2000年3月25日(土)
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「JOYワイン祭」なるイベントに参加。筆者はこのイベント主催のJOYワインスクールとは縁もゆかりもないのだが、たまたま「やまや」にも「信濃屋」にもチラシと前売り券が置いてあったので行ってみることにしたのだ。初めてだったのでどんな催しなのか興味津々だったが、 結論から言うと、このイベント、試飲会好きの筆者にとってはメチャ面 白かった。 ピンからキリまで実にいろいろな種類のワインが飲めるし、イベントの雰囲気がなんというか身内のバザールみたいで、好感が持てる。今年で9回目とのことだが、ぜひ来年も参加したいと思う。ワインはここぞとばかり山ほど試飲したので、またまたメモはいい加減、帰りは昼間から相当酔っぱらって帰ってきた。

銘柄 オーパスワン88
感想 縁にピンクがかった濃いガーネットで、まだまだ若い色調。香りは甘いリキュール香が全開。黒系果 実のシロップ漬け、甘草、湿った土、黒オリーブ。味わいはなめらかで、ボリュームはそれほど大きくない。酸はやわらかいが、タンニンはまだしっかりしており、アフターにやや収斂 性のあるタンニンとモカっぽいフレーバー。抜栓したてということもあるのか、果 実味がややドライで他の要素に負けている印象。
【86】
銘柄 城の平カベルネソービニヨン95
感想 紫がかったルビーでCSにしては明るめの色調。香りはややフレッシュな要素がまざる。ブルーベリーのコンフィ、ハーブ、バニラ、漢方系スパイス。 回すとレバーや肉汁のニュアンス。味わいは、みずみずしい果実味とさわやかな酸、タンニンにはやや角があり収斂 性を感じる。凝縮感はあまりなくて、やや水っぽい感もあるが、全体としてバランスはよく、やさしく仕上がったワインだ。
【78】
銘柄 ドメーヌ・ド・トレヴァロン96
感想 紫色がかった輝きのある濃いルビー。香りはブルーベリー、ハーブやスミレの花、メンソール。回すと丁字や黒コショウなどの香辛料や肉汁、ジビエなど。味わいはメンソールのような個性的なフレーバーを伴ったフレッシュな果 実味が主体。酸はやさしくタンニンも丸い。以前飲んだ92や93あたりと比べると軽くフレッシュな仕上がりに拍子抜けするが、熟成させると複雑さが出てくるのだろう。【78】
銘柄 Ch.グリュオラローズ89
感想 ややオレンジの見える濃いめのガーネット。縁に熟成した色調。香りは独特のねばっこい香り。黒砂糖菓子、黒系果 実のシロップ漬け、甘草、湿った土。味わいはスマートめでやさしい印象。タンニンはすでによく溶け込んでおりなめらか、酸は後半にやや目立つ。果 実味はやや旨み系の味わいで、フィニッシュにはローストっぽい樽のフレーバーと酸が広がる。89ということでもう少し凝縮感のあるワインを想像していたが…
【84】
銘柄 Ch.カノン79
感想 縁にオレンジがかったやや明るめのガーネット。香りは強めで、トップに甘いリキュール香が広がる。キルシュのリキュール、枯れ草、腐葉土、ジビエ。味わいはやわらかく、タンニンはよくとけこんでいる。酸もエレガントで、甘いリキュールのような果 実味がフィニッシュまで続く。なにげなく飲んだワインだったが、思いの外すばらしかった。【88点】
銘柄 ペンフォールズ・グランジ86
感想 これはスゴイワイン。色はややオレンジが見えるガーネットで、中心は黒みがかっている。香りは甘く濃密。カシスリキュール、プラムの砂糖漬け。甘草、黒コショウなどの香辛料、ビターチョコ。アタックはなめらかだが、その後、口の中で強烈に凝縮感のある甘い熟した果 実のフレーバーが広がる。酸はしなやかで丸く、多量のタンニンはよく熟していて 、それらの要素 と果実味ががっぷり四つに組んで、緻密に構成されているような印象。フィニッシュには果 実の甘みとココアのようなフレーバーが層をなすように広がり、余韻も大変長い。パワフルでかつ緻密、複雑。いや、恐れ入りました。
【95】
銘柄 エシュゾー88( DRC
感想 色はかなりオレンジを感じる明るめのルビー。香りは甘いキルシュのリキュール、赤系果 実のジャム、ダージリン、腐葉土、なめし革など、熟成感があり華やか。味わいは凝縮感があり、甘みののった果 実味をまず感じ、タンニンはきめ細かくとけこんでおり、酸はやわらかく後半にかけてやや主張が強くなるが、果 実の甘みとバランスがとれている。これに若干の苦みも加わって実に立体感のあるフィニッシュ。これもすばらしい。
【92】
銘柄 リュショット・シャンベルタン・クロ・ド・リュショット96
 ( A・ルソー
感想

色はやや淡い。輝きのある明るめのルビー。香りは華やか。ラズベリー、強めのジビエ、なめし革。味わいはなめらかなアタックのあと、粘着性を感じるような豊かな果 実味を感じ、タンニンはきめ細かく、酸は上質で表に出てこないが果実味をよく下支えしている。96とまだ若いが、甘く分厚い果 実味を中心に今でも美味しく飲める。これもまた魅力的なワイン。
【91】

銘柄 Ch.ヌフ・デュ・パプ80
(ベラード・ペール・エフィス)
感想 この作り手は知らないが、ローヌの古いビンテージはなかなか飲む機会がないのでトライ。色はオレンジがかったやや濃いガーネット。香りはドライフラワー、ドライフルーツ、少し置くと甘い果 実のジャム香。腐葉土の香りが特徴的。味わいは果実味が豊かで酸はおだやか、タンニンはかなり多めでやや収斂 性を残す。果実味は旨み系の味わいを伴い、フィニッシュにはタンニンと果 実の旨み、甘みが層をなす。やや土っぽい味わいで洗練さには欠けるが、 今まさに飲み頃で美味しい。
【88】
銘柄 Ch.マルゴー76
感想 縁にレンガの色調が見えるオレンジガーネット。香りはドライフルーツ、腐葉土、回すと甘いジャム香が出てくる。アタックはおだやかでやや旨みをともなった甘い果 実。凝縮感はあまりなくやさしい味わい。タンニンはかなりとけこんでいるが、やや収斂 性があり、アフターにまで残る。フィニッシュには旨み系の果実味とともに、やや苦み。決して R・パーカーが酷評しているような冴えないワインだとは思わないが、下の66に比べると、タンニンの質とフィニッシュの雑味の点で劣る。
【89】
銘柄 Ch.マルゴー66
感想 やや縁にレンガの見える濃いめのガーネットで全体にオレンジの色調がまざっている。香りは甘く官能的な香りで、カシスリキュール、腐葉土、甘草、キノコ、ジビエなど複雑。味わいはふくらみのある甘い果 実味が中心で、タンニンはすっかり溶け込み、酸もエレガント。ボリュームはスマートめでやさしく繊細。 フィニッシュには蜜のような果実の甘みにしなやかな酸味が加わり、余韻は非常に長い。 状態がとてもよく、まさに古酒の域に入ろうとしているすばらしいワインだ。
【93】

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