石油臭い温泉

 (泣)。のっけからとんでもない事になってしまいました。
 何と、稚内に滞在していた時間は、わずか10分!

 ノブのやつ、今度は「焼尻(やぎしり)島と、天売(てうり)島に行く」と、言い出した。

 私は、もう北海道本土の中をぐるぐるするんだと思っていたので、稚内を離れたときは本当にびっくりした。…挙げ句の果てに、また離島に行くという。
 ノブの、離島好きには、参ったものである。マニアだ、マニア。

 まぁしかし、今回は、旅程も短く、明日の夕方には本土に戻ってこられるということなので、ちょっと安心した。


 …というわけで、稚内から南下して、羽幌(はぼろ)港に向かう。途中、豊富町に寄る。
 ここは、一大温泉地である。本日2度目のお風呂(420円)!

 豊富温泉の泉質は、低張性アルカリ温泉。…とはいえ、利尻の方とは全然違う。戦前、豊富では油田を試掘していた。そのとき、たまたま湧いてきたのが豊富温泉。結局、採算が合うような油田は見つからなかったが、温泉だけは残った。そんなわけでオイルとお湯が混ざった様なお湯である。

 当然臭い(笑)。…しかし、皮膚病、特に疥癬に絶大な効果があるらしい。

 豊富温泉は、湯治場として栄えている。
 日帰り温泉施設も、一般の湯編み用(有効成分が薄めてある、マイルドなお湯)の風呂場と、湯治客用の風呂場に別れているくらいだ。

 湯治客用のお風呂は、湯船は妖しく変色しており、入ると体中がぬめっとする。そして、激しい石油臭。
 お湯から上がると、肌にオイルらしき黄色いものがこびりつく。…これが肌に良いのだろうが、臭いので落とそうと思って身体を石鹸で洗っても、なかなか取れない。

 面白い体験したねぇ。なんて話しながら、本日のお風呂も終了。


 豊富町からまた南下を始める。
 天塩(てしお)町まで来たところで、ダウン。役場Pでビバーク。

 いやぁ、暑さのためか、2人とも眠りが浅かった。ノブなんて、寝言言ってた。「うっ。肘小僧、膝小僧、膝、膝…」←何だこりゃ?
 そういえば、一昨日は、長い寝言を言っていたな。


「やばい、やばいよぉ。馬面の生首(眼鏡着用らしい)が、2階の窓から庭に向かって降りてくるぅぅ。あ、誰かを追いかけてるみたいだ。」

 …結構面白いので、いけないなぁと思いつつ「ノブは追いかけられてないの?」なんて、合いの手を入れてみる。

ノブ「いや。オレは目が合ってないから大丈夫。」
一世「目ぇ合わすと追いかけてくるのかぁ。やってみない?」
ノブ「やだ。どうしてそんな事言うの。」…と、言い残して布団被って寝てしまった。ちぇ。

 私もかなり意地悪だけど(笑)、こんなにはっきり寝言言う人ってウチの妹とノブくらいのもんなので、つい面白くってからかっちゃうんだよね。

 いくつかノブの寝言のストック(?)があるんですが、上記のはあまり面白くない部類に入るかな。
 でも、久々の寝言で、ちょっと楽しい体験だったので書いてみました。

 

 ただ今17日AM8:25です。既に天塩町を出発し、羽幌町に向かって南下しております。
 本日のレポートは、また後ほど。

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☆ 第3部地図
  1 石油臭い温泉  2 欠航!       3 キャンプ地難民
  4 尻談義     5 便所臭いゾラベンダー