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 散歩途中の民家の壁に、近隣集落の盆踊りのポスターが掲示されていた。新興住宅街である私の住む街の盆踊りは土曜日の夜だったが、こちらは昔ながらの8月24日の地蔵盆の開催である。会場は「銭塚地蔵」横の公園だ。銭塚地蔵でもお祭りがあり、詠歌踊りが奉納されるとある。 銭塚地蔵は、この界隈では由緒のある地蔵尊である。戦国時代末期の民話に登場し、浅草の浅草寺境内にも分祀された銭塚地蔵がある。
 お昼前に会場近くの診療所で受診した帰り、銭塚地蔵に寄ってみた。参道と思しき小道の両側を銭塚地蔵の幟が埋めている。お堂の中では世話人らしき数人のお年寄りたちが世間話に花を咲かせている。いつも閉ざされているお堂の扉が今日ばかりは開いている。お賽銭を入れた後、お堂に上がり初めて地蔵尊にお参りした。この地域の郷土誌「山口村誌」に掲載されていた写真と同じ本尊が、祭壇の奥に祀られている。画像を入手できるまたとない機会である。お年寄りたちに声を掛け、デジカメ撮影を打診した。ホームページでの紹介という趣旨には、反応が鈍かったおじいさんたちも、浅草の銭塚地蔵もお参りしてきたという言葉には、敏感だった。そんなに熱心な人ならいいでしょうということで無事撮影のお許しが出た。  
 夜7時前、銭塚地蔵を再び訪れた。境内横の墓地の空地に小さな舞台が設けられ、舞台の袖で数人のおばあさん達がご詠歌をあげている。舞台上ではゆかた姿の小学生の女の子達がご詠歌のリズムに合わせて「ご詠歌踊り」を舞っていた。地域の伝統行事が細々ながら継承されている。