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人生 まとめのとき

2017.03.28. 掲載
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目次
1.はじめに
2.書籍の整理
3.写真の整理
4.動画の整理
5.PC内データの整理
6.年譜の作成
7.まとめ


1.はじめに

78歳のころから、聴力の急速な低下があり、昨年は9年間楽しんできたコーラスを退団し、20年間続けてきた飲み会を退会した。補聴器でカバーできない難聴は、音楽と会話の楽しみを困難にする。今年も多くの集まりを遠慮することになるだろう。

私は、50歳のころから、自分の死亡時期を70歳(71歳になるまで)と想定して、それまでは悔いのないように生きよう、もしその後も命があれば、それからはオマケの人生として、あるがまま、なるがまま、思うがままに生きようと考え、そのように生きてきた。

今も、オマケの人生を生きているのに変わりはないのだが、これまでは、老化をほとんど自覚していなかった。しかし、今は老化による聴力低下のため、音楽や会話の楽しみを減らすことを余儀なくされている。そのことを昨年 傘寿に思う でも書いた。

ただし、音楽や会話の楽しみが少なくなった現在の状態が苦痛かと言えば、決してそのようなことはない。騒音のない静かな世界には、やすらぎがあり、過去の人生を振り返り、まとめを考えるのにふさわしいと実感する。そして、まことよき天の配剤だとつくづく感じる。

そういうわけで、今は、「人生 まとめのとき」 に入ったと思っている。

「人生 まとめの記録」をなぜ残したいのか、誰のためにしたいのかについては、以前、私にとっての記録に書いた通りである。

それは、自分がしたいからであり、まずは自分のため、次いでは妻のため、家族のため、最後は他人のためである。


2.書籍の整理

医院を息子に引き継ぎ、リタイヤした際、最も多く廃棄処分した物件は、引継引越騒動記第3章に書いたように書籍だった。手持ちの書籍の3分の2くらいを処分した。この廃棄量は適量だったようで、転居したマンションの書斎の本箱に過不足なく収納できた。

マンションでは書籍の収納量には限度がある。そこで、書斎が本箱に収めきれない場合は、一番不要なものから処分して、書籍の量を一定に保つというきまりを、自分に課してきた。

それでも、転居して11年が過ぎた現在、書籍は資料室などにも置かれて数量が増え、書籍の分類も不適当な部分が多くなっている。

そこで、本箱に収納できるように100冊ばかりの書籍を廃棄し、分類も見直し、本箱の各区画には分類のラベルを貼り、私が居なくなっても、ほかの人が見つけやすいような工夫も加えた。

書籍の廃棄と再分類の作業には、個々の書籍に目を通す必要があり、脱線して読み耽ることがあったり、過去に読んだときとは異なる箇所に意味を見つけたりで、私にとっては極めて有用であった。

マンションに転居して、生まれてはじめて自分の書斎と資料室を持つことができたので、これを「BOW工房」と名付けた。ここで、1日10時間以上、パソコンやIT機器をこき使い、サイトの記事を書き、動画や静止画、音声を編集し、作品を作って11年となる。私にとって、ここは大切な宝の場所である。


3.写真の整理

書籍に次いで整理をして置かなければ、残された者が困ると思われるのは写真である。このマンションに引っ越してきた際に、写真関連の物件は、資料室の中に、24グループに大別して保管したが、それから11年が過ぎた現在、その場しのぎや後回しにしてきた整理のつけが、待ち構えていた。

写真の整理保存も、ほかのデータと同様、1)元データを最小に限定して保存し、2)アナログデータを厳選してデジタルデータに変換する、3)デジカメ写真のように最初からデジタルファイルであるものは、失敗作などを廃棄するほかは整理保存し、そのバックアップをとって保全を図る、4)デジタル保存の形式は汎用性、将来性のあるものを選ぶ、5)デジタルデータは時系列で整理保存するという方針でやってきた。

ここで、一番手間がかかるのは、アナログデータの選別で、フィルムスキャナーを使ったネガフィルムからの選別は、ギブアップしたい気持ちになる。

その上、ネガフィルムの方がプリントしたものより退色が激しい場合が多く、作業が面倒なため、ネガフィルムからのデジタル化は、50%ばかり行ったところで中止し、ネガフィルムを廃棄処分してしまった。

そういうわけで、アナログ写真のデジタル化は、大部分をプリント写真のスキャナー取り込みで行った。

印画された膨大な量の写真には撮影日が不明のものが多く、撮影年月、最低でも撮影年を見つけるために苦労した。撮影年月日を写し込んでいるものは、その点でありがたい。収納袋に日付などのメモ書きがあるのも重宝する。収納袋は中身の見える透明袋が良いとか、写真の裏に日付のメモ書きをつけるだけでも良いなど、生活の知恵をいくつも思い知った。

