<凡例>
冊数 | タイトル | 出版社 |
読了日 | 著者 | 初版 |
評価 | コメント |
<ジャンル分け>
理工系 | 人文系 | 文学 | 社会・実用書 | 未分類 |
No. 74 1999/12/30 ◎ |
狐罠 | 講談社 |
北森 鴻 | 1997/05/25 | |
よくここまで調べて書き込んだと思う。 この高いクオリティを味わった後では、最近の「お宝」という言葉の軽薄さが、 いよいよ鼻についてくる。 | ||
No. 73 1999/12/26 ◎ |
Harry Potter and the Philosopher's Stone ハリー・ポッターと賢者の石 |
静山社 |
J. K. Rowling | 1999/12/08 | |
原書の表紙のイラストを見て、ヤングアダルトなのかジュブナイルなのか区別がつかず、 ファンタジー系としては、久々のヒット。 | ||
No. 72 1999/12/25 ◎ |
花の下にて春死なむ | 講談社 |
北森 鴻 | 1998/11/15 | |
まるでノンフィクションのようなリアリティ。 タイトルは春だが、最終章の『魚の交わり』は、ちょうど今と季節が重なる。 あと数日で、今年が終りますね | ||
No. 71 1999/12/22 ◎ |
花ごよみ | 講談社学術文庫 |
杉本 秀太郎 | 1994/09/10 | |
いろいろな花を題材にした俳句・短歌・詩について、著者の記憶の赴くまま書き綴った本。 | ||
No. 70 1999/12/19 ○ |
アインシュタインとファインマンの理論を学ぶ本 相対性理論と量子電磁力学入門 | 工学社 |
竹内 薫 | 1994/10/10 | |
レイアウトがよい。とにかく見やすい。 | ||
No. 69 1999/12/15 ◎ |
Der Kleine Grenzverkehr 一杯の珈琲から |
創元推理文庫 508-3 |
Erich Kaestner エーリヒ・ケストナー |
1975/03/26 | |
巻末の紹介文を引用する。 音楽の都ザルツブルクでひと夏を過ごそうち国境の近くのドイツ側の町に宿をとったゲオルク。 タイトルのとおり一杯のコーヒーから始まる物語。 | ||
No. 68 1999/12/12 ○ |
不安な童話 | ノン・ノベル |
恩田 陸 | 1994/12/01 | |
この人は「海辺」「母親」に対するトラウマでもあるのだろうか。 | ||
No. 67 1999/12/11 ○ |
メビウス・レター | 講談社 |
北森 鴻 | 1998/01/25 | |
入り組んでいる構成故に、どうやって作ったかよくわかる。 | ||
No. 66 1999/12/10 ◎ |
Die Verschwundene Muniatur 消え失せた密画 |
創元推理文庫 508-1 |
Erich Kaestner エーリヒ・ケストナー |
1970/02/13 | |
巻末の紹介文を引用する。 デンマークの都コペンハーゲンで時価60万クローネの高価な密画が巧妙な盗難にかかった。 創元推理文庫では『雪の中の三人男』よりも先に出ているが、書かれた年代はこちらの方が後。 | ||
No. 65 1999/12/05 ◎ |
球形の季節 | 新潮文庫 |
恩田 陸 | 1999/02/01 | |
前半に比べて後半がこれでは物足りない。タイトルの意味もわからない。 | ||
No. 64 1999/12/02 ◎ |
Drei Maenner Im Schnee 雪の中の三人男 |
創元推理文庫 508-2 |
Erich Kaestner エーリヒ・ケストナー |
1971/11/26 | |
巻末の紹介文を引用する。 貧乏人に変装しておしのび旅行を始めた百万長者の枢密顧問官。 品のいいドタバタ。自然と次が気になるような展開。やはり古典だと思う。 | ||
No. 63 1999/11/26 ◎ |
とらわれびと | 講談社ノベルス |
浦賀 和宏 | 1999/10/05 | |
100頁程読んで、作者が仕掛けた罠(時制の不一致)に気付く。 ただ、全体に前回よりレベルが落ちたような気がする。 | ||
No. 62 1999/11/22 ◎ |
Projects in Scientific Computation サイエンス・プログラミング より進んだ科学計算へのアプローチ |
シュプリンガー・フェアラーク東京 |
R. E. Crandall R.E.クランドール |
1998/08/21 | |
