What's Old(1999年7月〜12月)


'99.12.27
  • 読書記録更新。
    今年最後のベストセラー、ハリー・ポッターシリーズは、はっきり云っておすすめ。
    原書のイラストや、活字の込み具合から、ジュブナイルの可能性が高そうに見えるが、
    ジュブナイルではなく、ヤングアダルト。かつ、主人公もかなりシリアス。
    こんなことなら、2月、7月、11月と見送らず、さっさと買えばよかった。

  • 北森 鴻 『花の下にて春死なむ』 もなかなかよい。
    『終の棲み家』は傑作。空想だけによって書かれたものとは、とても思えない。
    タイトルは春だが、最終章の『魚の交わり』は、ちょうど今と季節が重なる。
    このタイミングで読めたことがうれしい。作品のラストから引用、

    あと数日で、今年が終りますね
'99.12.20
  • 類多項式(Weber class polynomial)の計算結果(D=−1〜−4999)を、 こちらに掲載。
    前回「Dの値によっては全然収束しないものあり」というのは、
    a=cのとき、bの負の値を取っていなかった、というつまんないバグが原因でした。
    今回は全部 exact value です。
'99.12.19
  • Birthday Paradox

    ある程度の人数が集まっていて、
    その中で同じ誕生日の人がいる確率が 1/2以上になるのは、
    何人以上集まった時か。

    という有名な問題があります。
    直感的に考えると、1年は365日だから、半分の183人以上必要なような気がしますが、
    確率を計算すると、実際は23人以上集まれば条件が満たされることがわかります。
    これはどこにも矛盾はないのですが、23人という数字が183人に比べて小さいので、
    直感に反するという意味で Birthday Paradox と呼ばれています。
    読者から質問があり、簡単な解説を書いてみました。

  • 読書記録更新。
    ケストナーは収穫だった。3冊の中では、やはり 『雪の中の三人男』 がいい。

  • 『表紙の言葉』更新。
    前回からほぼ1ヶ月。今回はちゃんとコメントもあり。
    やはり、このぐらいの間隔がちょうどいい。
'99.12.14
  • 読書記録更新。
    最近ではめずらしく、1冊の本を1日で読みきり、のパターンです。
    恩田 陸はよい。北森 鴻もよい。もちろん、ケストナーもよい。

    ところで、恩田陸を読んでいて気が付いたことがあるのですが、
    この人は「海辺」「母親」に対するトラウマのようなものでもあるのでしょうか。
    ちょうど、DQシリーズで「父親」だけが特別視されているように。
    (DQの方もトラウマなのかどうかは知りませんが)。

  • ボーナスが出たので、CDの無駄遣い購入。
    (既にLPで持っていたり、テ−プにとってあるので、今更わざわざ
    CDを買う必要はないのに買ってしまった、という意味。)

    • "The Best of YES (1970 - 1987)"

      日本だけのベスト版。
      "America" のアレンジが "Yesterday's" に比べて妙に短いので違和感がある。
      "Siberian Khatru", "Sound Chaser", "On the Silent Wings of Freedom" と
      YES らしいプログレハードナンバー続けて聞けるというのがうれしい。

    • "クリムゾン・キングの宮殿"

      いつかCDを手に入れようと思っていたが、やっと念願がかなった。
      これを聴くと、2・3日は『風に語りて』のフルートが耳から離れない。

    あと、ちょっと前の話になりますが、ロンドンで買ってきたやつ。

    • Rick Wakeman, "White Rock II 1999"

      「何これ!(そんなものがあったのか!)」
      と、ファンなら無条件で買ってしまうであろう1枚。
      残念ながら中味は "White Rock" の影も形もない。
      (最近の Renaissance が、昔の Renaissance ではないように)。

      ところで "White Rock" といえば、

      別にサントラではなく、
      映画のLDそのものを買ってしまえばいいじゃないか

      と思い付き、ちょくちょく探してはいるが、残念ながら見つからない。

    • Renaissance のライブは買い逃し。
      (まさか日本で売ってないとは思わなかったもので)
'99.12.08
  • 読書記録更新。恩田 陸浦賀 和宏は今年の収穫。
    ケストナーもこれまで『点子ちゃんとアントン』しか読んだことがなかったが、なかなかよい。

