妙義山( 相馬岳:1,104m ) 2005.11.19 登山


  東岳付近より相馬岳。手前は鷹戻しからの下り ( 2005.11.19 )

【妙義山再登山記録】

【妙義山再登山データ】

フォト

初登山


妙義山再登山記録

妙義山 (表妙義) に登ってきた。
表妙義はこれで 2回目。 今回は前回登り残していた東岳、 中之岳にも登ることができたので 長年の胸のつかえがおりたという感じである。
と言いつつも、 前回登山終了後に思ったように捲土重来を期して万全の体制で登った という訳ではない。 前回と同様、 急遽の予定変更でこの山に登ったというのが実状で、 少々この山には申し訳ない気がしている。
前回は本来 安達太良山 に登るつもりであったところを、 あろうことか外環道において入る道を間違え関越道方面に入ってしまい、 突然の予定変更による登山であった (当時は 首都高から東北道へ入るルートができていなかった)
今回も登ろうと思って向かったのは 武尊山 であったが (武尊高原キャンプ場から高手山、剣ヶ峰山を行くルート) 沼田ICまで行くと天候は今にも雨が降りそうな曇り空、 おまけに奥利根湯けむり街道に入った途端に雪が降り始めたので、 急遽取りやめて妙義山に変更した次第である。

関越道を藤岡JCTまで戻り、上信越道に入って松井田妙義ICで降りる。すぐに信号を左に曲がって暫く先のT字路を右に曲がると後は妙義神社まで一本道である。沼田とは違って こちらの天候は快晴と言っても良く、 表妙義の鋭い岩峰が青空に映える。
妙義神社前の大きな駐車場に車を停め、 身支度を整えて妙義神社に向かう (7時49分)
前回と同様、 妙義神社本殿にて登山の無事をお願いした後、 右手の北門から登山道に足を踏み入れた。 まずは杉林の中、 沢沿いの登りが続く。

小さな谷を越し、2つほど鎖場を通過するとやがてT字路で、まずは左に道をとって 「大の字」 へと向かう。鎖をよじ登って 「大の字」 の頂上に立つと、抜群の展望が待っていた。 特に榛名山の眺めが素晴らしい。 しかし、 榛名山の後ろには雲が広がっており、 沼田では雪が降っていたのも頷ける。
「大の字」 から再び縦走路に戻り、 やがて中間道への道を左に分けると、 岩場の急登となった。 鎖場を越えて暫く進むと岩を階段状に削った道となり、 その先に洞窟が現れた。 奥の院である。

前回同様、岩の階段を昇って奥の院に入ってみる。「白雲山妙義大神」 と書かれた石碑と石仏は以前の記憶通り。洞穴上部の明かり取りの穴も変わっていない。
ところで、 内部の写真を数枚撮ったのだが、 後で見ると ほとんどの写真に影が写っている。 一瞬祟りかと思ったが、 デジタル一眼レフ専用の広角ズームレンズにて、 広角側 (16mm) でフラッシュを使用した場合に起こる ケラレであろうと思われる。
閑話休題。
奥の院を出て登山道に戻り、 一本杉の横から鎖に取り付く。 ここも記憶通りである。
先ほどの奥の院の明かり取りの穴を過ぎて暫く進むと、 いよいよ稜線となり、 岩に付けられた鎖が連続する。 この辺の見晴らしは抜群で、 今朝車を駐めた駐車場が足下に小さい。

ガイドブックには 7mと書かれている鎖場を越えると、まず 浅間山 が目に飛び込んできた。
頂上付近は雲に覆われているものの、 剣ヶ峰・黒斑山を左に、 右に小浅間山を従え、 周囲の焦げ茶色をした山々とは違って 白い雪を山頂部に抱くその姿は、 優美ながらも威厳を持って周囲の山々を睥睨している。
また、 浅間山の手前には 裏妙義 の山並みが見え、 岩峰の先端にあってキノコの笠のように見える丁須岩が印象的である。 さらに北東方向には、 山塊の真ん中に その名の通り烏帽子の形をした烏帽子岳を持つ榛名山が見え、 その山容が意外に大きいことに驚かされる。

錆びて字の読めない標識と祠跡がある白雲岳頂上に着いたのは 9時24分。ここからは 浅間山 に加え、これから進む天狗岳がその切り立った崖を見せており、迫力をもって空に突き上げている。 また、 天狗岳手前のピーク頂上には石碑が見えるので、 恐らく 「大のぞき」 であろう。

縦走路へと戻り、玉石脇から下り始める。
「大のぞき」 へは途中鎖場もあるものの、 さして難しくはない。 振り返れば白雲岳頂上手前の 玉石から下が恐ろしいほど切り立った崖となっているのに驚かされる。
「御嶽三社大神」 の石碑がある 「大のぞき」 に着いたのが 9時40分 ここも裏妙義、浅間山の好展望台である。

さあ、この 「大のぞき」 を過ぎれば長い鎖場の下りが待っている。この鎖場では足場の確保は問題ないものの、かなりの腕力が必要とされ、おまけに一眼レフカメラを首からブラ下げているものだから、 カメラが振られ結構苦労した。 下り着いたキレットからは谷の中の登りとなる。 天狗岳の大岸壁を見ると 鎖場もありそうな気がするが、 ここは淡々と登るだけである。
天狗岳頂上は前回の記憶通り平凡そのもの。 葉の落ちてしまった木々の間から山麓が見えることがせめてもの慰め といったところである。 当然休むことなく通過する (10時5分)

