男の自宅介護

山中温泉「吉祥やまなか

 

★妻と温泉へ行こう 2017/2/25

在宅介護をはじめて、
妻との目標でぼんやりと「旅行に行けたらいいな」と思っていました。
 
そんな中、男性介護者の会で
2年前「要介護5の妻と北海道旅行へ行った人の話」
   「ホテルの浴室にシャワーキャリーで入った」
1年前「障害者温泉療養事業で2人で8千円もらえる話」
   「和室の温泉にスロープもって、支援者と行った」
の情報があり、

妻の状態も、不明熱騒動からも2年半、2-3時間の座位も可能になってきたし、
糖尿病になっても「食品交換表」で栄養管理ができるので、
少しづつ情報を集めて、今年の目標にして、温泉旅行を模索していました。
 
身体障害者1級なので、2人で8千円の助成金が出る制度があります。
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石川県/障害者温泉療養事業
・身体障害者1-2級、付き添い者1名
・金沢市1人千円。石川県3千円
・年間1回
・指定の温泉旅館 (平成28年3月1日現在25か所) 
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しかし、多くの旅館は、和室で大浴場です。
要介護5の妻の場合、選定できる温泉は少なそうです。
 
要介護5で条件は
・館内バリアフリー・・駐車場や館内段差、階段でなくエレベータ
・室内バリアフリー・・車いすが入る・・和室は入口に段差がある
・洋室、ベッドがある・・和室が多い
・食事・・テーブルで車いすが入る。・・和室の部屋食が多い
・家族風呂、貸切風呂、室内風呂・・折角の温泉でシステムバスはイマイチ
 
バリアフリーをうたう旅館でもこのハードルは高い。
 
25か所の旅館のうち、バリアフリーツアーセンターのデータがあるのは7か所
段差の写真などありました。
 
しかし、条件に合うのは露天風呂付客室でかなり高価です。
 
条件にあう旅館を見つけるのは難しそう。と遠い目標になるかと思っていたところ
大阪に嫁に行った娘から、温泉旅行のお誘いがありました。
 
しかも、バリアフリーの温泉旅館を見つけてくれました。
 
・バリアフリールーム リクライニングベッド、バス、トイレまで段差を無くした構造
・1階のバリアフリー貸切風呂
・レストラン 豪華料理
 
助成金が出る旅館ではありませんでしたが、
ホームページの写真でも確認できました。行けそうです。
 
教訓:助成金が出る旅館ばかり探していましたが、もっと広く探せばあるものですね。
 
今年のゴールデンウイークにみんなで行くことになりました。
 
 早くもぼんやりした夢が叶いそうです。

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★車いすの妻と行く山中温泉  2017/5/1-2

車いすの妻と行く山中温泉 準備編

ゴールデンウイーク。
妻と温泉行ってきました~。まずは準備編です。

妻が倒れて11年。初めての温泉です。
 
 
■起案
1年ほど温泉の情報を探索していましたが、
2月25日「妻と温泉へ行こう」と決意し、準備してきました。
 
大阪に嫁に行った娘が見つけた温泉は
・バリアフリールーム・・・リクライニングベッド、バス、トイレ段差無し
・バリアフリー貸切風呂
・レストラン 豪華料理
です。
 
■山中温泉 吉祥やまなか
 
 以下はホームページの写真です。

バリアフリールーム「心 アクセシブル」


 
1階のバリアフリー貸切風呂「友琴」、先着順の予約


 
 
妻はすでに61歳の誕生日も過ぎていますが、
子供たちが「還暦祝い」にしてくれるということになりました。
 
■糖質制限 木苺レアチーズケーキ
100gあたり糖質3.2g 187kcal 塩分0.2g
通販で前日に冷凍宅配便で受け取ります。
 
以上、ホテルとケーキを娘が手配してくれました。


--さて、持っていくものです。
 
■車いすとシャワーキャリー
一番の問題は車いすです。
当初は、私のNBOXでシャワーキャリーと室内用車いすを後ろに積んで
助手席に妻を乗せる予定でした。
助手席からはお姫様抱っこで乗降します。
 
前日に実際に載せてみると、
フットレストを外すとシャワーキャリーと室外用車椅子も乗ります。
そこで、一緒に行く車に、室内用車いすをたたんで入れてもらうことにしました。
これで、3台の車椅子を持っていくことにしました。
 
旅館側にも車いすがあるかもしれませんが、期待通りに行かないとがっかりするので
できるだけのことはこっちでやろうと思います。

  
↓シャワーキャリーをフットレスト外して運転席にベルトで固定

↓室外用車いすもフットレスト外して、固定はできず。(がたつきます)

 

■入浴セット
家で使っているシャンプーセットを持っていきました。
実際にはシャンプーはありましたが、「洗顔フォーム」はなかったので
もって行ってよかったです。
浴槽には入れないので、足湯桶も持っていきました。
 
