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●「ハリー・ポッターと賢者の石」● ★★☆ 原題:"HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE" 訳:松岡佑子 |
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1999年12月 第26刷 2003年11月
2000/04/24 |
評判があまりに高いので読んだのですが、とにかく面白く、
かつ楽しい本。予想以上です。まさに、大人も子供も夢中になれる作品。 中心ストーリィは、伯父の家で邪魔物扱いされていたハリーの元へ、ホグワーツ魔法魔術学校から入学許可証が届くところから始まります。 寄宿学校、魔法使いと揃えば、いかにもイギリスらしい世界です。登場人物もそれぞれ個性に溢れ、ディケンズに負けていません。 1.生き残った男の子/2.消えたガラス/3.知らない人からの手紙/4.鍵の番人/5.ダイアゴン横丁/6.9と3/4番線からの旅/7.組分け帽子/8.魔法薬の先生/9.真夜中の決闘/10.ハロウィーン/11.クィディッチ/12.みぞの鏡/13.ニコラス・フラメル/14.ノルウェー・ドラゴンのノーバート/15.禁じられた森/16.仕掛けられた罠/17.二つの顔をもつ男 |
※映画化 → 「ハリー・ポッターと賢者の石」
●「ハリー・ポッターと秘密の部屋」● ★★ 原題:"HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS" 訳:松岡佑子 |
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2000年09月 第20刷
2000/09/26 |
第2巻は、第1巻の最後のまま、夏休みから始まります。 前作「賢者の石」の場合には、こんな本は初めて読んだ!という興奮する面白さがありました。しかし、2作目ともなると、魔法魔術学校のホグワーツも、ロン、ハーマイオニーとの親友トリオ、クィディッチ競技も既知のことであり、期待ほどの面白さが感じられなかったのは、仕方ないことでしょう。 1.最悪の誕生日/2.ドビーの警告/3.隠れ穴/4.フローリシュ・アンド・フロッツ書店/5.暴れ柳/6.ギルデロイ・ロックハート/7.汚れた血と幽かな声/8.絶命日パーティ/9.壁に書かれた文字/10.狂ったブラッジャー/11.決闘クラブ/12.ポリジュース薬/13.重大秘密の日記/14.コーネリウス・ファッジ/15.アラゴグ/16.秘密の部屋/17.スリザリンの継承者/18.ドビーのごほうび |
※映画化 → 「ハリー・ポッターと秘密の部屋」
●「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」● ★★ 原題:"HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN" 訳:松岡佑子 |
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2001年07月
2001/09/02 |
第3巻にもなると、ストーリィのパターンが見えてきます。 まずは夏休みの間のダーズリー家から始まり、それなりの騒動の後、再びハリー、ロン、ハーマイオニーらは揃ってホグワーツ特急に乗り込み、学校へ向かいます。 前半は新学期らしく、3年生になったハリーらの新しい授業、新しい魔法学の教師たちの様子が語られていきます。この辺りは定例パターン。 なお、本シリーズの魅力が、校長ダンブルドアらに温かく見守られつつ、ロンやハーマイオニーとの友情を深めながらハリーが勇敢な少年として成長していく姿にあるのは間違いないところ。英文学の伝統的ビルディング・ロマンスと言えます。したがって、次の巻も大いに楽しみです。 1.ふくろう便/2.マージおばさんの大失敗/3.夜の騎士バス/4.漏れ鍋/5.吸魂鬼/6.鉤爪と茶の葉/7.洋箪笥のまね妖怪/8.「太った夫人」の逃走/9.恐怖の敗北/10.忍びの地図/11.炎の雷/12.守護霊/13.グリフィンドール対レイブンクロー/14.スネイプの恨み/15.クィディッチ優勝戦/16.トレローニー先生の予言/17.猫、ネズミ、犬/18.ムーニー、ワームテール、パッドフット、プロングズ/19.ヴォルデモート卿の召使い/20吸魂鬼のキス/21.ハーマイオニーの秘密/22.再びふくろう便 |