  • 『リンク集』更新。

  • 12/5、苫米地氏、鵜飼氏と飲み会。一応、円分数メンバーの忘年会のつもり。
    来年1月には、森本、木田両先生の試験休みを見計らって、新年会をやりたいと思います。
'99.11.30
'99.11.29
  • レメディオス・バロ関係でもう一つ。
    ガルシア・マルケスの『百年の孤独』の新訳版が出ていますが、あれの表紙がバロの
    『螺旋の運行(Transito en espiral, 1962)』です。

  • 友愛数関係のリンク情報が、河本氏より送られてきました。

    • Mr. Pedersen, http://www.vejlehs.dk/staff/jmp/aliquot/tables.htm
    • Mr. Weisstein, http://www.treasure-troves.com/math/AmicablePair.html
    • http://www.treasure-troves.com/math/Breeder.html
    • Mr. Moews, http://xraysgi.ims.uconn.edu/amicable.html#sociable

    これらの exhaustive search の結果は te Riele の計算結果の遥か上を行っていて、
    無謀な計算に突入する前にこれらの結果を知ってよかったとつくづく思いました。

'99.11.22
  • 『リンク集』更新。
    特に「2.数学関係(海外)」に追加したものは、どれも必見と云っていいと思います。

  • 11/21、神奈川県立近代美術館、レメディオス・バロ展。
    「テーブルの上に忘れられたコップ」は、
    『オリノコ河の水源の探求』に見ることができます。

  • 先週のロンドンの話。
    今、イギリスでも毎日朝8:00からポケモンを放送しています。
    まだ始まったばかりのようで、11/10 はフシギダネ(Bulbasaur)、11/11 はヒトカゲ(Charmander)。
    (ついでに云うと、ゼニガメ(Squirtle)、ピカチュウ(Pikachu)、ニャース(Meowth)、
     サトシ(アッシュ)、タケシ(ロック)、ロケット団(team Rocket))
    街中にはポケモンの広告の2階建てバスも走っています。
    4日目の朝、写真に撮ることができ、まさに「ポケモン、ゲットだぜ!」。
'99.11.20
  • 『表紙の言葉』更新。
    いわゆる「落とした」というやつですか? コメントも無いし……
    江口寿史の気持ちがわかったような気がする。
    ……なんて云ってないでちゃんと書きます。
'99.11.15
  • 類多項式(ヒルベルト類多項式)。
    −2000までの値をこちらに掲載しました。
    計算方法等の解説については近日中。
'99.11.08
  • 類多項式(ヒルベルト類多項式)計算について。
    −3959で残念ながら桁あふれ。これ以上は GMP で書くか、根本的な見直しが必要。
    Exact な値は −2000までは計算できました。とりあえず、都立大のデータよりは上です。

    ついでに Weber class polynomial も実装。IEEE P1363 に出ているのをそのまま。
    結果は 5000(−5000)まで。
    ただし、こちらの方はDの値によっては全然収束しないものあり。

    どちらも、かなりサイズが大きいので(Hilbert class polynomial の方は8MB、Weber は 4.5MB)
    圧縮してアップロードの予定です。

  • 11/8〜11/12 は3回目のロンドン出張。
    円分数データの更新は11/13になります。
'99.11.02
  • 今回も特に更新はありません。
    とりあえず読書記録は更新しました。恩田陸はなかなかよい。

  • 近日中に掲載できそうなネタをいくつか紹介します。

    5000〜6000の分割数の素因数分解結果が、未解決が50個以下になったので、そろそろ公開します。 桁数的には私の環境で分解できる範囲なのですが、もう1日に1個ぐらいのレベルに来ているので、 完全分解は年内ぎりぎりになると思います。

    類多項式(ヒルベルト類多項式)の計算結果。
    今のところ、定義どおりの計算方法で算出しています。すなわち、

    1. 判別式が D となるような2次形式を探す。
    2. その2次形式を、2次方程式と思って解く。
    3. その解(虚部が正となるもの)を、モジュラー変換で基本領域に持っていく。
    4. その基本領域の値をαとし、j(α)を計算。
      (ここで、昔計算した楕円モジュラー関数の係数を利用できる)。
    5. X-j(α)を順に掛けていく。
    6. 最後、係数は整数となることが保証されているので、近い整数に丸める。

