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2.消えさりゆく物語 3.マンボウ愛妻記 4.マンボウ遺言状 6.巴里茫々 |
●「輝ける碧き空の下で」● ★★★ 日本文学大賞受賞(第二部) |
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1988年12月
第ニ部 1989年01月
1990/05/27
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素敵な題名です。事実、作中人物達も、時折日本とは全く違うブラジルの、輝くような青空に魅せられる場面がいくつか登場します。 そして、第二部。昭和にかけ、移民達も生活の地盤を築き上げ、その子の二世達もブラジル社会に溶け込んでいった時期に起きた太平洋戦争。その結果として、移民達全部ではないものの強制退去、収容所生活、更に終戦後の「勝組」と「負組」の信じ難いような争い。 日本の歴史の中に登場することのない物語だと思いますが、日本人の歩んだ歴史のひとつとして、一読をお薦めしたい作品です。 |
●「消えさりゆく物語」● ★ |
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2003年04月 2000/05/22 |
「著者20年ぶりの本格短編小説集」とのことですが、ちょっと不思議な物語の数々。
名残惜しいともユーモラスとも言えず、消え去っていく静けさのみが余韻として残る、そんな一冊です。 都会/ドライブイン・シアター/茸 /駿馬/みずうみ/夕日とひげ/消滅/水の音 |
●「マンボウ愛妻記」● ★★ |
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2001/06/03
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「愛妻記」とあるので、夫人に関するエッセイと思いきや、途中から主題は変わっているような気がします。 それにしても、躁病で株投資にのめり込み、あちこち借金だらけになった経緯は壮絶! 長きにわたるマンボウ・ファン、個人全集も買って愛読した身からすると、本書はマンボウ半生記として興味尽きません。頁を繰る手が止まらなくなります。 夫婦の始まり/夫婦の逆転/夫婦の戦い/夫婦の折り合い/夫婦の晩年 |
●「マンボウ遺言状」● ★ |
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2004年04月 2001/05/22 |
なんとも不穏当な題名ですが、かなり本音のところもあるようです。 |
●「酔生夢死か、起死回生か。」(阿川弘之・共著)● ★★ |
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2006年09月
2002/02/18
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まえがき−阿川弘之さんとの旅/貴重なる最後の対談/朦朧寝不足対談/酔生夢死か、起死回生か。/死に方の流儀/われらが"俊ちゃん"を語ろう(注:宮脇俊三さんのこと)/食いしん坊の食卓/あとがき−お相手役はつらいよ ※「波」2月号に、お2人の愛娘・阿川佐和子さんと斉藤由香さんの対談が掲載されていました。題して「怒る父、騒ぐ父、嘆く娘」。娘さん同士の対談も、結構楽しいです。なお、由香さん提案の対談タイトルが愉快でした。→「偉大な乳(父)をもつサワコ、ちゃんとしたチチが欲しかった(ユカ)」 |
6. | |
●「巴里茫々」● ★★ |
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2014年10月
2012/01/16
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「巴里茫々」は2000年発表。北さんの出世作「どくとるマンボウ航海記」当時に初めて訪れた巴里の思い出、辻邦生・佐保子夫妻との思い出を含み、パリ解放記念日にフランス人の中年男と口喧嘩し合うといった夢等々について語った篇。 一方の「カルコラムふたたび」は1992年発表。長篇「白きたおやかな峰」の舞台を26年ぶりに訪ねた時の記録。 巴里茫々/カラコラムふたたび |
※娘さんである斎藤由香さんのエッセイはこちら。