続”広葉樹発電”他

2004年2月に林業に関しては門外漢のグリーンウッド氏だが、この数年、山林の現状を目撃して感じたことを「広葉樹発電」他として掲載したところ、青森県でリンゴ園を経営されている水木さんと北海道のmsxさんから長いメールをいただいた。msxさんはハーベスタヘッドの国産をしている玉置機械工業に奉職しておられた方である。以下、両氏と のメール交換内容を両氏の許可を得て収録する。

あっぷりんご園の水木さんとのメール交換記録
M:あっぷりんご園の水木です。ご返答有難う御座います(^^

G:新しい情報ありがとうございます。http://www.rakuten.co.jp/e-price/627262/627277/615155/#561430一番初めに覗いたのは最後のLEDランプでした。最近山小屋で夜間のトイレ照明に使っているのや、電気屋でLEDを使ったフラッシライトが1,000円位で売られているのを見て、アーそういう時代が来たのだと感無量でしたが、もうすでに100V交流ソケットにねじ込むものができたのかと、驚いています。これ考えた人、頭いいですね。送料が高いので近くの電気屋にでてないか探してみます。なかったら楽天に注文します。

M:・・・WEBで探したところ3社で電球型のLEDを販売している事がわかり、そのうち一般小売をしているものがOHMのものでした。ホームセンターで販売している蛍光電球と同じようなパッケージでそのうち続々と見られるようになるのかもしれないなぁと思いますが、LEDの粒がばか高いので現在の電球の代わりとは当面ならないように思います。量産効果が出るような素材であればいいのですが・・。

G:現在12Wの防犯灯1個を夜間10時間点灯させるためにタタミ1枚のソーラーセル、風車、バッテリーを使っていますが、同じラインアップで毎晩12灯つけっぱなしにできますね。 ただ朝昼の明るさを検知して自動点灯するスイッチを連結すると常時1W位相当の電流が流れているわけですので多分この1WのLEDも常時点灯になってしまうのではと気がつきました。自動点灯なしの昼アンドン的使い方になるのでしょうね。

M:・・・相当明るくなりますが、コストパフォーマンス恐ろしく悪いかもしれません(^^;;

当方では夜間の農作業に軽自動車用バッテリ+インバータ+蛍光電球を組み合わせ200〜400Wクラスの光量を出して作業灯として使うのですが、バッテリの容量が作業時間になってしまうのでこうした低消費電力の商品があるととても良いで す。台風の際緊急でりんごもぎ、徹夜・・・とかいう極端な事例には最適(苦笑

G:教えていただきましたものはいわゆるハーベスターというもので北欧で開発されたものです。ベースマシンは日本の小松のバックホーようですね。スエーデン62%は森林ですが、その95%は伐採後の2次林です。傾斜がなだらかのため、このような森林機械がつかえます。

M:・・・丘陵地帯という感じでしょうね。こちらでは殆ど林檎園で埋まっているような場所ですね。

G:私は最近は油圧で動く昆虫の足のようなものが必要と考え直してそのうち構想をまとめようと思っています。コンピュータ制御なら出来そうです。

M:・・・空飛ぶか、昆虫の足になるかいずれかなんだと思います。
  
G:最後の難関が急傾斜のエロージョンです。現在の治山治水の理念の整合性をどう折り合うかという最もむずかしい難題が控えております。日本列島は造山帯にあり、現在のような治山治水では褶曲により山がますます高くなり、土砂が山間のダムでせき止められて海岸の砂はなくなり、いずれ破綻します。土砂を山から海に送る天然のベルトコンベヤたる河川の役割を止めてよいわけがありません。そういう意味でいずれコントロールされた土石流という概念を認めざるをえなくなると思います。マーそういう主旨で考えています。

M:・・・そこまで考える人が沢山居ると良いのですがこちらではいまだもってダムの建設の為に引越しなんかやっております。1回行く所まで行かないとわからんのかもしれません。色んな事が・・・。

G:http://www.dbj.go.jp/japanese/release/rel2004/1201.html

おそすぎる位の動きですが、大手企業が発展途上国を支援し発生した排出権を必要とする企業が買い取るという仕組みで国家としてODAを排出権のひも付きにするという一挙両得の考えて米国がもっとも進んでいるのでしょう。ブッシュのネガティブキャ
ンペーンにだまされてはいけません。リンゴ農家でも排出権を創出して売ることはできますよ。

M:・・・今度政策投資銀行に行って話伺ってこようかと思ったりしています。(笑 弘前周辺は1万軒のりんご農家が居るので農協のネットワークを有機的に作用させる事が出来れば面白い取り組みへと転化させていけるとは思いますが、何処まで出来ます事やら(^^;

G:http://www.toshiba.co.jp/tech/review/59_11pdf/rd02.pdf

東芝の技術はざっとみたところ、私がかって構想したことが現実になったなと感じました。私は退職前に天然ガスをLNGとせずジメチルエーテルにして燃料とすることを電力会社や商社に説いてまわったことがあります。下がそれです。米国の専門誌O&Gジャーナルにも投稿しましたし、米国の某社に呼び出されて、彼らが南米某国に持っている、ガス田開発に利用できないか聴取を受けたこともあります。某国が機械類の輸入の高関税をかけているので無理と回答しました。

http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/biblodata/asco/asco.htm

これは製造とタンカー輸送についてですが、消費サイドでこのこの改質構想も思いつきましたが、メタノールですでにしたのような改質プラス水インジェクチョンによる廃熱回収の特許を出していたのでだしませんでした。

http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/biblodata/methanol/methanol.htm

そのかわりジメチルエーテルもメタノールと同じく改質発電できると1998年石油学会の環境部会で講演し公知としてしまいました。特許は申請しませんでしたが。

http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/speachdata/petrotech/ppframe.htm

がそのときのプレゼンテーション資料です。8ページに言及しています。

M:・・・すいません。私には難しくてざっと見るだけで手一杯でした(苦笑やっぱり視点がとんでもなく鋭いのですね。恐れ入ります<(__)>これだと今後木質ガス化プラントなんかにも応用して行けるんだろうなぁと思いました。思うだけしか出来ないのが歯がゆいのですが(^^;;

