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3.サラマンダー殲滅 4.ドグマ・マ=グロ 6.OKAGE 7.黄泉がえり 8.黄泉びと知らず 9.美亜へ贈る真珠−梶尾真治短篇傑作選− 10.もう一人のチャーリー・ゴードン−梶尾真治短篇傑作選− 11.フランケンシュタインの方程式−梶尾真治短篇傑作選− |
タイムトラベル・ロマンス、インナーネットの香保里、未来のおもいで、新編クロノス・ジョウンターの伝説、波に座る男たち、精霊探偵、この胸いっぱいの愛を、時の“風”に吹かれて、きみがいた時間ぼくのいく時間 |
つばき時跳び、悲しき人形つかい、ムーンライト・ラブコール、あねのねちゃん、アイスマンゆれる、穂足のチカラ、メモリー・ラボへようこそ、ボクハ・ココニ・イマス、壱里島奇譚、クロノスの少女たち |
おもいでエマノン、さすらいエマノン、まろうどエマノン、ゆきずりエマノン、ダブルトーン、アラミタマ綺譚、うたかたエマノン、怨讐星域1〜3 |
猫の惑星、杏奈は春待岬に、たゆたいエマノン、デイ・トリッパー、黄泉がえり again、彼女は弊社の泥酔ヒロイン、おもいでマシン、クロノス・ジョウンターの黎明 |
●「地球はプレイン・ヨーグルト」● ★★☆ |
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ずいぶん以前に薦められていた本ですが、「黄泉がえり」を機に漸く読むにいたりました。 「フランケンシュタインの方程式」は宇宙旅行が舞台ですが、着想および結末のドンデン返しがお見事。「清太郎出初式」は時代的
ストーリィですが感動があります。 フランケンシュタインの方程式 /美亜へ贈る真珠/清太郎出初式/時空連続下半身/詩帆が去る夏/さびしい奇術師/地球はプレイン・ヨーグルト |
●「ヤマナベ・ポリスのミイラ男」● ★☆ |
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2006年02月
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宇宙自由貿易都市のヤマナベ・ポリス、そこで全宇宙で活躍するスーパー・ヒーローたち48人が一堂に会する超人サミットが開催された。しかし、悪の組織“パンドラ”がテロ攻撃を仕掛け、超人たちは身体バラバラに吹き飛ばされてしまいます。 何とも馬鹿馬鹿しいような設定、そしてそれに相応する馬鹿馬鹿しいストーリィなのですが、余りに馬鹿馬鹿しくて愉快、単純に楽しいのです。 普段はボサボサ頭で冴えない女の子なのに、眼鏡を外した途端に美少女へと変身するユノ・Kが可愛らしい。 ヤマナベ・ポリスのミイラ男/マイ・フェア・マミー/恐怖!戦慄!!I・Gマン/ミイラ男の花嫁の息子の逆襲/ミイラ男がミイラ取り!/ミイラ男、最大の危機 |
●「サラマンダー殲滅」● ★★☆ 日本SF大賞 |
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2006年09月 2018年12月
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やっと読むに至った、日本SF大賞を受賞した梶尾さんの代表作。 惑星間航行、移住が可能となった大宇宙時代が舞台。 壮大なスペース・オペラ。宇宙を2分して争うかのような想定に、かつて愛読したE・E・スミス“レンズマン・シリーズ”を思い出します。しかし、本作品がそれと大きく異なるのは、何だかんだと言いつつ梶尾さんは人間を主体にこの作品を描いている点。 一つの長篇作品の中に、短篇の面白さ・長篇の面白さ、凄絶さと滑稽さ、そしてラブ・ストーリィまで織り込まれているという贅沢さな面白さ。 |
●「ドグマ・マ=グロ」● ☆ |
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2003年04月
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深夜の病院、初めて夜勤を経験する新米看護婦・由井美果を襲ったのは、想像を絶した悪夢のような一夜。 正直言って、よく判らないストーリィ。また、結局それで何だったのかな、と思う作品。 |
●「スカーレット・スターの耀奈」● ★☆ |
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2004年08月
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宇宙SFをベースにしたロマンティック・ストーリィ、4篇。 4篇の中では表題作の「スカーレット・スターの耀奈」が秀逸。後味の爽やかさ、スケールの大きさが気持ち良い。 「ドリーム・スターの亜眠」「ホーンテッド・スターの玲乃」の2篇は、失った恋人を忘れられない故のやや後ろ向きのストーリィであることから、満足度は前2作に及ばず。 スカーレット・スターの耀奈/ドリーム・スターの亜眠/ホーンテッド・スターの玲乃/キュービック・スターの麻綾 |
●「OKAGE」● ☆ |
