本書ハンネン・スワッハー・ホームサークルのメンバーの一人アン・ドゥーリー女史が編纂したGuidance from Silver Birch(シルバーバーチの導き)の全訳である。
巻頭で紹介したように、霊言集は十一冊あり、一冊一冊に編纂者の特色が出ていて興味ぶかい。交霊会は開会の祈り ― 講話 ― 質疑応答 ― 閉会の祈りと言うパターンになっているが、その質疑応答は主に招待客との間で行われるから、そのつど新鮮味があり、シルバーバーチも巧みに質問者に合った説明をするので聞く者を退屈させない。
その相手が著名な学者であることもあれば、心霊研究家や心霊治療家であることもあり、青年牧師である場合もあれば、幼い子供たちであることもあり、それが霊訓の内容を多彩なものにしている。
本書に収められたのは大部分が講話の部分であり、質疑応答も割りに平凡なものを一つの章にまとめており、全体として見ればシルバーバーチ霊訓のエキスのようなものになっている。『古代霊は語る』を読まれた方には少し物足らなさを感じられるかもしれないが、シリーズである以上は全体としてのバランスを考えねばならず、その意味で、本書は初めての方にとって格好の〝入門書〟であると見て選んだ。
巻末の「霊的啓示の系譜」はこれに物足りなさを感じられる方への配慮と受け取っていただきたい。