G:http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f24060507

前間孝則さんですね。最近朝日新聞などにも日本のロケットの失敗についてコメントよせられていました。【ジェットエンジンに取り憑かれた男】はまだ読んでませんので、図書館で借りて読んで見ます。引退者はできるだけ図書館です。家が本でつぶれそうだとわかって方針転換しました。悪の再販制度で高価ですしね。

M:・・・うちにあるのは小さいのにグッチャグチャにされてとても外に出せるようなものではなくなってしまいました・・・あれは私しか読めません(^^;; グリーンウッドさんだと既に知っている内容が沢山並んでいるかもしれないなぁと思いますがお時間ありましたら是非一度。  

G:イヤー刺激になりました。

M:・・・そういっていただければ光栄で御座います(^^ また何か面白そうなの見つけたらご連絡させて頂きます。

G:ところで水木さんの現在の本職は産直事業担当ですよね。個人向けにリンゴ1箱売っていただけませんか?

M:・・・送付先いただければお届けさせていただきますよ。今の時期はかなり混雑しておりますが最優先でお届けします(笑   ではでは(^^)/
M:・・・PS 薪ガスタービンの排気の部分にスターリングエンジン設置というのはどんなもんかと思うのですがいかがでしょうか?排気の熱量計算すれば効率もすぐに出るかもしれない・・・と思いながらどうやって?とい状態です(苦笑
  
 
msx氏の広葉樹発電に関するコメント

M:グリーンウッド氏のサイトを拝見させていただいて、感想や情報元などをコメントさせていただきたいと思いメールを送付させていただきました。林業についていろいろ発言されていらっしゃるのでかなり辛口となっていますが、ご容赦ください。

------------------------------------------------------------
欧米で使われている森林機械関連

G:日本の大学の森林機械学または森林工学講座や森林機械学会での発表論文などを覗いてみたが、日本ではラチがあかないので欧米のForestry Machinery関連のHPを調べた。
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/cooldata2/npo/machineryj.htm

M:林学研究者で参考となるサイトまず紹介させていただきます。

森林生産システム屋
http://www002.upp.so-net.ne.jp/forest_energy/WebFolder/

森林施業研究会
http://www.affrc.go.jp:8001/segyo/

路網構想の新戦略 岩川治 静岡大学名誉教授
http://plaza.across.or.jp/~fandf/omou/om707.htm
http://plaza.across.or.jp/~fandf/omou/om708.htm

高性能林業機械による間伐の現状
http://ww3.tiki.ne.jp/~yosihiko/retukan/kikaikanogenjyo.htm
http://ww3.tiki.ne.jp/~yosihiko/retukan/pctokusei.htm
http://ww3.tiki.ne.jp/~yosihiko/retukan/mondaiten.htm
http://ww3.tiki.ne.jp/~yosihiko/

ForestBIZ
http://owari.cocolog-nifty.com/

GPSの森
http://bg66.soc.i.kyoto-u.ac.jp/forestgps/
http://bg66.soc.i.kyoto-u.ac.jp/forestgps/austria.html
http://bg66.soc.i.kyoto-u.ac.jp/forestgps/riyou9.html
------------------------------------------------------------
G:考察”広葉樹発電”関連
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/cooldata2/npo/improvedj.htm

にしの:オンサイトチップ化作業車の開発が事業の成否を制するのではないでしょうか?それにマキ燃料エンジンは理論的には可能でしょうが面倒なのではないか?

グリーンウッド: オンサイトチップ化作業車の開発が事業の成否を握るというのはご指摘の通りです。えてして新規技術の開発には巨額な資金が必要で失敗のリスクも ともないます。そこでいきなり新規開発するより、既存の技術を転用するのが賢いとおもいます。欧米で使われている森林機械を使うにはどこをどう変えればよいか考え てみましょう。

日本で欧米式の大型森林機械が採用されないのは日本の山林の大部分が高斜度であるためではないかと弁慶農園の冨田さんはおっしゃっております。欧米では下図のよう に30度位の斜面に対処できる伐採機が使われております。アーム先端に装着するハーベスタヘッドは既存技術を転用します。切断位置を調節するためのローラーを持ち、 チェーンソーで切るものです。ここだけ欧米のメーカーから輸入します。

M:ハーベスタヘッドはすでに日本でも実用化されています。日本で生産している企業としては以下のものです

イワフジ工業 http://www.iwafuji.co.jp/
CKS http://www.ckschuki.co.jp/Processor.htm
新宮商行 http://www.shingu-shoko.co.jp/catalog/ks/mk/cp450g.html
玉置機械工業 (msx氏が在籍していた会社)http://www.geocities.jp/msx0000jp/PGR60.htm

定置式プロセッサhttp://www.geocities.jp/msx0000jp/TM60.htm

(ハーベスタ)

玉置機械工業では道内シェアの約30%を占めています。ハーベスターとプロセッサ普及状況は以下のサイトを参照してください。

全国の素材生産量(スギ)・林内路網密度及び高性能林業機械保有台数 http://www.pref.akita.jp/rinseika/info/042_34_3.htm

急傾斜地に対応したベースマシンの開発状況については以下のサイトを参照してください。フィンランドのAFM社のハーベスタは商用ベースでどの程度の普及状況なのでしょうか。このコンセプトのベースマシンでは林床へのダメージはかなりのものとなると懸念されます。特に旋回場所、切り返し場所などの配置を慎重に検討しなければならないと思います。運用マニュアルなどがあるならば見てみたいものです。林床を荒らさないため、ハーベスタのナビゲーションシステムが必要ではないでしょうか。

大型森林機械が採用されないのは急傾斜も理由としてはあるでしょうが、林地が細分され作業道の開設のための調整がネックになっているのではないでしょうか。

森林を乱さないトラクタ 連結装軌式車両の開発
http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/zoki/atv/atv-j.html
http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/zoki/atv/atv-j2.html
http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/zoki/atv/atv-j3.html
http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/zoki/nanakai/index.html

