グローバル・ヒーティングの黙示録

政策研究所・マスコミの一歩先を行く予測

Apocalypse on Global Heating

 
赤点はアクセス点 since Mar. 19, 2012

グリーンウッド

世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう                 クロード・レビストロース

アブストラクト

人類は産業革命前までは太陽の恵みに由来する薪などの再生可能エネルギーに依存して生存してまいりました。しかし石炭、石 油、天然ガスという炭化水素燃料の利用が始まると、その優れた利便性により、一次エネルギーの世代交代が生じて、伝統的な再生可能エネルギーは駆逐されて しまいました。 炭化水素燃料の利用により大気中の二酸化炭素濃度が上昇しており温暖化が危惧されています。しかし気象学者やIPCCのいう二酸化炭素のグリーハウス効果 はコンピュータ・シミュレーションモデルが自然を正しく記述しておらず、蜃気楼を誤認している恐れがあります。では何が気候変動の原因となるかといいます とミランコビッチ・サイクルや海洋の熱塩循環の自励振動など自然現象でしょう。

我々はすでに地球上の石油埋蔵量の半分を使い切り、天然ガスも3割は使ってしまったように見えます。 残る炭化水素燃料は石炭だけです。これら炭化水素は有限ですから必ず供給がピークを過ぎるのです。ウランも軽水炉でワンスルーで利用するかぎり、ピー クウランが発生します。高速増殖炉に期待があるようですが、まともに動く増殖炉の開発は困難で、燃料増殖率を1以上を達成した国はまだありません。ト リウム資源はウランの4倍ありますが、核分裂生成物を生むのは軽水炉と変わりません。そして 使用済核燃料の最終処分場の確保は地方分権の強い民主主義国では非常に困難です。このように原子力は専制的政府なしには成立できず、燃料再処理・最終処分 費、廃炉コスト、核拡散問題管理のための国際政治軍事コストがかさみ、これらを算入すると高価な電源となる可能性大であります。それに人口密集地を放射能 汚染で失うというブラック・スワンのリスクを犯してまで原子力を採用するメリットがあるのでしょうか?これら社会資源も含め有限なエネルギーを非再生エネ ルギーと呼びます。

一方風力はすでに火力や原子力に匹敵するほど安く、ソーラーセルや集光型太陽熱発電は多量生産技術で価格が下がりつつあ り、配電網で売られる電気料金と等価な発電単価すなわちグリッドパリティーを達成する勢いがあります。バイオマスエネルギーは太陽エネルギーの転換率が 1%以下で量的に限度がありますし、バイオはエネルギーよりまず食料に使われるべきでしょう。ソーラーセルの転換率はバイオの10倍以上効率が高いため、 日本の国土の1.8%にソーラーセルを設置すれば日本の総電力の全てをまかなえます。

炭化水素燃料やウランがピークアウトして価格が上昇すれば人類は再び一次エネルギーの世代交代をして風力、ソーラーセ ル、集光型太陽熱発電などの再生可能エネルギーに依存せざるをえないのは明らかです。そしてこれら新再生可能エネルギーはバイオ燃料である昔の薪に比べて 利便性を約束しています。 再生可能エネルギーの供給は不安定ですがこれを高価なバッテリーに蓄えるのではなく、 揚水発電と系統連携すれば不安定な再生可能エネルギーのバックアップができます。そして長期の天候不順や交通機関の燃料として再生可能エネルギーから電解 合成法等でアンモニア燃料に転換して貯蔵・輸送が自由にできる技術が開発されるでしょう。 これは窒素を水素のキャリアにし、同時に酸素を副産しますから二酸化炭素をださないどころか、植物が動的に維持してくれている大気中の酸素濃度も一定に維 持するという究極のサステナビリティーを達成することができます。こうして22世紀には一次エネルギーは100%再生可能エネルギー時代に突入するでしょ う。 そして電力と再生可能エネルギーを転換したアンモニア燃料が二次エネルギーとして生命体でいうアデノシン三燐酸の役目を担うことになるでしょう。

 