※映画化 → 「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
●「ハリー・ポッターと炎のゴブレット(上下)」● ★★ 原題:"HARRY POTTER AND THE GOBLET OF FIRE" 訳:松岡佑子 |
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2002年10月
2002/11/01 |
第4巻目にして初の上下巻。それだけの大作かというと、むしろ散漫にストーリィが続くように思われます。 ホグワーツにおける今回の最大の出来事は、3大魔法学校対抗試合の開催。なんと百年ぶりとのこと。その試合に出場する各校の代表選手を選ぶのが、炎のゴブレット。しかし、本来の3選手以外に、炎のゴブレットが4人目の選手を選んでしまいます。言うまでもなく、4人目はハリー・ポッター。 ※ロン、ハーマイオニーについては、これまでと違い、彼らの複雑な胸の内が描かれます。それは、彼らの成長の証しでしょう。このシリーズは、決してハリーだけの成長物語ではないのです。 1.リドルの館/2.傷痕/3.招待状/4.再び「隠れ穴」へ/5.ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ/6.移動キー/7.バグマンとクラウチ/8.クィディッチ・ワールドカップ/9.闇の印/10.魔法省スキャンダル/11.ホグワーツ特急に乗って/12.三大魔法学校対抗試合/13.マッド・アイ・ムーディ/14.許されざる呪文/15.ボーバトンとダームストラング/16.炎のゴブレット/17.四人の代表選手/18.杖調べ/19.ハンガリー・ホーンテール/20.第一の課題/21.屋敷しもべ妖精解放戦線/22.予期せぬ課題/23.クリスマス・ダンスパーティ/24.リータ・スキーターの特ダネ/25.玉子と目玉/26.第二の課題/27.パッドフット帰る/28.クラウチ氏の狂気/29.夢/30.ペンシープ/31.第三の課題/32.骨肉そして血/33.死喰い人/34.直前呪文/35.真実薬/36.決別/37.始まり |
※映画化 → 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」
●「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(上下)」● ★☆ 原題:"HARRY POTTER AND THE ORDER OF THE PHOENIX" 訳:松岡佑子 |
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2004年09月
2004/09/26 |
第5巻を読む前に、先に読んだ人から、暗い、子供向きのストーリィではなくなった、等の感想を聞いていました。 確かに上巻を読んだ限り、これまでのような楽しさが感じられないのは事実です。 ひとつは、ハリーが常に苛立っており、ハーマイオニーやロンと言い争う場面が再三あること。それは親友3人の間のみならず、ハリーを守ろうとする人たちの間でも起きること。 もうひとつは、ダンブルドア失脚を策謀する魔法省大臣ファッジの影響下、魔法学校対魔法省の対立構図が影を落し、ホグワーツが楽しい場所ではなくなっているからです。 しかし、「ハリー・ポッター」をひとつの長大な成長物語と理解するなら、彼らが迎えた曲がり角となる時期であり、描かれるべきして描かれたストーリィと解すべきでしょう。ハリーたちも魔法学校の5年生、監督生となる年代に至ったのですから。 特にハリーにおいてはジレンマが大きい。単なる魔法学校の一生徒でしかないにもかかわらず、事実上は常にヴォルデモートの対抗相手となっているのですから。 苛立ってばかりのハリーに対し、ハーマイオニーはぐっと思慮深くなっています。一方のロンは未だ子供っぽく、成長する姿は三者三様です。 1.襲われたダドリー/2.ふくろうのつぶて/3.先発護衛隊/4.グリモールド・プレイス十二番地/5.不死鳥の騎士団/6.高貴なる由緒正しきブラック家/7.魔法省/8.尋問/9.ウィーズリーおばさんの嘆き/10.ルーナ・ラブグッド/11.組分け帽子の新しい歌/12.アンブリッジ先生/13.アンブリッジのあくどい罰則/14.パーシーとパッドフット/15.ホグワーツ高等尋問官/16.ホッグズ・ヘッドで/17.教育令第二十四号/18.ダンブルドア軍団/19.ライオンと蛇/20.ハグリッドの物語/21.蛇の目/22.聖マンゴ魔法疾患傷害病院/23.隔離病棟のクリスマス/24.閉心術/25.追い詰められたコガネムシ/26.過去と未来/27.ケンタウルスと密告者/28.スネイプの最悪の記憶/29.進路指導/30.グロウプ/31.ふ・く・ろ・う/32.炎の中から/33.闘争と逃走/34.神秘部/35.ベールの彼方に/36.「あの人」が恐れた唯一の人物/37.失われた予言/38.二度目の戦いへ |