ホイール式の急傾斜地に対応したベースマシンについては以下のサイトを参照してください。Kaiser Spyderは機械化林業誌によると東大演習林に導入されているとおもいますがネット上には参照できるようなサイトはありません。能力評価ぐらいはしてほしいものです。

Kaiser Spyder
http://www.theyankeegroup.com/mechfuels/kaiser_spyder.htm

Menzi Muck A91
http://www.menzimuck.com/a91/index-e.htm


G:落葉樹林の択伐という構想は植林をしないで放置するといういままで日本の林業者が考えてもいなかったものですので日本の主流の林学者の本には書いてないと思いま す。落葉樹林の枝だけの択伐なら幹と根はのこっており、春になればすぐ小枝が芽吹いて林となります。常緑広葉樹ですら発芽して自然更新しますので土壌の流出は心配いらないとおもいます。日本の学会は広葉樹の研究をずっとしてこなかったので文献は極端に少ないのが現状です。また学会というものは権威ですから異論は摘出されてそ
だちません。

M:読ませて頂いた限り常緑広葉樹は萌芽で更新しないとお考えのようですが、炭焼きに利用されるウバメガシは萌芽更新で維持されていますが。

スギ不成績造林地をより良い山に
http://www.cc.rd.pref.gifu.jp/forest/rd/ikurin/71mj1.html
広葉樹を活かした多様性のある森林づくり
http://www.cc.rd.pref.gifu.jp/forest/rd/cold/tayousei.html
広葉樹造林地の下刈り1
http://www.cc.rd.pref.gifu.jp/forest/rd/ikurin/0312gr.html
広葉樹造林地の下刈り2
http://www.cc.rd.pref.gifu.jp/forest/rd/ikurin/0401gr.html
巻き枯らしによる間伐の問題点
http://www.cc.rd.pref.gifu.jp/forest/rd/ikurin/0403gr.html

G:40年で伐採すれば切り株からの発芽は弱くなりますがドングリから発芽します。

M:実生による更新はかなり難しいと思われます。更新を阻害する要因としては以下のようなものが考えられます。

動物による食害、これは反面、貯食行動による発芽の促進も伴います。落葉層に阻まれて湿潤な土壌に根が到達できない。密生した林床植生による稚樹段階での枯死。

ササの動態と樹木の更新を野ネズミの活動と共に評価する
http://ss.ffpri.affrc.go.jp/shoho/n143-20/143-7.htm
人工林内に更新した天然樹種群タイプとその侵入環境要因
http://ss.ffpri.affrc.go.jp/shoho/n136-20/136-4.htm
筑波山周辺のブナ林の更新特性
http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kouho/seika/1995/ss95-06.html
樹木種子による緑化の試み
http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/norimen/hasyu01/norimen.htm
日本道路公団試験研究所緑化技術センター
http://www.gifu-u.ac.jp/~fukui/03-1-043.htm
ポット苗による緑化 岡山リサーチパーク
http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/norimen/rescpark/reschp.htm


M:グリーンウッドさんの設計されたプラントの周囲にもこんな緑地帯があるんじゃないでしょうか。まあこれも横浜国大の宮脇さんの言説がマニュアル化されてしまったものですね。

西口親雄さんはブナの更新にはウシの放牧がかかわっているのではないかと推測されていますが。

植物生態学研究者の個人的なサイト
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~makizoh/kenkyu.html
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~makizoh/uruuru/multitask.html
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~makizoh/hitohaku/tenji.html
http://takenaka-akio.cool.ne.jp/repro/kankyo/model.html
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/memo/their_modelling.html
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/memo/excelfree/index.html
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/memo/comp_intensive.html
http://takenaka-akio.cool.ne.jp/repro/seibutsukagaku/index.html

------------------------------------------------------------
NEDOの小型バイオマス・コジェネレーション・システム関連

M: NPO法人バイオマスフォーラムたんば 兵庫県氷上郡氷上町http://bf.tamba.tv/

活動(経過)

日本の木材自給率はわずか18%で、林業の再生産機能は喪失している。今の林業システムではコスト高でバイオマス燃料の安定供給も困難である。NPO、地域住民が協働して間伐材の収集・輸送コストの低減化を実現できれば持続可能な林業もまた可能になるとの観点から、地域住民の意識啓発としてバイオマスフォ−ラムを連続して開催。同時にガス化ガスエンジン方式の高効率バイオマスプラントを開発中の川崎重工業(株)とコンソ−シアムを組んで兵庫県をはじめ氷上町等行政サイドに働きかけてきた。当法人は山林所有者や地域住民が自主的に間伐材を燃料として供給できる価格として「軽トラック一台分(約350kg)の価格」をいくらに設定できるかがカギだと考えており、木材価格ではなく持山の整備費として説得できる価格を最低6000円~10,000円と設定している。

活動(今後の展開)

かねてより川崎重工業(株)技術研究所で開発中の木質バイオマス発電プラントが今秋完成し,03年12月から04年3月まで同研究所で試験運転が行われるが,含水率60%以上のスギ・ヒノキ間伐材をブロック状の小形状に加工して,当法人が10トンから最大50トンまでを供給するよう同社から依頼されている。正式契約前ではあるが価格の点 でほぼ当法人の設定価格と整合する提示がなされており、今後は地元住民の説得に力を注ぎ、行政の積極的対応を促すためのパブリックコメントを作成しプラント導入の 実現にこぎ着けたい。

とのことですが、燃料の集荷が人海戦術でどうなることやら

------------------------------------------------------------
森林考関連
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/cooldata2/forest/forestj.htm

G:化学肥料のおかげで日本の森は平安時代以後、荒れていた森を復元させたというこのような逆説をなぜ誰も指摘しないのでしょうか?

