道・鎌倉街道探索日記

サイトの説明

初めてご訪問頂いた方へ

中世の古道(鎌倉街道上道)をご案内させて頂いている歴史関連のサイトです。
地図をたどりながら道筋と古道に関連した史跡等を写真付きでご案内させて頂いています。古道にまつわる歴史や古道とふかい関係のある板碑の説明。また古道探索の心得等のページを設けてあります。
サイト全体の構成は「サイトマップ」をご覧下さい。

このサイトではページが多く、サイトを訪問されたばかりの方は次にどう進んだらよいか、迷われてしまうこともあるかも知れません。そんなときは「ホーム HOME」に戻ってみて下さい。
またこのサイトでは画像が多いためにページの表示に時間が掛かることもあるかも知れません。画像あってのサイトと考えているところがありまして、今後ブロードバンドの普及でデータ転送が早くなることを見込んだところもあり、ご了承願います。

サイト発足にあたって

鎌倉街道とは「昔の古道」であるということは誰でも想像できることとは思いますが、 しかしこれが時代が古いもので、文献的史料や実際に残る街道跡や遺構など非常に少なく、歴史研究の対象としても範囲が広すぎて捕らえどころがないという観念で、積極的に研究されている専門の人達も少ないようです。そんなわけで、この道(街道)を説明するとなるとなかなか難しく、 故に幻の街道などと呼ばれています。このホームページの作者である私ですらこの「道」はどんなものなのか未だによくわからない、 といたところが本音です。また、単に鎌倉街道といっても、一つの道ではなく、関東だけでも代表的な鎌倉街道として、「上道」、「中道」、「下道」の三本があり、ここでは「上道」(かみつみち・かみのみち・かみみち等と地域などによって読まれ方が異なる)を取り上げさせて頂き、しかも部分的で恐縮ではありますが、現在の埼玉県内とご了承ねがいます。

ところで作者である私は街道の研究者でもなく又歴史の専門家でもなく、 いわゆる散歩で史跡を訪ねて歩くのが好きな、ただの歴史マニアでしかありません。そんな素人の私が、 歩いて目で見てそして調べてみた鎌倉街道を歴史などに興味の無い人でも見ていただければと思いながら、私なりに 出来るだけ簡単に心掛けて解説してみました。サイト内の詳しい内容は全て歴史解説書やこれまで 諸先生方が書かれた鎌倉街道の案内書、調査報告書等を私なりに参考にさせて頂いてまとめてみたものです。更に私なりの独断と偏見で感想などを付け加えさせてもらっています。異論であるとか、説明に誤りがあるとか、 文章がなってないなど苦情や批判等、又情報提供など頂ければ幸いに思います。

芳賀善次郎氏の鎌倉街道への思い

ホームページ作者が鎌倉街道に興味を持つ切っ掛けとなった、芳賀善次郎氏の『旧鎌倉街道 探索の旅』の「下道編」の没頭には次の文章が書かれています。このサイトの原点ともいえる内容ですので、引用させてもらいました。

旧鎌倉街道に魅せられて

「鎌倉道」「鎌倉街道」ということばは、私にとっては何か不思議な響きをもって聞こえてくる。鎌倉街道・探索の旅が自分の趣味の大半だからである。「君は鎌倉街道の、どういうところに魅せられたのか」とよく聞かれる。私は歩いているうちに魅せられるようになったので、沿道の風景のよさとか、史蹟探索はもちろんであるが、最大の魅力は、「ここから先はどこを通ってどこに行くのか、調べ究めることが楽しいから」といいたい。
行き先の道をあらかじめ古書・古地図・土地の図書館の史料などで調べたり、沿道の神社や寺院の神主、僧侶、土地の古老に聞きながら順に進んで行くのである。未知の土地への探検は楽しいが、多くの道から旧街道を探すことは、川原の砂利から宝石を探すようで難しい。予想どおりの道であった場合はとても嬉しい。反対に予想がはずれたり、 道に迷ったりして目的が果たせなかったりした時の、そのくやしはいいようがない。
思いがけなく見聞きした史蹟は、また新たな感動で見られるし、「なるほどここにこれがあったのは鎌倉街道が通っていたからだ」と分かった時には、改めて見直したりする。
観光バスによる観光地見学や史蹟めぐりは、いわば散在的な点の見聞であるのに対して、私の調査研究は長く連続した一本の線の見聞である。
目的地の近くまでは乗り物を利用するが、調査は全部徒歩である。たとえ乗り物があっても、それを利用しては地形の観察ができない。古い時代の道ほど地形との関係が深く、それに左右されている。当時の人間が、その土地の地形をどううまく利用したり(適応)切り開いて対処していったのか(対応)という地理的考察をすることが、古道研究のうえで大切なことである。
ここを通ったといっても、そこは人馬が無理なく通れるような自然の地形であったか。通行困難な場合はその地形に対したどういう対応方法(例えば台地や丘陵に上る時は切通しにする。低湿地を越える時は土壇の道にするか石積み道にするなど)をとったかということが大切で、こういうことを観察するには乗り物に乗っていては見極めが困難である。
またそれを見極めることなしに、そこが旧鎌倉街道だと推断することはできないのである。だから、調査予定、目的地付近に着いたら夕方まで、てくてくと歩き回って調査を続ける。
調査途中で美しい風景を眺めたり、武蔵野特有の雑木林に残る昔ながらの旧街道を見ると、その美しさに心を打たれるし、往時の幻影を感じる。そういう場所に出会うことの嬉しさ、見つかることへの期待なども、「魅せられる」ところである。・・・

引用 『旧鎌倉街道探索の旅(下道編)』さきたま出版会

芳賀善次郎氏のこの著書は、鎌倉街道研究のバイブルであります。現在では鎌倉街道の研究も考古学的な発掘などにより、芳賀氏の探索された道筋も修正された箇所が幾つかありますが、それでも鎌倉街道の研究を目指す人は必ず一読するガイドブックです。芳賀氏の研究があってこそ古道研究を引き継ぐことができるのです。芳賀氏が見た「美しい風景」や「往時の幻影を感じる。そういう場所」は今では大夫少なくなってしまいましたが、それでもそのような風景を探し求め紹介して行きたいものです。

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