阿川佐和子著作のページ No.



21いい歳旅立ち

22もしかして愛だった

23阿川佐和子のワハハのハ−この人に会いたい4−

24モテたい脳、モテない脳(澤口俊之・共著)

25太ったんでないのッ!?(檀ふみ・共著)

26トゲトゲの気持

27オドオドの頃を過ぎても

28けっこん・せんか

29ピーコとサワコ

30空耳アワワ


【著者歴】、ときどき起きてうたた寝し、メダカの花嫁学校、男は語る、あんな作家こんな作家どんな作家、きりきりかんかん、どうにかこうにかワシントン、阿川佐和子のお見合い放浪記、おいしいおしゃべり、蛙の子は蛙の子

阿川佐和子著作のページ No.1


阿川佐和子のこの人に会いたい、無意識過剰、ああ言えばこう食う、旅の素、阿川佐和子のアハハのハ、いつもひとりで、ああ言えばこう(×嫁)行く、吉右衛門のパレット、オドオドの頃を過ぎても、けっこん・せんか、ピーコとサワコ、空耳アワワ

阿川佐和子著作のページ No.2


アガワとダンの幸せになるためのワイン修行−ゴージャスワイン編、アガワとダンの幸せになるためのワイン修行−カジュアルワイン編、男女(オスメス)の怪、阿川佐和子の会えば道づれ、グダグダの種、阿川佐和子の会えばなるほど、阿川佐和子の会えばドキドキ、この人に会いたい8、聞く力

阿川佐和子著作のページ No.4


ウメ子、恋する音楽小説、屋上のあるアパート、マチルデの肖像、スープ・オペラ、婚約のあとで、ギョットちゃんの冒険
、うからはらから、正義のセ、正義のセ2、正義のセ3

 → 阿川佐和子作品のページ No.1


負けるもんか

 → 阿川佐和子作品のページ No.2

   


      

21.

「いい歳 旅立ち」● ★★

  
いい歳旅立ち画像

2002年02月
講談社刊
(1500円+税)

2006年02月
講談社文庫化

 
2002/05/23

佐和子さんの子供時代から現在にいたるまで、という内容のエッセイを収録。
したがって、佐和子さんを総括するような楽しさがあります。
そうして改めて振り返ると、佐和子エッセイの面白さの原点が、父親・弘之氏を中心とした阿川一家にあることがはっきり判ります。
まあ、佐和子さんも私も、過ごしてきた人生はまもなく半世紀。それなりに積もり積もったものが色々とある訳です。
本書の中では、家族について語った「確認家族」、TVデビュー当時を語った「主役時代」が面白いです。
また、少女時代CMに登場した頃の佐和子さん、学生時代に弘之氏と一緒、という写真が収録されているのが、ファンとしては貴重です。
お馴染み和田誠さんのイラスト(佐和子x9)も、とくに楽しい。

なお、この5月、集英社Be文庫に「阿川佐和子の和食修行」が収録されました。内容はほとんど料理の作り方なので購入は見送りましたが、挿入されている佐和子の写真をめくるだけでも、過ぎし年月が感じられました。(佐和子さんん、失礼の段お許しを)

1.確認家族/2.主役時代/3.いい歳旅立ち

       

22.

「もしかして愛だった」● 

  
もしかして愛だった画像


2002年10月
大和書房刊
(1400円+税)

2006年01月
文春文庫化

2002/11/04

我ながら、佐和子さんのエッセイを飽きずによく読むものだなぁと思います。
何故読むかといえば、同級生のおしゃべりを聞くような快感がある訳で、惰性と言われようが何と言われようが、今後も読んでいくつもりです。
本書は、クレジットカード会社の雑誌と、料理雑誌「キューピー3分クッキング」に連載していたエッセイを一冊にまとめたもの。そのため、内容は専ら、買い物と食べることが中心。
こうした話題となれば、佐和子さんらしさがもっとも発揮されるところ。2雑誌とも目の付け所が良い。

本書の表題「もしかして愛だった」は、収録されたエッセイのひとつ、「購買愛」に出てくる一言。
表題だけみると、何のことやら皆目不明ですが、このエッセイを読めばすぐ納得いきます。これまた佐和子さんらしい逸話。

      

23.