M:参考となるサイトを紹介させていただきます。

航空写真で見た海上の森
http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/kaisyonomori/aerialphoto/aerial.htm

このついては四手井さんはすでに指摘されていると思いますが。しかし国土地理院の航空写真の価格は高すぎると思いませんか。


G:なぜ樹木が美しい形をしているかといえば過植してないからです。ブレナム宮の後に訪問したヒドコックマナーの庭の木もブレナム宮程ではないですが鬱蒼としてとて もよかったです。

M:首都圏で木がどのくらい生長するかは、たとえば明治神宮、ここは多様な樹種を植栽されマツや落葉樹が淘汰されています。外国産樹種の品川の三井の迎賓館あるいは有栖川宮公園のヒマラヤスギ、新宿御苑のユリノキ、目黒の森のヌマスギなども造成年代が確実に分かっているので好適でしょう。
私は造園施工や造園コンサルにかかわった経験があるんですが伐採された木は処理場に直行で貴重な生長データーが失われて実にもったいないと思っています。

------------------------------------------------------------
続森林考関連
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/cooldata2/forest/forestj2.htm

G:草原の維持のために私は鎌倉市に一定の区間を区切ってヤギの放牧を広町緑地で行なえと提案しようかと思いつめたこともありますが、森林維持派に白い目で見られる のを恐れて自粛したことがあります。

M:参考となるサイトを紹介させていただきます。

ヤギさん畦畔除草対策に乗り出す!
http://www2.pref.shimane.jp/kisui/02kisui/jirei/nita0004.htm
ヤギによる傾斜草地の防火帯づくり
http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2001/kyusyu/kyusyu01039.html
山羊の放牧による遊休棚田の雑草管理
http://www.affrc.go.jp/ja/db/seika/data_ngri/h12/ngri0070.html
ヤギ放牧による雑灌木の除去効果
http://www.affrc.go.jp/seika/data_ngri/h06/ngri94046.html
レンタル牛が森を守り地域を活性化
http://lin.lin.go.jp/alic/month/dome/2001/oct/senmon.htm
青森県における草地と林地の一体的活用
http://lin.lin.go.jp/alic/month/dome/2000/jan/senmon.htm
山口県下で広がる耕作放棄地放牧
http://lin.lin.go.jp/alic/month/dome/2002/dec/senmon.htm
黒毛和種繁殖雌牛の舌刈りを利用した防火帯作りの実証
http://yamaguchi.lin.go.jp/topics/sita/sitakari.htm
耕作放棄された農用地への移動放牧技術
http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2002/kinki/ki329.html
たんぼの中の小さな牧場
http://jlia.lin.go.jp/cali/manage/141/s-semina/141ss1.htm
http://jlia.lin.go.jp/cali/manage/142/s-semina/142ss1.htm
ヤギや牛が森林の伐採跡に草地をつくる
http://www.tnaes.affrc.go.jp/seika/j/singijutu/H10/seika601.html
放牧による荒廃地の系時的変化
http://yamaguchi.lin.go.jp/houboku2/hb-7.htm
めん羊の採食特性を活用した草地の造成と維持管理に関する調査
http://group.lin.go.jp/mensanyo/book/houkoku/houkoku15/houkoku153.htm

------------------------------------------------------------
広葉樹発電関連
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/cooldata2/gassification/woodj.htm

G:40年サイクルの場合、1台の伐採機では実稼動時間で1.7分間隔で1本伐採となるが、20年サイクルでは0.8分に1本となり、切断は10秒とかからないので不可能では ない。しかし木から木に移動する時間が短縮されて操作員の疲労が高まる。扱う重量は同じなのだが、扱う本数が増えて搬出・チップ化も同じ効率低下が危惧される。

チップのトラック輸送はアウトソースするとした。その単価は米国の3倍の30yen/km-green tonと仮定した。

M:ここはひとつ北海道で現地調査されることをおすすめします。仮定はあくまでも仮定です。

G:参考までに森林機械に搭載可能な最大規模のガス化エンジンの仕様を下の表に示す。

M:デカすぎです。DMEが本命でしょう。

Hungry Creek Project
http://www.qlg.org/pub/act_acp/fhp/Projects/hungry/information.htm
Dry Forest Mechanized Fuels Treatment Trials Project
http://www.theyankeegroup.com/mechfuels/
Koller 501 Yarder Operation
http://www.theyankeegroup.com/mechfuels/deschutes_pre.htm
------------------------------------------------------------
マキ・ガスタービン発電機関連
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/cooldata2/gassification/woodturbinej.htm

G:ガスタービンを使う広葉樹発電は熱効率は低いが、小型・分散発電向きでイニシャルコストも少ない。

チッパーで粉砕するくらいではだめで、オガクズ位に微粉砕しても供給量調節ができるかどうかという問題があり、粉塵爆発の危険性も避けられない。

M:前段でが最も有望として、後段で”オガクズ位に微粉砕しても供給量調節ができるかどうか”と否定されていますがこれでは論旨が不明確で要領を得ませんが。結局、結論でカナダのNye Manufacturing Ltd.の社長ナイ氏のアイデアを頂ということでは日本のエンジニアリング屋さんもたいしたことはないというのが結論でしょうか。

G:米国のCapstone社とか英国のBowman Powerが数十kWのいわゆるマイクロガスタービンを販売している。この燃焼器を本燃焼器と入れ替えれば比較的簡単に組み立てられる。

M:本来圧縮器と排気タービンの間の短い燃焼器を前提として設計されているものをぐるぐるとバイパスさせて動くものなんでしょうか。また、バッチ処理で供給されるガスをガスタービンに供給した場合の何台ぐらいのガス発生器が必要か、ガス発生器の切り替え時の原料ガスの変動をどう抑えるか、 という問題が残っていますが。

G:さて木質バイオマスの生焚き燃焼器をどうするかという最大の問題を考察してみよう。木質バイオマスの爆砕などの技術も研究されたが、成功していない。ボールミルなどでスラリーにするのも金がかかる。やはりチッパーで処理した位で使えなければ実用化はおぼつかない。

