大会で、相手チームの人数が揃わず、我々も揃わなかったが、独身寮生を駆り出して何とか人数を揃え、不戦勝したことがあった。まさに「数は戦力」であった。
しかし、数を揃えることの重要性は他にある。 まず、相手に与える脅威である。草野球では通常ギリギリの人数で臨む。そこへ、ベンチ入りが許される20名が試合前の整列の時ズラッと並んだらどうだろう。相手は相当な脅威を感じる。これが、前回述べた恐怖心につながり、相手のミスを誘い、こちらのペースに引き込みやすくなる。
次に、作戦が立てやすくなる。先発メンバー全員が調子がよいわけではない。試合の局面に応じて、バントが下手な者に代えてバントの上手な者を代打に出す。足の遅い者に代わって代走を出す。それらの交代に伴って守備の交代もある。投手は1試合最低3名は用意していたい。試合の展開状況によっては、先発−中継ぎ−抑えと継投する場合がある。捕手も最低2名は必要で、控えの捕手は、リリーフ投手の投球練習を行い、いつでも投げられる準備をしておく必要がある。こういう試合中の準備も含めて試合なのである。 さらに、日常の練習がある。人数が多ければ、紅白戦もできるし、様々な試合形式の練習が出来るし、牽制球のサインプレー、内外野の連携プレイなども可能になる。我が野球部も昔はそういう練習をしていた。しかし、今は見る影もない。登録選手だけは20名いても、日常の練習は基本的な打撃も守備練習も満足には出来ず、試合の時はようやくギリギリの人数で戦う。時代が違うといえばそれまでだが、「数」がなければ「戦力向上」にならないばかりか、戦力低下をもたらしている。 これゆめゆめおろそかにすることなかれ。 |
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