これまでに作っておいた「自分史メモ」や「BOWのカレンダー」アプリを参考にして、「写真用家族年表」を作成し、援用した。

整理の形式は、これまでのファイル名、フォルダ名の付け方を改変した部分がいくつかある。年名だけがわかっている場合、年月名がわかっている場合、年月日名がわかっている場合に対して、フレキシブルに対応できる方法を考案した。

アナログの状態で廃棄を決めた写真、スキャンしてデジタル化して整理保存した写真は、ほぼ全部廃棄した。廃棄した写真に未練はなく、軽い爽快感が残った。

今回の「写真の整理」で、自分と家族の関係した写真を、整理した形で全体的に見ることができた。これは、頭に残った記憶や、文章として残してきた記録とはまた違う記憶を思い出させ、異なる感情に浸らせてくれた。そして、これらから、まとめたいテーマが幾つか思い浮かび、それにとりかかるのを楽しみにしている。


4.動画の整理

私は1967年の結婚と同時に動画(ビデオ)撮影と、それを編集して作品を作ることを始めた。詳しくは私の動画歴に書いている。

1967年〜1990年は8ミリシネフィルム時代、1975〜1990年は磁気テープ時代で、いずれもアナログデータであり、これらはリタイヤした2005年ごろからデジタル化してきた。

1998年からはSD画質デジタル時代に入り、2007年からはHD画質のデジタル時代に入った。撮影記録媒体はハードディスク(HDD)やメモリーカード(SDなど)に変わり、ファイル・ベース時代と呼ばれるようになった。

これまでも、動画は静止画と比べて格段に複雑であったが、2007年以降の進展はめざましく、私は民間ユーザーとして、必死に追いかけ、使いこなそうと努力してきた。その成果は、動画制作システムファイルベース時代の動画保存BDレコーダ中心の映像視聴システムにまとめている。

そういうわけで、動画の整理は、これまでもかなり行ってきたため、整理の形式、ファイル名、フォルダ名の付け方には変更はなかった。今回は、未編集だった「飛鳥U世界一周航海記録」を4部に分けて、合計309分のMP4ファイル作品に編集したことが中心となった。

撮影動画から最初のVHS作品を作ったのは、1992年の最初の海外旅行の記録で、最初のDVD作品は2003年の息子の結婚の記録、最初のBD作品は2010年の孫娘の成長記録であった。それらは、私にとっても家族にとっても非常に重要な記録だったことに感慨を覚える。

HD画質の、フルハイビジョンビデオ撮影は、2007年の世界一周航海の記録が最初で、現在に続いている。動画撮影は、なんらかのイベントの記録に限られていたが、2008年に初孫が生まれてからは、孫の成長のデータとして繁用し、静止画が必要な場合は、動画から切り出す方法に変わった。まこと、孫の存在は大きい。

書籍の整理や写真の整理と比べて、動画の整理はふだんから行ってきた上、物理的に場所を占拠することも少ない。しかし、編集して作品として残して置きたいビデオクリップが多数残っていた。その一つが世界一周航海の記録である。この編集を終えて、動画の整理もあらまし済ませることができた。


5.PC内データの整理

PC内のデータの整理はこれまで何度も行ってきた。現在は、Windows 10機のカスタマイズとして、整理を行っている。これは要するに、データの所在を如何に分かりやすくするかに尽きると思う。

私の人生で、PCほど有用だった道具はほかにはないが、PC歴についてまとめていないので、私のパソコン歴のタイトルでまとめることにする。


6.年譜の作成

「人生 まとめのとき」に入った今も、したいこと、まとめておきたいことはたくさんある。その中で、必ず書き残しておきたいのは、自分が生きてきた人生のあらましである。

人は誰もが、かけがえのない個人であり、自らの道を見つけ、自らの人生を生き、自らの最期を終える定めにある。その私の人生を示す「野村 望の年譜」を作り、残しておこうと思っている。

この人生の年譜は、ほかのしたいことを差し置いて、まず最初に作ろうと思う。そして、このサイトに記載した記事に、できるだけリンクを張ろうと考えている。修正や加筆は、あとから行うつもりだ。


7.まとめ

1.今や、人生まとめのときに入ったことを自覚する。残された時間は少ないだろう。
2.したいこと、まとめたいことはたくさんあり、それは今も増え続けている。
3.世界の状況、国内の状況、人類の未来について大いに関心はあるが、もう私の課題ではない。
4.自分の人生のまとめの作業を続けながら、人生を終えたい。
5.このまとめの作業を通して、思いもかけぬものの見方があることに気づいた。

6.人生 まとめのときとは、これまでのどの時期とも違う、おだやかな幸せのときである。
7.考え方、行動がゆっくりとなり、待つことがこころ楽しくなる。
8.耳が遠くなり、会話に不自由し、音楽を楽しむことが難しくなったが、不幸ではない。
9.頭のなかで、歌をうたい、歌を聴くことを楽しむことはできる。
10.何よりも幸せなことは、50年間連れ添ってきた妻と、気を使うことなく、毎日を過ごせることだ。

<2017.3.28.>


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