼう→(銚子電鉄、倒産の折はタクシー)→ちょうし⇒銚子プラザホテル泊(Hotel Serial No.380) |
千葉県長生郡長南町302 | 31番笠森かさもり寺(笠森観音) | 第4回-第2日 4/29(日) 8:06ちょうし→(総武)→9:00着9:02発なるとう→(東金)→9:20着9:35発おおあみ→(外房)→9:48着もばら⇒11:11発
墨田バス停⇒(小湊鉄道バス
長南営業所行き)→11:20着愛宕バス停⇒3km⇒31番笠森寺 日はくるる 雨はふる野の 道すがら かかる旅路を たのむかさもり |
千葉県夷隅郡岬町鴨根1270 | 32番清水きよみず寺(清水観音) | 31番笠森寺⇒3km⇒12:45発深沢倉庫バス停→(小湊鉄道バス牛久発茂原行)→13:15着茂原駅バス停⇒13:55もばら→(外房)→14:15着ちょうじゃまち→(タクシー)→清水寺下⇒32番清水寺⇒(4km)⇒16:22ちょうじゃまち→(外房)→18:07着18:10発あわかもがわ→(外房)→17:20発あわかあもがわ→(内房)→18:08着たてやま⇒ホテル マイグラント泊(Hotel
Serial No.381) 濁るとも 千尋の底は 澄みにけり 清水寺に 結ぶあかおけ |
千葉県館山市那古1125 | 33番那古なご寺(那古観音) | 第4回-第3日 4/30(月休日) 7:30たてやま⇒3km⇒33番那古寺 補陀洛は よそにはあらじ 郡古の寺 岸うつ浪を 見るにつけても |
千葉県木更津市矢那1245 | 30番高蔵こうぞう寺(高倉たかくら観音) | 33番那古寺⇒1km⇒9:11発なごふながた→(内房)→10:01着10:02発きみづ→(JR特急さざなみ10号)→10:08着きさらづ→木更津駅東口→(タクシー)→30番高蔵寺→(タクシー)→(昼食)⇒12:24きさらづ→(内房)→13:00着ほんちば⇒1.5km⇒29番千葉寺 はるばると 登りて拝む 高倉や 富士にうつろう あさばなるらん |
千葉県千葉市中央区千葉寺町1196 | 29番千葉せんよう寺 | 29番千葉寺⇒0.6km⇒14:50ちばでら→(京成千原線)→(京成千葉線)⇒14:55けいせいちば⇒(宴会解散)⇒ちば→(総武)→とうきょう 千葉寺へ 詣る吾が身も たのもしや 岸うつ波に 船ぞうかぶる |
歩く距離が長いか標高差があるところ
1番⇒4番の10.6kmで歩くだけで2時間かかる。昼食、納経を含めて4時間見込んだ。
7番⇒6番の七沢病院入口⇒巡礼峠⇒物見峠⇒貉坂峠⇒白山⇒6番長谷寺 は水平距離にして約4kmだが、勾配10%の山道のため、速度が半分になり、歩くだけで2時間かかる。それに夏季は山蛭の名所のため余分に時間がかかる。
9番慈光寺⇔バス亭慈光寺入口間は2.3kmだが、坂路のため往復2時間かかる。納経を含めて3時間かかる。往路をタクシーにすれば2時間に納まる。
12番慈恩寺⇔東武野田線”とよはる”間は2kmあって往復1時間弱かかる。納経含めて2時間見込んだ。
16番水沢観音と15番白岩観音の距離は約20kmであるが、バス路線のハブとなる都市は高崎市である。ハブに戻って出直すと待ち時間がそれぞれ1時間とすると、最悪で3時間かかる。海抜の高い16番水沢観音から15番白岩観音まで歩けばゆるい下りのため4時間で歩ける。納経・昼食を含めて6時間かかる。 しかし白岩観音の納経時刻が10月から3月の冬季間、16:30分までとなっているため、ご朱印をもらえない。そこで 水沢発(高崎行きバス)で箕郷本町バス停までバスを利用することにした。こうすると総歩行距離は 5.5kmで済む。
登山口の蛇穴(394m)と八溝山(1,022m)の肩にある21番日輪寺(822m)の標高差は428mある 。旧道を谷に下って登り直すつ登り合計490mという本格的な登山となる。途中のおにぎりによる昼食を含め、往復4時間強は必要となる。納経時間8:00-17:00、冬期8:30-16:00、1-2月は閉山。 水戸のビジネスホテルの個室泊とするため、21番日輪寺の後は水戸に直行する。
常陸太田⇔佐竹寺往復6kmで1時間強かかる。納経含めて約2時間見込むとビジネスホテルのある土浦にたどりつけないので往復タクシーを使って1時間ですます。
23番佐白観音は往復6kmで納経含めて含めて約2時間必要だがビジネスホテルのある土浦にたどりつけないので行きだけタクシーを使って1.5時間ですます。 実際には雨のため往復タクシーとした。
