第29回 妙なる畑の会 全国実践者の会のご案内
ごあいさつ
ようやく空気も澄み渡り、山々が色づいて、収斂、結実の季となりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
川口由一さんが亡くなられて2 年が経過致しました。耕さず、草や虫を敵とせず、 肥料農薬を必要としない自然農は、今や混迷の中にある現代社会にあって一筋の希望です。 私達は、自らの生命をつなぎ、後世の生命へもつないでいく、永続可能な暮らしの在り方を、 さらに様々な立ち位置、あるいは視野から、明らかにしてゆかねばなりません。
令和に入って、世界のあちこちで起こる戦争や食糧危機、気候変動、環境汚染、人口減少、 そして病の深刻化、などなど、解決せねばならない課題は山積しています。
今回は、赤目自然農塾の次の年に始まった学びの場、福岡自然農塾にて14 年ぶり5回目の開催となります。 自然に囲まれたこの地で、日常から離れ、とらわれを捨て、

テーマ
- 人類の歴史から学ぶ、主に文化財を巡る現状に思いを馳せながら、永続可能な社会を私たちはどう実現していくか。
- 人としての本当に大切なもの、生きるに必要なものとは。
- 川口さんがスタートされた自然農の歴史が約40年経過した今、あらたに生じている様々な課題を解決するために。
この国の歴史において、どの時代においても人々の心に宿る祈りは、対象としての、 仏像や神像などの彫刻、法具などの工芸品、素晴らしい術と技の品々を作り出してきました。
その数多くの宝物たちを一同に観る機会に恵まれ、また、そういう企画展に携わった奈良国立博物館の学芸員の方々の言葉にも出会うことが出来ました。
「―現在、我々のおかれている社会の状況は、今後、文化財保護をかつてないほど危機的な状況に陥らせる恐れがある――。 文化財は人の歴史すなわち人の営みの結晶であり、それゆえに、人の手によらなければ存続しえない。 それは人が活きられる持続可能な社会の実現なくして成し得ない――。」(図録「総論……時代を超えて」より)
人が活きられる持続可能な社会の実現――。
このことは、すなわち、自然農に取り組む私達の、最も重要な課題とも重なっています。 そのこと故に、私達は田畑に立ち、日々を営み、思考し続けていかなければなりません。
生命の世界が本当はどうなっているのか、この地球という美しい生命の星を、 これ以上、傷つけず、損なわないように、未来へ手渡すためには、私達は、どうあればいいのか、今を生きる私達が、そこに答えを出してゆくのは、本当に難しいです。
しかしながら、あえて自然農の世界を学び、生きて来た私達が、各々の立場を超えて、この「妙なる畑の会」で、更なる境地を得て、語り合う意義は大きいと思うのです。
今回は、初めての試みとして、奈良国立博物館の主任研究員、三本周作先生をお迎えすることになりました。 この今に伝わる日本の文化財を守り、その歴史的な意義や価値を研究し、伝える立場におられることから、 「人と自然と文化財―永続可能な社会が問われる今、この時―。」と題して、 ご講演をいただける機会に恵まれました。自然農と文化財……、一見かけ離れているようで、私達人の営みは、すべからく、繋がっているように思われます。 川口さんは晩年、「芸術紀行」と銘打って、毎年芸術の分野にも学びを深めるよう導いて下さいました。
先の展覧会の図録の表紙には、現在、法隆寺の大宝蔵院に安置されています、観音菩薩立像(百済観音)の姿があります。
この御仏像に直にお会いすると、毎回、自ずと手を合わせたくなり、涙がにじんでまいります。なぜなのでしょうか。
御仏像を前にするだけで、私の中にある、つたない祈りが純度を増してくる・・・・・・、心あらわれるのかもしれません。そんな気がしています。
私達人の営みは、愚かさゆえに、今日の様々な現状が、解決不可能にも思えますが、 一人一人の祈りが、かがやきを増すことが、言いかえれば、全体の成長へとつながるだろうと思います。 以前、「私が変われば世界が変わる」と言った方がおられました。他を問うのではなく、私一人を問うことの大切さ、田畑に立てば、そこも自ずから明らかとなっていくと思います。
川口由一さんが、この福岡自然農塾に自然農という生命の世界のことを伝えるべく、 足を運んで下さるようになって、早や33 年が経ちました。当時、若い青年だった私達は、老齢期に突入しています。 田畑における状況も変化しています。環境の変化も著しいです。
各々の田畑において、以前は、なかった問題も発生しています。 この機会に、全国から集うことのできた私達は、そういう日々の悩ましい事情も含めて、解決に向けた知恵を出し合い、明日への一歩を踏み出す力となることができれば幸いです。

