インド洋での給油問題について

最近の社会現象につき、グリーンウッド氏かっての職場仲間をメンバーとする非公開のラウンドテーブル21での対話です。

各位、

国連大学のゼロエミッションシンポジウムが青山の国連大学であります。

今回は、駐日英国大使の話とかスウェーデンの話とかがあります。

何時もより、多少ましかと思います。

無料です。ご参考まで。

パイントリー

 

 

パイントリーさん、

当日はSFEサロン参加予定ですのでついでに国連大学にもよってみましょう。スターン報告を評価していることと六本木で飲み明かした鈴木基之教授の名前も見えましたので。

ところで、アフガニスタンで16kmの灌漑用水路を民間団体であるペシャワール会の寄付と原住民だけの労働力を使って完成させた中村哲医師の話を今テレビで見ました。彼は

(1)アフガンの窮状は地球温暖化によって山の雪が春先にドット熔けて、洪水になり、夏渇水になってしまうことであると喝破しておりました。

(2)米国をリーダーとする国際社会はテロリストの根を絶つと称してアフガンに軍事展開しているが、テロリストは出身こそアフガンかもしれないが、すべて欧米の大都会で教育を受けたインテリでアフガンで難民化した大多数の農民はそんなことに興味を持っている余裕はなく、難民キャンプでウロウロしているだけだ。

(3)したがって米国や日本がどんなに治安活動に努力してもアフガンでは安定した政権はできず、ただ米国ならびにその協力国にたいする憎悪が増してゆくだけだ。インド洋での給油活動など直ちにやめるべきだ。

日本政府の関連者は彼の発言を理解できずただ米国の公式見解を繰り返すだけでした。

パイントリーさんもご存知の野中郁次郎、戸部良一、鎌田伸一、寺本義也、杉之尾孝瀞、村井友秀氏共著の「戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ」を読んでいるところですが、これを読むと米国のベトナムでの敗北とおなじことが、今アフガンとイラクで進行しているのではと思います。日本はそれに加担しないほうがよろしいのではないかと。むしろ田中哲医師のような人にもっと資金を供給したほうがよろしいのではと思った次第です。

グリーンウッド

 

 

 

グリーンウッドさん、

日本はそれに加担しないほうがよろしいのではないかと。むしろ田中医師のような人にもっと資金を供給したほうがよろしいのではと思った次第です。

とは思いますが、米国とヨーロッパとの付き合い方の「損得勘定」と彼らとの「連帯感の共有」とのバランスをどうとれるかを心配しています。

パイントリー

 

 

パイントリーさん、

米国とヨーロッパとの付き合いとおっしゃいますが、米国がアフガンとイラクに突っ込んだのは9/11で高まった米国民の感情にブッシュが軽率に乗って国民の人気を得ようとしたあやまてる判断だったと当の米国民の6割は考えはじめているというではありませんか。第二のベトナム戦となりつつあるので米国は負けるが勝ちと思い始めているようです。日本は給油を中断してもブッシュが恥をかくだけで、米国民は日本の見識を見直しこそすれ、反感は持たないのではと私は思っています。

テロリストは貧困が原因とすれば貧困を根絶することこそ優先させるべきことでしょう。米国はテロリスト撲滅のためといいつつ、実は権力層が国の覇権をもてあそんでいるとしか見えません。ダブルスタンダードを平気で振り回す国ですから。 いずれ第二のマクナマラが現れて「われわれは正しいことをしようと努めたのですが、そして正しいことをしていると信じていたのですが、われわれが間違っていたことは歴史が証明している」とでも言うのではないかと思います。

昨日、女房と初めて按針塚に散策にゆきました。そしてそこでちょっとした発見をして、感無量となりました。

按針塚からは今は米海軍基地となっている旧日本帝国海軍であった横須賀港の全貌が見下ろせるのです。米艦隊の艦船こそ手前の山の陰でみえませんが、海上自衛隊の自衛艦は丸見えです。家康は江戸湾のもっとも良い港を擁す逸見村を三浦按針に与えたのだと気がついたのです。さすが練達の航海者は見るべきものをみていたと感じ入った次第です。

按針塚の説明板には「ウィリアム・アダムスは家康に見出されて政治・外交顧問となり、江戸日本橋に屋敷を、三浦半島の逸見村に250石の領地をもらった。伝馬町の名主馬込勘解由(かげゆ)の娘を妻とし一男、一女をもうけた。平戸で病死したのち、領地の逸見村の山の上に供養搭が建てられたのは彼の『我死せば、東都を一望すべき高の地に葬るべし、さらば永く江戸を守護し、将軍家の御厚恩を泉下に奉じ奉らん』とのことばに従ったものと言われている」とありました。

ウィリアム・アダムスが目をつけた逸見村は後に日本帝国海軍の軍港となり、そして現在は米国のアジア覇権の基地として機能しているというわけです。

日本はそろそろ自らの立場をよく考え行動してゆかねば国益は守れないのではないでしょうか? ローマ帝国にしろ、傭兵にたよる国家はいずれ破綻するという歴史的事実があります。日本はそろそろ米軍という変則傭兵と縁を切って自立しないと将来はおぼつかないのではないでしょうか?

