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11.上と外 12.puzzle パズル 13.ライオンハート 14.MAZE 15.ドミノ 16.黒と茶の幻想 17.図書室の海 18.劫尽童女 19.ロミオとロミオは永遠に 20.ねじの回転 |
【作家歴】、六番目の小夜子、球形の季節、不安な童話、三月は深き紅の淵を、光の帝国、象と耳鳴り、木曜組曲、月の裏側、ネバーランド、麦の海に沈む果実 |
蛇行する川のほとり1〜3、まひるの月を追いかけて、Q&A、夜のピクニック、夏の名残りの薔薇、「恐怖の報酬」日記、小説以外、蒲公英草紙、エンド・ゲーム、チョコレートコスモス |
中庭の出来事、朝日のようにさわやかに、猫と針、不連続の世界、きのうの世界、ブラザー・サン シスター・ムーン、六月の夜と昼のあわいに、私と踊って、蜜蜂と遠雷、祝祭と予感 |
ドミノin上海、スキマワラシ、なんとかしなくちゃ。青雲編 |
●「上と外」● ★ |
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2003年02月
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スティーヴン・キング「グリーン・マイル」にならって、隔月連続刊行、全5巻で完結しようと試みた作品。しかし、結果的に1年を費やし、全6巻にて完結。お世辞にも試みが成功したとは思えません。 1.素晴らしき休日 2000.08 主人公は、両親が離婚し、現在は祖父宅で暮らす中学生・楢崎練。ストーリィは、夏休みの恒例で練が、今は別に暮す義母・千鶴子、妹・千華子と共に、考古学者である父・賢のいる中央アメリカへ出掛けることから始まります。密林と遺跡がある一方で、軍事政権の国。その国で、練たち4人は突如起きた軍事クーデターに巻き込まれ、練と千華子は飛んでいるヘリコプターから、眼下の密林に放り出されます。その後、練と千華子が立ち向かうことになった冒険が、本書の中心ストーリィ。 |
●「puzzle パズル」● |
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2000/11/08 |
何だか判らん、というのが正直な感想。通勤の片道、30分程で読み終えた短いストーリィです。 pierce/play/picture |
●「ライオンハート」● ★★ |
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2004年02月
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時空を超えて幾度も巡りあう男女を描く、SFラヴ・ストーリィです。 趣向を凝らし過ぎてしまうと後が大変だろうと思うのですが、実際そうであったようです。最初の3篇がすっきりとした緊迫感があるのに対し、後の2篇はどうも苦しそうです。 エアハート嬢の到着(Sickert 1932作)/春(Millet 1963-73作)/イヴァンチッツェの思い出(Mucha 1903作)/天球のハーモニー(Buontalenti 1589作)/記憶(Khnopff 1889作) ※奇しくも本ストーリィは、北村薫「リセット」と共通する部分があります。でも、小説としては全く別もの、という印象。読み比べてみるのも一興だと思います。 |
●「MAZE めいず」● ★ |
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2003年11月
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恩田陸さんについては、いろいろ面白いことを考え付く人だなあ、と思うのが常なのですけれど、本書もそんなアイデアから生まれたのであろう作品。 |
●「ドミノ」● ★★ |
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2004年01月
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読み終えた時には、あぁ、面白かった!、の一言。 久々に、恩田さんらしい快作を味わった思いがします。 7月末日の締めに向って最後の契約成立に一喜一憂する関東生命八重洲支社の面々、劇オーディションを受けた2組の母娘、大学ミステリ連合会の次期幹事長選びを争う学生たち、別れ話がこじれて緊迫事態となる男女、警察OB中心の俳句オフ会に、爆弾をかかえたテロリストたち、おまけに正体不明のペットまで等々。暴風雨近づく東京駅にそれらが一斉に集結し、相互に絡み合い、混乱はとめどもなく大騒ぎになっていきます。 冒頭頁に登場する28人の人物紹介とイラストがあり、それと見比べつつストーリィを追って行くのが、また楽しい。 読む場合には、休日を選んで一気に読み上げることをお薦めします。読み出したらきっと止まらなくなりますから。 ※小説では、戸梶圭太「溺れる魚」最終章に似た面白さがあります。映画では、“ブルース・ブラザーズ”が思い出されます。 |
●「黒と茶の幻想」● ★ |
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2006年04月