■食事セットと薬
新作の外食用エプロンは作ってよかった。
計量器やコップは使いました。結構陶器のコップが重いので必要です
 
■オムツと衣類
入浴ごとに交換しました。
入浴を夜と朝入ったので、余分に持っていってよかった。
パジャマは3月8日に改造した介護パジャマを2着持っていきました。
 
■他に
デジカメや筆記具、充電器など
 
こう考えると、、私が倒れた時など、非常時の避難用にこのセットを常備したいと思いました。
 
■行程
5月1日昼13時半から出発し、翌2日の昼12時に帰ってきました。
 
月うさぎの里→あやとり橋→吉祥やまなか→蟋蟀橋→栢野の大杉
 
■忘れ物
便のタイミングも合わせて、
これだけリストつくって準備しても、やっぱり忘れます。
助手席に乗せたので、車いすのまま乗せる場合に忘れることのない
靴とマスクを忘れました。

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★ホテルのバリアフリー

「吉祥やまなか」



宿泊先、「吉祥やまなか」に到着。16時半。
 
■館内バリアフリー

〇ロビーや風呂へ階段あるがスロープ併設です。
〇部屋まで車いすで行けます。
〇エレベータも車いすがちょうど入ります
 
■バリアフリー客室

〇ネットの写真で見るより浴室も寝室も広く感じました。

〇リクライニングは高さ、足、頭の3モータです。
 頭を起こすと足元方向のテレビを見ながらくつろげます。
 高さではおむつ交換と車椅子乗降に役立ちます。

×リクライニングベッドのマットが硬い…妻を横にすると即「硬い」って。
私のベッドの方が柔らかいのでマットを自力で交換しました

〇廊下から部屋の扉、部屋から浴室への扉は大型の引き戸で段差ありません
部屋の中も、車いす通過に支障ありません。

↓3台の車いす持込み


 
〇バリアフリー浴室

折角なので朝風呂に入りました。シャワー浴です。
朝6時に目が覚めて、朝風呂、7時にはロビーでコーヒー。8時半に朝食。

温泉ではないのですが、支障なく、家と同じシャワー浴出来ました。

〇私は使いませんが、シャワーチェアが常設です。
 肘掛けがないので妻は座れません。
〇シャワーの勢いもよかった。
×寝室と洗面所の扉は大きな引き戸でよいのですが、
浴室と洗面所の仕切りがないため浴室が広く、
換気しながら入ってしまったので、少し寒かった。
×タオル類は普通の枚数。バスタオルx2とフェイスタオルx2x2

 

■家族風呂・・・折角の温泉なので、ここはやっぱり妻と2人で入りました。
 
〇温泉の浴槽には入れませんでしたが、シャワーキャリーで入ってかけ流し。
温泉気分は味わえました。

〇シャンプーとボディソープはあります。
 洗顔フォームはなかったので持っていったものを使いました。
〇バスタオルがたくさんあるので使いました。
 
×夕食の時間を早めて、予約しましたが、夕食が出てくるのに時間がかかって、
 家族風呂には30分ほどしか入れずに忙しかった
×おむつを装着するのにベッドがいるのですがありません。
おむつを外すのは車いすの状態から腰を浮かせて、外せますが、装着は横にならないと難しいです。
写真のように赤ちゃんのおむつ交換用ベッドはあります。
脱衣所が狭いのですが、お願いして館内にあった小さな木の硬いベンチを入れてもらいました。
この対応がなければ、部屋のシャワー浴ができるので、無理して入るつもりはありませんでした。

結局、硬いので痛くて、小さいので落ちそうになりながら
無理やりなんとか、おむつ装着できました


家族風呂と部屋が近ければバスタオルにくるんで移動するのですが、
(浴衣がありますが、バルローブはありませんでした。)
家族風呂は1階、部屋は4階、エレベータで行かなくてはいけないので、これも無理。
・・・・と考えましたが、この方法の方が良かったかもしれません。

次回はバスローブを持ち込んで、部屋へ移動しよう。
 ・・・これが台から落ちずに安全で痛くない。・・・移動中に漏れるとやばいか・・


 

■食事の車いす対応

4月21日に新しく作った介護食事エプロンを持っていきました。
 
・夕食…2階 「べにばな」和食
 家族用に個室でした。車いすが入るテーブルです。


 
・朝食…2階 「アオタケ」洋食
 ×窓際の明るいカウンターに席を用意されていたが、車いすが浅く、
 テーブルを作ってもらい車いすが入るようにしてもらいました。


 
・ロビーでは水。時間帯によってコーヒーやところてんなどフリーです。

 

★行楽地のバリアフリー

■「月うさぎの里」

駐車場から行くと階段があります。
降りるのは何とか後輪から行けましたが、登るのは難しそうです。
後でわかりましたが、売店の方から行くと段差無しで入れます。

■「あやとり橋」

駐車場は休日で空いているか心配でしたが、ちょうど、橋の近くに空いていました。
心配した入口の階段は奥にスロープがありました

■「蟋蟀橋(こおろぎ橋)」

駐車場はそこそこの台数駐車可能ですが、休日で満車です。
車いす用が1台分あって空いていました。


駐車場からは長い坂道を降りていきます。
行きはよいよい帰りはこわい。(上るのはきつい)
 
元禄時代以前からかかっている橋 山中八景の1つです。
 
新緑の季節。紅葉も楽しめそうです。

 


 
非日常を楽しみ。
いい天気に恵まれたいい温泉旅行でした。

妻との目標でぼんやりと「旅行に行けたらいいな」との思いが、
遠方に住んでるけど親孝行の子供たちにも助けられ、叶いました。 
妻が倒れて11年。ここまできたな~。そんな感慨があります。


また、次の温泉探そう~。 

 

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