「阿川佐和子のワハハのハ」● ★★

 
阿川佐和子のワハハのハ画像

 
2003年03月
文芸春秋刊
(1600円+税)

2005年04月
文春文庫化

 
2003/03/28

週刊文春連載中の対談「この人に会いたい」bS

このシリーズも早や4冊目。すっかり定着化したという安定感があります。
対談相手側も、佐和子さんとの対談に期待するものがあるのでしょうか。佐和子さんの慣れ、親しみ易さもあるのでしょう、皆さん淀みなく語りだす、という風があります。
今回内容が最も興味深かったのは、NHK「クローズアップ現代」のキャスターを長く務めた国谷裕子さんとの対談。
一番面白味を感じたのは、佐藤愛子・神坂冬子コンビとの対談。どうしても、阿川佐和子・檀ふみコンビと比べてしまいます。
大竹しのぶさん、昨年逝去された山本夏彦さんとの対談は、相当に中味が濃いものでした。
この人に会いたい」、「」「」「ワ」と続いて、この後の題名はどういう風に、そしていつまで続くのでしょうか。勿論、続くのが楽しみです。

宮沢りえ/双葉十三郎/堺正章/国谷裕子/渡部篤郎/日野原重明/伍代夏子/野村萬斎/おすぎとピーコ/村治佳織/立川談志/佐藤愛子・上坂冬子/原辰徳/美輪明宏/井川遥/野坂昭如/戸田和幸/岡江久美子/永六輔/森本毅郎大竹しのぶ山本夏彦

   

24.

「モテたい脳、モテない脳(澤口俊之・共著) 

  
モテたい脳モテない脳画像

  
2003年05月
KKベストセラーズ刊

2005年06月
新潮文庫

(438円+税)

 

2005/08/24

脳機能学の教授・澤口俊之氏と佐和子さんによる、対談風科学ガイド。
脳の科学というとやたら堅苦しそう、難しそうとなるところですが、佐和子さんの絶妙の合いの手、ユーモアのおかげで、比較的読みやすい一冊になっています。
澤口さんもつい遠慮がなくなり、女性は若くなければとか、女性の役割を果たせるのは○歳までとか、ついつい本音が出てしまうやりとりが楽しめます。
本書によると、記憶は2〜3日後に復習すると確かなものになるとか。読んだ本のことを忘れないためには2〜3日後に読み返すんが良いことになりますが、まず無理ですねェ。

それにしても、脳について語っている筈なのに何故男と女の話に行き着くのか。
「男と女の知られざる戦略」、これなら竹内久美子さんの本の方がずっと面白いと思っていたら、ちゃんと澤口さんによって紹介されていました、BC!な男」「シンメトリーな男

まえがき(阿川)/脳はいかにして進化したか/脳の基本的構造/脳と体の意外な関係/異性にモテる遺伝子学的理由/頭がいいってどういうこと?/男と女の知られざる戦略/遺伝子の本当の目的/「脳」を育てる/あとがき(澤口)

澤口俊之:1959年東京生、北海道大学理学部卒、京都大学大学院理学研究科修了。エール大学医学部を経て北大大学院医学研究科高次脳機能学分野教授。

       

25.

●「太ったんでないのッ!?(檀ふみ・共著) ★☆

  
太ったんでないのッ画像


2003年09月
世界文化社刊

(1300円+税)

2007年05月
新潮文庫化

 
2003/09/07

阿川佐和子+檀ふみというコンビ、すっかり定着してしまいましたねぇ。本書も、このコンビあってこそのエッセイ、という印象です。
お2人に共通する点は数々あれど、まず第一に食欲、美食へのこだわりがある、と言って良いでしょう。それあってこそ、本書の美食譚があるというもの。
本書は、雑誌「デリシャス」に連載されていたエッセイとの由。
構成としては、集英社の往復エッセイと同じ。はじめにお互いへの簡単なコメントがあり、美食版往復エッセイの後には、再びお互いの近況に対するコメントがあります。
ただ、やたらとお2人の顔写真、それを飾るイラストが織り込まれているものですから、お2人の表情を思い浮かべながら楽しめる、という趣向。
それにしても、これだけ美食を楽しめる、食べることに情熱を燃やせるというのは、羨ましいこと。
銀座の高級仏料理店のこと、その美味しさ故に舐めまくりだった佐和子さんに対し、クレームブリュレの無料追加サービスがあったとか。本書を象徴する可笑しいエピソードです。
終わりの方で、仏コートダジュール行きのことが書かれていますが、これは先般TVで見たグルメ紀行のことか。
ちとマンネリ化の向きもありますが、食いしん坊には楽しい一冊です。

    

26.

