隠れた名店
むずむずは、長岡の辺りで急におそってきた。「何か書きたい!」…むずむずむず。
突き動かされるようにメモ用紙にペンを走らす私。
頭が浮かされるような、暖かい人いきれに満たされた薄暗い車内。
外は雨。…でも、辺りはうっすらグレーかかった雪に覆われている。
新潟駅に着くちょっと前になると、今度は車掌が電気を点けに各車両に回ってくる。
おたおたと身支度を整えたところで丁度新潟駅に着く。5:10。
長岡は結構雪が積もっていたのに、新潟には雪の気配は全くなかった。ほんの少しの間に、手際よく隠されてしまったかのように。
駅からフェリーターミナルまでは、タクシーで1,000円弱。
港に着くと、一昨年にようやく出来たという佐渡汽船ご自慢の(総工費2億円といわれている)エスカレーターに乗って(はっきり言って単なる無駄)ターミナル待合室へ。
そこで乗船券を買い、旅客名簿(万が一の事があったとき、誰が乗っていたかを確認するためのもの)を書かされる。
朝イチなので(5:30頃。フェリーの出発は6:10)売店はまったく開いておらず、やっているのは軽食を出すスタンドのみである。
ここの海藻そば・うどん(500円)がものすごく美味しい。
単に冷凍のそば・うどんをささっと茹でて、出来合のつゆをかけ、ながも・もずく・ワカメ・刻みネギをのせたシンプルかつ、誰にでも作れそうな代物である。
…しかし、海藻もすごく美味しいし、麺はそばもうどんもコシがあってしっかりしているし、へたなおそば屋さんで食べるより全然美味しい(安いしね)。
ちなみに、佐渡の両津港フェリーターミナル内の軽食屋のながもそば・うどんも全く同じ。すごく美味しい(こちらは380円)。
かなりオススメ。どちらかでぜひ食べてみて下さい。
さて、フェリー。
去年の12月に来たとき(冬の佐渡の味覚を堪能しに行った。…しかし、生で食べる蠣は夏場が旬ということで食べられなかったし、前日に海が時化ていてろくな魚が捕れなかったりで、あまり美味しいものにありつくことは出来なかった。かろうじて加茂湖でとれる加熱用の蠣を食べた。これは美味しかった)、「冬の日本海」の波の荒さを身をもって体験した(すごかった。転覆するかと思った。真っ直ぐに立っていられない程船が揺れ、もちろん酔って大変苦しい思いをした)のだが、春になるとうって変わって波は穏やかになるらしい。
今回「ゆっくり寝るんだぁぁ!」と言い残して一人チケットを買いに行ったノブであったが、戻ってきて握りしめていたのは特別船室(個室)のチケットであった。おぉぉ。
1室4名まで使用でき、室内は2ベッド、ソファ、テーブル、TV、そしてなんと専用バルコニーまでついている。割に広い。
入るとすぐにボーイ(おじさんだけど)が飛んできて、チケットの確認と、おしぼり、お世辞にも美味しいとは言い難いお茶を出してくれる。
ボーイが出ていった直後にアナウンス。
「本船はこれより両津港に向け、出発いたします。」
それと共に、けたたましい銅鑼(ドラ)の音(もちろんテープの)。
ぐわぁ〜んぐわぁ〜ん……しゃんしゃんしゃん…。
佐渡汽船は、他のどのフェリーより、やかましくこれをやる。
あぁぁ、やかましいなぁ…と、思いつつベッドへダイブ。
2時間半、オヤスミナサイ。
1.佐渡へ行く 2.ON→OFFへ 3.隠れた名店 4.佐渡の旨いもの
4.懸賞の極意 5.釣りすぎた(反省)
EXIT!