まえがき

筆者は永年、エンジニアリング会社で天然ガス液化プラントを手がけてまいりました。横浜の根岸に建設すべく1967年に 設計に着手した日本初のLNG輸入 基地のプロセス設計を担当させてもらったのが契機となりました。先人がいない白紙状態からの出発で、フロンティア開発の醍醐味を味あわせてもらい ました。その後、産ガス国に建設する天然ガス液化プラントの設計・建設を多数手がけることが出来ました。なかでも世界最大のドーハガス田の天然ガス液化 プラントの基本コンセプトが採用されたことは最も誇りとするものです。

引退後は晴耕雨読の日々を過ごしつつ、日々に接する情報を整理統合してセブンマイルビーチ・ファイルというサイトで情報発信をしております。Seven Mile Beach Fileという英語名でもグーグルやヤフーで検索してもらえればトップに表示されます。2010年6月には新旧トップページの累計ヒット数合計が24.3 万回、2012年3月には30万回を越えました。

私がまだ若かった1967年に米国に渡った真鍋氏が米国気象局で書いた論文「鉛直1次元放射対流モデル」以降、二酸化炭素の温室効果が明確に気象学者の懸 念となりました。1972年にはローマクラブによる「成長の限界」という警告がでて、世に大きなインパクトをもたらしました。

1987年にプロジェクト実施部隊から技術部門を統括するポジションに引き抜かれた私はこの問題に興味を持たざるを得な い立場になりました。そして1991年には「エネルギーの 選択」という論文を会社の技報に掲載し、以後ずっとこの二酸化炭素と温室効果には関心を持ち続けています。

一方、1998年のサイエンティフィック・アメリカン誌に掲載されたピークオイル理論を読んで、気候変動問題より、石油のピーク・アウト問題の方がより深 刻であると認識したのです。この二つの問題については引退後も継続して関心を持ち続け、2007年に書いたのが、本論文です。タイトルは 「グローバルヒーティングの黙示録」としました。後に「ヨハネ黙示録」8章にすでに予言されていることを知り ました。

1987年に京都プロトコルが締結され、1988年に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が編成されました。気候に関しては1998年に最高気温を 記録しましたが、その後、気温はあまり上がっておりません。次第に疑念が生じるなかでIPCCの予測のベースになっている気象モデルに重大な欠陥があると ドイツの理論物理学者が指摘していることを知り、私個人としては二酸化炭素 濃度は温室効果に影響しないと確信するようになりました。従って残る懸念は炭化水素燃料の枯渇だけとなりました。

こうなると論文のタイトルは微妙にずれてしまいました。「グローバル・ヒーティングの狂詩曲」とでも変えようかとも考えましたが、あまりに不真面目な感じ になってしまいます。「再生可能エネルギーの黙示録」としてもいいのですが、殆どの人がIPCCを妄信しているなかではインパクトがありません。そもそも 「黙示録」という言葉自身が世に流布していないが、時代をリードする異端の説という意味もありますし、「グローバル・ヒーティング」は昔は尊敬していた (今は失望)ラブロック氏の用語ですので「羊頭を掲げて狗肉を売る」のたとえ、しばらく変えないでおこうと思っています。

地球上に存在する元素で、我々に直接関係のあるものは炭素、酸素、水素、窒素、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アウミニウム、塩素、硫 黄、リン、鉄、珪素、白金、金、銀、銅、ニッケル、コバルト、クロム、ウランでしょう。これら元素の循環と地球にふりそそぐ太陽光と人間とのかかわり を整理して、今後 、我々はどう対処したらようか考えてみたいと思います。その切り口は、生命の誕生と酸素の蓄積、農業の発明と人口増、炭化水素エネルギーの利用と産業革命 という成長期の明るい話からはじまります。ところが人類が増えすぎたために地球の有限性に今我々は気がつきました。石油の枯渇を予言するピークオイル 説、二酸化炭素グリーンハウス効果説、一次エネルギーの再生可能エネルギーへの世代交代、節約と効率向上、原子力発電(以後原発)の放射能汚染による土地 の喪失というブラック・スワン現象などの問題が山積しています。

