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小品は郵送することもあるが、大きい作品になると、作品の善し悪しを決定する決めてとも言える作業となる。 工程の最後の段階となるこのプロセス、実際は赤川氏がデッサンを始めるその時から頭に入れている。 限られた予算内で最大限の作品を作るために、手際はもちろん、彼の幅広い人脈からの智恵の総結集にもなる。 |
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左が上板橋駅前の時計塔、右が長浜ドーム宿泊施設前のモニュメントである。 作品事体が特殊なため、取り付けは必ず自分でするのだが、回を重ねるごとに仲間の連係プレーであることを実感するという。 また、毎回まるで違うところに、違う作品をとりつけるので、いくら綿密に手配をしても、必ずなんらかの手違いが生じる。 注文しておいた重機が来ない、現場に取り寄せた部品が数センチ長いなどである。 しかし、だからといって現場で中止はできない。ありとあらゆる智恵を絞ってその場を切り抜けるわけだが、この時も、若い頃に体験してきたことが大いに役立つのだという。 |
これは、ガリバー像「遠くを見る人」の取り付け風景。 まるで建設現場である。ここまで規模が大きいと、仲間だけの連係プレーでは済まない。外注しておいた構造体のサイズがほんの少しだけ合わなくて手こずったそうだ。 野外での作業は、大なり小なり常に危険が伴う。そういった作業を無事終えたときの喜びは、もちろんひとしおである。 仲間と分かち合うこの喜びのこの瞬間がたまらなくいい。 不思議なことに、疲労の極にいる彼の心に再び力が漲ってくるという。 |