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まえがき
1997年10月28から31までの4日間、東京有明のビックサイトにて、「’97国際ロボット展」が開催されました。
国内外のロボットメーカーおよび関係するソフトメーカー約70社が集まる2年に1度の大イベントです。
来場者層は、産業用ロボットのユーザーつまり工場の設備導入担当や、大学生や教授などのロボットの研究機関、もちろんロボットメーカーの開発者が多数だと思われます。非常に多くの来場者に溢れていました。
今回は、普段からお付き合いのあったロボットメーカーの方のつてで、日本ロボット工業会より招待状をいただいたので、貯まった代休を取得し自費で(ちとトホホ)東京へと向かったわけです。スケジュールは29日と30日の2日間でしたが、それでも時間が足りない、なんとも巨大でくわえて興味深いイベントでした。
それでもマスコミ受けする映像としては、本田技研の人型二足歩行ロボットや、ソニーの全方向移動型球形玩具ロボットとかかな?ですから入りやすい情報はマスコミにまかせて、私自身注目した新技術(というか私の知らなかった技術)について紹介したいと思います。
今回の参加目的は3つありました。
- 個人で開発しているロボットシミュレータの意義を確認し、今後の開発へのヒントを得る。もちろんソフト制作以外にも興味をひく内容が多かったので、どーしても見たかった。
- 私は生産技術部門に所属するものとして、工場へ導入しようとするロボットの最新動向を知り、普段つきあいのなかったメーカーの情報を得る。仕事に役立つヒントを探しに。
- 教育機関などへのソフト納入にあたりそのイメージ合わせをするべく、ロボットシミュレータのユーザーとのオフラインミーティングを予定していた。くわえて新規ユーザーを得るために各ブースの技術者と情報交換。
とりあえず上記の予定はほぼ消化し、ロボット展会場で話の合った技術者数名からメールなどをいただいています。目標達成です。
このページでは、短い時間ではありましたが、私がブースをまわって得たロボットの情報を、個人的な見解(偏見ともいう)を加えて紹介しようと思います。主に展示会を見に行けなかった人たちを対象として。
順番はあいうえお順とします。
逐次更新していきます。なかなか完成しませんがお待ちください。
それまではこのリンク集で勘弁してください。
- 川崎重工
- コマツ
- ソニー
- デネブジャパン
- 日本ジーローター 天井走行型5軸ロボットを出展。
(天井走行に限定したロボットを持ってきたのが意外でした。わりと加工現場に合った構造なのかも)
- 日本テクノマティックス(日立造船情報システム)
- 日本ロボット工業会 溶接経路の教示システムVIRTUEを展示。
(OpenGLを利用した3DCG表示されたワークに対して、特徴点を指定するだけで溶接経路とロボットティーチングデータを出力する簡易教示システム。ロボットを意識させないWindowsライク(花子3をイメージしました)なインターフェースに好感がもてます)
- 日立精機
- タイトー
- ダイヘン
- THK
- 東急建設
- ハーモニックドライブシステムズ
- ファナック 黄色のロボット、稲葉清右衛門会長が有名。斬新な形状や技術紹介ものが多かった。
(こちらのブースにはロボットがぎっちり詰め込まれていました。ロボットメーカーとしての研究成果、技術力を前面にだした形式ですが、とにかく有利性をしゃべり倒す。で終わったらまたテープを巻き戻したように始めから。もとロボティストとしては論文発表的で新技術を知る、非常に興味深いブースでしたが、お客さん不在の進行のような気も。それでも担当者を捕まえて、安全停止と緊急停止の違いは?手先の柔軟性を与えるシステムは?と質問しましたが、答えてくれなかったので(?_?)でした。
またROBCADを用いて高精度シミュレーションを行い、その結果を実ロボットにダウンロードするデモをしてました。計算はWSで、ダウンロードは隣のWindowsNTというように2台のロボットを使うという特殊なことをしていた)
- 不二越/NACHI 重量可搬(200kgまで)のSA、軽量可搬(50kg以下)のSCというオレンジ色のNACHIロボットが印象的。そのなかで銀色の塗装型PV、パラレルリンク構造のTRが目立つ。制御盤の小型化と、カスタマイズ可能なカラー液晶付きティーチングペンダントについて熱心に説明された。
(中央に2名の未来服をきた女性が、ロボットを背にして解説するという珍しい紹介形式。イメージビデオなどビジュアルに凝ったブースでした。不二越は干渉検太くん、ワークメイ子というワイヤーフレーム3DCGシミュレータがありますが、塗装シミュレータで利用していたのはROBCADでした。パラレルリンク機構のTRは高剛性・高精度・高速加工向きのロボットでその形状の異様さが目立ちました)
- 本田技研 人間型二足歩行ロボットP2実物を出展(触れる)と、ビデオを放映。
(ある意味このショウの一番人気だった。ロボットのまわりには20〜30名の人たちが取り囲み、ビデオでP2が歩くと「うぉー」、階段を上ると「おぉー」と感嘆の声が挙がりました。横からみて脚が割に細く、足もサイズが思ったより大きくない。いままでの歩行ロボットの概念を吹き飛ばされました。はやく次機であるP3の映像をみてみたいものです。白い肩のHマークがアコードみたいで格好いい)
- 安川電機 MOTOMANシリーズが有名。クリーンロボで食品搬送などに実績あり。段ボールのパレタイジング専用ロボットとソフトを用いた8段積みのロボット実演。
(段ボールパレタイジング専用ロボットが3m近い高さまで、100kg近い重量物を高速(1400回/H)積み上げることができるというのが凄い。専用のソフトがあると非常に使いこなしやすそう。RenderWareを用いた3DCGロボットシミュレータRotsyも展示。OpenGLよりも高速といわれますが、対応3Dボードが必要になりそうです)
- 松下電器産業 組立検査システム向け水平型パナロボHR、5軸パナロボKS、ほか直交ロボット。無人搬送車パナワゴンを出展。
(他のメーカーの多くは危険領域に設置するロボットだったのに対して、無人搬送車に載って流れる車用シート組立を3人の作業者が行う。これにブースのかなりのスペースをとっていました)
- 松下産業機器 可搬域のひろく溶接に強い6軸パナキングVR、6軸閉リンク機構パナロボAWを出展。Windows3.1用3DCGロボットシミュレータDTPS。
(DTPSはWindows3.1マシンという普及機で動くワイヤーフレーム描画というのを売りにしていました)
- 三井造船
- 三菱重工
- 三菱電機
- ヤマハ発動機
- ロボットメーション
- 他研究機関 明治大学、早稲田大学、東京大学、電気通信大学