同著者の 『Mathematica :理工系ツールとしての』 及び、 『Mathematica 計算の愉しみ』 の Power up version。この手の話題について、ここまで掘り下げて書かれている本は他にない。 訳さえよければ文句なし。 これだけの課題を解決している著者をして「難しい」と云わしめる以下の問題は、 紙をぐしゃぐしゃに丸めたとき、元の紙の面積と出来上がった球の半径は、 | ||
No. 61 1999/11/21 ○ |
Tales from Shakespeare シェイクスピア物語(ルビ訳) |
講談社ルビー・ブックス |
Charles & Mary Lamb ラム |
1999/08/05 | |
『Tales from Shakespeare』から11編を抜粋。本文の主な単語にルビがふってある。 | ||
No. 60 1999/11/17 ○ |
中世シチリア王国 | 講談社現代新書 |
高山 博 | 1999/09/20 | |
西暦1000〜1200頃の約200年に渡るシチリア王国の歴史。『海の都の物語』を小ぶりにしたような感じ | ||
No. 59 1999/10/27 ◎ |
三月は深き紅の淵を | 講談社 |
恩田 陸 | 1997/07/07 | |
1章、2章はひじょうによい。 | ||
No. 58 1999/10/26 ○ |
道 ― ジェルソミーナ ― 私立探偵飛鳥井の事件簿 | 集英社文庫 |
笠井 潔 | 1999/10/25 | |
これを読んだ後、ふと思い付いたこと。
笠井潔の小説の主人公は、孤独を好んでいる訳ではない。また、他者を拒んでいる訳でもない。 まず、明らかに孤独でない証拠に、矢吹駆にはパートナーがいるし、別に突き放してもいない。ただ相手にしていないだけで ある。また、飛鳥井も個人営業ではあるものの、同業者仲間はいるし、何よりも、探偵業という、赤の他人を相手にした商売をしている。
要するに彼らは、自分に興味の無い話題に参加していないだけなのである。 これは、何よりも、私が彼らと同じ性格で、かつ、日々、同じような状況に陥る傾向が高いから、よくわかる。 | ||
No. 57 1999/10/15 ○ |
11文字の殺人 | 光文社文庫 |
東野 圭吾 | 1990/12/20 | |
宮部みゆきのあとがき「常に闘いながら自主独立を保ち、闘うことによって「個」を維持し続ける」登場人物、 | ||
No. 56 1999/10/14 ◎ |
宿命 | 講談社文庫 |
東野 圭吾 | 1993/07/05 | |
人から借りてすぐカバーをかけてしまったので、途中までタイトルがわからないまま読んでいた。 『放課後』と雰囲気は違うが、やはり「ほろにがさ」という点では共通している。 | ||
No. 55 1999/10/11 ○ |
The Last Slice of Rainbow and other stories ぬすまれた夢 |
くもん出版 |
Joan Aiken ジョーン・エイキン |
1992/09/12 | |
短篇童話集。井辻朱美訳と、マーガレット・ウォルティーの「さけぶ髪の毛」のイラストにひかれて | ||
No. 54 1999/10/06 ◎ |
夢幻巡礼 | 講談社ノベルス |
西澤 保彦 | 1999/09/05 | |
「神麻嗣子シリーズ」と云いつつ、出てくるのは能解匡緒のみ。しかも推理にはほとんど参加していない。 | ||
No. 53 1999/09/29 ○ |
Rules for Revolutionaries 神のごとく創造し、奴隷のごとく働け! |
ダイヤモンド社 |
Guy Kawasaki ガイ・カワサキ |
1999/07/15 | |
タイトルのとおりビジネス書。普通なら絶対手に取ることはなく、しかも背表紙が視界にさえ入らないたぐいの本。 原文の内容は訳者の文ほどシニカルではないが、行儀の良い教訓のみで終始していないところがよい。 | ||
No. 52 1999/09/28 ○ |
Tales from Shakespeare シェイクスピア物語 |
新潮文庫 |
Charles & Mary Lamb ラム |
1952/07/20 | |
今回『冬物語』を始めて読んで知ったのだが、シェイクスピアは天才的なミステリ作家である。 | ||
No. 51 1999/09/27 ◎ |
8時だヨ!全員集合 伝説 | 双葉社 |
居作 昌果 | 1999 | |
当時の舞台セットが挿し絵として描かれている。それを見ているとものすごく懐かしく感じる。