この問題を放置すれば人類の将来は多難なものになりそうです。引退してようやく企業の置かれた束縛から自由となった人間の楽しみの一つとしてこのような思 考実験をしております。その心は「臨済録十二段」にあります。すなわち「修行者たちよ。 本当の正しい見解を手にいれて天下を大手をふって歩きたまえ。一群のばけものどもに惑わされぬことが肝要だ。無事こそ貴人だ」

引退後、著者が所属する鎌倉プロバスクラブで以上のような思考実験の成果を「我々が引き起こした気候変動とその対策について」という卓話として紹介いたし ましたところ、同クラブの会員である坂間さんから神奈川県環境協議会の講話として話してくれないかと依頼されました。 爾後、機会を得ては方々で話しております。

二酸化炭素のグリーンハウス効果についてはIPCCの見解とは真っ向から対立しますし、原発に関しても十年一日のごとく変わらない政府の公式見解とはまっ たく異なったものというか完全に対立概念です。提案しましたいくつかのエネルギー産業の新スキームにしましても、どこかの文献から拾ってきたものではな く、著者が勝手に夢想したものですので、あくまで黙示録として聞いていただき、皆様の発想の契機として使っていただければ幸いです。

第一章は総論とし、第二から八章は各論としました。

「愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る」とはナポレオンの言葉ですが、そういえばこのようなことを 言っていた狂人が居たなと思い出していただければ幸いです。

 

第一章 歴史と未来   75pages

生命の誕生と炭素循環の変遷

ホモサピエンスの出現

農業の発明と人口増

炭化水素エネルギーの利用と産業革命

ピーク・オイル

ピーク・ガス

炭化水素燃料の無機成因説

ピーク・ウラン

エネルギー資源可採年数

ピーク・レアアース

ピーク・ファームランド、ピーク・リン、ピーク・ウォーター

ピーク・ミネラル

効率向上・省エネルギーについて

非再生可能エネルギーから再生可能エネルギーへ

一次エネルギーの世代交代予測法

炭化水素燃料

原子力

再生可能エネルギー

改訂マルケッティ・ナキシェノビッチ・ダイヤグラム

予想消費曲線

水素社会は来るか?

アンモニア燃料を含むエネルギーの世代交代

気候変動の事実

大気と海洋の炭素収支

海洋の二酸化炭素熔解平衡

大気と海洋のダイポールモード現象

二酸化炭素濃度は温暖化の原因となり得ないとの気体分子運動論からの 説明

懐疑論と懐疑論批判の総括

50億年のタイムスパンの気候変動の 原因

5億年のタイムスパンの気候変動原 因

50万年のタイムスパンの気候変動の原因

500年のタイムスパンの気候変動の原 因

IPCCとは

COPとは

国連持続可能な開発会議

温暖化すると

気候変動と経済政策について

敵は我々自身か?

有限なエネルギー資源、それに私達はどう対処すればよいのか?

二酸化炭素濃度温暖化信仰とバイオ・原発・増殖炉依存

何が見えますか?

多くの人は自分が見たいと欲するものしか見ない

高速増殖炉と核融合炉幻想

インプリントされた潜在意識

山手線のレトリックは両刃の刃

迷走の果てに

困ったときの詭弁

グランドビューのないタコツボ発想

何でもいい屁理屈

あげくの果ての誤った方向感覚

遅れてやってきた二酸化炭素グリーンハウス効果疑惑

炭素ないし二酸化炭素の回収法

炭素ないし二酸化炭素の隔離法

地中隔離

海域地中隔離

海洋自然吸収

深海直接注入海洋隔離法

石灰石中和海洋隔離法

炭素への直接変換による隔離

超マフィック岩+H2O→水素

 

第二章 非再生可能 エネルギー発電の衰退   59pages

火力発電のエネルギー転換効 率、伝送効率の向上

天然ガス・ガスタービンサイクル発電

天然ガス・ガスエンジン発電

石炭ガス化発電と二酸化炭素隔離(IGCC- CSS)