M:これについては日本の弱点である急傾斜地が多いということを逆手にとった提案をしてみたいと思います。 急傾斜地が多い>渓流が多い>砂防ダムが多い=小規模水力発電を利用したダスト化プラント(移動と自動化を前提とした)ダスト化プラントはハーベスターやスキッダのオペレーターと無線LANでむすんでオペレーターが運転管理を行う。

ダスト化に伴うエネルギーコストは以下のような方法でも低減できるのではないでしょうか。 木材腐朽菌でリグニンを分解して強度を低下させる。木材に含まれていた炭素は一部は気体となって大気中に放出され、一部は菌体となりますがこれは固体ですから利用できます。

G:不在地主をまとめるために地方自治体が中心になって山林の信託管理組合を作ることも促進の一助となろう。

M:森林組合というものが組織されていますが、これについてはどのように考えられていらっしゃるのでしょうか。

都市在住者が森林作業に従事するNPO活動が盛んなようですが地方出身の都市在住者で自治体、森林組合などの不在地主対策を代行するNPOなどを立ち上げれば喜ばれるのではないでしょうか。

G:若い企業家が奮発する新分野と思う。

M:高度成長期に楽なビジネスをしていた年金受給世代が投資に挑戦する新分野だとおもいます。ハーレー10台ぐらいの投資でハーベスターが手にはいりますが買いませんか。

------------------------------------------------------------
東京農工大見学関連
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/cooldata1/recycle/nodai.htm

G:後藤教授によると生ゴミのリサイクルは乾燥法が最もすぐれている。一方、従来法のコンポスト化はカビによる生分解のため、いくつかのの問題がある。

M:つまり分解されてない有機物を圃場に施用ということですか?圃場に施用された時点で発酵が始まると思いますが。発生するアンモニアガスによる作物へのダメージはどのように考えられているのでしょうか。

------------------------------------------------------------
大雪山*周遊ドライビング関連

G:いずれも放牧はしておらず、牛は牛舎内に閉じ込められて、刈り取った牧草と輸入濃厚飼料を与えられているようだ。

M:科学的な土作りによる農業再生に取り組む農家集団北海道SRU
http://lin.lin.go.jp/alic/month/dome/2002/jun/senmon.htm
足寄町放牧酪農研究会の取組み
http://jlia.lin.go.jp/cali/manage/122/k-jiman/122kj1.htm
放牧酪農を考える
http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/03houboku/1.html
http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/03houboku/2.html
http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/03houboku/3.html
http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/03houboku/4.html
http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/03houboku/5.html
放牧導入によるメリットと留意点
http://group.lin.go.jp/souchi/hb/01page.html
http://group.lin.go.jp/souchi/hb/02page.html
http://group.lin.go.jp/souchi/hb/03page.html
http://group.lin.go.jp/souchi/hb/04page.html
http://group.lin.go.jp/souchi/hb/05page.html
http://group.lin.go.jp/souchi/hb/06page.html
------------------------------------------------------------
G:まず日本の林業再生はこの旧態然とした大学の解体と再編成からはじめなければならないのかと慄然たる思いだ。

M:上記には同意します。

下記サイトの運営者はおもしろい意見を持っていますが、彼自身が学生運動で大学を破壊したのに、その反省がないのが駄目ですね。

工学系科学者の言い訳
http://www.madlabo.com/mad/research/story/science.htm
工学系大学の将来と技術
http://www.madlabo.com/mad/research/teach/mit2004t.htm
講師@実用化技術
http://www.madlabo.com/mad/research/teach/mit2004s.htm
------------------------------------------------------------
M:一度北海道の道東方面への林業現場へのツアーを主催されてはいかがでしょうか玉置機械工業のユーザーさんの現場などは案内できますが。

白糠町には日本で唯一の日産100t規模ののDME実証試験プラントもありますよ。一応このプラントはバイオマス利用も目標として掲げられていますが、現状では釧路沖炭田の石炭ガスと天然ガスを原料として利用しており、バイオマス利用の具体案ないようです。このプラントに供給するバイオマスガス化炉を設計してみませんか。 北海道は高性能林業機械の普及率は全国1位でグリーンウッドさんの構想を実証するのに最適だと思います。

旧士幌線の砕石の路床に再生するシラカバなどもグリーンウッドさんには興味深いと思われます。

曽根原さんていったい何者なんですか都会から山梨に移住して林業をしておられるようですが。

グリーンウッド氏の返信

膨大なコメントありがとうございます。停年引退者のその他の群れとおなじく、暇にまかせて登山をはじめ、放置された自然をみて思ったことを、専門外にもかかわらず、浅薄な知識を動員して生意気な感想を書いたわけです。

これだけ多量の資料をつきつけられるとまだまだ不勉強だと叱咤激励されたようで恐縮しております。これからじっくりと勉強させてください。

玉置機械工業に在籍されていたとのこと、北海道は観光で訪れただけでよく知りませんでしたので失礼いたしました。ちゃんとハーベスタなど作られていたとのこと。さすが北海道だと再認識いたしました。

私は日本の林業特に本州のそれに森林機械を導入しにくい最大の原因は厳しい斜度にあるとおもいます。土木機械をベースにする機械では林床に与える影響もさることながら、転倒など危険で使い物にならないと思っています。そこで最近発達しているコンピュータ制御の6本足の昆虫型多節足機械の開発を待たねばならないのではと思っています。私自身は化学機械屋ですので夢見るばかりで純メカの設計能力はありません。

つぎは数百年の伝統をもつ土石流を山に閉じ込める治山治水思想を変えて河川は造山運動のプレッシャーを間断なく受けている日本列島のますます高くなる山を削って海に運ぶ天然のベルトコンベアであると認め、これと共存する方向に転換しないとこれら昆虫型多節足機械の導入に抵抗運動が生じるとにらんでおります。

曽根原さんとはもとコンサルタントしていた人で都会生活に嫌気を感じ、山梨の田舎に引きこもり、林業をどうするかとをいろいろ模索して、疲れ果てて当面食えるグリーンツーリズムを普及するNPOを立ち上げた人です。その手段としてマキ燃料カートの試設計をたのまれたという縁です。

