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秋尾 敏の俳句 2019年
「軸」3月号 鳥曇
男らは先を急げり雛祭
大枝は小枝の下に水温む
春光に塗れて黒き古代米
前髪の乱れて鶴が後退る
電柱に別れを告げた春の星
賛同の拍手か春が動き出す
春の星から球体のチョコレート
コーヒーは吾妻橋から鳥曇
おぼろ夜はサプリメントの迷路へと
「軸」2月号 ちりぢりに
一月に黄昏のある管楽器
プルトップ冬の夜空へしのび込む
バスタブに去年の漣かき寄せて
五段変速若い時間を北風と
十二月八日タンゴの腰深く
育てたる赤血球も初参り
資源回収赤城颪を使い捨て
虎落笛チルド・ビーフに赤み増す
解熱剤二錠冬銀河ちりぢりに
「俳句界」1月号
客観に主観は並び寒い書架
凩のうしろ姿は海である
白を灯し何を為し得た枯野の薔薇
軸1月号 跳び移る
数の子を噛みたる後の明るさよ
年の暮雲から雲へ跳び移る
黙ってはいない冬芽は耳となり
ブロックの穴の冬日は淋しいぞ
惑星のかけらに水のある寒さ
美しくあろうと湯気が身をよじる
掌に鳥を寝かせておく霜夜
十二月背中をノックされている
木枯の後ろ姿は海である