燃料電池発電

原発新設政策への疑問

放射線について

ウラン資源量

ウラン濃縮

燃料棒製造

再処理

最終処分

再処理場・最終処分場の立地

原子炉の形式

プルサーマル発電、プルトニウム専焼原発

高速増殖炉

トリウムを燃料とする原発

核融合

原発や燃料再処理工場から常時放散される放射性ガス

長崎原爆でのプルトニウム降下量

軽水炉廃炉後の廃棄物処理

原発の大規模放出事故のリスク

リスクアセスメント

原発事故はべき分布

確率論的リスク分析

原発の耐震性

原発の対テロ脆弱性について

放射能漏洩事故を想定した準備

原発の二律背反性収支算定

原発の規制と推進の分離

世界の原発建設需要に潜む補償リスク

セミサブマーシブルズ搭載型原発

遠隔地における原発よりの直流送電または超伝導送電

核エネルギーに関する科学者の責任

原発は本当に安いのか?電事連試算発電単価の検証

日本における原発新設への疑問


第三章 再生可能エネルギー発電の発展 43pages

風力発電のポテンシャル

陸上風力発電

着底式洋上風力発電

浮体式洋上風力発電

セイリング型洋上風力発電

空中風力発電

人工台風発電

ソーラーセル(PV)

シリコン系ソーラーセル

金属化合物系(Metal Compound)ソーラーセル

有機系ソーラーセル

量子ドット系ソーラーセル

夜間光電池(反ソーラパネル)

太陽ナノ・アンテナ電磁波集光器

熱電変換(サーモセル)

ソーラーセルとその製造ラインメーカー

ソーラーセル素材の資源とメーカー

宇宙太陽光発電

集光型太陽熱発電(CSP発電)

水力発電

地熱発電

海洋温度差発電

海面浮上型・ソーラーセル・ハイブリッド・コレクターとボ トミング・サイクル

海流・潮流・波力・潮汐・浸透圧発電

バイオマス発電

林業のウッドマイレージの短縮

再生可能電源の発電単価

電源別建設単価の2090年までの予測

一次エネルギーの2090年までの価格予想

電源別発電単価の2090年までの予想

再生可能エネルギーはシュンペーターのいうイノベーション

日本で再生可能エネルギーが普及しない理由

ライフサイクル二酸化炭素排出量

 

第四章 電力系統連携 30pages

電力の品質について

電力の安定供給法

多国間連携

自由化と系統連携

二次電池

揚水発電

浸透膜発電

圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)

液化空気エネルギー貯蔵(LAES)

蓄熱

ソーラーポンド

フライホイール

超伝導電磁石貯蔵

ウルトラ・キャパシタ

世界の電力料金

日本の電力料金

将来の電源構成

需給バランス・シミュレーション

各電源の負荷率

グリッド料金と二酸化炭素排出量の計算

2030年原発ゼロのグリッド料金と二酸化炭素 排出量

2060年原発ゼロのグリッド料金と二酸化炭素排出量

2090年原発ゼロのグリッド料金と二酸化炭素排出量

風力発電とLNGコンバインドサイクルを 組み合わせた発電事業

まとめ

 

第五章 都市における変化   25pages

ライフスタイルを変えて炭化水素燃料 消費を減らす

照明器具・エレクトロニックス機 器の効率向上

空調の効率の向上とゾーン化

ヒートポンプの利用と効率向上

ジェヴォンズのパラドックス

スマートハウス

オフグリッド・アクティブ・ハウス

オフグリッド・パッシブ・ハウス

コジェネレーション・コプロダクショ ン

ソーラーセル・ハイブリッド・コレクターとボトミン グ・サイクル発電(PVコンバインドサイクル)

