阿川佐和子著作のページ No.



11.阿川佐和子のこの人に会いたい

12.無意識過剰

13.ああ言えばこう食う(檀ふみ・共著)

14.旅の素

15.阿川佐和子のアハハのハ−この人に会いたい2−

16.いつもひとりで

17.ああ言えばこう(×嫁)行く(檀ふみ・共著)

18.吉右衛門のパレット(中村吉右衛門・共著)

19.阿川佐和子のガハハのハ−この人に会いたい3−

20.佐和子流人生の磨き方


【著者歴】、ときどき起きてうたた寝し、メダカの花嫁学校、男は語る、あんな作家こんな作家どんな作家、きりきりかんかん、どうにかこうにかワシントン、阿川佐和子のお見合い放浪記、おいしいおしゃべり、蛙の子は蛙の子

阿川佐和子著作のページ No.1


いい歳旅立ち、もしかして愛だった、阿川佐和子のワハハのハ、モテたい脳モテない脳、太ったんでないのッ!?、トゲトゲの気持、オドオドの頃を過ぎても、けっこん・せんか、ピーコとサワコ、空耳アワワ

阿川佐和子著作のページ No.3


アガワとダンの幸せになるためのワイン修行
−ゴージャスワイン編、アガワとダンの幸せになるためのワイン修行−カジュアルワイン編、男女(オスメス)の怪、阿川佐和子の会えば道づれ、グダグダの種、阿川佐和子の会えばなるほど、阿川佐和子の会えばドキドキ、この人に会いたい8、聞く力

阿川佐和子著作のページ No.4


ウメ子、恋する音楽小説、屋上のあるアパート、マチルデの肖像、スープ・オペラ、婚約のあとで、ギョットちゃんの冒険
、うからはらから、正義のセ、正義のセ2、正義のセ3

 → 阿川佐和子作品のページ No.1


負けるもんか

 → 阿川佐和子作品のページ No.2

    


  

11.

●「阿川佐和子のこの人に会いたい」● ★★

 
阿川佐和子のこの人に会いたい画像

1997年07月
文春文庫刊
(505円+税)

 

1999/06/19

週刊文春連載中の対談「この人に会いたい」bP。
ベスト22を収録した一冊です。楽しかったですよぉ。
他の対談をあまり読んでいないので比較できないのですけれど、聞き手の佐和子さんが良いです。
インタビュアーっぽくなく、あまりでしゃばらず、時折個人的好奇心を丸出しにし、まるで相手に対する遠慮というものがない。(※笑い声も遠慮がなかったようです)
その所為か、相手もどんどん自分のことを喋ってしまっている、という楽しげな雰囲気が感じられます。竹中直人さん曰く「昔から知っている友達に話しているみたいな気分になっちゃって」。そんなところが相手側にもあったのではないでしょうか。
対談相手は下記のとおり。とくに印象強かった人が青字です。年4回しか髪を洗わないという五木寛之さんは圧巻!

イチロー/松たか子/若ノ花勝山崎豊子/勝新太郎/橋本久美子/萩原健一/王貞治/小室哲哉/有森裕子藤子不二雄A西村雅彦マイヤ・ブリセツカヤ/曙太郎/伊藤昌輝・平岩弓枝/ジャイアント馬場/石原まき子/竹中直人/新藤兼人/伊達公子五木寛之

 

12.

●「無意識過剰」● ★★

  
無意識過剰画像
 
1998年01月
文芸春秋刊
(1429円+税)

2002年01月
文春文庫化

 
1999/01/10

帯の紹介文句がすべてを物語っている観があります。
「オシボリが出れば顔にあて、立っている姿は仁王立ち、座ったとたんにあぐらをかきたくなる」そして常に持ち歩くは紙袋。「私に欠けているのは女であるという自覚だったのだ」。