とりあえず御礼まで。

msx氏からのリアクション

M:どうもご返信ありがとうございます。

玉置機械工業といっても実際に工場を見たら笑っちゃうような従業員20人規模の零細企業ですがベースマシンとしてコマツ、キャタピラー、日立、コベルコ、加藤製作所を手がけた実績がありますので、もし、詳しい情報について入手したいというご要望がありましたら以下にご一報ください。

玉置機械工業
北海道十勝郡浦幌町帯富87−2
TEL 01557-6-2183
FAX 01557-6-2756

価格としては現在ハーベスターヘッドが800万円、ベースマシン改造費が200万円というところです。

斜面に対応した収穫システムについては前回紹介させていただいた「森林を乱さないトラクタ連結装軌式車両の開発」や昆虫型多節足機械の開発にもあるように、その方向での研究もあるでしょうが、現行のハーベスターシステムですら最近は普及が鈍化して20台/年の増加率で、山梨県の高性能林業機械の普及状況は5台(39位)、周辺では長野県が48台(11位)、静岡県が30台(16位)、神奈川県が2台(42位)というところです。

このような状況でさらに高価格な機械を投入しても普及は可能か疑問です。

そこで、普及のネックになっている問題として林業機械について書かれた論文から高性能機械システムを構築する場合の問題点を指摘している部分を引用して2点紹介させていただきます。

岡山県の林業改良普及員をされている中島嘉彦さんが書かれたものからの引用です
http://ww3.tiki.ne.jp/~yosihiko/talk.htm

------------------------------------------------------------
機械設備の保守管理とオペレータの養成

ネックのないシステムを高性能林業機械で組むとなると、いきおい全システムの調達価格が大変高いものになる。その上路網までつけなければならない。そのための機械も必要である。このように投資額が大きいだけに、機械の故障は一大事である。一億円のセットの場合なら機械の時間費用は33110円にもなる。これがたった一台の機械の故障で全部のシステムが動かなくなることもしばしばなのである。これに数人の人件費が加わる。自動車のように信頼性が大変高くて滅多なことでは故障しないということであれば良いが、林業機械の場合はそこまで信頼性は高くない。しかも、何台もの機械が同時に使用されるので、全体の信頼性はますます低くなる。

したがって、高性能機械システムの使用時に一番大切なことは、その予防保全と緊急修理の備えである。機械も入れたオペレータも十分訓練しただけでは、機械は動かない。この予防保全のシステムをしっかり持たなければ、しょっちゅう故障が起こり、その度に作業が止まる。その結果、まるで材が出て来ないことになる。

定期的な点検整備は予防保全上もっとも大切なことである。その上に、故障頻度の高い部品の予備を現場に備えて置き、作業員が直ちに交換できるようにしておくことが大切である。現在のところ、故障頻度は、油圧ホースのパンクが最も多く、次いで電気コード類の磨耗、電子ボード類のパンク、鉄鋼部材のひび割れ折損などが多い部類であろう。溶接器を備え、作業員が溶接技術を持っていることも重要である。

いま一つ、機械運用に欠かせないものはオペレータの腕である。オペレータの能力によって作業能率はまるで違ったものになる。このことは良く認識されている。能率良く作業をやっているところには必ず優秀なオペレータがいる。問題なのはその数である。しばしば特定の人にオペレータとしての負担がしわ寄せされて交替要員がいない場合がある。実は、システムが高額であればあるほどオペレータの負担は大きくなる。高速の同じ動作を一日中繰り返す作業はいかに高性能機械といえども、長いあいだにはいろいろと問題を引き起こすことになる。労働科学の方で、良く問題になるところである。

------------------------------------------------------------

このページで言及されているロングブームのハーベスタと同様なシステムが以下の前田商行のサイトで紹介されています。
http://www.ztv.ne.jp/web/maedashoko/kaisya.htm

前田商行の社長の前田章博氏は元京大教授の神崎康一とともにオーストリアの林業機械の視察を行っておりそのリポートは以下のサイトで参照できます。
http://www002.upp.so-net.ne.jp/forest_energy/

ハーベスタの保守管理については以下のサイトも参照してください。
林業現場探訪記  高性能林業機械編
http://hc2.seikyou.ne.jp/home/tukapyon/kouseinou.htm
岩手県林業技術センター研究成果速報 No.75

プロセッサの修理費はどのくらいかかるのか?
http://www.pref.iwate.jp/~hp1017/kenkyu/naibu/sokuho/sokuho051-100.htm

ちょっとここで日本製のハーベスターを採用する利点を挙げさせていただければ外国製の油圧モーターであっても 損耗の激しいオイルシールや油圧ホースなどの部品には調達の容易な国産品が適合するように改造して使用しています。

そうゆうわけで「GPSの森」を主催されている京大の助手の吉村さんが書かれたものからの引用です。
http://bg66.soc.i.kyoto-u.ac.jp/forestgps/riyou9.html
------------------------------------------------------------
国産のタワーヤーダはもともと海外の物マネで作ったものですが、日本人に形や機能が似たものを作ることができても、彼らの思想までは取り込めなかったというのが筆者の持論です。例えば、タワーヤーダの思想は索張りシステムや搬器に表れていると思いますが、これらは海外のシステムと我が国のシステムではだいぶん違います。日本人は斬新な機械(タワーヤーダ)だけに目がいってしまい、索張りシステムや搬器をおまけのようにしか見ていなかったのではないかと思います。

日本ではランニングスカイラインという簡易な索張りシステムがタワーヤーダとの組み合わせでしばしば利用されますが、このシステムは架設撤去も簡単ですが、スタティックでないスカイラインは不安定で搬器の動きも緩慢です。

・・・・・・

トルコでは搬器は重力式という索張り方式によってあっという間に先山に到達していました。弾丸のように搬器が移動するので、このシステムはショットガンとも呼ばれます。彼らはオーストリアからタワーヤーダだけでなく索張りシステムも搬器もすべて輸入しています。自動係留機構を備えたコラー社の搬器はとても頑丈で目覚ましいスピードで作業をこなしていきます。

