自然農見学会のご案内

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2025年 自然農見学会のご案内

耕さず、草や虫を敵とせず、肥料農薬を必要としない
生命の営みに、ひたすら沿う農……


昨年 11 月、富山にお住いの石黒さんご夫妻をお訪ねしました。
石黒さんご夫妻は、2020 年に福岡自然農塾の特別企画において、講演をして下さり、 お二人の自然農を軸とした 35年に及ぶ自給自足の暮らしのことを会場に来られたたくさんの方々に伝えて下さいました。
電気もガスも水道もない暮らし、子供達は 5人とも学校へは行かず、それぞれに成長し、自立し逞しく今を生きている・・・・・・。 お二人とも 60 代後半となって、同世代の私どもと語れるものは山ほどあったはずですが、 美しく整えられた家の周り、裏手の山にほどこした、手造りの石垣、川を渡ると広がる約3反の田畑、 手作りの農具、など暮らしの美しい1コマ1コマを見させていただき、その説明を聞いていると、 あっという間に陽が落ちて、文子さんの手によって用意された豊かなお食事を頂きました。 その全てが自給のもので、お米、お野菜、山菜、豆類、保存食の品々・・・・どれもどれも美味しくて。 頭の上に吊るされた灯油ランプの明かりの下でいただく夕食はこの上なく、格別でした。
お風呂は五右衛門風呂、そして汲み取り便所、何一つとして、 不自由を感じることなく、快適な中で過ごさせて頂きました。
リビングに置かれた時計型の薪ストーブで、全ての料理が行われ、 また暖を取ることができ、本当にシンプルな理にかなった、心地よいお住まいでした。 とにかく、その整え方が清々しく、田も畑も家も気持ち良いものでした。
石黒さん達と別れて、そのあと、長女のいる奈良に向かいました。 何年も前から行きたかった正倉院展を見るためでした。 約 1300 年の時を超えて、見る宝物はどれも素晴らしくて、目を見はるものばっかりでした。 この布を織るのに、その糸を紡いで染めて機に通して、どれほどの技と時間を要したのだろう・・・・・・ その仕事をする精神性、つまり当時を生きた人達の審美眼や人間性は極めて高かったろうと思われます。
ひたすら自らの役目と自覚したことを、余計な心を挟まないでやり通してゆくその事を思いました。 そして、ふと気付いたのです。1300 年前といえば、電気もガスも水道もない時代です。 石黒さん達の暮しと重なります!!。 私達の暮らしは、言ってみれば、便利さを追求し続けることが豊かさだと勘違い しこの今に至っています。今や AI が人間に代わって、なんでもできるようになり、労働は様変わりするでしょう。 そして、人は落ちて行くでしょう。
川口さんが、以前、言っておられました。 時代が新しくなればなるほど、その芸術作品の、品格、精神性は低くなります・・・・・・と。 弥生時代の土器や造形物には、穏やかな美しさがあります。 その時代を生きた人々の農耕生活からくる安心や、豊かさが反映されています。 さらに、縄文時代に、遡るとどうでしょう。 狩猟生活から来る、生と死が表裏一体となった不安、気迫、力強さがあると思われますが、実際は違っていました。 「縄文展」(約 20 数年前に福岡で開催された)では、人々の暮らしのあり様が、簡潔ながらも力強い豊かさに満ちていました。
そして、あの有名な火焔土器は、炎のようなその文様のなんと静寂で美しかったことか!。
そこに流れる空気というかオーラは、し−んと静まり返っていて乱れるものや迷いがないと感じました。
私達の今の暮らしは、概ね豊かで安心であります。この豊かさを失うことは考えられず、電力も限りなくです。 足りなければ、使わない暮らしは考えられないのが今の現実です。
食べるもの着るもの、お金があれば何でも手に入ります。そのために、お金を稼ぐことが重要な仕事 となりました。 私達の本当に大切な仕事とは何でしょうか。
早春を目前にして、一見、枯葉色の大地ですが、よく見ると足元には、春の芽吹きが始まっています。
大地に立つということは、そのことを知るということです。 生命の営みが、感じられれば、大きな不安はありません。
自然農は希望ですし、本当の喜びが得られるということです。 起こる出来事は、次から次に限りなくですが、生命の世界に立って、一つ一つ答えを出してゆけたらと思います。