●「トゲトゲの気持 ★★

  
トゲトゲの気持画像


2003年09月
中央公論新社

(1200円+税)

2006年10月
中公文庫化

 

2003/09/27

佐和子さんのエッセイをこれだけ多く読んできて、それでもなお飽きもせず、面白いよなぁと思いつつ読んでいるのですから、やはり面白いんだよなぁと、改めて心強く感じた一冊。

未だ面白いという理由は、曝露ネタがまだまだあり、歳を重ねるごとに増えている面もあり、さらに曝露の虫の蠢きが少しも衰えることない、ということに尽きるでしょう。
ただ、本書では、歳をとった云々の話題が増えたなあ、という印象。佐和子さんは私と同年代ですから、お互いそんなトシになったということだ、と納得したのですが、それはどうも早計だったらしい。
本書は、「婦人公論」連載中のエッセイ「ああだこうだ」から40篇を選んで単行本化(1998年3月〜2003年1月号)したものとのこと。佐和子さんのあとがきによると、雑誌の性格を鑑み、女性、エイジング(老化)等の話を取上げるよう心がけたそうです。
佐和子さんのエッセイには絶句させられることが何度もありますが、本書中の圧巻は「胸襟の秘めごと」。あとがきに登場する、担当編集者の志賀佳織嬢とのやりとりを重ね合わせると、さらに可笑しい。

※なお、私の不在中、家人、息子も本書を読んで楽しんでいたらしい。

      

27.

●「オドオドの頃を過ぎても ★☆

   
オドオドの頃を過ぎても画像
 

2004年01月
新潮社刊

(1400円+税)

2006年12月
新潮文庫化

  

2004/02/09

帯にある檀ふみさんの紹介文は次のとおり。
「オドオドからドオドオへ。アガワサワコ、シッパイ怒涛の進化の過程、ここにあり。」

本書は、文庫本巻末の解説文や、あちこちの雑誌等に載せた短文を収録したエッセイ集。
いみじくも、佐和子さんの交友範囲(父君のおかげという部分もありますが)の広さを感じる一冊でもあります。
とはいえ、文筆業の先輩ともなる各氏について、何ら臆すことなく堂々と解説文を書いてしまうというのは、度胸の良さと言うべきか、それとも(ご本人いうところの)おだてに乗りやすい、学習しないという性癖の故と言うべきか。
ともかくも、かつて単行本で読んだ作品について、文庫化時の解説文を読むというのは、読んだ時のことを思い出させられる面があった、それなりに楽しいです。
「娘としては」は、遠藤周作(1989)、北杜夫(2001)、斎藤由香(北杜夫氏長女、2002)各氏との対談3篇。かなり楽しめます。
なお、本書は珍しいことに、佐和子さんの描いた画を用いていつもの和田誠さんが表紙を装丁。

もう一度会いたい/お会いしてみれば/あの頃から/本のまわりで/娘としては/私の死亡記事

    

28.

「けっこん・せんか(檀ふみ・共著) ★★

  
けっこん・せんか画像

 
2004年03月
文芸春秋刊
(1600円+税)

2007年06月
文春文庫化

 

2004/03/30

 

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阿川佐和子・壇ふみコンビによる共著の4冊目、そして初の対談集。
1987年から2000年までの間に行われた対談12回。それに付け足して、22年目の書下ろし対談が4回。さらに余人を交えての対談が5回という盛り沢山な構成。
さすがに往復エッセイ2冊を読了していると、目新しい話はあまりありません。史上稀にみる美女2人の凸凹コンビといえども、さすがにネタが尽きてきたかなと思う次第。それでも、通勤電車でつい乗り過ごしそうになるのですから、面白いことは面白い一冊と言うべきなのでしょう。
読む楽しみというのは対談集でも変わることはないのですが、この2人ばかりは、文字だけでは物足りません。口調、表情、手振り、それも是非愉しみたい! DVDビデオで売り出せばきっと売れると思うのですが、それは無理な注文でしょうか。つくづく惜しまれます。
なお、本書では、余人を交えての
鼎談・座談会の方が面白い。

はじめに/あのとき、アンタは若かった/いま、結婚したい・・・/私たち恋上手です/日米お見合い摩擦/お楽しみはこれからよ/ダンさんは性欲強いほうですか/もう愛の話は聞かないで/それでもお皿は回る/結婚なんて、ばっかみたい/アガワは「火宅の人」の隠し子だった/いまどのくらい不幸?/言っていいこと、悪いこと/若けりゃいいてもんじゃない/タブーを破って「男」の話/親が小説家だからお嬢さま?
〔鼎談・座談会篇〕「作家の娘」父を語る(x大浦みずき)/気分はいつも適齢期(x関川夏央x山口文憲)/我ら焼肉を愛す(x福田和也)/すべてはこの犬がいけないのよ(x檀バジル)/永遠の七五三、永遠の幻(x野坂昭如)
私たちがバアサンになっても/おわりに

       

29.