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50歳という一区切りの年代を迎えた大学時代の仲間、男女4人が旧交を温める旅に出ます。行き先はY島(屋久島?)。そして、各人が抱えたままの謎めいた思い出について、その真相を解明しようという趣向付。 |
●「図書室の海」● ★ |
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2005年07月 2002/03/31 |
これまで恩田さんがあちこちに掲載した短篇を集めた一冊ですので、恩田さん得意のホラーものから、ミステリもの等、様々な傾向の雑多に収録されています。とはいえ、これぞまさしく恩田陸の小説世界。 ただし、反面、短篇ならではの面白さを感じるものから、中途半端に終わってしまうものまで、その点でも様々。 「六番目の小夜子」の番外篇である「図書室の海」に興味惹かれるところですが、私が面白く感じたのは、「春よ、こい」と「茶色の小壜」の2篇。 春よ、こい/茶色の小壜/イサオ・オサリヴァンを捜して/睡蓮/ある映画の記憶/ピクニックの準備/国境の南/オデュッセイア/図書室の海/ノスタルジア |
●「劫尽童女」● ☆ |
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2005年04月
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アイデア倒れ、と言わざるを得ない作品。 恩田作品についてはそうした傾向が強いのですが、本作品はそれにしても、と感じます。宮部みゆき「ドリーム・バスター」についても同様の印象をもったことを思い出します。 冒頭2章のストーリィは、サスペンス+主人公となる少女にかかるミステリアスな傾向から、その後の展開に期待を持たされました。 ところが中盤では、近未来形超能力者戦争といった様相をみせてきます。背後に「ZOO」という秘密組織があるのですが、その組織の正体も明らかにされないままストーリィはさらに混迷を深める、という感じ。このあたり、「サイボーグ009」のブラックゴーストの方がよっぽど判り易い。 そして最後、舞台はカンボジアに飛ぶのですが、急に現実の国際問題に入り込んでいて、面喰います。 題名の「劫尽童女」は、地獄における世界を焼き尽くす炎という意味の“劫尽火”からきた由。恩田さんとしては、近未来形戦争と劫尽火を掛け合わせた、SFサスペンスを目指したのかもしれませんが、散漫なストーリィ展開に終わった印象がぬぐえません。 火と超能力を掛け合わせたのであれば、宮部みゆき「クロス・ファイア」の方がよっぽどすっきりしています。 かなり厳しい書評になりましたが、私の正直な感想です。 化現/化縁/化色(前編)/化色(後編)/化生 |
●「ロミオとロミオは永遠に」● ★ |
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2006年07月
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近未来を舞台にした冒険小説。 しかし同時に、ストーリィに深堀りがない、結末が呆気ないという点も、恩田さんらしいところ。 ストーリィよりアイデアを楽しむべき、という作品。そしてまた本作品は、恩田さんによる20世紀への賛歌でもあります。 |
●「ねじの回転 FEBRUARY MOMENT」● ☆ |
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2005年12月
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2.26事件の勃発。しかし、本書に描かれるのは、近未来の国連に指示された事件の首謀者たちがもう一度歴史をなぞろうとするストーリィ。 単純に歴史事実を繰り返せば済む筈だったことが、当時国賊扱いされた青年将校たちの無念な思い、国連職員の一部の秘められた意図から、事態は思わぬ方向に走り出すという、歴史SFサスペンス。 着想の独自性に唸らせられる、いかにも恩田さんらしい作品ですが、その後の展開に物足りなさがあるのもまた恩田さんらしいところ。4百頁余という長編の割に、何故歴史をなぞる必要があったのか、という鍵の部分に説得力を欠いている。そのため、読み通すのはシンドかった、というのが正直なところ。 本作品のミソは、歴史の“IF”にあるのだろうと思います。 もしああなっていたら、もしそうでなかったら。歴史についてそれは、何度も繰り返される言葉でしょう。 偶然の差でしかなかったこと、それにも拘らずその結果は、歴史上に大きな違いをもたらしたかもしれない。本作品は、そうした事実、当事者たちのそうした思いを描こうとした作品と言えるでしょう。 ただ、2.26事件は陸軍の自己陶酔的な横暴さを端的に表した事件であって、私としては常に許せない思いがあります。ですから、事件の当事者たちに共感することなどはあり得ません。それ故、本作品に対する見方も厳しいものになったかもしれません。 |
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