※映画化 → 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」
●「ハリー・ポッターと謎のプリンス(上下)」● ★★ 原題:"HARRY POTTER AND THE HALF-BLOOD PRINCE" 訳:松岡佑子 |
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2006年05月
2006/06/27 |
まず言えることは、これまでの巻のようにワクワクする思いで読むことはなかった、ということ。 さてストーリィはというと、本巻でダンブルドアはハリーがヴォルデモートと対決するために必要なこととして、幾人もの証言者の記憶を辿ってヴォルデモートの軌跡を辿るという個人授業を施します。 本巻の最後には、信じ難い幕切れが待ち構えています。そのためいっそう次の最終巻を待ち焦がれずにはいられない。 1.むこうの大臣/2.スピナーズ・エンド/3.遺志と意思/4.ホラス・スラグホーン/5.ヌラーがべっとり/6.ドラコ・マルフォイの回り道/7.ナメクジ・クラブ/8.勝ち誇るスネイプ/9.謎のプリンス/10.ゴーントの家/11.ハーマイオニーの配慮/12.シルバーとオパール/13.リドルの謎/14.フェリックス・フェリシス/15.破れぬ誓い/16.冷え冷えとしたクリスマス/17.ナメクジのろのろの記憶/18.たまげた誕生日/19.しもべ妖精の尾行/20.ヴォルデモート卿の頼み/21.不可知の部屋/22.埋葬のあと/23.ホークラックス/24.セクタムセンプラ/25.盗聴された予見者/26.洞窟/27.稲妻に撃たれた塔/28.プリンスの逃亡/29.不死鳥の嘆き/30.白い墓 |
※映画化 → 「ハリー・ポッターと謎のプリンス」
●「ハリー・ポッターと死の秘宝(上下)」● ★★ 原題:"HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS" 訳:松岡佑子 |
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2008年07月
2008/07/31
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10年にわたって刊行された“ハリー・ポッター”、ついに完結。 さて、上巻。冒頭から暗闘と死ばかり。そしてヴォルデモートの分霊箱を求めて当てのない探索行に出たハリー、ロン、ハーマイオニー3人の間には、焦燥感と苛立ちが目立ちます。とくにハリーとロンはまるで頑是無い子供に戻ってしまったようで、賢明なハーマイオニーがなんとか宥めているという風。なんか雰囲気悪いなぁ。 それにしても、何と複雑な物語であることか。最後の最後になって漸く、亡きダンブルドアによって第1巻から始まる長大な物語の全貌と真相が初めて明らかにされます。 あぁやっと終わったという安堵感と、最後まで読み終えたぞという達成感。そんな気分がまず胸の中に広がります。 1.闇の帝王動く/2.追悼/3.ダーズリー一家去る/4.七人のポッター/5.倒れた戦士/6.パジャマ姿の屋根裏お化け/7.アルバス・ダンブルドアの遺言/8.結婚式/9.隠れ家/10.クリーチャー語る/11.賄賂/12.魔法は力なり/13.マグル生まれ登録委員会/14.盗っ人/15.小鬼の復讐/16.ゴドリックの谷/17.バチルダの秘密/18.アルバス・ダンブルドアの人生と嘘/19.銀色の牝鹿/20.ゼノフィリウス・ラブグッド/21.三人兄弟の物語/22.死の秘宝/23.マルフォイの館/24.杖作り/25.貝殻の家/26.グリンゴッツ/27.最後の隠し場所/28.鏡の片割れ/29.失われた髪飾り/30.セブルス・スネイプ去る/31.ホグワーツの戦い/32.ニワトコの杖/33.プリンスの物語/34.再び森へ/35.キングス・クロス/36.誤算/終章.十九年後 |
※映画化 → 「ハリー・ポッターと死の秘宝」