    この方法の場合、定数項は j(α) の掛け算になるので、j(α) の計算精度がもろにきいてきます。 (正確に云うと、j(α) の小数部の絶対値が大きいときに、誤差が大きくなる)。 これの打開策としては、今のところ、

    1. 小数点以下の桁数を十分(かなり)大きくとる
    2. j(α) の項を多くとる

    というエレファントな方法しか思いつきません。
    (それでも、−3 〜 −1000 の範囲で、8個計算できないものあり。)
    都立大の ftp サイトに −3 〜 −1200 の結果があるので、
    −3 〜 −10,000 を目標としています。

    このような計算は、今更やっても成果としては認められませんが、誰かがやらなければ exact な値はわからないし、かつ、このような計算は、理論を理解して、 プログラムを組むまでのハードルが高いので、ごく一部の人間しかできません。
    そういう意味で、このような計算はやる意味があり、かつ、プロがやらないとすれば、 アマチュアがやるしかないでしょう。
    論文として発表される場が無いとすれば、やはり Web がそれを公表するに適当な場所 ということになります。一度、このような計算を行われ結果が公表されれば、 後に計算する人が、検算のために使用できるようになります。
    また、具体的な値がないとわからない、という初学者のためにも有効です。

    更に云うなら、類多項式は、楕円曲線暗号を構成する時のパラメータを選択するためにも使用できます。 従って、類多項式の計算は、実用的な面からも価値があります。

'99.10.25
  • 今回は特に更新はありません。
    『表紙の言葉』だけ change。コメントはまだ無し。
'99.10.18
  • 『表紙の言葉』は明日更新します。
    34000はまず確実に越えていると思いますが、さすがに whatsnew をたった1回挟んだぐらいで更新、 というのは精神的にきついので。

  • かわりに埋め草として、こういうものをアップロードしました。
    前々回の話で「『平和的共存』を読んでみたい」という要望がわりと多く、ただ、今手元には無いので、 そのかわりとして掲載しました。これは高校2年の時に書いて、ハヤカワのショートショートコンテストに応募し、 歯牙にもかけられなかったものです。
    原稿用紙7枚ぐらいですが、これでも1週間かかっています。当時は小川国夫を読み始めて、 なんとかその雰囲気を出したいと思い、1週間のほとんどは短くすることに費やしたのですが、 結果として削りすぎてしまい、やはりその短さが致命的です。 というより今自分で見ても、この短さではなんとも論評しようが無い、としか云いようがありません。
'99.10.12
  • 特に情報はありませんが(『読書記録』ちょこっと更新ぐらい)久しぶりに『円分数』の話。

    φ(n)=36 の系列で 114 と 126 は、元の円分多項式が、苫米地氏作成の SNFS
    (4次の多項式を使用)を適用しにくいような形をしています。これが使えないとなると、
    ECM で幸運を頼るか、PCを集めて2週間〜1ヶ月ぐらいかけて PPMPQS で分解するぐらいしか手はありません。
    先週 Alpha マシンを使うチャンスがあり、ECM4a で 114 と 126 系列を回したところ、
    なんと1日にして (126 754) の因数 166757880838950547285733655769 (p30) が見つかりました。
    去年114を、残り180個ぐらいの時1ヶ月まわして1個も見つけられなかったことを思うと、
    夢のようです。速さにすると Pentium MMX 機の 10倍ぐらいは出ています。

    一方、苫米地 SNFS については、(100 255) に挑戦したところ、2日ぐらいのふるいの後に、
    「sorry, I cannot solve it.」のようなメッセージが出て停止(無反応)。
    (55 186) に挑戦したところ、こちらは2日ほどでふるいは終了したものの、
    連立方程式を解くところで、base が17500ぐらいで、メモリ使用量が 37500 KBと表示されて、
    その後のかっこの中の数字の伸びが、2時間で50ぐらい(i.e. 17500全部で700時間)だったので、 敢え無く挫折。こちらの方は要するにメモリ不足による swap 多発が原因なので、
    いずれメモリを増設して再挑戦しようと思います。

