6 田舎電車そして日常
…放心状態でバスを待つ私に、金髪だけど気の良さそうなお兄ちゃんと、彼より年上っぽい姉さんのカップルが声を掛けてきた。
「僕たち、今タクシー呼んだんですけど、駅まで一緒にどうですか?」
…もちろんYes!!一緒に乗っていくことになった。
タクシーの中で、始めは「どこに住んでるんですか?」とか、当たり障りのない話しをしていたのだが、途中から仕事の話になって、彼が「声優なんです」と、言った辺りから様相が変わってきた。
何と、彼、ディズニーランドに今度新しく出来るディズニー・シーのアトラクション「海底2万里」で声優として参加しているそうだ(まだ極秘事項らしいよ)。
オーストラリアにあるアトラクションの日本版らしい。潜水艦みたいなものに乗って、海底を探索するというものなのだそうだ。
フィルム自体は一昨年の時点で完成し、声入れも一昨年の秋頃に仮入れ。
ディズニーにOKをもらって、去年には本番の音入れ。
あとは建物が出来るのを待つばかり、という状態になっているのだそうだ。
すごいね(タクシーの運ちゃんも耳ダンボ)。
へぇぇぇ…と、感心しながら聞き入っていたら、あっという間に佐貫町の駅に着いた(16:40)。
私はあんなに閉園が早くなかったら、17:32発の各駅停車千葉行きに乗って帰ろうと思っていたのだけど、その前の16:48の特急さざなみに間に合ってしまった。
寒かったので次の電車を待つ余裕もなく、さざなみに乗りこんだ。
この電車、特急という名が付いているのにも関わらず、君津までは各駅。
各駅停車だから、当然小さな駅でもちまちま止まって、ジャージ姿の学生とか、荷物をたくさん背負ったおばさん(行商か?)とかが、どやどや乗り込んでくる。
そんな中で、車内販売(男の人だ!)のワゴンが回ってきたりする。日常と非日常が交錯している!!
旅行において、いつも帰りの飛行機や船、電車などは、私にとって旅モード→通常モードに切り替わる為の大事な時間である。
それがこんな風だと、少し混乱してしまう。
18:00、心の整理がうまくつかない内に、東京駅に着いてしまった。
…仕方ない。少し飲んでから帰ろうかな。
ダウンジャケットのファスナーを上まであげて、歩き出したかづよでした。
毎度、ご愛読感謝!
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