2025年 年間学習内容

月日
学習内容
4月13日(日) 春の仕事
○学びの場、実践地の見学
○お米の苗床作りと種降ろしの仕方
○春夏野菜の種降ろし数種の仕方
※お米の種籾を希望の方にお分けします。
6月8日(日) 田植えを中心に ○学びの場、実践地の見学
○夏野菜の手の貸し方、支柱の立て方など
○一貴山の田んぼで田植えの実習、畦塗や水の管理の仕方
8月3日(日) 夏の仕事
○学びの場、実践地の見学
○田の草への応じ方、田の夏の管理について
○果菜類(ナス,トマト、ピーマン、キュウリなど)の手の貸し方
○秋冬野菜の種降ろし
10月26日(日) 秋の仕事

○学びの場、実践地の見学
○稲刈り、稲架かけづくり及び稲架かけの仕方
○麦の種降ろし
○畑の野菜への応じ方と手の貸し方
11月23日(日) 実りを手にする
○学びの場、実践地の見学
○お米の脱穀、唐箕、調整(籾摺り、精米) 昔からの道具を使い手作業で行います。
○精米したお米と自然農の野菜で作ったお味噌汁をその場で炊いていただきます。
(弁当不要。各自、箸、おわん2つ持参)
2026年
2月15日(日)
冬の仕事
○学びの場、実践地の見学
○お米の苗床の準備 (畑の作物の苗床作りにも応用できます。)
○新たに畑の畝を立てる、低くなった畝を立て直す。
○エンドウの種おろし等

見学学習会の一日の流れ

9:00 集合・受付(松国学びの場−糸島市二丈松国 )
9:30 開始
午前中は松国学びの場の見学と畑の実習を行います。その後、一貴山へ移動して昼食をとっていただき、 午後は、鏡山農園と一貴山学びの場の見学、田んぼの実習を行います。見学実習終了後は、言葉を交わし ながらの学習会となります。
17:00 終了
●参加費: 1,000 円
●持ってくるもの:軍手、帽子、長靴、あればノコ鎌、弁当(11月は不要)、水筒
●見学学習会についての問い合わせ先
・鏡山 092-325-0745
   090-9793-9963
・村山 090-7927-2726


座学のご案内

自然農は単なる農法ではなく、生き方です。座学は自然農から農をこえて様々なテーマで学び合う場です。 自然農を提唱された、故川口由一さんから、 学んだ自然農の世界、すなわち人が生 きる上で大切な事々全てに渡って、言葉を交わしながら共に学び合いたいと思います。

2025年
3/9(日),5/11(日),7/13(日),9/14(日),11/9(日)

2026年
1/11(日),3/15(日)

  • 会場:一貴山鏡山宅 竹細工工房
  • 時間:10:00〜17:00(弁当持参)
  • 参加費:1人500円
    (資料代、お茶代など)
  • 定員:20名
前日までに、電話(092-325-0745)にお申し込み下さい。
どなたでも参加いただけます。


福岡自然農塾各学びの場と農園


福岡自然農塾(代表:鏡山 悦子)とは、松国、一貴山、花畑の3ケ所の学びの場と農園を総称しての名称です。 見学学習会においては、主に松国と一貴山がその対象となります。 個々に農園等を見学されたい方は、必ず前もってご連絡ください。