    とにかく、36系列の SNFSが使える系列について、どのぐらいのハードのPCで、
    どのぐらいの時間ならできるかを示して、残りの分解を一気に加速したい。

'99.10.04
  • 読書記録更新。

  • 『表紙の言葉』更新。
    久しぶりにカウンタ通り(に近い)更新。コメントも少し長め(本当はもっと書きたい)。

  • 東海村の事故には特別の感慨があります。
    なぜなら、私が大学1年の時に書いた短篇とシチュエーションがあまりにも似ているからです。

    これは、SF研の夏季合宿で各自1編ずつ書いて持ち寄る、 ということで、苦し紛れに一晩で書いた20枚弱の作品で、 当時はワープロもないし、コピーは金がもったいなかったので原稿は残っていません。 部室にはあるのかも知れませんが、今となっては、1から書き直した方がましなレベルの代物です。

    タイトルは『平和的共存』。簡単にストーリーを説明すると……

    まず、主人公の元に深夜、電話がかかってくる。
    原発に隕石が直撃した、という所長からの電話だが、
    あまりの内容に現実とは思えず、また、そのまま寝入ってしまう。

    翌朝、新聞を見て、本当に事故が起きていることを知り、現場の近くに行こうとする。
    既に、半径10キロ以内の住民は強制避難になっており、あたりは静かだが、
    なんとなく様子がおかしい。
    まず、自家用車にはガイガーカウンタを付けているが、いつもと同じ反応。
    検問でも、職員だということを告げると、あっさり通してくれる。
    近づくにつれて異常が判明する。
    建物はほぼ全壊だが、放射能は全然漏れていないのである。
    ……

    で、長くなるので以下は省略しますが、20枚弱という枚数で、この後、
    放射能漏れの無い理由、それが原因で起こる、もっと根本的な大問題、
    それに対する複数の解決策とそれを巡る主人公(技師)と所長(体制と組織の板挟み)の対立、 そして、主人公がとった行動、ということでちゃんと完結しています。

  • 感慨の一つは、10キロという数字。
    適当に決めた数字なのですが、3マイルかチェルノブイリの時に、
    現実の値と一致していることを知り、ひじょうに驚きました。

    それから所長の取った行動。
    私のストーリーでは、早い段階で収束宣言が発表されますが、
    これは混乱収束のための政治的判断で、実際には問題は解決しておらず、
    それが原因で、主人公は最後に組織と袂を分かちます。

    今回も翌日には収束宣言が出され、その後の報道のなされ方も似ています。
    (と書くと、まるで現実にも問題のあるような含みですが、今度の場合は、
     私の小説のように壊滅的状態になっている訳ではないので、正しいと思います。
     (Webでの発言は社会的責任を伴うので、一応フォローしておきます。
      別に煽ることは目的にしていないし、誰かを中傷したり非難したりする気もありません。))

    ただ、あまりにも早過ぎるし、放射能汚染に対する処置がこういうものでいいのか、
    という、初歩的なレベルでの疑問も残ります。
    調査の進行と共に、どのように事態が解明されて行くのか、興味深いところです。

'99.09.27
  • 読書記録更新。

  • 『積読』を更新したいのですが眠いので1冊だけ。
    ずっと抱き合わせ販売になっていた岩波の『現代数学への入門』シリーズが、
    第2刷目にして、ジャンルごとに入手できるようになり、大阪大 山本教授の『数論入門1、2』
    がまとめて買えるようになりました。
'99.09.20
  • 『表紙の言葉』更新。
    カウンタ1000回で更新と云いつつ、500回近くになって更新というのもしらじらしい感じがしますが、 更新間隔から云えば、かつてはこのぐらいが妥当でした。
    今回だけは本当にきりのいいところで終わらせる、というのも面白いかもしれない。
    (内容と符合するので)

    『表紙の言葉』は今後とも1000回単位で更新していこうと思います。
    1作家1回のみ、という制約はキツイので取り払うことにします。
    (できるだけ挑戦しようとは思いますが)