英国の外相パーマストン子爵も「一国に従属している地方というものは、周囲の国々にとっては永遠に誘惑の種である以上、その地域は領土保全の決意の上に立つ独立国となってはじめて、安全な地帯として存続できる」と言っている。とはいえ五百旗真の言うように「自分の所属している組織、国が愚かな決定をした時、どうするか」を常に自問していなければならない。

グリーンウッド

 

 

パイントリーさん、

ロスアンゼルスの南のマンハッタンビーチに住む永年の友人に火事お見舞いのメールを出したところ、無論ここ数年の火事は地球温暖化の結果とカルフォルニアの住民は皆、認識しているとの返事がきました。

そしてついでにそれよりもとして最近のブッシュに対する風あたりを示すロスアンゼルス・タイムズのコラムを送ってきました。「ブッシュは無害なイランを敵にして第三次世界大戦を始めようとしている。もうブッシューチェイニーは気が狂ったとしか思えず、弾劾など生ぬるい。医師と裁判所に出動ねがって2人を精神病院に収容して拘束服を着せるしかない」との主旨です。それにしても安倍がアジアのどこかでブッシュと会った直後、発狂寸前まで行って辞職しましたが、米国の雰囲気がこんなに変わってしまったというのに、国会ではワンテンポずれた能天気な議論をしていますね。日本がインド洋での給油を中断すれば米国民は仲間が増えたと喜ぶのではないでしょうか?

グリーンウッド

 

 

パイントリーさん、

インド洋の給油問題に関してパイントリーさんの意見と私の意見の両方を書き、日本の国会での論争につきロスの友人にかきましたら次のような回答がまいりました。

わが民主党は対アフガン戦争にすら使われるべきでない。自民党もイラク戦争に使ってもらうつもりではないし、使われなかったと信じたいといっているので、給油を中断しても米国の国粋主義者も日本に悪い印象はもたないでしょう。ただわが友人は米国永住者ですが英国籍は放棄していない純粋米国人ではありません。

グリーンウッド

 


Most of the countries which supported the US invasion of Iraq are now either out of the country or have greatly reduced their troop there. I believe the British now have only a few thousand in Basra alone, and have announced further withdrawals to come. I can understand your congress debating support for the US, but the subject is very complicated.

One of the most telling arguments against the Iraq war is that it has hindered the fight against terror. All our actions seem to help recruit more supporters for Osama bin Laden and help our "enemies" in Iran. So our administration is not only wrong, but stupid as well - a disastrous situation. I believe that the International strategic blunders of this administration will greatly undermine all democratic governments and help extremists of all types. Bush is not only a notorious war criminal, but a true enemy of civilization and everything the American Founding Fathers sought to achieve. We cannot measure how much evil he and his crew have done and are doing.

As far as fueling the US, I wish it were a clear-cut repudiation of the Iraq policy. Unfortunately, it will be seen by our super-patriots as siding with the terrorists and will make them even more enraged. How that will work out in our polls is hard to see; there probably is a good chance it will make them even less attractive, which would be good, but there's also a chance it may backfire, as you mention by harming the effort against the terrorists. I cannot say.

 

 

グリーンウッドさん、

そうでしたか。

もともと、事の是非と「まつりごと」は違ってもいいのではと思っています。もちろん、事の大小によりますが。

私が勘ぐっていることは、具体的には「北朝鮮のテロ国家の解除」と「給油支援問題」とを絡めざるを得ないのが、わが政府の置かれている状況ではないのかと。

パイントリー

 

 

パイントリーさん、

「北朝鮮のテロ国家の解除」と「給油支援問題」とを絡めざるを得ないのが、わが政府の置かれている状況だというパイントリーさんの見立ては多分そうだろうと思います。

国民の同情が拉致被害者に集まっていすので政府としては苦しいでしょう。

でも米国が「北朝鮮のテロ国家の解除」をしなかったとしても北朝鮮政権に今の独裁者が居残るかぎり、仮に拉致被害者が生存していても返してはもらえないのではと私は思っています。独裁者の沽券にかかわりますから。日本独自の対北の独自外交しか解決の道はないのではないでしょうか?

独裁者がいるかぎり、経済発展はありえないと悟らせることが大切ですよね。私の中学時代の同級生は社交ダンスが上手くて、北で舞踊団に入るのだといって、新潟から出発したのですが、暫くして、親族に金おくれという手紙が頻繁にはいるようになり、親族はそれなりに対応していたそうですが、そうのうちに病死したという連絡が入ったそうです。実際なにがあったのか、誰も知りません。先祖が朝鮮からきたとはいえ、彼も拉致被害者とおなじようなものだと先ごろの同級会でしみじみと話したものです。

グリーンウッド

 

 

パイントリーさん、

今日、インド洋給油問題を審議する委員会討論を聞いていて浮かんだ21番目の川柳です。



我が国は テロから逃げて あぶら売る



民主党議員が米軍に給油するよりもっと有効なテロ対策があるのではないかと質問したとき、そうだ、我が国はテロ対策に真に有効な行動をとらず、逃げて米軍の背後で給油してごまかしているのだと思い至ったからです。結果、我々の税金を無駄にしていることになります。これは守屋防衛事務次官が癒着業者からゴルフ接待を200回うけた以上の政府の怠慢ではないのでしょうか?

グリーンウッド

October 30, 2007


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