そんな佐和子さんの、自分を語り尽くすエッセイ集です。
とにかく、エエ恰好しいの意識がまるでないまま闊歩する、という雰囲気の佐和子さんに限りない親しみを感じてしまうのです。
和田誠さんの描く表紙の佐和子さんのイラストは、そんな佐和子さんの実物・イメージそっくり。そこからすべて楽しさが始まります。
しかし、本当にここまで洗いざらいバラしてしまって良いのだろうか。紙袋の話だけでも可笑しい限り。
「これでまた、ますます縁が遠くなる」
という自戒は、決して誇張でないような気がします。
親兄弟、友人、周囲の人すべてを呆れさせてしまう佐和子さんにも、さらに呆れさせてしまうという友人がいるというのですから、世の中は楽しいものです。何を隠そう、その友人こそ女優にして、その名を檀ふみと言うそうな。

 

13.

●「ああ言えばこう食う」(檀ふみ・共著)● ★★★ 第15回講談社エッセイ賞


ああ言えばこう食う画像

1998年09月
集英社刊
(1500円+税)

2001年06月
集英社文庫化

  
1998/09/29

 
amazon.co.jp

「口から生まれた双子座」=ダンフミ「天然の饒舌」=アガワサワコのお二人による往復エッセイ。
2人とも同年代、独身、父親が作家という共通点を持つものの、ダンフミさん言うとおり、背格好、性格からまるで正反対。そんな2人ですから、お互いの違いが際立ち、興に乗り、思わずいらぬことまで書き出してしまう、という可笑しさが随所にあります。
2人とも結婚しなかった(ご本人たち曰く「今のところ」)だけに、少し変わっているところに磨きがかかり、更に熟女に至ってもう抑えがきかない、ということみたいです。
ダンフミさんとは同学年だけに、親近感を持ってかつ他人事として、同級生の話を聞くような楽しさがあります。
アガワさんは従来のイメージどおりに愉快なのですが、ダンフミさんがこんなに楽しいエッセイを書くとは思いもかけませんでした。これもA・A女優(「アフター・アガワ」の由)となるに至った効果なのでしょうか。
所々に出てくるお互いへの辛辣なセリフが、特に楽しめます。

文庫化に伴う追記
文庫化あとがきは、お2人+五木寛之さんの対談。そもそも往復エッセイは、この2人に書かせたらきっと面白いという、五木さんのアイデアだったとか。
文庫本の魅力は、この五木寛之氏を交えた3人の対談。この対案もまた楽しい。単行本で読書済みの方は、この巻末の対談を是非お見逃しないように。

      

14.

●「旅の素」● 

旅の素画像
   

1999年06月
旅行読売出版社
(1400円+税)

2002年07月
文春文庫化

1999/07/28

副題に「さわこのこわさ」とあります。この題名で「旅行読売」に連載されていたそうです。言葉遊びなのでしょうが、ちょっと佐和子さんに気の毒なように思います。

本書は上記連載のエッセイをまとめたものですから、専ら旅のことが中心です。子供の頃経験した旅のこと、エッセイストになってから出張ついでの旅、等々。
ただ、如何せん旅にまつわる話だけに、佐和子さんの個性を充分発揮する暇がなかった所為か、面白さは物足りないです。その一方で、幼い頃の佐和子さん、この社会にはいったばかりの頃、 そして現在と、佐和子さんの移り変わりを知る楽しみがあります。(ご本人が意識していたかどうかは判りませんが)
エッセイの中で印象的だったのは、佐和子さんがシンガポールで見つけたという、“ハッピーブッダ”という15センチ程のピンク色の仏様像。写真が掲載されていますが、とても可愛らしいものです。

   

15.