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1999年05月 2004年01月
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帯文句に「キングの筆力、クーンツの度肝を抜く想像力、そしてマキャモンの軽快な語り口」と ありましたので、どんなに凄いストーリィかと期待して読み始めたのですが、正直な気持ちとしては、 う〜ん、というところです。 熊本市内にて子供たちが失踪する事件が数十件起こります。 |
●「黄泉がえり」● ★★★ |
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2002年12月
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熊本で、突然死者が甦ってくるという現象が続発します。いずれも、近い身内が死んだ時のままの姿で家族の前に現れた、というもの。相次ぐ死亡届取消申請に、戸惑う行政側。何故死者は黄泉がえったのか? そして黄泉がえった死者は、迎えた家族は、どうなるのか? このように本ストーリィを紹介すると、ホラー小説のように感じるかもしれませんが、決してそんな印象はありません。むしろ、ユーモラスで、ほのぼのした感覚にとらわれます。その訳は、迎える家族が死者たちを、あたかも当然のように、そして嬉しそうに迎え入れるからです。そこが本作品の魅力であり、このストーリィの重要な鍵になっています。 ジャンルとしてはSF小説になろうかと思いますが、内容としては家族の絆、人と人との結びつきを描いたものと言えます。 |
※映画化 → 「黄泉がえり」
●「黄泉びと知らず」● ★★☆ |
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8篇収録の短篇集。 表題作の「黄泉びと知らず」は、「黄泉がえり」のアナザー・ストーリィ。愛する息子を失って離婚した元夫婦が、熊本県での黄泉がえり現象を知り、祈りをこめて熊本へ向かうストーリィです。(生き返ってきた人たちのことを“黄泉がえり”、返ってこない人たちのことを“黄泉びと知らず”と言うのだとか。) 「六番目の貴公子」は「竹取物語」のカジシン流パロディ。古典+SFの奇想天外な展開には圧倒されます。オチもお見事。 黄泉びと知らず/六番目の貴公子/奇跡の乗客たち/魅の谷/小壺ちゃん/見知らぬ義父/接続された女/赤い花を飼う人 |
●「美亜へ贈る真珠」● ★★ |
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表題作は梶尾さんのデビュー作、ということに惹かれて読んだのですが、うん?読んだ気がする、というのが感じた最初のこと。 本書に収録されている作品は、いずれもSF的な設定に基づいたラブ・ストーリィ。いみじくも、印象的だった2篇、「美亜へ贈る真珠」「詩帆が去る夏」は、前述の短篇集にて読了済。2篇とも切ないストーリィですが、とくに「美亜へ贈る真珠」の幕切れの美しさが、いつまでも心に残ります。 本書中の各篇は、SFではあっても、本質的には切ないラブ・ストーリィなのです。ラブ・ストーリィ好きな方にはお薦め。 美亜へ贈る真珠/詩帆が去る夏/梨湖という虚像/玲子の箱宇宙/"ヒト"はかつて尼那を・・・/時尼に関する覚え書/江里の"時"の時 |
●「もう一人のチャーリー・ゴードン」● ★★ |
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表題作「もう一人のチャーリー・ゴードン」は、もちろんキースの名作「アルジャーノンへ花束を」に捧げるオマージュ。 ポー「アッシャー家の崩壊」をもじった「芦屋家の崩壊」「夢の神々結社」は、なかなか楽しい作品。 もう一人のチャーリー・ゴードン/芦屋家の崩壊/地球屋十七代目天翔けノア/夢の神々結社/清太郎出初式/百光年ハネムーン |
●「フランケンシュタインの方程式」● ★★ |
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2003/10/05 |
「フランケンシュタインの方程式」は、一度読んだら忘れられない作品。宇宙ものですが、その内容は、抱腹絶倒の発想+究極のホラー。この作品だけは、理屈抜き、まず読んでもらうことがすべてです。(※梶尾さんには申し訳ありませんが、立ち読みでもいいから読んで欲しいところ) 「干し若」は日本版ドラキュラ、「宇宙船<仰天>号の冒険」は宇宙版怪獣退治、「ノストラダムス病原体」は宇宙発・恐怖の伝染病というストーリィ。いずれも、最後のオチの凄さ、そのブラック・ユーモアには圧倒されます。 「地球はプレイン・ヨーグルト」は、やはり圧巻というべき独創的なストーリィ。味覚を通してしか意志伝達できない宇宙人との邂逅を描いたSF。料理人らを集めての大騒動・狂乱という展開は、読み応え充分。 フランケンシュタインの方程式/干し若/宇宙船<仰天>号の冒険/泣き婆伝説/ノストラダムス病原体/地球はプレイン・ヨーグルト |
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