やがて中間道への分岐を過ぎ、天狗岳から 25分ほどで相馬岳頂上に着いた (10時31分)
この頂上も狭く、 落葉した木々の間から浅間山 裏妙義が見える程度である。 ただ、相馬岳を過ぎて暫く進むと、 これから登る鷹戻し、東岳、中之岳、 そして西岳、星穴岳と続く表妙義の峰々を一望できる場所に出た。 良く見ると星穴岳山腹の穴も見える。
また、これら表妙義の峰々の後ろには 真っ平らな頂上を持つ荒船山、 そして荒船山の後ろには 八ヶ岳 を見ることができたのであった。

相馬岳からは暫く登下降が暫く続き、右に国民宿舎への道を見てから道は急下降することとなった。小さな沢を 2つ程過ぎ、谷を横切ってからは今度は登りが続くようになり、 登り着いた所に 記憶通りの岩のトンネルが現れた。 トンネルの向こうには西岳が見える。
このトンネルの先が堀切 (ホッキリ) で、 中間道への道を左に分けている。 前回はこの先で道を失い、 大きく時間をロスしてしまったのだが、 今回は同じ間違いはしない。 もっとも、前回岩場への取り付きを見落として下ってしまった道は、 今回は木で道が塞がれたようになっており、 否が応でも左の岩場に登る道に気がつくようになっていた。

カニのヨコバイのような鎖場を過ぎると、鎖場、梯子が連続する鷹戻しである。
ここは前回も苦労した思いがあるが、 今回もこの鷹戻しは苦労の連続であった。 前回書いたように、 鎖を乗り越すと鉄梯子となり、 そこから垂直の登り、 少し横に登ってまた垂直の登りと続くのだが、 中には手の力だけで思い切って体を引き上げねばならない箇所がある。 これが容易ではないのである。 手で手繰る鎖だけが頼りの状況下 体がスムーズに引っ張り上がらない。 前回に比べて体重が重くなっており、 体の柔軟さも欠いているようである。 手を離したら落ちるという恐怖感は前回以上であった。

鷹戻しからの眺めは抜群で、先ほど通ってきた相馬岳、そして浅間山が素晴らしい。
さて、 鷹戻しから少し進むと恐ろしい下降が待っている。 ただ、先に 3組ほどが下降をしているようで詰まった状態であった。 仕方なく、取り付き手前で 20分ほど休憩する。
さあ、いよいよ下が空いたようで下降開始である。 開始にあたって首からぶら下げたカメラが邪魔になると思い、 ザックにしまう。
登りも厳しかったが、 下りはもっとキツかった。 ほぼ垂直なルンゼ状の岩場を足場を慎重に確保しながら降りる。 足場を確保する際には、 手だけで体全体を支える状況も生じ、 また体が硬いために残った足を足場から引き抜くことができずに もう一度手だけで登り返すような場面もあり、 加えて 鎖にぶら下がったまま左右に振られることもあったりして、 降り着いた時には腕の方は麻痺状態であった。

休む間もなく少し先に進むと、岩峰があり、道は右へと登るようになる。前回はここで間違って左に道をとってしまい、第四石門に下ってしまったのだった。今回は間違えずに右に登っていく。 ここから中之岳までは鎖場はなかった気がするが、 逆にそれが不安を呼ぶ厳しい岩稜地帯の登下降が続く。 特に中之岳手前の岩峰は、 一瞬オーバーハングしているように見え、 登れないのではないかとの不安がよぎった。 下は切れ落ちており、滑れば即死であろう。 この左右が切れ落ちた岩場を 3点確保しながら慎重に登る。 しかし、意外や意外、 登る前はとても難しいと思った岩場であったが、 取り付いてみると簡単に登ることができた。 ルートの取り方なのであろう。
振り返れば、 先ほど苦労した鷹戻しからの下りが見える。 数人の人が下降していたが、 ルンゼの左右は垂直の壁、 そして岩の右下はそのまま谷へと切れ落ちており、 よくもまああんなところを下降したものだと思う。 一方で、 その鎖場の後ろには相馬岳の悠然とした姿。 苦労した鎖場の下降がちっぽけなことと感じさせられる。

岩尾根を過ぎ、わずかに登ると真新しい祠のある中之岳頂上であった (13時10分)。登り来たりし方角を見やれば、東岳の下り斜面も難所であったことが見て取れる。
中之岳からは 再び長い鎖場の下りが待っていた。 人工的なステップが結構あるので 鷹戻しの下りの鎖場に比べれば本当に楽勝であったが、 手や腕に疲れが残っている我が身には 結構辛いものがあった。
続いて鎖場、 ロープをこなすと、 やがて西岳と中之岳の鞍部で、 そこから左に折れて鎖を降りれば、 後は中之岳神社へと続く一般登山道が待っていた。
中之岳神社からは車道歩きと散策コースが待っており、 妙義山神社駐車場に着いたのは 14時41分であった。

今回、登り残していた中之岳を登ったことで、ようやく表妙義も終了となったが、前回に比べて鷹戻しの登り、そして下りはかなりの手強さであった。前回から今回まで 7年が過ぎており、 確実に年を取り、 体重が重くなった自分を意識せざるを得ない山旅であった。


妙義山再登山データ

上記登山のデータ登山日:2005.11.19 天候:晴単独行日帰り
登山路:妙義神社駐車場−妙義神社−大の字−奥の院−白雲岳−大のぞき−天狗岳−堀切−鷹戻し−東岳−中之岳−西岳鞍部−中之岳神社−妙義神社駐車場
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道路)−用賀IC−練馬IC−(関越自動車道路)−沼田IC−沼田−沼田IC−藤岡JCT−(上信越道)−松井田妙義IC−妙義神社駐車場 (車にて)
交通復路:妙義神社駐車場−松井田妙義IC−(上信越道)−藤岡JCT−(関越自動車道路)−練馬IC−用賀IC−(東名自動車道路)−横浜IC−瀬谷 (車にて)


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