男の自宅介護

機種や会社が変わると料金にも差が:福祉用具レンタルをうまく使う<前編>


要介護5の妻の在宅介護ではベッドなど福祉用具を3点レンタルしています。全国同じ料金だと思いこみ4年間同じものを借り続けていましたが、ある日偶然、レンタル会社によって料金が違うことを知りました。さらに新機種が出ていることもケアマネさんが教えてくれました。



現在レンタルしている福祉用具


要介護5の妻の在宅介護には様々な福祉用具が必要です。
その中には介護保険でレンタルしているものもあり、効果も実感できて重宝しています。
ですが、さすがに高価で購入はできませんし、特殊なので自作するわけにもいきません。
妻のために借りている福祉用具は以下の3点です。

・介護ベッド
手元スイッチで高さ、背あげ、膝あげを、それぞれ独立して調整できる3モータータイプのベッドです。
高さを65cmまで上げられる点が特に便利で、おむつ交換では腰の負担を軽減できます。

・自動体位変換エアマット
床ずれ防止の自動体位変換機構がついたエアマットです。
脳出血で入院した際、内部の肉まで化膿する重い褥瘡になった経験から、寝返りの打てない妻の床ずれには特に気を使います。
妻の体位変換は日中であれば私ができますが、夜間までやっていては私の睡眠時間が確保できません。
そのため在宅介護スタート時から、夜間だけはこのエアマットを使って妻を体位変換していました。
現在、私の睡眠が十分に取れているのはこのおかげです。

このマットは、横になった体の下から空気(エアー)を送り込むことで、優しく体を傾けられる仕組みになっています。
右上半身、左上半身、右下半身、左下半身の4つのエリアそれぞれを独立してエアー制御できます。
エアーを抜いてマットを平坦にすることも短時間でできるという特徴があります。

・ジェルクッション
車いす用のクッションです。
低反発マットや網目構造高反発マット、自作座布団などいろいろ試してみましたが、長時間座っていても痛くならないのは、おしり全体を支えてくれるジェルクッションでした。

以上の3点は、在宅介護スタートしたときにケアマネさん紹介のレンタル会社から提案されたものです。
最初の4年間は疑いもなく、同じものをずっと使い続けてきました。

同一機種でも会社によってレンタル料金が違う


在宅介護を開始して4年経ったある日。
妻が通院している病院の向かいに介護用品のレンタル会社があることに気がつき、入ってみました。
介護用品の展示とカタログがあったので、カタログをもらってきました。

カタログには、その時レンタルしていた福祉用具と同じものも載っていました。
レンタル料を比較してみると、以下のようになりました。

ケアマネさん紹介のA社  = ベッド1,200円 + 体位変換エアマット1,300円;
病院の向かいに見つけたB社= ベッド1,100円 + 体位変換エアマット1,200円;

全く同じメーカー、品番のものが、合わせて200円も安く借りられるのです。

介護サービスの料金が決められているように、レンタル料金も全国同じ料金だと思いこんでいましたが、違っていたようです。

ケアマネさんの逆提案で体位変換エアマットを変更


さっそくケアマネさんに別の会社の方が安いことを伝えて相談すると、すぐに調査してくれました。
すると、同じエアマットが1,100円で借りられる会社もあったり、新機種なのに1,000円でレンタルしているものもあったりと、いろいろな情報を集めてくれました。

その新機種は確かに、A社、B社ともに1,000円でカタログに載っていました。
同じメーカーから2年前に出たものです。
独立した自動の体位変換機能があり、エアセルによる体圧分散、時間設定や角度調節、除湿機能などもついていて、機能には差はないようです。

大きな違いは、外観にありました。
旧機種はエアーを送り込むためのポンプがマットの外に取り付けられていて、大きな操作部と一体となっています。
この操作部は床置きしなければなりません。

これに対して新機種は、ポンプがエアマットに内蔵されています。
操作部は小型のリモコンに変更されているため設置スペースを取りません。
機能は向上したのに、レンタル料金は旧機種よりも安くなっています。

会社変更と機種変更で月額400円安くなった


そこで、B社のベッド1,100円 + 新機種の体位変換エアマット1,000円のレンタルを試してみることにしました。

このことは、A社の担当者にもすべてオープンにして、値段交渉もしてみました。
ですが「カタログに掲載されているので、特例で値下げすることはできない」ということでした。

この担当者には介護用品の購入などいろいろ相談できる関係を築けていたので残念でしたが、このお試しレンタルをきっかけに、A社からB社へ“円満”切替となりました。

この結果、ベッドとエアマットのレンタル料金は月額400円安くなりました。
会社も機種も変えず、そのままさらに4年間レンタルし続けるとすれば、2万円近くも差が出ます。



このように、レンタル会社も見直してみると、福祉用具の利用料はお得になります。
競争原理が働き、レンタル会社も企業努力していくでしょう。

加えて、カタログで定期的に確認しておくことも利用料金の節約につながります。
新たな機種や機能についての情報を得られ、レンタル料金の比較検討にも役立ちます。

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