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2015.6.10mf
弁護士河原崎弘

連帯保証と連帯保証人の求償権

相談
私は、友人が事業資金を借入れする際の連帯保証人になりました。友人の債務の残額は約800万円あるそうです。連帯保証人は私の外に、もう1人います。
私は、連帯保証人として債務を払わざるを得ないと考えていますが、この場合、800万円を保証人2人で平等に負担し、私の責任は400万円と考えてよろしいですか。
相談者は、法律事務所を訪れました。

弁護士の回答
普通の保証人とは異なり、 保証人には、 「先に、主たる債務者に請求してくれ」と言える催告の抗弁権(民法452条)と、「先に、主たる債務者の財産に対し強制執行してくれ」と言える検索の抗弁権(453条)があり、ます。
連帯保証人には催告の抗弁権と検索の抗弁権がなく、分別の利益もありません(民法456条、保証と保証人の責任 参照)。そのため、連帯保証人が2人いても、2人で債務を分割して負担するのではなく、全額の責任を負うのです。

保証人の1人が弁済した場合、保証人は、主たる債務者に対しては、全額を求償できます。
他の保証人に対しては、普通の保証の場合と、連帯保証の場合で異なります。普通の保証の場合は、原則として、頭数に応じて平等に負担部分につき責任を負いますので、他の保証人に対して支払った金額の半分(金額を保証人の数で割った金額)を求償できます。
連帯保証の場合は、原則として、自己の負担部分を越える額を支払った場合に、自己の負担部分を超える額を求償できます。あなたの場合、(連帯保証ですので)700万円支払えば、負担部分(400万円)を超えた分300万円を求償できます。

あなたの責任は、債権者に対しては(外部関係では)800万円の支払い責任、他の保証人に対しては(内部関係では)400万円の支払い責任があると言えます。

法律
(共同保証人間の求償権)
第465条
 第462条から第444条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
 第462条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
弁護士宛メール 2004.12.28
東京都港区虎ノ門3丁目18-12-301 河原崎法律事務所 弁護士河原崎弘 03-3431-7161