・・・・・・

筆者はタワーヤーダを使いこなすこと、本当に使えるタワーヤーダを開発することが日本林業復活のカギになると考えます。海外の林業機械展示会に視察と称して団体で出かけいって、何か新しい機械はないかと物色しているようでは国産の林業機械はいつまでたっても良くならないでしょう。

*タワーヤーダ;鋼製支柱と集材機(ウィンチ)をトラックに搭載した架線集材用の機材。オーストリア、南ドイツなどの山岳地帯で利用されている。移動、展開、撤収をスピードアップする目的で開発された。

林業機械の展示会は林業機械化協会(http://www.rinkikyo.or.jp/)の主催で毎年行われています 。

------------------------------------------------------------

タワーヤーダ自体は以下のサイトを見ていただければ分かるように、個別技術の単なる組み合わせで簡単なものです。

タワー付き林内移動式集材機の開発
http://kizukai.pref.shizuoka.jp/dataroom/repo_files/26_6.pdf

最近の傾向としてはタワーヤーダに替わって建設用のユンボに小型の集材機を搭載して、グラップル付ブーム先端に滑車を取り付けたスイングヤーダーが主流となっています。

http://niigata.cool.ne.jp/mori21/rindo/rindo008.htm
http://www.green.pref.tokushima.jp/shinrin/kenkyuu/card/039/039.htm

しかし、これも吉村さんの指摘する欠点を解消しておらず、また、集材機が小型なためタワーヤーダより集材距離が短くなり、それに応じた作業道の密度を高めなければならないという問題をかかえており、結局、森林所有の細分化によって林道網の開設がはかどらないという問題に帰結されます。

私としては上記のシステムに加えて以下の2点の技術を加えて荷懸け、荷降ろし、椪積みの現行の3人システムを2人システムに改善して生産性向上が可能だと考えています。

1.自動脱荷機構
2.PDAと無線LANを応用した集材機の遠隔操作

自動脱荷機構については機械化林業誌上で紹介されていましたが、1点はラジコンによるものですがこれは価格が100万円ということが難点となっています。もう1点は搬器と吊荷フックとの接触を感知するものですが重いということが難点となっています。

現在、「林業で食っていけるNPO」という主旨で岐阜県を拠点に活動しているWoodsman Workshopという組織があり、集材システムの導入を検討しているので、そちらのほうにも同様な意見を投稿しましたので、御覧いただけたら幸いです。

吉村さんはオーストリアで開催されている林業機械展示会である「Austrofoma」を視察して、「GPSの森」http://bg66.soc.i.kyoto-u.ac.jp/forestgps/austria.htmlにおいて斜面対応型のハーベスターも紹介されています 。

そのページから一部を引用させていただきます。

------------------------------------------------------------
山岳地における集材技術に関しては、伝統と技術革新をうまく融合して非常に効率のよい生産システムが実現されていました。日本の林業機械は、作っている当事者は努力しているのかもしれませんが、伝統あるヨーロッパの林業機械に比べるとお粗末なものが多いです。林業機械の進歩は地道な改善の積み重ねによるところが大きいと思うのですが、これは日本の林業機械開発に欠けている要素のように思います。現場で発生した問題を開発にフィードバックしながら、妥協することなく改善を続けることが重要です。国が巨額の補助金を投入したとしても、一朝一夕に優れた林業機械はできません。もちろん、林業機械の市場が存在することが大前提なので、元気な林業なくして林業機械の進歩はあり得ません。
------------------------------------------------------------

「国が巨額の補助金を投入したとしても」というところはバイオマス発電システムにも通じるところがあるかもしれません。

そういえばグリーンウッドさんヨットをやられているそうですが「GPSの森」はGPS受信機の評価やGPS受信機を活用した森林環境教育用の機材の開発などもおこなっているので航跡表示装置を開発する場合に参考になるかもしれません。

「Austrofoma」は、エルミア(スウェーデン)の「Elmia Wood」、ミュンヘン(ドイツ)の「INTERFORST」などと並ぶヨーロッパにおけるメジャーな林業機械展示会の一 つです。「Elmia Wood」や「INTERFORST」が機械の展示を中心としているのに対して、「Austrofoma」では実際の作業を見学できるのが特徴的だそうです。

もうひとつ、こちらは北大の助手で現在フィンランドで木材加工産業について在外研究中の尾張さんのサイト「ForestBIZ」http://owari.cocolog-nifty.com/のリポート「木を伐ることに寛容な国民性」から一部を引用させていただきます。こちらはブログ形式ですからリアクションが早いです。吉村さんはこちらの方にも出没されています。

------------------------------------------------------------
8月末の土曜日,ヘルシンキの西隣にあるエスポーで,メッツァ・パイヴァという市民向けのイベントがあった。メッツァ・パイヴァとは,フィンランド語で「森の日」 という意味。毎年この時期に行われているイベントだ。家族連れなど,予想以上に多くの人々でにぎわっていたので驚いた。

日本でも似たようなイベントはよく行われている。しかし,多くの場合,森に棲む生き物を紹介したり,森林観察会を開いたりといった内容が中心だ。林業の場としてよりも,自然環境としての森に親しむことに主眼が置かれるイベントが多いように思う。

もちろん,メッツァ・パイヴァでもそうした展示はあった。しかし,このイベントの主役はまさしく林業であった。林業に関連した企業や団体のブースが設けられ,それ ぞれが事業内容をアピールしていた。苗木や木製品の即売も行われていた。会場には最新型のハーベスタが展示され,チェーンソーなどの林業機械を体験できるコーナーも用意されていた。

このイベントでは,フィンランドの林業関係者が,林業に対して都市住民の理解を得られるように努力している様子がうかがえた。フィンランドの都市住民は,木を伐ることに対して寛容である。それは,都市部であっても林業を身近に感じることのできる暮らしがあるからではないだろうか。

------------------------------------------------------------

msx
http://www.geocities.jp/msx0000jp/

msx氏からのリアクションへの返事

G:教えてもらったもの一部はページ改訂のためか行方不明になっているページもありましたのでそれは除去しました。見ました中で興味をもちましたのは無軌条車2台を連結したものや、昆虫式の節足 と車輪をハイブリッドにしたものでした。