こういう単刀直入に面白い番組を、今もやって欲しい。子供のために見せるのではなく、自分が見たい。 | ||
No. 50 1999/09/23 ○ |
人形式モナリザ | 講談社ノベルス |
森 博嗣 | 1999/09/05 | |
中盤、小鳥遊練無が一瞬だけ輝く。 第一刷は、目次に誤植あり。 | ||
No. 49 1999/09/20 ○ |
ディオニシオスの耳 | 徳間書店 |
湯川 薫 | 1999 | |
『ペンローズのねじれた四次元』の竹内 薫が書いたミステリー。 | ||
No. 48 1999/09/19 ○ |
三匹の猿 私立探偵飛鳥井の事件簿 | 講談社文庫 |
笠井 潔 | 1999/08/15 | |
本当に探偵が出てきて、地道に調査して、順に解決していく。 | ||
No. 47 1999/09/18 ○ |
メフィスト 小説現代9月増刊号 | 小説現代 |
1999/09/14 | ||
森博嗣、西澤保彦、京極夏彦、島田荘司、綾辻行人、…… 以下錚々たる顔ぶれ。 法月綸太郎は、あいかわらずやってくれる。 島田荘司もやってくれた。 恩田陸がやはりよい。しかし、今回結末を読んでしまった。 | ||
No. 46 1999/09/16 ○ |
The Cambridge Quintet: A Work of Scientific Speculation (原書) | ABACAS |
John L. Casti | 1998 | |
1949年6月のある晩、C. P. Snow の招きに応じ、Turing、Wittgenstein、Haldane、Schroedinger、が一堂に会し、 全体に薄い。掘り下げが浅い。Wittgenstein が精彩に欠ける。 日本語版のタイトル
『ケンブリッジ・クインテット』
は最悪。
ケンブリッジの5人衆 〜 現代版 科学と知の『饗宴』というような感じ。 | ||
No. 45 1999/09/02 ◎ |
はじめての哲学史 強く深く考えるために | 有斐閣アルマ |
竹田 青嗣・西 研[編] | 1998/06/20 | |
哲学の通史の本はよくあるが、この本の場合、古代と現代がちゃんと同じ物量で書かれている。 そこが類書と異なる。 いろいろ抜けている部分もある。例えばピコ・デラ・ミランドラとかあの時代の話。 「高校の時」というのは20年ちょっと前の話だが、その時点でも、少し古くなっていた捉え方だと思う。 | ||
No. 44 1999/08/25 ◎ |
ななつのこ | 創元推理文庫 |
加納 朋子 | 1999/08/20 | |
ミステリー的にはそれほど大きな出来事は起きないが、それでも、日常生活の中で、 伏線としては、究極の形ではないのか? | ||
No. 43 1999/08/22 ◎ |
散歩者の夢想 | ランティエ叢書 |
埴谷 雄高 | 1997/12/28 | |
「冥府の旅 姿なき司祭」がおもしろい。 | ||
No. 42 1999/08/17 ◎ |
ペンローズのねじれた四次元 時空をつくるツイスターの不思議 | 講談社ブルーバックス |
竹内 薫 | 1999/07/20 | |
肝心のツイスターの説明はほとんどないが、ペンローズの業績がいろいろわかりやすく書かれている。 | ||
No. 41 1999/08/16 ○ |
A World of Words - 英語にみる言葉の宇宙 | 洋販出版 |
Peter Milward | 1998/07/20 | |
海外出張の前は、英語をしゃべるための筋肉を慣らすために、英語の本を音読するようにしている。
そのための本。 | ||
No. 40 1999/08/16 ○ |
本陣殺人事件 | 角川文庫 |
横溝 正史 | 1973/04/30 | |
「史上初、日本家屋での密室」という惹句にひかれて読んだが……。 一時期、横溝正史をいろいろ読んだ時期があった。それは特に興味があった訳ではなく、寮の廊下に大量に捨ててあったので、 単なる貧乏性から、思わず拾ってしまったに過ぎない。 その時読んで受けた印象はほとんど忘れていたが、今回思い出した。 現代のパズラー本格物は、一応写実主義リアリズムの体裁をとるから、 ところが横溝正史の場合は、まず「世にも恐ろしい」で始まり、この描写がいつまで経っても変化しない。 今後、二度と読まないだろう。 | ||
No. 39 1999/08/10 ○ |
A Midsummer Night's Dream , The Tempest 夏の夜の夢・あらし |
新潮文庫 |
William Shakespeare シェイクスピア |