  • 読書記録更新。

    『どちらかが魔女』のクイズは、『幻惑の死と使途』の萌絵の手品と同じで、
    トリックでもなんでもないが、ある一面から見れば、理由がわからない、という例の一つ。
    この話自体は知りませんでしたが、聞いた瞬間に理由は思い付きました。
    ただ自分の知っている範囲で云うなら、デューラーは別の方法でやったし、
    ダ・ヴィンチならこうする必要はなかったのではないのか、というのが第一感です。

  • 9/10 家内の父親が死去。72歳。今の時代では、やはり若すぎる。

'99.09.06
  • ひさしぶりに中味のある更新。
    素因数分解結果に、0〜5000の分割数を追加。
    (注:1000個単位なので、サイズがでかいです。)

    「4000までは完了」と書いてから、4001〜5000の1000個を分解するのに、
    約1ヶ月近くかかったことになります。
    予定としては1万までやるつもり。
    ただし、RSA Factoring Challengeには、現時点では挑戦するつもり無し。

'99.08.30
  • 読書記録更新。今回はちょっと収穫。

  • 『表紙の言葉』更新。
    前回のコメントも一行で終わらせたまま、もう次の回が来てしまった。
    先週、急に寒くなって、季節外れの風邪でダウン。
    今週からは復活できると思います。
'99.08.24
  • 素因数分解関係以外は特に更新無し。
    『読書記録』は、読了がたまってきたので、近日中に更新します。
'99.08.16
  • 読書記録更新。今回はどれもおすすめです。

  • 正確に云うなら、まだ「不幸」は起っていません。
    しかし、いつ起きてもおかしくないような状態にあります。
    という訳で、8/12〜18の夏休みは、ずっと自宅待機。
'99.08.09
  • 『表紙の言葉』更新。
    今、身内の不幸があり、少しバタバタしています。
    正直云って、次、いつ書けるかわかりません。
    せっかくの3万越えで、更新なしでは寂しいので、「表紙の言葉」だけは更新しておきます。

  • Overview of "Mathematician's Secret Room"
    -- Challenges to the Unsolved Problems in Number Theory -- 掲載。
'99.08.05
  • 短信。
    7/16にIgol Schein宛に『円分数の素因数分解(その4)』を送ったのですが、
    今日「受け取った」とのメールあり。
'99.08.04
  • 世界に広げよう 素因数分解の

    という訳で、本日は Allan MacLeod からのレポートです。 中には因数40桁越えもあります。
    対象となっている数が特殊数体ふるいにはのらないような形で、 かつ桁数的にも複数多項式はぎりぎりのところなので、楕円曲線法か一般数体ふるいということになりますが、 どちらでやったとしてもすごい。

'99.08.03
  • 8/1無事ロンドンより、帰国。

  • 初の海外オフラインミーティング。
    7/31に『円分数の素因数分解』でおなじみの Andy Steward と会ってきました。

    彼は、現在36歳ということですが、日本人の目から見ると、もっと年上で、 ほとんど大学教授のように見えます。 数年前、前の仕事で少し収入があって、それをきっかけに仕事もかわり、 再び数学の勉強も始めたそうです。 PCを買って、最初、Visual Basicで多倍長のライブラリを作ったが、 その後 Ubasicを知って、6倍速いのに驚き、それ以降は UBASIC 一本のようです。

    素因数分解は、最初 b^n +- 1 (b=2, ... 10) を分解していたが、 そのうちに Cunningham Project の存在を知り、 bを11から99の範囲にしたら、今度は Web で Brent の ftp サイトの存在を知ってしまい、 bを100から1000にしようとして、Paul Zimmerman のページから円分数の存在を知った、 ということです。

    分解アルゴリズムは 主に p-1 と p+1 。 p-1 はUBASICに添付されていたものを修正して、B1=250000, B2=B1*100にしたもの p+1 は自作。 Cohen の"A Course in Computational Algebraic Number Theory" が私のバイブルだと云っていました。