「ピーコとサワコ(ピーコ・共著) ★★

  
ピーコとサワコ画像

 
2005年02月
文芸春秋刊

(1300円+税)

2011年08月
文春文庫化

 

2005/08/30

  

amazon.co.jp

とても愉快で楽しい、毒舌ピーコと佐和子さんの対談集。
1冊でこれだけ楽しめるのなら、本書はとてもお買い得。

冒頭第1〜4章はピーコさんの毒舌が遠慮なく発揮されて、仰天もしますけれど、とても愉快。
ひとつには的を射ているという面白さもありますが、カラっとしていて陰湿さがまるでないから、ケラケラと笑っていられます。
“NEWS23”の筑紫哲也さん、元“ニュースステーション”の久米宏さんは相当に遠慮なくやられていました。後任の古舘伊知郎さんは歯牙にもかけられず、というところでしょうか。
このピーコさんに比べると、佐和子さんがごくフツーの人に思えるから面白い。でも佐和子さんの合いの手は、実に反応が良くて勘所を抑えていますね。ピーコさんを前にして佐和子さんの良さが改めて良く感じられました。
第5〜6章は、ピーコさんのこれまで。ピーコさんの経歴のことは殆ど知らなかっただけにフムフム。第7章は一転して佐和子さんの話になりますが、これはもう既知のこと。楽しいのはピーコさんの突っ込み位でしょうか(それでもう充分)。
第8〜9章はピーコさんの交友歴というか、世話になって感謝している人たちとのこと。石井好子さんとか永六輔さんとか、実のこもった話が主体で、心に受け止めておくべきことが多いです。

ダンフミさんとサワコさんの友達同士の愉快な対談集とはまた違った面白さを味わえる対談集。ピーコさんの経歴、視野の幅広さがあるからこその面白さでしょう。お薦め対談集のひとつです。

はじめに/テレビのウラ話をめぐるホンネで爆発!の巻/テレビタレントをめぐる寄らば斬るゾの巻/ファッション・チェックをめぐる卑しさと品格の巻/子どもとペットをめぐる腹の立つこと限りなしの巻/ピーコの家庭の躾をめぐる優しさと豊かさの巻/ピーコの愛と性をめぐる愛欲とガマンの巻/サワコの恋愛と結婚観をめぐるおどおどと豪胆さのあいだの巻/ピーコを育てた大物たちをめぐる泣きながら学んでの巻/ピーコのゴージャスな交友をめぐるゲイは身を助くの巻/おわりに

 

30.

「空耳アワワ ★☆

  
空耳アワワ画像

 
2005年03月
中央公論新社

(1200円+税)

2008年03月
中公文庫化

  

2005/07/01

1998年03月から2004年12月まで雑誌「婦人公論」に連載した巻頭エッセイ「ああだこうだ」を単行本化した一冊。
前半40篇を収録したのがトゲトゲの気持ちであり、本書は後半の42篇を収録したものとのこと。

佐和子さんのエッセイ、これまでかなりの冊数を読んできて、もういい加減いいだろうと先般来パスすることにしたのですが、図書館の書棚で見つけると、ついつい手が伸びてしまう。
そして久しぶりに読むと、そこはそれ、やはり楽しい。
もう何度も言ったこととと思うのですが、読書の楽しみというより、同級生のおしゃべりを聞く楽しみ、というに近い。
今回読んで感じたことは、佐和子さんが着実に歳を取ってきたということ。何度か「50歳」になったと書かれていて、それなりの兆候も書かれている。それは我が身も同様のこと、他人事ではないのです。それだけに頷くこと多し。
考えてみれば、サワコ・エッセイを私はクロニクル(年代記)のように毎度読んでいるのではないのか。ちょうど小林信彦「本音を申せばの連載エッセイと同じように。そう思うと、社会・読書・映画等々に軸をおいた小林信彦コラムと、自分および周辺の雑事に軸をおいた佐和子エッセイは、いかにも男性らしく、また女性らしい、対照的なクロニクルです。

本書でとくに可笑しかったのは、70歳半ばの実母に「いくらなんでもあたなの歳に、私はそこまで惚けていなかった」と言われたこと。原稿が書けない苦しみに比べれば何のそのと、痛みに耐えながらも自らの胃カメラ手術の一部始終をモニターで見届けたこと。
サワコさん、まだまだ可笑しさは衰えないようです。

 

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