松国自然農塾

◆所在地 福岡県糸島市二丈松国
◆代表 村山 直通[TEL 090-7927-2726]
現在、85 名の方が一年間を通して、自然農のお米づくりと野菜づくりを学んでいます。 田んぼが約 2.2 反、畑約 4.5 反、果樹 1 反で一人当たりの広さはそれほど広くはありませんが、週末や休日を利用 して福岡市内や近郊より通って楽しく学んでいます。毎月1回(第 2 日曜日)に指導と共同作業をやっています。 周囲の斜面や山林もお借りして果樹やシイタケの栽培にも取り組み、年末には育てた稲藁でしめ縄作りなど、総合 的な学びを心がけています。

一貴山(いきさん)自然農塾

◆所在地 福岡県糸島市二丈一貴山
◆代表 鏡山英二[092-325-0745]
一貴山は松国から、少し山手に入った、空気と水のきれいな中山間地の棚田地帯です。2002 年に学びの場が開か れ、鏡山家を中心にして現在 33 名が学んでいます。広さは田と畑を合わせて約1町 7 反です。1人当たりの広さも かなり広く、将来の農的暮らしを見据えての学びの場です。自然農に目覚めるのは、農地を持たない都市生活者が多 いので、具体的に農的暮しを始めるとなると、一貴山のような中山間地の放棄された棚田がいろいろな視点から最適 です。平地にはない厳しさもありますが、生きるための総合力を身に付けられたらと思っています。

鏡山農園

◆所在地 福岡県糸島市二丈一貴山
◆代表 鏡山悦子[092-325-0745]
1992 年より夫婦で自然農を学び始め、今年で 34 年目を迎えます。「唐原」と「上の山」での学びを経て、1996 年 より一貴山で自然農を営み始めました。1999 年には家を建て、長年の夢であった農的暮らしが始まりました。現在 は、田んぼ 8 畝、畑 3 反、果樹地1反を営んでいます。果物を加工したり、コンニャクや豆腐を作ったり、日々の暮 らしに田畑の恵みを様々に利用する知恵は、昔は当然だったことを、今は一つ一つ学びながら自らに備え、次の世代 にも伝えていくことが静かな喜びです。今年は、お醤油造り 8 年目です。今年は 10 家族が醤油造りに取り組むこと になり、先日、各々1年分の醤油を自分たちで搾ることができました。今年は、醤油麹造り、2 年目です。また、ニ ホンミツバチを飼い始めて 14 年目になります。感動がいっぱいです。

木下農園

◆所在地 福岡県糸島市加布里
◆代表 木下まり[090-8418-5801]
自然農に切り替えて今年で 31 年目になりました。糸島半島の海沿いの温暖な地域にあります。田んぼは 2 反 2 畝 ありますが、そのうち 8 畝程でお米を作っています。畑は 7 畝で、自給用の米と野菜はほぼまかなっています。食卓 を囲む家族の人数も少なくなり、作付面積を少なくしたり、周りの方にお分けすることも増えました。農園の周囲は 慣行農法の田に囲まれています。獣の害はあまりありませんが、カモの食害や、潮風の害が、まれにあります。また、 近隣の田と水を入れる時期の調整など、ここなりの工夫も要します。醤油、味噌、豆板醤、マスタード等、 自然の恵みを手作りして日々楽しんでいます。

花畑(はなはた)自然農塾

◆所在地 福岡市南区花畑3丁目
◆代表 村山直通[090-7927-2726]
都市の中の自然農学びの場です。現在28名が約2 反の畑で学んでいます。 下記の日程で見学会を開催しています。

<花畑自然農塾見学会>2025年の予定
3/2(日)、5/4(日)、7/6(日)、9/7(日)、11/2(日)、2026年1/4(日)
◆集合場所:花畑公民館
福岡市南区花畑3丁目
※駐車場は近隣のコインパーキングをご利用下さい
◆集合時間:午後1時30分 (参加費無料)

福岡自然農塾学びの場の地図

地図は、クリックすると拡大します(ダウンロードできます)

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