マキ・ガスタービン発電機で紹介した カナダのナイ氏のシステムは 只同然の未処理の生木のマキを直接燃料にして、かつ個人のポケットマネーで自作できるものは無いかと探した結果、これならと思ったものです。msxさんにはお粗末とみえたかもしれませんが、実用になるブレークスルーの可能性を持つ技術の原点はここにあると思っています。

わたしは来年9月までは人工風発電の研究に忙しく、これが一段落したら再度森林研究にもどりたいと思っています。 それまでは本ページを森林関係のとりあえずのデータベースにさせていただきます。ありがとうございました。

msxです。

Allied Systems ATH 28


まず写真をご覧ください
http://personalpages.tds.net/~hunterequip/images/Allied_Quad_Track_II.jpg
林業機械のブローカーのサイトです
http://personalpages.tds.net/~hunterequip/forest_equip.htm

Allied Quad Track, 2000, Model ATH 28 Tree Harvester, 400 hours, 26" Roto  Saw, $149,500 これが1500万円

フォレスターための雑誌のサイトです。いちばん最後にATH 28のスペックが載ってい ます(なんと45トン) (pdfファイルです)

http://www.forestnet.com/timberwest/
archives/May_June_03/feller_buncher.pdf

西海岸での林野火災の対策協議会のサイトらしいです?(英語力に難があるもので)

http://www.wrapair.org/
ここにATH 28のスペックと新車での価格が載っています (pdfファイルです)
http://www.wrapair.org/forums/fejf/documents/altwild/Nonburning_Alternatives_Appendices.pdf


ATH 28のメーカーのサイトです(Allied Systems)
http://www.alliedsystems.com/

それでは、よいお年を

msx

G:追加情報ありがとうございます。さっそく追加させてもらいました。すごいですね。太平洋戦争に負けた理由がわかります。
1500万円とうのは私が想定していた価格範囲です。「輸入機械で欧米式林業をはじめれば採算に乗る」というのが私が言いたかったことです。

 

----------------------------------------------------

2005年4月8日 13:16

おひさしぶりですmsxです。

おもしろいレポートを発見したのでおしらせします。

経団連の21世紀グリーンプランの仕掛け人富士通総研梶山恵司によるレポートです


以下のURLから下記の梶山レポートがダウンロードできます
http://www.fri.fujitsu.com/activities/economic/person/kajiyama.html

ドイツとの比較分析による日本林業・木材産業再生論
富士通総研研究レポート No.216 05年3月

21世紀日本の森林林業をどう再構築するか
富士通総研研究レポート No.182 04年1月


森林再生と近代森林経営システムの構築について
Research Paper(富士通総研)03年10月

木霊 (TARUSU)
森林施業研究会ニュ−ズ・レター  No.27 2005.02.16.
http://www.affrc.go.jp:8001/segyo/news/news0502/news0502.htm
ドイツ「黒い森」の林業見聞録



3月28〜30日に札幌で開催された森林学会に行ってきましたが雪でした。

 

----------------------------------------------------------

2005年4月9日 11:28

msx 様

ご無沙汰しております。

ちょうど良いタイミングで適切な資料を教えていただき感謝しております。

じつはこの12日に所属する鎌倉プロバスクラブで卓話をせよと急遽依頼をうけました。7日しか準備期間がなかったものですから亜細亜大で話した「グリーン電力」というタイトルで行った広葉樹発電について話そうと思っておりました。教えていただきました経団連向けの富士通総研の報告書はいままで最もましな論文でした。さっそく私の卓話にも引用させてもらおうと読んでみましたが、結局ボツとさせてもらいました。理由は下記のとおりです。

ヨーロッパの森林所有者と森林組合と日本のそれの比較はその通りですね。森林の大規模所有は簡単に変えられないので、現在の補助金しかみていない森林組合ではなく、もっと能動的に利益を追求すべく所有者に働きかける組合になるべきだとの提言はそのとおりです。でもこれだけの提言では何もかわらないでしょう。一歩踏み込んで、利益追求型の森林経営会社を許す方向への法律改正を含む提案をなぜしないのでしょうか。折角の経団連向けの報告書というのに半煮えの不満がのこります。

それと依然として針葉樹ベースの林業をどうするかで、広葉樹にはふれておりません。また針葉樹林に関してもドイツの平地に近い森を参考にしてなげいているだけで日本の高斜度の林業を競争力あるものにするためには新技術の開発を考えてこそ未来も語る資格があると思うのですが、何もふれておりません。現状是認型の机上の空論のように感じました。富士通総研など日本国家のとるべき今後の政策を提言してゆく義務があると思うのですが、現場を何も知らない素人の文系調査官?が文献を右から左にコピーしながら駄文を労してもゴミ箱を満たすだけの効果しかないのではないでしょうか。

富士通総研だけでなく、JALの事故多発の原因もそう。JALでは現場タタキアゲでない文官管理職が会社のトップに君臨しております。日本国家の舵取りの政治家も官僚も技術音痴の文系がのさばっているようでは先が暗いとノンフィクション作家の中野不二男氏が朝日新聞の”かがく批評室”で述べております。結果として若い世代はサイエンスと技術ばなれしています。これでは今後日本が必要とするサイエンスを深く理解する世代を失うわけで登り龍の中国とどう対抗してゆく戦略なのでしょうか。

先日東京農工大のバイオマスシンポに参加しましたが、官民そろってまだ間伐材ウンヌンといった話でみみっちく、がっかりして帰ってまいりました。

2日前奥多摩の植林伐採後の幼木の植林も見ましたがなんら改良の機運もなく、杉の苗木を植えておりました。

亜細亜大の先生のスエーデンの林業についてもお話をうかがいましたがドイツとおなじく盛んなようです。

とりあえず御礼まで。

卓話の原稿は12日以降掲載予定です。

December 16, 2004

Rev. April 19, 2005


トップページへ