「草野球の窓」

第86章
「少人数での練習」

 一人での守備練習は可能ですか? フットワークを鍛えたり、筋トレはできても、その他はどんな事ができますか? 教えてください。

 昔はコンクリートの壁にボールを投げて、跳ね返ってくるボールを捕るという練習ができた。強く投げれば、強いゴロが返ってくるし、少し斜めに投げれば、右に左に走らねばならない。その気になれば、かなりの守備練習が可能であった。しかし最近、民家の壁に向かってそんなことをやれば、壁が汚れるとか、うるさいといった苦情が出る。また、頻繁に車が通るので危険である。もし、近所に土台がコンクリートでできているバックネットを持った球場があれば、グランドが空いているときに練習することができるが、そんな好条件に恵まれたケースは少ないであろう。

 残念ながら、一人で守備練習するのは難しい。しかし、二人いれば何でもできる
 まず、キャッチボールとトスバッティング。これらは元々1対1で行うものだ。次に、一人がノックし、片方が受ける。内野守備も外野守備も練習できるし、ノックの練習にもなる。一定の球数をこなしたら攻守交替する。守備練習が終わったら打撃練習も可能だ。一人が投げて、片方が打つ。一定の球数を打ったら、二人で全力疾走しあちこちに散らばった球を拾い集め、攻守交替する。投げる方はキャッチャーがいないので投げにくいのが欠点だ。また、打つ方もとかくボール球にも手を出しがちなのが欠点ではあるが、それでもその気にさえなれば十分な効果を上げることは可能である。一人が投げて片方がバントし、投げた方がバントを処理する練習も可能だ。必要であれば、ピッチング練習や牽制球の練習もできる。

 だが、少人数での練習は個人技術のレベルアップには有効であっても、連携プレー、カバーリング、サインプレーなどなど総合的な練習はできない。草野球といえども、あるレベル以上のチームになると個々人の技量は勿論、チームとしての総合的な力量が高い。個人技量は高くても、総合的な連携プレイができないチームは強くならない。チームとしての総合力を強化するには、やはり人数が必要になる。第15章で述べたように、「数は戦力」なのだ。普段は皆が集まって練習することはできないので、少人数での練習になる。ご質問された方のように、筋トレ、ランニングなど筋肉や足腰を鍛える練習、バットの素振り、バッティングセンターでの打撃練習など行うことを勧める。さらに、プロ野球をTV観戦する際スコアブックをつけてバッテリーの配球を勉強したり、野手の動きを勉強することも大事なトレーニングの一種である。

 このような小さなことの積み重ねがいつか花を咲かせるのだ。

これ、ゆめゆめ忘れることなかれ。  (平成10年12月日掲載)



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