「阿川佐和子のアハハのハ−この人に会いたい2−」● 

 
阿川佐和子のアハハのハ画像
 
1999年07月
文春文庫刊
(514円+税)

  

1999/08/21

週刊文春連載中の対談「この人に会いたい」bQ
対談の雰囲気は相変わらず気持ちの良いものですけれど、前著に比べて評価が下がったのは、やはり2作目故のことでしょう。
今回のゲストの中では、中村吉右衛門さん、吉永小百合さん、西村京太郎さん、渡辺えり子さんの印象が強かったです。
とくに、TV“鬼平犯科帳”で鬼平にぴったりという印象の吉右衛門さんが、兄幸四郎さんに対してずっと僻みを抱いていたこと、実家庭で妻+娘3人に振り回されていることなど、意外でしたねェ。
また、宮部みゆきさんが語った火車後のスランプについては、嗚呼やっぱり、と感じました。
最後の高倉健さんについては、沢木耕太郎「貧乏だけど贅沢に比較すると、内容において深みに欠ける、対談において高倉さん側のサービスがかなりある、と感じました。

北野武/松坂大輔/吉永小百合花村萬月白洲正子/熊川哲也/中村吉右衛門/TAKURO/桐島洋子/金城武/西村京太郎/川口能活/宮部みゆき/黒澤久雄/渡辺えり子/小林旭/旭鷲山昇/福田みどり/吉野浩行/和田誠/爆笑問題/高倉健

   

16.

●「いつもひとりで」● 

いつもひとりで画像
 
2000年06月
大和書房刊
(1300円+税)

2003年11月
文春文庫化


2000/06/19

佐和子さんのエッセイ本の中では、とくにコレという特色はありません。いろいろなところに寄稿した、比較的短いエッセイを収録した一冊です。
何度も書いていることですが、佐和子さんのエッセイを読むのは、同級生と語り合うような楽しさ、そして和田誠さんのイラストがいつも楽しい。
ここまで至ると、本書の良し悪しというより、単に好きだから読む、というだけのことです。

題名の「いつもひとりで」は、オードリー・ヘップバーン主演の映画いつも二人でをもじったものだそうです。
幼い頃からの結婚願望も、今日に至ると「いつもひとり」を覚悟する気持ちが無意識のうちに生じているらしいとのこと。したがって、本書中の結婚・独身生活に関連したエッセイは、さばさばとした気分が感じられるようになりました。ご本人も、あまり悲壮感、寂寥感がなくなってきたとか。
まぁ、その分、私としてはずっと佐和子さんのエッセイにお付き合いしていこう、というつもりでいます。

   

17.

●「ああ言えばこう(×嫁)行く」(檀ふみ・共著)● ★★


ああ言えばこう行く画像

2000年09月
集英社刊
(1500円+税)

2003年05月
集英社文庫

 
2000/09/03

前著ああ言えばこう食うが絶賛だったことから、2匹目のドジョウを狙った続編往復エッセイ
前著をそのうち再読しようと思っていたところが、書店の平台の上に本書を見かけ、読み直す前に続編が出ちゃった!というのが正直なところです。

前著は、予期しない面白さ!というのが魅力だったのですが、さすが2冊目ではそれは通じず、予期した範囲内の可笑しさに留まってしまいます。壇さんのおっとり過剰も、もはや既知のこととなってしまいました。
その分本書では、お2人のお互いへの毒舌が、多少エスカレート気味。「こんなに悪口を言い合って、お二人の仲は大丈夫なんですか?」と心配されるのも、当然のことでしょう。
とは言っても、読めばそれなりに可笑しく、楽しいのは相変わらず。私にとっては、同年齢のお仲間気分で読む楽しさがありますので(当方の勝手な思いですが)。
それにしても、2人の共通点が紙袋にあったとは。まあ、紙袋というのはやはり便利なものに違いありません。
前著のテーマが
食事だったのに対して、本書のテーマはだそうです。

    

18

●「吉右衛門のパレット」 (中村吉右衛門・共著) ★★

 
吉右衛門のパレット画像
 
2000年12月
新潮社刊
(1900円+税)