    5時間ぐらいの間、英語で話していることを忘れるぐらい、ほとんど、 先日の飲み会のような盛り上がりようでした。

    最後、渡した『円分数の素因数分解(その4)』に、「サインしてくれ」というので、
    英語と日本語でサインしましたが、
    私のサインなんかもらって、どうしようというのでしょうか

  • それにしても、海外の見知らぬ相手とのメールのやりとりがはじまる、 というだけでも結構すごいと思いますが、実際に会うまでに至るとは、 本当にインターネットの威力はすごい。
    例えば、仕事上ボストンに行く機会もあるので、その時は Igol Schein とも会える訳です。

    すごい!すごい! なんだか、すごいぞ!
'99.07.26
  • 今日は特に更新なし。こう暑いと、何もする気が起きない。

  • これまで、Windows95のDOS窓ではEMSが使えないと思い込んでいたが、
    先週、ふとしたきっかけで、使えるということが判明。
    EMSが使えると、UBASICで多倍長の配列を大量に確保することができるので、
    いろいろ便利なのですが、やろうと思っていたことは別の手段でほとんど
    既にやってしまったので、わずかに残っていたこと、10000までの分割数の計算
    をやってみました。
    RSA社の RSA Factoring Challenge の Partition List の数字でチェックしたので、
    計算結果が正しいことは確認できています。ファイルサイズが800KB強あるのでまだ載せませんが、 いずれひととおり素因数分解できたら upload します。現在、4000までは完了。
'99.07.20
  • 『表紙の言葉』更新。
    速い。本当に早過ぎる。今回は3週間もっていません。
    前回の『プロスペロの本』の英語・訳引用をしようと思っていたが、間に合わなかった。
    次回はいよいよ30000回なので力を入れたいのですが、この分だと、
    今月末のロンドン出張から帰ってきたら、残り100ぐらいになっていそうで、ヤです。
'99.07.19
  • 先週、UBASICのPPMPQSの連続実行の仕方を木田教授・苫米地両氏から教えてもらい、3つ程分解。
    処理時間は、80桁がPentium MMX 233MHzで50時間、81桁がPentium II 266MHzで40時間、 82桁がPentium MMX 233MHzでやはり50時間ぐらい(よく覚えていない)。
    結果はこちらです。

  • 読書記録更新。
'99.07.12
  • 7/9 第1回 円分数オフライン・ミーティング実施。
    今回は東京勢が中心で、参加メンバーは、森本教授、木田教授、苫米地氏、鵜飼氏、伊豆氏、宮崎氏、 私を含めて7名。これに山崎氏、鳥居氏と、(本ホームページでは出演していないが)東芝の秋山氏を加えると、 ほとんど「日本素因数分解学会」といった顔ぶれです。
    森本教授から、ちょうど刷り上がった、上智大学数学講究録『円分数の素因数分解(その4)』を受け取った後は、 ほぼ全員が初対面であったにもかかわらずものすごい盛り上がりようで、私自身も終わる直前まで、 デジタルカメラを持って来ていたことを忘れていて、あやうく記念写真を取り忘れるところでした (近日中に、掲載します)。
    私としては、4時間程度では、全然しゃべり足りなかった感じがするので、また企画したいと思います。

    講究録は、本郷の「マテマティカ」「友隣社」で発売中です。

  • 『読書記録』ほぼ1ヶ月ぶりの更新。
'99.07.09
  • 38番目のメルセンヌ素数が 6/1 に発見されたそうです。
    値は、2の6,972,593乗−1
    べきの値自体が直前の記録の2倍以上なので、完全に大穴狙いです。
    詳細情報は、http://www.mersenne.org/status.htm で見られることにはなっていますが、
    今見に行ってもだめです。アクセス数が多過ぎて繋がりません。
    数学関係のサイトとしては異例の高ヒットを重ねている最中だと思います。

  • 本&音楽ネタ。
    『A YOUNG PERSON'S GUIDE TO PROGRESSIVE ROCK』
    まず、タイトル自体、わかる人にはわかる、というのがうれしいです。
    マーキー等の専門出版ではなく、音友というメジャーから出版されているのもうれしい。
    これに 1 artist あたり3分ぐらいでサンプルCDを付けてくれると最高なのですが。

