昔はコンクリートの壁にボールを投げて、跳ね返ってくるボールを捕るという練習ができた。強く投げれば、強いゴロが返ってくるし、少し斜めに投げれば、右に左に走らねばならない。その気になれば、かなりの守備練習が可能であった。しかし最近、民家の壁に向かってそんなことをやれば、壁が汚れるとか、うるさいといった苦情が出る。また、頻繁に車が通るので危険である。もし、近所に土台がコンクリートでできているバックネットを持った球場があれば、グランドが空いているときに練習することができるが、そんな好条件に恵まれたケースは少ないであろう。
残念ながら、一人で守備練習するのは難しい。しかし、二人いれば何でもできる。
だが、少人数での練習は個人技術のレベルアップには有効であっても、連携プレー、カバーリング、サインプレーなどなど総合的な練習はできない。草野球といえども、あるレベル以上のチームになると個々人の技量は勿論、チームとしての総合的な力量が高い。個人技量は高くても、総合的な連携プレイができないチームは強くならない。チームとしての総合力を強化するには、やはり人数が必要になる。第15章で述べたように、「数は戦力」なのだ。普段は皆が集まって練習することはできないので、少人数での練習になる。ご質問された方のように、筋トレ、ランニングなど筋肉や足腰を鍛える練習、バットの素振り、バッティングセンターでの打撃練習など行うことを勧める。さらに、プロ野球をTV観戦する際スコアブックをつけてバッテリーの配球を勉強したり、野手の動きを勉強することも大事なトレーニングの一種である。 このような小さなことの積み重ねがいつか花を咲かせるのだ。 これ、ゆめゆめ忘れることなかれ。 (平成10年12月日掲載) |
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