保育についてあれこれ考えるページ

保護者の立場から、保育について考察したページです。保育について詳しい人もよく知らない人も、まずはこのページをよく読んで勉強しましょう。

保育制度の概要・背景・問題を、保育制度入門のページにコンパクトにまとめました。保育制度に詳しくない方は、こちらからご覧ください。掲示板もあります。

保育園アンケート
保育園は同じではありません。保育も、保育に対する考えも、園によってばらばらです。 ちょいとのぞいてみませんか。 2000/12/17現在、308園(日本の保育園の約1%)の回答が見られます。
(またまたしばらく更新をさぼっていました。すみません。)
もちろん、アンケートへの回答も歓迎します。保育園の選び方も追加しました。
規制改革委員会の動き
「認可保育所の設置認可に係る規制緩和」に対するわたしのパブリックコメント、全文公開中!
保育運動辛口応援団
「児童福祉法改正は公立潰し」「保育の大競争時代が始まる」など、巷でよく言われるせりふを検証してみました。 厚生省を敵視する前に、もう一度考えてみませんか。
児童福祉法改正をめぐって
昨年の児童福祉法改正をめぐって、保育運動から多くの問題点が提起されました。それらの問題点は本当に「問題点」だったのでしょうか。また、保育運動が指摘し損ねた問題点はないのでしょうか。
総務庁行政監察局による勧告
「保育園は親のニーズに応えよ。幼稚園と保育園の客引き争いにピリオドを」 行革を担当する総務庁行政監察局からの、保育行政へのお叱りです。
広島市の保育データ
わたしの住む、広島市の保育に関するデータです。「保育の資料」ページから格上げしました。 広島市版エンゼルプランに関する不定期日記があります。(最終更新: 1999年2月14日) 広島市の月ごとの待機児データを記載しています。(現在、2000/2/1分が最新)
保育の資料
保育単価の内訳、全国病児保育所リスト、県別延長保育実施状況他。
保育関連投稿アーカイブ
わたしの保育に関連する投稿(1998/7以降)のアーカイブです。
保育関連書籍
保育に関連する本の紹介(工事中)
用語集
保育制度に関連する用語集(工事中)
リンク集
保育関連リンク集(工事中)

たいがいのサービスや商品は、市場メカニズムによってうまく供給が行なわれます。 市場メカニズムは極めて優秀です。 しかし、万能というわけではありません。この現象は「市場の失敗」と呼ばれます。 市場の失敗が起きる場合、行政からなんらかのちょっかい(補助金、税制、法律、etc...)をかける必要があります。

米国では、保育の供給はほとんど市場メカニズム任せになっています。 親が払える額が十分な質の保育をおこなえるコストより低い金額であるために、保育者の人件費は異常に低く押さえられています。 フルタイムでベビーシッターとして働く人の多くは、一人前に働けない(英語が話せない、極めて高齢など)ものばかりです。 保育園で働く職員にしても、何か他に働く能力を持っているような人はほとんどいません。 児童心理学などの基礎知識を持った職員は、ほんの一握りです。

保育の質は、保育を行なう人の資質と、子供と保育者の比率に強く依存します。 この結果、0歳児の母親の半分が働いているというのに、供給されている保育サービスのレベルは非常に低いものになっています。 このため発達心理学者のホワイトは、子供が三歳になるまでは、身内による保育を行なうことを強く勧めています。 もちろん、個々のケースでは、もっとひどい例も散見されます。 明らかに米国では、保育に関して市場の失敗が起きており、保育に関して行政の介入が必要であることを示しています。

近年の日本では、急激な少子化が問題になってます。 経済企画庁の報告書によれば、厚生省人口問題研究所の発表した合成特殊出生率の中位推計をキープするには、 むこう50年に現在の3倍の保育サービスの提供がなされなければなりません。保育に関して市場の失敗が起きる以上、 保育には今後も行政によるサポートが必要となります。

行政によるどのようなサポートが必要かつ有効なのか。 保育をよくするために、わたしたち一般人にできることは何なのか。 保育行政に対する動向もまじえて、考えていきたいと思います。 



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秋山 克美(あきやま かつみ)

katsumi@oct.email.ne.jp

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