NO.005 乾 徳 山( 乾徳山:2,016m ) 1990.1.4登山


 国師ヶ原から見た乾徳山( 1990.1.4 )
【乾徳山について】

【乾徳山登山データ】

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乾徳山について


乾徳山には過去に 2回登っている。
1回目は 1990年の 1月4日のことで、雪が少し積もった山頂からの景色は本当に素晴らしかった。
もう 1回は、1996年の 8月18日で、これは家族と登ったものである。

2回の登山の間に、6年半もの期間があいていることから一概に比較できるものではなく、 また、春や秋はと言われると言葉に窮するが、乾徳山は冬に登るべしと私は言いたい。
冬の乾徳山は、無駄な贅肉を削ぎ落としたようにスリムであり、辿り着いた国師ヶ原も伸びやかで、そこから山頂へと続く登路を見上げると、 幕岩を初めとする岩の配置の巧妙さもあって、自然の創り出す庭園を思わせる美しさがあるのだが、 夏のそれは、主 (あるじ) を失い手入れを放棄された庭のように荒れ放題の印象を受け、 やや興ざめした覚えがあるからである。
快晴の冬の 1日を選んで乾徳山に登れば、凛とした雰囲気の中、富士山を初めとする多くの山々を見ることができ、 満足すること請け合いである。

アプローチは、中央本線塩山駅から乾徳山登山口へのバスを利用するか、タクシーが良い。
バス停から徳和の部落を抜けて車道を進むと、やがて左側に小広い駐車場が見えてくるので、車で来た場合はここに止めて登り始めれば良い (尤も、そこからの林道歩きが結構あるので、もっと先まで車を進めている人も多いようであるが)
この駐車場には水場もあるので水筒に補給してから出発すればよいが、乾徳山は途中に 2つ程水場があるので、さほど水には困らないであろう。

駐車場を過ぎて林道を進むと、道が 2つに分かれており、標識もないので少し迷うが、 左への道を進む。
やがて、林道の右側に乾徳山登山口と書かれた立派な標識が現れるので、そこから山に取り付くことになる。
樹林の中をジグザグに登っていくと、樹林が切れて伐採地跡のような場所に出て、そこを登り切ると再び樹林帯となって、 今は使われていない林道を横切ることになり、やがて銀晶水という水場に辿り着く。
銀晶水からも樹林帯の中をジグザグに登っていくことになり、途中 富士山が見える駒止を過ぎて、かなりくたびれて来た頃に水量豊富な錦晶水に着く。

ここから暫くは流水が足下を流れるほぼ緩やかな道を進むことになるが、冬場は流水が凍って滑る危険性もあるので要注意である。
樹林を抜けると広場に出るが、ここが国師ヶ原で、今は使われていない高原ヒュッテが左手に見える。
冬場の草が枯れた時期であれば、目指す乾徳山が編み笠のような格好をして目の前にそびえているのが良く見え、 そこに至るまでの尾根道と幕岩などを見ることができよう。
道は、草原の中、砕いた岩を敷き詰めた道の登りとなり、右手に幕岩を見てやがて尾根上の扇平に出る。
ここには月見岩があり、腰を掛けて休むにはもってこいの場所である。

扇平からは、また樹林帯に入り、やや暗い樹林の中を喘ぎながら登っていくと、 やがて岩場が現れるようになり、中には壁のようになっている岩を鎖を使ってよじ登るような場所や、梯子を使ったり、 岩の間を身体を擦るようにして進む場所もあり、変化に富んでいて楽しい。
やがて頂上直下の最後の鎖場となり、壁のような天狗岩をよじ登ることになるが、自信のない人は右手に巻道がつけられているので、 そこから梯子を辿って頂上に登ればよい。

頂上は岩が林立する狭い所で、祠が置かれている。
展望は抜群で、まず富士山と、それにひれ伏すように連なる山々が目に入ってくるであろう。
目を反対側に転ずれば、甲武信岳金峰山 (頂上の五丈岩も見える) を中心とした奥秩父の山々を見ることができ、 そしてそのずっと左方には 甲斐駒ヶ岳白根三山などの、 南アルプスの山々を認めることができる。

暫し展望を堪能した後は、先に進んで岩場を梯子を伝って下り、水ノタルへの道を進むようにすれば良い。
黒金山への分岐を分け、ひたすら樹林の中の急坂を下ることになる。ただ、やや距離が長く、展望もないのでイヤ気がさすようになるかもしれない。
やがて、先ほどの高原ヒュッテの前 (国師ヶ原) に出て、往路と合流し、来た道を戻ることになる。
私は、1回目の登山が呆気なく終わったという印象があったため、6年半後に子供達を連れて家族で登ったのであったが、 どうしてどうしてなかなか距離もあり、岩場もありで、やや小さい子供にはハードであった。
人間の記憶のいい加減さを思い知らされた感じがしたのであるが、それでもなかなか楽しめる山である。

体力、気力があれば黒金山まで足を伸ばし、さらに西沢渓谷へと下るコースもあるらしいが、 道の方はどうであろうか。
いずれにしても、変化に富んだ楽しい山であるが、やはり登るなら冬が良かろう。
但し、雪が多い場合はルートに気を付ける必要があるし、また軽アイゼンが必要になるかもしれないので、事前情報の収集と十分な準備が必要である (何と言っても 2,000mを超える山なのであるから、侮ってはいけない)

登山時間はここに記述したコースで 7時間半を見ておけば良いと思われる。
是非一度は登ってもらいたい山である。


乾 徳 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ 登山日:1990.1.4 天候:快晴 単独行 日帰り
登山路:徳和−乾徳山登山口−銀晶水−駒止 −錦晶水−国師ヶ原−扇平−乾徳山−水ノタル−国師ヶ原−錦晶水−駒止−銀晶水−乾徳山登山口 −徳和
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−横浜−(京浜東北線)−東神奈川 −(横浜線)−八王子−(中央線)−高尾−(中央本線)−塩山−(タクシー)−徳和
交通復路:徳和−(バス)−塩山−(中央本線)−八王子− (横浜線)−橋本−(相模線)−海老名−(相鉄線)−瀬谷
その他の乾徳山登山 (1) 徳和−乾徳山登山口−銀晶水−駒止− 錦晶水−国師ヶ原−扇平−乾徳山−水ノタル−国師ヶ原−錦晶水−駒止−銀晶水−乾徳山登山口−徳和  (1996.8.18:曇り時々晴れ、家族4人で)
(2) 駐車広場−登山道入口−銀晶水−駒止−錦晶水−国師ヶ原−扇岩−乾徳山−水ノタル−笠盛山−黒金山−大ダオ−砂防提−登山道入り口−駐車広場 (2000.5.06:晴れ時々曇り)
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(3) 乾徳公園駐車場−道満山登山道入口−道満山−扇平−乾徳山−水ノタル−国師ヶ原−錦晶水−駒止− 銀晶水−乾徳山登山口−乾徳公園駐車場 (2014.12.09:快晴後晴れ)
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(4) 円川バス停横 チェーン着脱場−青笹−林道−ササ原下展望台−牛首ノコル−黒金山−笠盛山−乾徳山−扇平−道満山−徳和峠−乾徳公園駐車場(乾徳山登山口バス停) (2015.5.06:快晴)
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