弁護士(ホーム) > 金銭、保証、保証人 >
Last updated 2006.3.31
河原崎法律事務所
弁護士河原崎弘

保証と保証人の責任

相談
高等学校時代の友人に, 「銀行から1千万円借りるので保証人になってくれ」と頼まれました。周囲は、皆、「保証人は危ないから、やめろ」と言います。しかし、彼は、親しい友人ですので、助けてやりたいのです。
保証すると、どんな責任があるのですか。何か、保証人の責任を限定できませんか。連帯保証にしなければ、大丈夫ですか。
迷った相談者は友人に紹介された法律事務所を訪ね、弁護士に相談しました。

回答
「保証」との言葉は、以下のように使われます。
保証には、普通の保証と、連帯保証があります。連帯保証人には、(先に、主たる債務者に請求してくれと言える)催告の抗弁権と、(先に、主たる債務者の財産に対し強制執行してくれと言える)検索の抗弁権がありません(民法454条)。
数人の保証人がいる場合(共同保証と言います)には、保証人は債務を頭数で分割し平等に責任を負担します(分別の利益と言います。民法456条)。例えば、1000万円の主たる債務者に2人の保証人がいる場合、普通の保証人は、各自500万円の支払い責任があります。しかし、連帯保証の場合は、分別の利益はありません。連帯保証人には各自1000万円全額の支払い責任があります。

物上保証とは、担保提供のことです。担保物件を失うことを覚悟をすればよいです。他の保証のように予想外の責任を負うことはありません。

親族など、よく知っている人物なら、その身元保証人になることは比較的安全です。親族の建物
賃貸借契約の保証人 になることも比較的安全です。
それ以外の保証は危険です。お金を貸すことは、持っているお金を貸すのですから、自分の能力(手持金)以上のお金を貸すことはできません。しかし、保証は、単に、契約書に捺印するだけですから、自分の能力以上の保証ができるのです。保証はお金を貸すことより危険です。
自分の経営する会社の債務以外は、保証も、連帯保証も、限定根保証も、包括根保証も避けるべきです。保証人になったために破滅した例は多いです。

主たる債務者に発生したことは保証人に効力が及びます。例えば、主たる債務が弁済などで消滅すれば、保証人の責任も減少し、時効中断は保証人 に効力が及びます。しかし、
主たる債務者の 破産宣告、民事再生手続、会社更生手続 では、債務者は債務の一部、あるいは、全部の免除、支払期限の延期を受けたりしますが、保証人にはこの効果は及びません。結局、保証人も、破産宣告、民事再生手続、会社更生手続(会社の場合)の手続きをとらざるを得なくなります。保証人の責任は過酷です。

反面、債権者の立場から言えば、貸金取立(回収) 目的にとって、債務者に保証人を付けさせることは非常に有効です(借用書 参照)
保証人が債務を支払うと、債務者、他の保証人に求償できます(共同保証人の求償権連帯保証と連帯保証人の求償権 を参照)。

保証 保証 責任は決められた主たる債務の残額
債務者破産の場合の相続人、保証人の責任
保証 連帯保証 連帯保証人には催告の抗弁権、検索の抗弁権がない。分別の利益がない 債権者は、主たる債務者より先に、連帯保証人に対して、請求、強制執行ができる。
保証 身元保証 身元保証に関する法律により、保証人の責任が制限され、責任は比較的軽い。
保証 根保証 包括根保証 継続取引から発生する債務を無制限に保証 責任は過酷。包括根保証の契約書例 を参照。
判例は、 包括根保証人の解約権包括根保証人の責任の制限 のように包括根保証人の責任を制限する。
保証 根保証 限定根保証 継続取引から発生する債務を、極度額、期間を限定して保証 責任は限定されるが、重い。限定根保証の契約書例 を参照。
保証契約に責任を限定する条項を入れる とよいでしょう。
物上保証 抵当権等設定 被担保債権額 責任は、決められた被担保債務の残額で、かつ担保物だけ。
ただし、物上保証人の責任/銀行員の謀略
物上保証 根抵当権設定 極度額 継続取引から発生する債務を担保 責任は極度額の範囲で、かつ担保物だけ。 物上保証人の責任 を参照

民法改正

平成 16.12.1 公布された「民法の一部を改正する法律」により、民法は口語化され、次の点が改正されました。改正法は、平成17年4月1日、施行されました。
法律
(保証人の責任等)
民法第446条
@ 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
A 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
B 保証契約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識すること
   ができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によってさ
   れたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
2004.11.23