スターリング・エンジン集光発電

太陽熱利用

蓄濃夜間発電

マイクログリッド

ソーラーセル電力を逆潮流させて系統連携

3相AC→直流コンバーター、直流→単相 ACインバーターを使った低圧電力契約

スマートグリッド・デジタルグリッド

オフグリッド運用と直流家電

二次電池の蓄電単価試算

ソーラーセル/バッテリーによるオフ・グリッド自家発

ソーラーセル/圧縮空気蓄エネ(CAES)によるオフ・グリッド自家発

ソーラーセル/蓄冷によるオフ・グリッド空調・冷凍庫

ソーラーセル/蓄乾によるオフグリッド空調

ソーラーセル/都市ガスエンジン発電によるオフ・グリッド 運用

ソーラーセル/LPガス・アンモニア燃料エン ジン発電によるオフ・グリッド運用

都市ガスエンジン/圧縮ガス蓄エネによるオフ・グリッド自家発

スマート・シティー

都市廃棄物発電

都市生ゴミのメタン発酵

 

第六章 産業部門に おける変化   33pages

石油精製・石油化学

天然ガスの液化

LNG冷熱発電

都市ガス源(水素 vs メタン or 混合ガス or アンモニア)

炭化水素からの合成燃料

炭化水素からのハーバー・ボッシュ 法によるアンモ ニア燃料合成

再生可能エネルギーの転換燃料

転換燃料の大規模海上輸送

転換燃料製造法

再生可能エネルギー転換アンモ ニア燃料

再生可能エネルギー転換アンモニア燃料の単価試算

再生可能エネルギー転換アンモニア燃料発電単価

遠隔地立地原発からの水素・合成燃料製造

炭素ないし二酸化炭素隔離法を採用する炭化水素資源からの合成燃料と還元製 鉄

動力回収

熱音響機関

リサイクルによる自動車燃料

バイオ燃料

人工光合成

鉄分の海洋散布による光合成

 

第七章 運輸部門に おける変化   16pages

鉄道の再評価

軽量化・回生動力

原動機の改良

LPG・CNG車

ハイブリッド車

CNGハイブリッド車

圧縮空気車(Compressed Air CarまたはAir car)または空気ハイブリッド車(Air Hybrid)

二次電池車

燃料電池自動車

水素燃料供給方式

水素を使わない燃料電池

炭素系、窒素系合成燃料車

アンモニア燃料熱機関

各種方式の比較

再生可能エネルギー転換アンモニア 燃料自動車と二次電池車比較

貨物帆船

北極海航路開発

 

第八章 世界と日本の現状   8pages

再生可能エネルギーに関する世界と日本の取り組み

炭化水素燃料枯渇 v.s. グローバル協調 v.s. 人口

おわりに

今後1世紀半というタイムスパンで生じる一次エネルギーの世代交代の世界についてを多くの研究者の意見を参考にしつつ、 筆者なりに構築してみたもので、大筋においてはかなりいい線をいっているのではないかとおもっています。そして筆者が考えている適用できる技術について有 望なものを取捨選択していくつか紹介させていただきました。現在研究されているが 忘れ去られる運命にある技術も大胆に予測してみました。

IPCCの二酸化炭素のグリーンハウス効果が間違いであったとしても、炭化水素燃料 やウラン資源の有限性から見て再生可能エネルギーへの転換は必然とご理解いただけたかと思います。環境倫理という人々の感情に訴えて節約を行うことが 大切なことはいうまでもないことですが、人間は 他の生物となんら変わりなく増殖し続け、資源を浪費し続けるでしょう。そういう意味で薄く分布しはするが資源量が大きい再生可能エネルギーへの流れはかわ らないでしょう。気をつけなければいけないのはこの流れを阻害しないことです。

国際社会のメンバーとして、国家として、企業としてまた個人としてどうすればよいか皆様自身で考え、自らの行動を律する とともに政府や企業や非政府組織への働きかけの参考にしていただければ幸いです。

かってメドウズらがローマクラブの委託でおこなった報告書「The Limits To Grouth」の30年後の改定版程悲観的ではない予想となりました。

 

アフリカの諺

速く旅をしたければ、一人で行け。遠くに旅をしたければ、共に行こう

本稿は当初長野北高卒業50周年記念文集むけに書き下ろしましたがページ制約で短くしました。その原稿は「通らなかった道」として掲載しております。

 

