ー山口県の旅ー

 平成12年10月14日に印刷会社の社内旅行で山口県の秋吉台と萩に行った。2泊3日の旅行で新幹線での移動が5時間と長い程、本州の端まで行くのだから相当な距離だった。1日目は小郡に着いた後、在来線で湯田温泉駅を降りて宿の方へすぐ向かった、この時もう4時近くになっていた。後は食事とひと休みで終わった。 本格的な観光を始めた2日目、まず瑠璃光寺という所へ向かった。五重塔が有名で日本の代表的な塔の一つだそうだ。その手前には池があり、写真にとるにはいい景色だと感じていた。次は戦国時代の毛利家の墓で歴代の城主の墓であるが、普通は石造りだが半球上の古墳のようなものであった。その上に小さい木が植えられている所を見て、「墓の目印のようだ」と自分の心に印象付けた。ここで一番面白いと思ったのは偶然に出来たというウグイス張りの石畳である。普通の石畳であるが、思いきりそこで踏み込んでみると、「キュッ」という音が先の階段を反響して聞こえて来るのであることにちょっと感動した。第2の見どころは雪舟庭という所でここは京都から来た庭師によって作られた石庭で、本場の京都にあるものに劣らない作品だ。県庁も見に行ったが伊藤博文などの歴代の首相はここの出身であると聞かされた。 次に向かった秋吉台は石灰岩のカルスト台地で景色がよく、もうじきすればすすきが生い茂る景観が見られるという。馬にも乗れるらしく台地の道を馬に乗っている人を見かけ、景色を見ながら散歩すればもっといい気分になるだろうなと思った。近くに博物館があり、ここは昔は海であったことから海洋生物の化石が多く展示されていた。珊瑚やその縦切りの断面図やフズリナという微生物などのものがあった。オオサンショウウオの標本が気持ち悪かった、さらに鍾乳洞にいる生物の標本もコウモリや虫、極め付けはカマドウマである。しかし生物好きの自分としてはなかなか見ごたえはあった。次は青海島へ、今までいった伊豆七島と同じぐらい海が澄んだ青色をしていたのが特徴で眺めは最高だった。 そして最終日、萩へと向かった。町並を見学していると100年前の塀が住居の周りに残っており、市から保管するように言われているらしい。土塀で瓦を積んで土を塗り込み塀に仕上げて行ったそうで、土だけ盛って壁を仕上げて行くものだと思っていたので驚いた。松陰神社では吉田松陰という幕末の人物にまつわる建物を見て、毛利家の墓がその近くにあるので見に行った。最後は笠山という所でとんびに餌をやれるのでとんびが取りやすいように投げては餌を素早く取る姿に感動していた。 自分のしらない場所へ行って刺激を受けるこの旅は満足したものであったが人生で初めてかつ最後となる社内旅行かもしれない。