|
|
2.秘密 3.白夜行 4.超・殺人事件 5.サンタのおばさん 6.トキオ(文庫改題:時生) 7.容疑者Xの献身 8.流星の絆 9.聖女の救済 10.ガリレオの苦悩 |
新参者へ、麒麟の翼、真夏の方程式、ナミヤ雑貨店の奇蹟、禁断の魔術、祈りの幕が下りる時、マスカレード・イブ、沈黙のパレード、透明な螺旋、マスカレード・ゲーム |
●「放課後」● ★ 第31回江戸川乱歩賞受賞 |
|
1988年07月
|
私立女子高校を舞台にした殺人事件。主人公はその高校に勤める男性教師・前島。 |
●「秘 密」● ★★★ |
|
2001年05月
|
妻と娘がバス事故で瀕死の重傷を負う。駆けつけた主人公・平介の前で妻は息を引き取る。一方、残された小学生の娘は奇跡的に意識を取り戻す。しかし、娘から最初に発せられたのは「あたしよ、あたし、直子なのよ」という言葉だった。
当初、北村薫「スキップ」に類する作品のように伝え聞いていましたが、全く異なる作品と考えるべきだと思います。北村薫作品では、境遇が変わってしまった主人公の再生の物語であるのに対し、本作品はむしろ妻と娘に取り残された夫かつ父親を描くストーリィなのです。 |
●「白夜行」● ★★ |
|
2002年05月
|
大阪の下町の空きビルで起きた殺人事件。そして、時代はオイルショックの頃。 |
●「超・殺人事件−推理作家の苦悩−」● ☆ |
|
2004年05月
|
帯には「推理作家の舞台裏を描く、衝撃作。日本推理作家協会、助命覚悟!」という大袈裟な文句が続いています。
冒頭の「超税金対策殺人事件」には思わず苦笑してしまいます。一方、「超高齢化社会殺人事件」「超長編小説殺人事件」には、笑うに笑えない、真実っぽいところがあります。 超税金対策殺人事件/超理系殺人事件/超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇)/超高齢化社会殺人事件/超予告小説殺人事件/超長編小説殺人事件/魔風館殺人事件(超最終回・ラスト5枚)/超読書機械殺人事件 |
●「サンタのおばさん」● ★★ 画:杉田比呂美 |
|
|
12月になると気になるのは、やはりクリスマス向けの本。 |
●「トキオ」● ★★ |
|
2005年08月
|
主人公・宮本拓実の一人息子・時生は、遺伝性の病気で死を迎えようとしていた。そこに至り、拓実は妻の麗子に向かって、20年以上も前に、時生と出会ったことを語りだす。時生は時間を超えて、父親である自分に会いに来たのだと言う。 堪え性がなく、何の仕事をやっても続かない拓実の前に、トキオ ストーリィ自体はそれ程のものとは思いませんが、うまく盛り上げ、うまく纏め上げる、東野さんの上手さに脱帽。 |
●「容疑者Xの献身」● ★★☆ 直木賞 |
|
2008年08月
|
獲物は逃がさないと迫ってきた元夫の富樫を、衝動的に殺害してしまった靖子と娘の美里。同じアパートの隣室に住み、密かに靖子を愛していた数学教師の石神は、2人のために完璧なアリバイ工作を築き上げます。 容疑をかけられた母娘、2人を追求する草薙刑事ら、母娘を救おうとする石神、石神の策略を見抜こうとする湯川、その湯川の言動に疑念をもつ草薙刑事という4すくみの対立構図が、まるでゲームのような面白さを高めてくれます。
なお、本作品については究極の恋愛小説という捉え方があるようですが、私はそうは思わない。人に一生の負い目を背負わせてしまうような愛は、独りよがりな愛だと思うからです(人間の感情は論理的な計算どおりにはいかないもの)。 |
※映画化 → 「容疑者Xの献身」
●「流星の絆」● ★☆ |
|
2011年04月
|
刊行当時かなり話題になっていた作品。 深夜に家を抜け出してペルセウス座流星群を見に行った、当時小学生の功一・泰輔・静奈の3兄弟妹が帰宅してみると、両親が惨殺されていた、というのが発端。いつか両親の仇をとってやる、というのが残された3人の誓い。 犯人をあぶり出すために3人が次々と仕掛ける罠、という展開がスリリング。そして最後には、3人が予想もしなかった真相が明らかになる、というストーリィ。 |
●「聖女の救済」● ★☆ |
|
2012年04月
|
「ガリレオの苦悩」と同時刊行された、ガリレオもの長篇、第2作。 事件は、IT企業の経営者=真柴義孝が自宅で毒殺されるというもの。最有力容疑者は、その直前に離婚を突きつけられた夫人の綾音ですが、彼女には前日から札幌の実家に里帰りしていたという絶対的なアリバイがある。 本ストーリィで私が魅力を感じるのは、未だ映画での柴咲コウのイメージが残る女性刑事、内海薫。 |
●「ガリレオの苦悩」● ★★ |
|
2011年10月
|
“探偵ガリレオ”シリーズには「探偵ガリレオ」「予知夢」といった短篇集がありますけれど、私にとっては本書が初めて読むガリレオもの短篇集です。 久しぶりに読んだ刑事事件もの本格ミステリ短篇集ということもあり、(久しぶりだからこそという面もあるのですが)結構楽しめました。 本書収録5つの事件を湯川准教授があっさり謎解きしてしまう辺り、もちろん本格的推理小説といって間違いないのですが、私にとっては謎解きよりもむしろ犯人、あるいは犯人の身内が抱えている切ない心情を描いているところに本短篇集の魅力を感じました。その点、湯川准教授はむしろ脇役と言う方が相応しいのかもしれません。 落下る(おちる)/操縦る(あやつる)/密室る(とじる)/指標す(しめす)/攪乱す(みだす) |