謝辞

本稿をとりまとめるにあたり、中村宗和鳥取大学名誉教授と森永晴彦元 ミュンヘン工科大学正教授の査読を賜りました。また東京工業大学名誉教授の久保田宏先生、井野博満東大名誉教授、元通産省でIEA、NEDOに関係された 横堀恵一氏、元通産省電総研所長富山朔太郎氏、北沢宏一民間事故調委員長、ECOH 会のリーダーで元東電原子力開発研究所副所長の石井陽一郎氏、元原燃理事の堀雅夫氏、元東芝の伊藤睦様、トリウム溶融塩炉の提案者である故古川和 男先生、電力中研究の木 下幹康氏、千葉工大の荻林成章教授、元日立の松原友夫氏、日立GEニュークリア・エナジーの荒井利治氏、守屋公三明氏、ドイツの事情を教えてくださった ケルン在住の望月浩二氏、元千代田化工の小松昭英氏、渡部耕司氏、山口誠之氏、風力にくわしい藤代繁氏と土屋敬一氏、LNGビジネスに明るい原卓氏、ソー ラーセル製造ラインメー カーULVACの故林主税氏、諏訪秀則氏、砂賀芳雄氏、櫻田勇蔵氏、プロセスシミュレータ開発会社インベンシ ス・プロセスの元社長稲生誠氏と広浜誠也氏、元サハリン石油ガス(株)(SODECO)の地質技術者平林憲次氏、八雲エンジニアリングの堀居和作氏、アイ ディア・ラボの鳥木晃氏、潟Gコ・クリエーション代表山田健三氏、に教えを賜り、また厳しく鍛えられたことに感謝いたします。なお本報告の見解はこ れらの協力者の意見を代表する ものではないことをおことわりします。

日本の48都市の皆さん(多い順)

東京、神奈川、愛知、兵庫、京都、千葉、北海道、静岡、茨木、福岡、広島、奈良、熊本、栃木、長野、岡山、福島、山口、 宮城、群馬、岩手、大阪、長崎、志賀、新潟、石川、岐阜、徳島、三重、愛媛、富山、秋田、香川、高知、山梨、大分、鳥取、福井、山形、島根、青森、鹿児 島、沖縄、和歌山、埼玉、佐賀、南大東島

米国24州の皆さん(多い順)

Armed Forces, Texas, New Jersey, New York, Illinois, Indiana, Michigan, Oregon, South Carolina, Floria, Pennsylvania, North Carolina, Arizona, Minnesota, Louisiana, New Hampshire, Massachusetts, Alabama, Georgia ならびに下記の世界各地(42国)からのアクセスに感謝します。(西から)

London, Liverpool, Manchester, Newcastle upon Tyne, Amsterdam, Bruxelles, Koln, Dortmund, Hmburg, Goteborg/Sweden, Madrid/Spain, Barcelona/Spain, Limoges/France, Marseille/France, Zurich, Milano/Italy, Praha, Istanbul, Ankara, Tel Aviv/Israel, Makkah/Saudi Arabia, Liyad/Saudi Arabia, Bahrain, Qatar, Abu Dhabi/UAE, Dubayy/UAE, Lagos/Nigeria, CapeTown/S. Africa, Durban/S. Africa, Esfahan, Bahrain, Doha/Qatar, Kazakhstan, Rawalpindi/Pakistan, Lahore/Pakistan, Maharashtra/India, Andhra Pradesh/India, Orissa/India, Karnataka/India, Tamil nadu/India, Bihar/India, Shanghai/China,Guangdong/China, Jiangsu/China, Sichuan/China, Beijing/China, Hong Kwong, Kuala Lumpur, Kuala Dungun, Sing apore, Bangkok, Ho Chi Minh, Jakarta, Surabaya, Makassar, Perth/Australia, Alice Springs/Australia, Adelaide/Ausutralia, Auckland/New Zealand, Intercagil/New Zealand, Manila, Taipei, Inchon, Soul, Pusan, Guam, Lima/Peru, Rio de Janeiro/Brazil, Rio Grande do Sul/Brazil, South Atlantic Ocean.

