わんだふる カナディアンロッキーズ (4) |
1.プロローグ
2.カナダへ向けて出発 : 7月13日(金)
3.マウント・ロブソン山麓 : 7月14日(土)
4.アイスフィールド・パークウェー : 7月15日(日)
5.シャドー・レイクへ : 7月16日(月)
6.シャドー・レイク(ボール・パス) : 7月17日(火)
7.シャドー・レイク(ギボン・パス) : 7月18日(水)
8.バンフへ : 7月19日(木)
9.さよならカナディアン・ロッキーズ : 7月20日(金)
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5.シャドー・レイクへ : 7月16日(月)
朝6時頃に起きたが、外はまた曇り空であった。毎日天候が思わしくないので、滅入った気持ちになってしまう。ところが、朝食をとって、いざ出かけようとホテルの玄関を出てみると、太陽が出て、空は青く晴れ渡っていた。やっと運が向いてきたようだ。今までの憂鬱な気持ちがいっぺんに吹き払われ、これから行くシャドウ・レイク(Shadow
Lake)に思いを馳せ、気持ちがの高まりを感ぜざるにはいられなかった。 9時過ぎに小型のバス(大型のワンボックス?)に乗り、シャドウ・レイクへの登山口へ向かった。登山口は、昨日走ったハイウェーを少し戻り、20分ほど(およそ20kmくらい)で到着した。途中の車窓から、すばらしいロッキーの山々を見ることができた。左右には、Sulpur Mtn.(2271m)、Mt.Norquay(2515m)、Mt.Edith(2554m)、Mt.Cory(2789m)、Pilot Mtn.(2941m)、Copper Mtn.(2795m)などの山、それに前方には特異な形をしたCastle Mtn.(2766m)などである。 |
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登山口の駐車場(標高1400m)に着くと、そこは高い網のフェンスで囲まれている。ガイドに聞くと、ハイウェー脇でもよく熊が出没し、熊が駐車場へ入らないようにするためのフェンスとのことである。何だか人間が檻に入れられているような気分である。フェンスの扉を開いて、熊の庭(山道)に入った。ここで、再度ガイドから、1、2週間前にこれから行く山の付近で熊が現れ、ハイカーが危険にさらされた(負傷はしなかった)こと、熊が出たらあわてて逃げず、皆で固まって熊を凝視するように等の注意があった。日本でも(富士山麓でも)よく熊が出たとか、見たという話があり、「熊に注意!」の看板を見かけるが、私自身熊に出会ったことはなく、手をたたいて熊に注意を与える?くらいである。ここはたくさんの熊が生息するカナダの自然公園の中でもあるので、日本とは異なる。それで、皆やや緊張したが、本当に我々の前に熊が現れるとは誰も想像しなかったようで、皆すぐに晴れやかな気持ちで山道を歩き始めた(9時40分)。 |
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ここを右に入ると、山道はやや細くなり、傾斜も少し強くなった。途中、右の写真のように、白い馬に乗り、数匹の馬を従えたロッジのオーナーが山から下ってきたので驚いた。ここでは、原則食料等は馬で運んでおり、ヘリコプターは使わないとのことである。 |
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登りはたいしたことはないが、空に雲が広がってきたのが心配である。登りはじめてちょうど1時間、3時にこれから3泊するシャドウ・レイク・ロッジ(Shadow Lake Lodge)に到着した。 |
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ロッジ(複数)は新しく作られたようで、ダイニング棟と談話・休憩棟それに宿泊用のログ・キャビンが10棟くらいから成っている。宿泊場所はここしかないので、入山者が最大で30人くらいに制限されているとのことである。それ以外は、ロッジの裏にあるキャンプ泊となってしまう(実際、ガイドはキャビンが満員なので、持参のテントで泊まるとのことである)。 |
ロッジの前は広い草原と湿地帯になっており、目の前には山頂から白い氷河が舌のように下がっている大きなマウント・ボール(Mt.Ball(3305m))がそびえている。思わず叫びたくなるようなすばらしい景観である。 |
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Shadow Lake(1840m) & Mt.Ball(3305m) |
シャドー・レイクからマウント・ ボールと反対側望む |
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ここから湖までは15分ほど歩かなければならない。雲が出てきたが、まだ時間はたっぷりあるので、キャビン に荷物を置いた後、湖まで行くことにした。湖までは、軽いアップダウンがある細い暗い山道である。いかにも熊 が出そうな山である。しばらくすると開けた湖の湖尻(湖から川に流れ出すところ)に着いた。橋が掛けられており、 橋の上からマウント・ボールが大きな山容を見せてくれた。氷河も大きく見える。 |
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左の方には、ハイダック・ピーク(Haiduk
Peak(2919m))も見える。明日はハイダック・ピーク方面のボール・パス(Ball
Path)へ行く予定である。ちょっと時間があったので、早速へたなスケッチにトライしてみた。 この後ロッジに戻ったが、かなり冷え込んでくる。半袖ではとてもいられず、ヤッケを着込むようである。ロッジの前で、マウント・ボールを眺めながら、ゆったりとカナダの自然をた味わった。数年前、尾瀬ヶ原でもこのようにのんびりとした体験を味わったことがあり、その時のことを思い出した。 |
6時半に、ダイニング棟で夕食を食べた。外国人が半分くらいで(日本人は、我々以外に女の子4人のパーティがいた)、アメリカから来ている人が多いようだ。食後キャビンに戻ったが、ここではランプ生活である。日本でも昔の山小屋はランプが多かったが最近はあまり見かけない(3、4年前、甲斐駒ケ岳の七丈小屋に泊まったときはランプであった)。さすがにベッドは大きなのが二つあるのでゆったりできる。キャビンの中には水道はなく(もちろんバスなどもない)、外に1ヶ所ある水の蛇口へ取りに行かなければならない(お湯も出る)。もちろん石鹸などは禁止されており、洗顔やからだを拭いた後の水、はみがきで使用した水なども、各キャビンに置いてあるバケツにためておかなければならない(翌日まとめて処分してくれるが、どのように処分しているのかは不明である)。トイレは屋外にあり、もちろん水洗ではない。夜は真っ暗なので、懐中電灯を照らしながら行かなければならない。 一日の疲れとおいしい夕食の満足感とで、すぐに睡魔に襲われ、眠ってしまった。 |
2001年8月19日 完
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