2001/01/27

20年余り中村吉右衛門さんの写真を撮り続けていたという稲越功一さんの写真吉右衛門さんと阿川佐和子さんの対談、という手軽な本です。

TV“鬼平”で大ファンとなった吉右衛門さんと、同じくファンの佐和子さんの対談があるからこそ、買って読みました。
とにかく、お2人の対談は楽しいです。佐和子さんというより、吉右衛門さんの持ち味なのでしょう。人前に出るのが苦手とか、しきりに「こんな顔だから...」「ちっとももてない」等々。
思いがけない言葉に、なるほど...と思わず肯きそうになり、可笑しくなります。いったい、どこまでが吉右衛門さんの本音であるのやら。
さりげなく、とぼけた感じのあるユーモア、軽やかな楽しさがあって私は好きです。そんな吉右衛門さんに乗せられて、佐和子さんの語り口もとても滑らか、という具合。
そんな対談の中で、歌舞伎の面白さもさりげなく案内しているのが、本書の良さです。

          

19.

「阿川佐和子のガハハのハ」● ★★

 
阿川佐和子のガハハのハ画像
 
2001年04月
文芸春秋刊
(1476円+税)

2003年06月
文春文庫化

   

2001/05/19

週刊文春連載中の対談「この人に会いたい」bR
前2冊が文庫だったのに比し、今回は初の単行本化。その勢いにのって、前回アハハ、今回「ガハハ」、次回ワハハと続け「ア、ガ、ワ」とするのが目標だとか(あとがきより)。
最初、変な題名?と思ったのですが、そんな思惑があったとは!
単行本だけに写真も多く、これまで以上に楽しめます。じっくり拝見すると、佐和子さんはやはり美人なんですよねェ。

本書の中では、北杜夫さんが絶品。躁鬱病の人って他になかなかいませんし、相手は古い付き合いの佐和子チャン、対談は快調です。谷川俊太郎さんも遠縁にあたるとかで、「俊ちゃん」と呼びかけ、気取らない会話が続きます。
一方、森繁久弥さんとの対談には、思わずウ〜ン。佐和子さんに結婚歴がないことを知らない人もいたのか、と。
それにしても渡辺淳一さんの登場回数の多いこと。男は語る」「あんな作家と、私が読んだだけでももう3回目の対談です(それぞれ出版社が違うので仕方ない)。
※なお、小泉武夫東農大教授の、ゴミ・環境問題を解決する「発酵革命」論は、とても勉強になりました。

久保純子/北杜夫/本上まなみ/小出義雄・高橋尚子/庄司沙矢香/三谷幸喜/栗原はるみ/井上ひさし/宮本浩次/田辺聖子/上原浩治/藤沢秀行/PUFFY(大貫亜美・吉村由美)/鳥越俊太郎/瀬戸内寂聴/谷川俊太郎小泉武夫/マルチナ・ヒンギス/市川崑/中村玉緒/森繁久弥渡辺淳一

   

20.

ザ・ロングインタビュー3 佐和子流 人生の磨き方」● ★☆

  
佐和子流人生の磨き方画像


2001年12月
扶桑社刊
(648円+税)

 

2002/11/16

BSフジ“ザ・ロングインタビュー”bR、阿川佐和子篇。題して「佐和子流 人生の磨き方」
インタビュアーは、八木亜希子、テリー伊藤のお2人。オンエアーは、2001年 5月18日

週刊文春のこの人に会いたい企画継続中の佐和子さん相手とあって、始まる前から八木さん(フリー、元フジアナ)はかなり意識していたようです。
その為か、失言多数、佐和子さんから逆に突っ込まれること、度々。インタビュアーは本来どちらなのか、逆に八木さんが佐和子さんから質問される場面も多く、ベテラン・インタビュアーの前に新米インタビュアーはたじたじ、そんな可笑しさが味わえる一冊です。
エッセイと違ってオンエアーを本にしたものですから、佐和子さんの当意即妙、茶目っ気ぶりが如何なく発揮されていて、ファンとしては楽しい限り。(※八木さんもファン)

はじめに/インタービューすること・されること/こじれたインタビューの失敗談/お見合い三十数回の真意/お見合いAtoZ/三十代にして人生リセット/一人暮らしで不安定を楽しむ/インタビューとお見合いの共通点/相手の話を聞くということ/さいごに

 

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