スピリチュアリズムによる霊性進化の道しるべ
トニー・オーツセン(編)
平成元年一月 近藤 千雄(訳)
平成13年8月1日発行

これまでの『シルバーバーチの霊訓』の中には出てこなかった重要なシルバーバーチの言葉をピックアップしてあり、シルバーバーチの思想をより深く理解するために必読の書。

1989年に他社から出版され、長年絶版になっていた『シルバーバーチ 愛の摂理』の復刻本です。

目 次
編者まえがき
巻頭のメッセージ
第1章 死ぬことは悲劇ではありません
第2章 神はときには荒れ狂う嵐のごとく……
第3章 わたしたちは決して見捨てません
第4章 真理はすべて素晴らしいのです
第5章 あなたが大霊なのです
第6章 摂理は完全であり、自動的に作用します
第7章 ああ、真白き大霊よ
第8章 絶望してはなりません
第9章 霊は全生命の精髄(エッセンス)です
第10章 創造は無窮です
第11章 霊的真理は不変です
遺稿 シルバーバーチと私
訳者あとがき

編者まえがき
「人間が食べるものや着るものを得るために動物を殺すのは間違いでしょうか」

「霊媒は菜食にすべきなのでしょうか」

「今の世界にとって必要な最も緊急な改革は何でしょうか」

「新しい魂はひっきりなしに生まれてきているのでしょうか」

「微生物にも意識があるのでしょうか」

「指導霊(ガイド)というのは特別に付けられるものなのでしょうか」

次から次へと出されるこうした質問に、ハンネン・スワッハー・ホームサークルの指導霊であるシルバーバーチは喜んで耳を傾け、それをもとにして大きく話題をふくらませていく。そこには他に類を見ない絶妙のうまみがある。

そのシルバーバーチが入神霊媒モーリス・バーバネルの口を借りて語る叡智の言葉を聞くために、ここ半世紀の間には実に大勢の人が訪れている。各界の著名人も少なくなかったが、大半は真理を求めて霊的巡礼の旅をつづける、ごく平凡な人たちだった。

シルバーバーチがいらだちを見せたり、不満を口にしたり、面倒がったり、怒りを見せたりしたことは、ただの一度もない。その叡智にあふれた言葉、世界中から尊敬と崇拝の念すら受けた流麗な言葉を聞くために週一回――晩年は月一回――その交霊会に出席した人の人間性を個人的に品定めする言葉も一切もらしたことはなかった。

本書に収めた資料の大半は、ここしばらく入手が困難だったものである。断片的にはこれまでの霊言集に出ているものも無きにしもあらずであるが、大半は交霊会が始まった初期の頃にサイキックニューズ紙に掲載されたものを切り抜いて大切に保存して下さっていた当時のメンバーの方たち(の家族)から提供していただいたもので、それに私が念入りに目を通して構成した。

こうした珠玉の教えを読み、咀しゃくして、中身の濃いものに仕上げるという作業は、実に愛と忠誠心なくしては出来ない仕事である。永いあいだ忘れられ、そろそろ黄ばみかけてきた切り抜きに新しい生命を吹き込むことができるとは、何と素晴らしいことであろう。それも詰まるところは、シルバーバーチの哲学は決して古びることも、色あせることも、又、その言葉が光沢を失うことも有りえないとの確信があればこそなのである。

かつての交霊会のメンバーの大半はすでにこの地上を去り、実りの彼岸に到達しておられる。それゆえ本書は、そうした先輩たち、見えざる彼岸とこの世との掛け橋を、苦労しつつも喜んで築いてくださった人たちに捧げるものである。

「古くさいおとぎ話はぜんぶ捨て去りなさい。愚かしい迷信を破棄しなさい。偏見のくさりを解き放しなさい。そうしたものがあなたの視野をぼかし、精神を束縛するのです。心にゆとりを持ちなさい。謙虚になりなさい。そして叡智の泉から送られる神の啓示をいつでも受け入れられる用意をしておきなさい。わたしの言葉をお読み下さる方に申し上げます――“行きて汝もそのごとくせよ”と」(ルカ伝)。

かく述べるシルバーバーチのメッセージは、かつてと同様、今の時代にも通用する。いや、今この世にいるわれわれが人生の旅を終えて本来の住処(すみか)である輝かしき霊の世界へ戻ったあとも、末永く愛読されつづけることであろう。
トニー・オーツセン

巻頭のメッセージ
わたしは荒野に呼ばわる声です。

大霊の使者の一人として地上へ参っている者です。

わたしがどの程度の霊であるかは、

わたしの説いていることが志向しているものから判断してください。

わたしの述べるささやかな言葉、わたしの誠意、わたしの判断、

皆さんとともに励んでいる真理普及の仕事が、

たった一つの魂の支えとなり、たった一つの魂に安らぎを与え、

暗闇の中でもがいているたった一つの魂に

光明をもたらしてあげることが出来たら、

それだけでわたしはうれしいのです。

シルバーバーチ