1971/07/30 | |
ちょっとプロスペロ付いたので、久しぶりに読みたくなって買った。 たまたま出張帰りの飛行機で『恋に落ちたシェークスピア』をやっていた。 | ||
No. 38 1999/08/10 ◎ |
史上最強のオタク座談会 (1) 封印 | 音楽専科社 |
岡田 斗司夫/田中 公平/山本 弘 | 1999/08/05 | |
新幹線の中で読んでいて、P.56の「ピーチボーイ」のところで思わず声を出して笑ったら、 本文中では名前は伏せられているが、その人の声(シャアの声)の留守電を聞いてみたい。 私は今、外出中だ。みたいな。 | ||
No. 37 1999/08/06 ◎ |
頭蓋骨の中の楽園 | 講談社ノベルス |
浦賀 和宏 | 1999/04/05 | |
浦賀 和宏の小説を読んでいると何故か疲れる。今回、その理由を考えてみたが、
そもそも発生する出来事が、推理小説的な事件というよりは、普段新聞で見るような刑事事件に 『季節の模型』がなかなかよい。こちらの方が遥かに、詩的に私的だ。 | ||
No. 36 1999/07/25 ◎ |
大密室 | 新潮社 |
1999/06/30 | ||
収録作品は以下のとおり。
収穫は、恩田陸と北森鴻。 なかなかいい作品が揃っている短篇集で、これだけ揃えたなら、あとはやはり、 | ||
No. 35 1999/07/15 ◎ |
そして二人だけになった | 新潮社 |
森 博嗣 | 1999/06/20 | |
久しぶりに面白かった。 密室物(というか本格物)の本質はその見た目の非日常性にある。 密室を構成する第一の目的は、自殺に見せかけることにある。という趣旨のセリフを、いろいろなミステリーの序盤の部分で何回も読んだ。 しかし、それがどういう理由だったのか、今思い出そうとしても思い出せない。 それは、そもそも自分の記憶力に問題があるのは確かだが、 一方、少なくとも1名の読者は、そんなことを気にしていない、事実は残る。 そして、これは、私だけではないと思う。 要するに読者は(少なくとも私は)そんなことは望んでいない。 例えば、 コンクリートで囲まれた、隠し部屋も隠し通路も窓もない部屋があって、とか、 矢吹駆であれば、事件そのものは現象学的直感で直接本質を見抜いてしまうから、 犯人とかトリックとかそんなものはどうでもよくて(ついでに云うなら、宿敵もどうでもよい)、 犯人との哲学的論争の方が遥かに重要であったり、とか、
高田崇史であれば、巻末の曼荼羅図式とか、 今回の作品にはそれがあった。
しかし、前にも書いたが、本人がやりたいことと、読者が望んでいることはそもそも違うのである。 | ||
No. 34 1999/07/10 ○ |
Recetas contra las pesadillas 夢魔のレシピ - 眠れぬ夜のための断片集 |
工作舎 |
Remedios Varo レメディオス・バロ |
1999/05/20 | |
できれば絵の部分だけカラーにして欲しい。 プロジェクト1 テーブルの上に忘れられたコップ 今、帯のところを見て気がついたが、10/21〜11/28に神奈川県立近代美術館でバロ展をやるようである。 (『夢魔のレシピ』の詳細は、 工作舎のこちらのページ から見ることができます) | ||
No. 33 1999/07/08 ◎ |
聖書と終末論 | 小沢書店 |
小川 国夫 | 1998/09/15 | |
小川国夫は約20年前に共同訳聖書の翻訳に携わった。 預言はどうか……、廃れるだろう。という、ほとんど詩のような文体で今の聖書が書かれているのだ、と思うと面白い。 | ||
No. 32 1999/07/04 ◎ |
Imagined Worlds 科学の未来を語る |
三田出版会 |
Freeman Dyson フリーマン・ダイソン |
1998/03/10 | |
掃天観測の話は面白い。彼が夢想していたことが、だんだん現実になってくる。 | ||
No. 31 1999/07/02 ○ |
L'isola del giorno prima 前日島 |
文藝春秋 |
Umberto Eco ウンベルト・エーコ |
1999/06/01 | |
英語訳で読んだとき、話の流れがつかみきれなかったが、今回、日本語訳で読んでみて、 |
読書記録 1999 (平成11年)1月〜6月 |
『枕草子*砂の本』 | 読書記録 2000 (平成12年)1月〜6月 |
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