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がんを明るく生きる-前立腺癌の末期から生還した伊藤勇のサイトのホーム

末期癌より生還した伊藤勇への相談の手紙とその返信

その11
前立腺がんの治療方針について相談したい

Iさんより
今後の治療についてご相談いたしたくメールを送らせていただきました。
まず私の病歴について簡単に述べさせていただきます。私は前立腺がんの告知をうけ、前立腺全摘出手術を受けましたが、リンパ節に転移していたため手術は中止になり、抗ガン剤、放射線、ホルモン剤による治療に変更になりました。

これらの治療のために70日間の入院生活を送り、退院しました。主治医の説明は、「手術はできなかったが、それ以外の延命治療は全て行った。ホルモン療法はいずれホルモンが効かなくなり、その時は腫瘍マーカが上昇してくるだろう」と、言われました。

こうした厳しい事を言われて落ち込んいるとき、昨年5月にTBSテレビで放映された報道特集で伊藤様のことを知り、大変驚きました。がんも自然退縮し、治ることもあるのだということを、知ったからです。

といいますのも、私は主治医から夢も希望もない悲観的な話を聞かされていたからです。そのため、テレビで見た伊藤様の話が私には本当に大きな希望になりました。そして頑張るぞという励ましにもなりました。
ところで、私の腫瘍マーカの数字ですが、今年は0.006,0.004,0.008,0.003と順調に推移しています。

生活状態も、伊藤様が話されているように規則正しい生活を維持し、快眠、快食、快便を心がけています。食事は基本的に玄米菜食を励行しています。健康食品もなるべく安価な物を数種類食べています。

そこで、ご相談ですが現在、治療は3か月に1回のホルモンを抑える注射をうち、ホルモン剤を毎日一錠服用しています。今のところ大きな副作用はありませんが、ホルモン療法を長く続けると骨が折れたり、血管がやられたりなど、様々な副作用があると聞いています。

ただ、ホルモン剤の服用を止めると、がん細胞がまた元気になってくるのではないかという不安もあります。また、主治医にはホルモン剤は基本的には一生飲み続ける必要があると言われています。

しかし、前述のとうり腫瘍マーカの数字もほぼゼロに近い数字になっています。
そこで、ホルモン剤を飲むことを止めようかと思っています。もちろん最終的には自分の意志で決めますが、伊藤様のアドバイスをいただければと思い、メールを送らせていただきました。

伊藤様は現在、入院中とのお話も伺っている中、大変恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。

その11
伊藤勇 より

Iさんへ
お便り拝見しました。 心よりお見舞い申上げます。
さて、私は医学関係者ではありませんので専門的な事は控えさせて頂きます。私の体験及び私が接した同病患者さんの体験を以下に記しましたので、今後の治療上の一助になれば幸いに思います。

(1) 前立腺がんの場合ほとんど(90%以上)の患者さんは発見された時には転移している(D2になっている)私もそうでした。

(2) ホルモン療法では90%以上の患者さんは、PSA(マーカー)が急降下0〜2位になります。しかし、先生の仰る通り一時的に抑える薬ですので、個人差もありますが、6ヶ月〜3年位で効かなくなり、PSAが10―20―50と急上昇される方が私の接した患者さんでは50%〜70%位あります。

(3) 副作用は必ずありますが、 I さんのように若い方では聞いた事はありません。むしろ、肺とか、肝、骨の転移を注意し、毎月一回の採血検査は必要と思います。

(4) 抗がん剤、放射線は前立腺ガンでは特殊の例を除き、あまり効果は無いと言われております。私は一切しておりません。

(5) 私なら、ホルモン療法は少なくとも3年は継続(私は3年継続しました) その間に自己免疫を高め画像診断にても自然退縮(転移の消滅)を確認し、それからにします。又、PSAは低くても進行する場合もあります。

(6) 前立腺ガンは一旦発病しますと、なかなか治りにくいガンです。私は現在6年経過しました。しかし、再発はまだ否定出来ません。

(7) ガンの性質は、低分化、中分化、高分化に分かれますが、60歳以下の患者さんで、低分化、中分化の場合は特にストレス、過労、暴食、タバコ、アルコール等で急悪化される患者さんが目立ちますのでご注意下さい。

(8) 現在実行して見える事は免疫向上に役立ちます。止めずにしっかりと続け、適度の運動も忘れずにご療養下さい。

自分のガンは自分で治すのだと、自分に強く言い聞かせ、希望を持って毎日を明るく、すべてに感謝しながらお過ごし下さい。自然退縮をお祈り致します。

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