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12.タイムトラベル・ロマンス 13.インナーネットの香保里 14.未来のおもいで 16.波に座る男たち 17.精霊探偵 18.この胸いっぱいの愛を 19.時の"風"に吹かれて |
【作家歴】、地球はプレイン・ヨーグルト、ヤマナベ・ポリスのミイラ男、サラマンダー殲滅、ドグマ・マ=グロ、スカーレット・スターの耀奈、OKAGE、黄泉がえり、黄泉びと知らず、美亜へ贈る真珠、もう一人のチャーリー・ゴードン、フランケンシュタインの方程式 |
つばき時跳び、悲しき人形つかい、ムーンライト・ラブコール、あねのねちゃん、アイスマンゆれる、穂足のチカラ、メモリー・ラボへようこそ、ボクハ・ココニ・イマス、壱里島奇譚、クロノスの少女たち |
おもいでエマノン、さすらいエマノン、まろうどエマノン、ゆきずりエマノン、ダブルトーン、アラミタマ綺譚、うたかたエマノン、怨讐星域1〜3 |
猫の惑星、杏奈は春待岬に、たゆたいエマノン、デイ・トリッパー、黄泉がえり again、彼女は弊社の泥酔ヒロイン、おもいでマシン、クロノス・ジョウンターの黎明 |
●「タイムトラベル・ロマンス−時空をかける恋・物語への招待−」● ★ |
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数々のタイム・トラベル作品は勿論のこと、SF小説から幻想小説まで、梶尾さんが融通無碍に語るエッセイ本。 欧米の小説から梶尾さん自身の小説まで、数多くの作品が話題に上ります。あまりSFを読んでいない私のこと故、知っている作品は少ないですが、懐かしくなる作品も幾つかあります。 タイムトラベル・ロマンス(時間を超える・タイムマシン・想像の友人・異人との愛)/プチ入門「センス・オブ・ワンダー」/「黄泉がえり」について |
●「インナーネットの香保里」● ★ |
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九州の熊本にある白鳥山。その白鳥山を舞台に描く、SF+逃避行というストーリィ。 主人公は中学2年の香保里。母親と喧嘩して家を出てきた時に偶然知り合ったのが、松永暎一朗という青年。 ※少女と逃亡者の逃避行、どこかで読んだ気がすると思ったら、豊島ミホ「日傘のお兄さん」に似ている。ただし、中身はかなり異なります。 |
●「未来(あした)のおもいで」● ★★☆ |
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2022年12月 2004/10/23 |
「インナーネットの香保里」に続き、熊本県の白鳥山を舞台にしたファンタジー・ストーリィ。 白鳥山で急な雨に出会った滝水浩一は、美しい女性・沙穂流と一緒に洞で雨宿りします。 時空を超えて結びつく2人の恋心を描くファンタジー。SF要素は少ないため、純真なラブ・ストーリィとして読めます。 梶尾さん自身が脇役として登場するのはご愛嬌。また、梶尾さんの白鳥山への愛着を感じさせてくれる作品でもあります。 |
●「新編クロノス・ジョウンターの伝説」● ★★ |
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2005年07月 2015年02月
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「クロノス・ジョウンター」とは“物質時間射出機”。つまり、物質(人間を含む)を過去の一時期に向かって放り込む機械であり、一種のタイムマシン。 本書収録の3篇は、いずれもクロノス・ジョウンターを使って過去へ行った主人公たちを描くストーリィ。 ・「吹原和彦の軌跡」は、自分が時間移動の犠牲になることも厭わず愛しい人の為に全力を尽くすという、切なくも美しいストーリィ。忘れ難い余韻があります。 セックスが必須アイテムとなっている現代的なラブ・ストーリィに比較すると、いずれも古典的と言っていいロマンティックなラブ・ストーリィですが、私はこういうの好きですねェ。 吹原和彦の軌跡/布川輝良の軌跡/鈴谷樹里の軌跡/時の力と愛の力−あとがきに代えて− |
●「波に座る男たち」● ★☆ |
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2009年09月
2005/09/11
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やーさんを主人公にした、梶尾さんとしては珍しいエンターテイメント作品。 やーさんを素材にしたエンターテイメント小説というと、小林信彦「唐獅子株式会社」、荻原浩「なかよし小鳩組」がありますが、本書ストーリィはユーモアを超えて相当に現実離れしています。そんなところは、梶尾さん得意のSFに共通するところかもしれません。 ※本書題名は「波座師(近海の鯨捕り)」から来ているらしい |
●「精霊探偵」● ★★ |
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2008年02月
2005/10/10
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交通事故で妻を失った主人公は何の気力も起きず、ただ漫然と日々を過しているだけ。ただ、事故後から人の背後霊が見えるようになり、背後霊から教えてもらって他人の探しもの等に役立つこととなった。 心底からの恐怖を感じさせられる一方で、全体に温かさとユーモア感の漂っているところがカジシンさんらしいところ。 なお、最後に思わぬ真相が待ち受けていますが、これはもうカジシン流ユーモアとしか言いようがない。 |
●「この胸いっぱいの愛を」● ★☆ |
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2005/12/24
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「クロノス・ジョウンターの伝説」を原作とする映画「この胸いっぱいの愛を」の、原作者自身によるノベライズ作品とのこと。 門司行きの飛行機に乗った鈴谷比呂志、布川輝良、吹原和彦と一ノ瀬栄子の元夫婦、盲目の老婦人・角田朋恵は、気付くといつの間にか門司に着いていた。しかも20年前、1986年の門司に。 本作品のミソは、過去の自分と並存できること、そして既に起きてしまった事実を変えることが許される(可変性)こと。 |
※映画化 → 「この胸いっぱいの愛を」
●「時の"風"に吹かれて」● ★☆ |
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2008年12月
2006/08/14
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表題からまたしてもタイムトラベルもの短篇集かと思ったのですが、それは最初の2篇だけ。その他9篇は、いやはや、抱腹絶倒SFから困惑しきりのアクションもの、ファンタジー的ホラーから何とアトムまで、その多彩さには唖然とするばかりです。 タイムトラベル・ストーリィを総じて“時の風”と表現したのかと思ったのですが、まさか本当に「時の風」がストーリィの中に出てこようとは。 「時縛の人」はまるで芥川龍之介「蜘蛛の糸」のタイムトラベル版パロディではないかと仰天。 時の"風"に吹かれて/時縛の人/柴山博士臨界超過!/月下の決闘/弁天銀座の悲劇/鉄腕アトム−メルモ因子の巻/その路地へ曲がって/ミカ/わが愛しの口裂け女/再会/声に出して読みたい事件 |
●「きみがいた時間 ぼくのいく時間−タイムトラベル・ロマンスの奇跡−」● ★☆ |
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2006/08/06 |
梶尾さんの描く、タイムトラベル+ロマンスの味わい良さをお手軽に楽しめるよう編集された一冊。 「きみがいた時間ぼくのいく時間」は「クロノス・ジョウンターの伝説」に連なるストーリィ。今回は、時間軸圧縮理論に基づくクロノス・ジョウンターではなくて、時間螺旋理論に基づいて作られた新型タイムマシン=クロノス・スパイラルに乗って、交通事故で死んだ恋人を救うため過去に向かうストーリィ。 「きみがいた時間ぼくのいく時間」と共に楽しいのは、「クロノス」を舞台化した成井豊さんとの対談部分。 〔タイムトラベル・ロマンスの奇跡〕きみがいた時間 ぼくのいく時間/江里の“時”の時/時の果の色彩/美亜へ贈る真珠 |
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