福岡自然農塾
代表 鏡山悦子
会場
虹ノ松原ホテルThe Beach(レインボーホール)
佐賀県唐津市東唐津4丁目
tel.0955-73-9111
ホテルの公式サイトはこちら
見学地(見学はオプション、ご参加は任意)
A:松国学びの場 糸島市二丈松国B:一貴山学びの場(鏡山農園)糸島市二丈一貴山
参加費
【妙なる畑の会 全国実践者の会】2026年2月21日(土)〜22日(日)
- 宿泊あり 14,000円
2/21日 虹の松原ホテル泊
2/21日 昼食(ホテル弁当)夕食(ホテル食)
2/22日 朝食(ホテル食) - 宿泊なし(通い)7,000円
2/21日 昼食(ホテル弁当) 夕食(ホテル食)
2/22日 朝食なし
【指導者世話役学習会】
2026年2月22日(日)〜23日(月)
ご参加は任意です
- 宿泊あり 10,000円
1泊2食付き
22日(日)虹の松原ホテル(1泊2食付き)
22日(日)夕食(ホテル食)23日(月) 朝食(ホテル食) - 宿泊なし(通い)4,000円
宿泊なしで、22日(日)の夕食あり、23日(月)朝食なし
日程
【妙なる畑の会 全国実践者の会】2026年2月21日(土)〜22日(日)
2026年2月21日(土)
9:00〜10:00 | 開場・受付(レインボーホール) |
10:00〜10:30 | はじめの挨拶 |
10:30〜12:30 | 学習会@講演と質疑応答 講演「人と自然と文化財―永続可能な社会が問われる今・この時―」 講師 三本周作先生 (奈良国立博物館 主任研究員) |
12:30〜14:00 | 食事(ホテル弁当)休憩 |
14:00〜16:00 | 学習会A ディスカッション 発表者 ・井手裕一 ・古賀正慎 ・柴田浩之 ・鏡山英二 |
16:00〜16:30 | 休憩 |
16:30〜18:30 | 学習会B ディスカッション |
18:30〜19:30 | 食事 (2F・3Fのレストランに分かれて) |
19:30〜21:00 | 交流会 |
2026年2月22日(日)
7:30〜8:30 | 朝食(2F・3Fのレストランにて) |
9:00〜11:30 | 学習会C (レインボーホール) |
11:30〜12:00 | 本会終了(終わりの言葉) |
見学会はオプション(参加は任意)
12:00〜14:00 | 移動の準備 見学地へ移動と昼食 見学地 A/B どちらか選択 A:松国学びの場 (食事:牧のうどんなど) B:一貴山学びの場・鏡山農園 (食事:現地で弁当) 見学会での昼食代は各自お支払いください |
14:00〜16:00 | 見学 |
16:00 | 各学びの場で解散 |

【指導者世話役学習会】
2026年2月22日(日)〜23日(月)
指導者世話役の会は、全国で学びの場の世話役をされている方が対象ですが、 より深く学びたいという方もどうぞご参加されて下さい。
「指導者世話役の会」のご参加は任意です
2026年2月22日(日)
18:00〜19:00 | 食事(2F・レストラン) |
19:00〜21:30 | 指導者世話役学習会(レインボーホール) |
2026年2月23日(月)
9:00〜12:00 | 指導者世話役学習会(レインボーホール) |
12:00 | 解散 |
参加申し込み方法
こちらの申し込みフォームより、お申込みください。申し込み用紙が必要な方は、 こちらよりダウンロードして、印刷後、記入して、郵送してください。
送付先
〒810-0033 福岡市中央区小笹2丁目8−47
村山直通 宛
郵送、メールでの申し込みについての問い合わせ(村山直通 090-7927-2726)
申し込み締め切り
2025年11月30日(日)※定員になり次第、締め切りますのでご了承ください。
振込先
ゆうちょ銀行振り込み口座01730-0-40551
福岡自然農塾
※参加費は2025年12月5日(金)までに振り込んで下さい。
入金確認を持って参加申し込みの手続きを完了とさせて頂きます。
その他
- 参加申し込みは、定員になり次第、締め切ります。お早めに申し込み下さい。
- 夫婦で参加される方は、自家用車の情報は、どちらか1人の申し込み覧でお願いします(乗車可能な人数を全体で把握したいので。)
- 前泊(20日(金))を希望される方は、個別に直接ホテルに申し込んで下さい。 前泊の宿泊費は、21日(土)の朝、各自、直接ホテルにて清算して下さい。
- 唐津市内にはホテルが数か所ありますのでご自由に決められて結構です
詳細についてのお問い合わせは、
こちらのメールアドレス fuktaehata@gmail.com かお電話で。
092-325-0745 鏡山悦子
090-9793-9963 鏡山英二
090-7927-2726 村山直通