  • 『数学者の密室』6章 自然数の加法回文性(palindromic numbers)。
    1000000以下で発散しそうなもの。20000桁まで平均48000回強づつやったが、収束せず。
    13桁全数調査もかなり時間がかかっています。
'99.07.05
  • 今回は、たいした更新はありません。

  • 『数学者の密室』6章 自然数の加法回文性(palindromic numbers)。
    13桁全数調査は、プログラム上ちょっとバグがあり、失敗。
    今やりなおしていますが、一晩程度では終わりません。
    n=1000006412206, count=186の次の結果が出ることを期待。

    1000000以下で発散しそうなものについては、10000桁まで、だいたい24000回づつやって、 全て、収束しないことを確認しました。

'99.07.02
  • 『表紙の言葉』更新。
    これを書くために『Image Forum 1992 1月増刊号』をダンボールの底から発掘したのですが、 肝心の訳の部分は、結局、引用ではなく自分で訳しました。
    それでは、何のために発掘したかと云うと、24冊の本の中から、表紙に最もふさわしい1冊を選ぶためです。

  • 『数学者の密室』6章 自然数の加法回文性(palindromic numbers)
    昨日、1012の直前で中間結果がファイルに吐き出されなくなり、あきらめて寝たのですが、 寝ておいてよかった。今日、retryしたら、その次の結果が出るまでに7時間かかりました。

    13桁になったら、かなり進捗が遅い。
    digit=13, n=1000006412206, count=186
    というのが見つかりました。13桁の前半では、もう少し見つかりそうな気がします。
    ただ、13桁全数調査はかなり時間がかかりそうなのと、これまでの傾向から、
    偶数桁の時は記録更新がないので、この後続けるのはかなり難しそう。
    例えば視点を変えて、1000000以下で発散しそうなものについて、1000回ずつやってみる、 というのを一応見ておいた方がいいかも知れない。

  • …… これだけ続けば『日記』と言い張っても、遜色はないでしょう。
'99.07.01
  • 4日連続更新。

    2年前、初めの頃は、ほぼ毎日更新していました。
    1日のアクセス数は2件。
    1件は自分で、もう1件は、更新のためのftp。

  • 『数学者の密室』6章 自然数の加法回文性(palindromic numbers)。今度こそ更新。

    「有限回で収束」は、9桁以上では、

    100239862(97回)
    140669390(98回)
    1005499526(109回)
    10000442119(112回)
    10000761554(113回)
    10000853648(131回)
    10000973037(135回)
    10031199494(147回)
    10087799570(149回)

    11桁ではこれが最高。
    12桁でもこれが最高です。
    13桁は2日ぐらいあれば検証できると思います。
    14桁は、その倍。15桁は、更にその倍。

    ただ、思った程、性能は出ていません。
    やはり桁が大きくなるにつれて、桁数いっぱいまで足し算を必要とする数 が多くなってしまうためでしょう。

  • ちょっと話題を変えて、

    CD3枚。

  • 松浦有希 『invisible circle』

    この季節、ひじょうに爽やかでいいです。
    残念ながら『トランスパランス』のセルフカバーは入ってなかった。
    (それを「残念」と思う人は、いるんだろうか。)

  • Bill Bruford's Earth Works, "A part, and yet apart"

    Jazzというよりも、クロスオーバー(って、ひょっとして死語か?)。
    これも、何時間聴いていても飽きないような感じ。

  • Annie Haslam, "Live Under Brazilian Skies"

    "The Captive Heart" の丁寧なpianoも、初めて聴いた時の感動を思い起こさせるが、
    "Seashell Eyes"最高。
    Renaissance を最初に聴いたのは、"Live at Carnegie Hall" の中の "Ocean Gypsy" で、 ラジオからあの声が流れてきたとき、「この世にこれほどまでに美しい音楽があったのか」 と完全に聞き惚れて、ため息しか出なかったが、今回の"Seashell Eyes"も、 ほとんど、それに匹敵します。 だまされたと思って、聴いてみるべきでしょう。 これほどの名曲には、そうそう出会えるものではありません。
    "Seashell Eyes" の次の "Summon The Angel" もよい。


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三島 久典