雨引観音入口から筑波に向う関東鉄道バスは土日は運休するため。岩瀬往復を10km歩く、昼食、納経含めて含めて約4時間半。
25番大御堂から26番清滝寺までは14km。常磐線神立駅まで25kmを全てあるく計画であったが、メンバーの疲労げしく、計画を変更し、清滝寺から最短の藤沢神社前バス停までの5kmを歩いて関東鉄道バスで土浦にむかった。大御堂から26番清滝寺まで3.3時間で歩いたので時速4.2km、清滝寺から藤沢神社前バス停まで1.3時間であったので時速3.8kmであった。
バス路線の不便なところ
宇都宮と常陸大子(ひたちだいご)を県境を越えて直結するバスはなく、栃木県と茨城県の県境の馬頭でバスを乗り換えねばならない。そこで一旦東京に帰り、日をあらためて常磐線で水戸にでて、水郡線に乗り換え常陸大子に出向くことにした。 水郡線は奥久慈渓谷を走るディーゼル車で渓谷美を楽しめる。
一般に茨城県はバスの本数が少ないので第3回は歩きを主体にした。時間も不足するので神立駅(かんだつ)で第3回を打ち止めとし、第4回に成田線滑河駅⇒28番滑川観音からスタートすることにした。
木更津駅東口バス停発日東交通バス草敷行(10km)は平日に8:20発1本だけである。また草敷発木更津駅東口バス停行きは18:55発1本だけである。したがって木更津駅東口から往復タクシーとなる。
ご詠歌
五・七・五・七・七の和歌(三十一:みそひと文字)に節をつけたものをご詠歌(御詠歌)、 七五調または五七調の詩に節をつけたものを和讃(御和讃、ご和讃)と言うが、 この二つを合わせて広い意味で『御詠歌(ご詠歌)』と言われている。 ちなみに、お経に節をつけたものは「声明(しょうみょう)」と言う。
さてご詠歌の節は沢山ある。サンプルはご詠歌.comで聞くことが出来る。 このなかで西国発祥の長谷寺を本山とする豊山派のサイト1がおすすめ。
あとがき
そもそも坂東に興味を持ったのはバイクで四国めぐりをしてきた直後、Wakwak山歩会のクリさんが7番札所から6番札所に至る巡礼路が通る巡礼峠 、物見峠、貉坂峠(むなじざかとうげ)、白山経由の”関東ふれあいの道”を散策したということを知ったためである。
クリさんはまた31番の笠森観音が印象的だったという。巨岩の上に数十本の柱で支えられた見事な四方懸造(かけづく)りで長野のブランド薬師を思い出させたという。この辺は全山が笠森層と称する地質層で自然林の巨木が茂り美しいという。
巡礼という行為は人間に歩くという本能が備わっているためなのだろう。宗教心がなくとも魅力を感ずる由縁である。現代人の死因の第一はメタボリックシンドロームかガンである。歩くことはメタボリックシンドローム防止に大いに役にたつ。というわけで 信仰と関係なく、巡礼はわが身を助けるということになる。
参考
相模国と武蔵の国の地図距離153`を日帰りで歩いて回るスケジュールは「相模・武蔵国を 足で歩く」。
必要な装備
(1)Tシャツやシャツおよびパンツは運道具店で市販している汗をかいても冷たく感じない特殊繊維を使った登山用のウエアを用意する。速乾性のため、2着用意し、毎日洗濯して清潔にする。
(2)発汗で失った水分と塩分補給のためのアイソトニックドリンク最低500ccを1-2本用意する。血栓予防のためにも重要。PETボトルのリユースのために事前にアイソトニックドリンク用粉末を用意しておくことは環境派として推奨事項。
(3)夕立と強い日射防止のための折りたたみ傘を用意する。
(4)腰痛持ちは山登り用のストックなど用意。
(5)歩きながらチャージできるビタミンC入りのキャンディーやチョコレートを用意する。
(6)日射防止のツバの大きめの帽子と日焼け止めクリーム。
(7)靴はマメなど作らないように履きなれたものを使う。雨対策としてゴアテックスのあるものが好ましい。
(8)荷物は全てリュックサックに収納。雨対策として防水のリュックサックカバーを用意すること。
(9)転倒時の安全のために手袋着用を推奨。
(10)時間節約のために朱印依頼と読経を並行しておこなう。そのため般若心経と朱印帳を別に用意する。
(11)昼食は成り行きで食堂でとることにし弁当は持たない。
(12)山蛭対策としては、スパッツを用意するか夏は巡礼峠界隈には入らないということしかない。
(13)腕時計完全防水のものを着用すべし。そうでないと汗がリューズ穴から入り、バッテリーをショートさせてしまう。
Rev. November 7, 2007