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がんを明るく生きる-前立腺癌の末期から生還した伊藤勇のサイトのホーム

末期癌より生還した伊藤勇への相談の手紙とその返信

その26
抗がん剤を使わず、食事療法や適度な運動でやっていけるか不安です

Iさんより
昨日、母が膵臓癌の宣告を受けました。 それまでの母の症状、病院での検査方法等で、何となく感じていましたが、やはり、はっきりと告知されると、かなり応えます。母も薄々感じていたようで、「何となく分かってました。」と言ってました。

母は強く、自分よりもまず私に、「大丈夫かい?」と気遣ってくれました。誰よりも辛いのは母なのに…。 医師からは、抗癌剤での治療+温熱治療を勧められました。 しかし、母は化学療法に不安を感じているようで、なるべくなら食事療法や運動等で頑張りたいと思っているようです。私も抗癌剤での治療には不安があるので、強く勧められません。かといって、食事療法や適度な運動等でやっていけるものなのかという不安もあり、どうしたらよいか分かりません。

癌に関しての本を読んでも一体なにが良いのやら、ただ迷ってしまうだけでした。 確かな事は、一日でも多く母と一緒に生きたいということです。そして諦めないという事です。 自分の事ばかりになってしまいましたが、この様なホームページを作っていただいていた事に感謝しています。ありがとうございます。 そして、これからも続けて下さい。お願いします。

その26
伊藤勇 より

Iさんへ
大事なお母さんへのガンの宣告、今のあなたはどうして良いのやらその不安や焦り、戸惑いが私にも伝わって来るようで心からお見舞いを申しあげます。こんな時は、癌の事を本で調べたり知識を持とうと思っても、そんなゆとりが心にありませんので、無理ない事です。

本人ならば、がんである事を知らされたら、一時は絶望したりして心は誰でも落ち込みますが、やがて自分の病気に立ち向かう姿勢が出て来て自分の病気のことを真剣に勉強して、自分は今、どういう状態なのか又、じゃあどうして行ったら良いのか、誰かに言っておきたい事はないか、など、考えるようになってきます。私もそうでした。

しかし、まだまだ、つい先日の事を、そんなに早く転換できるものでもありませんが、あなたはお母さんの心をよく見ていて、お母さんとの会話の中から機を見てお母さんのお気持ちを引き出すように持っていって下さい。

抗がん剤や温熱療法など、ただただ怖れてばかりでも無意味ですから、先生と頻繁に話し合いを持たれて治療面で不安な事などご相談されてお母さんが先ず納得され、ご本人が決断をされた治療をして行くべきかと思います。

また、あなたは、冷静にお母さんの病状を観察して、質問事項などをメモして診察の折りに先生にお渡ししておけば、先生が患者への対応が忙しい時でも、そのメモにより、あとでお答えしてもらうという方法、これは私が何時もやっている方法です。先生もあとでカルテに書き込んだり、メモに書いた私の電話番号にお返事をくれたり余裕を持った対応ができるようで手間が省けるようです。 こんな事も参考にされて、お母さんを孤独にさせずに、笑顔でサポートしていって下さい。

どうぞあなたもお身体に気をつけてお母さんの力になってあげて下さいね。

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