また本報告をより正確にすべく毎日書き直しするモーティベーションは下記のように時々与えられる講演会や論文書きでありました。毎日数行書き直す外に、編 集の大改訂も下記のように行いました。

2007年03月 鎌倉プロバスクラブの卓話
2007年05月 神奈川県環境協議会での講話
2007年12月 一次エネルギー世代交代、原発のFT分析と土地損失被害額、図版多数を追輔
2008年03月 NPO法人シニアエキスパートフォーラムSEFサロンでの講演
2008年05月 電力のコスト試算を追補
2008年11月 停止中の柏崎・刈羽原発を視察し、原発のFT分析見直し
2008年12月 葛野川揚水発電所を視察し、資源バブル崩壊後の燃料価格、電気料金見直し
2009年01月 ソーラセルのグリッドパリティー予測とアンモニア燃料ハイブリッド車追輔
2009年02月 総合知学会での発表後、一次エネル ギー世代交代見直し
2009年03月 IPS向け講演で天燃ガスの液化、高速増殖炉のコスト試算 、カーボンフリー燃料を追補し、章毎に分割
2009年04月 多様な二酸化炭素回収法を明確にするために章立てを再構築
2009年04月 自由人のエネルギー勉強会での基調講演用に蓄電技術のコスト比較を刷 新
2009年06月 ECHOR会報告、一次エネルギー埋蔵量の見直 し、逆潮流、分散蓄電、分散コジェネレーション追輔
2009年07月 総合知学会論文、 原発コスト、CSPウェザファクター、一次エネルギー世代交代見直し
2009年08月 放射能の大量放出事故はべき乗分布に従うとして原発のFT分析見直し
2009年11月 化学工学会経営システム研究会講演、アンモニア電解合成法とアンモニア燃料の成長予測曲線を追輔 2009年12月 大気の炭素収支モデルを追輔
2010年04月 二酸化炭素濃度と温室効果につき追輔
2010年11月 トリウムを燃料とする原発につき追輔
2010年12月 章細分割
2011年01月 章順変更とコストトレンドの改訂
2011年02月 大気の炭素収支モデル改訂
2011年04月 廃炉費、事故後処理費、電力料金の見直し
2011年06月 べき乗分布図に福島第一事故を追加プロット
2011年12月 べき乗分布図改良
2012年02月 確率論的リスク分析
2012月03月 再生可能エネルギー転換アンモニア燃料整理、ギ酸燃料追加、複合発電単価計算全面やり直し
2012月04月 家庭用PV+ガスエンジン分散発電による電力網からの独立、窒化アルミ経由アンモニア製造法につき追加
2012月07月 家庭用PV+圧縮ガス蓄電による電力網からの独立分散発電追加
2012月08月 発想電分離、小口電力販売自由化制度化での風力とLNG発電を組み合わせた発電事業
2013年01月 都市ガスエンジン/圧縮ガス蓄電によるオフ・グリッド自家発追加
2013年02月 海流発電とORNLで開発されたウランを使う熱化学サイクルによる水からの水素製造プロセスを追加
2013年06月 リチウムイオンバッテリー価格トレンドの見直し
2013年07月 多重衝突噴流圧縮エンジンを追加
2016年08月 SOFC燃料電池車や対抗シリンダーによるエンジン効率向上を追加

2021年09月  超マフィック岩+H2O→水素

用語集   4pages

エネルギーと環境へ

本論文を印刷するときにはA4縦とし、綴じ代として左マージン23mm、上、右5mm、下13.97mmとして印刷する と本目次12pを含め総287枚となります。

最終稿 April 1, 2007

追補版 Rev. Septenber 25, 2021


過去4年間に渡り、原子力は世界のエネルギーを担保できるものではない。太陽エネルギーこそ人類が依存できるエネルギー で経済的にも正しいことを訴えてきたつもりである。それを証明するような大事故が2011年3月11日に発生した。その詳細な分析は福島原発メルトダウンに ありますので併読をお願いします。

April 4, 2011


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