タイトル |
著者名 |
投票得点 |
『依存』 |
西澤保彦著 |
+5点 |
シリーズ最高傑作の名にふさわしい傑作。
巧千暁シリーズを未読の人は、できれば『彼女が死んだ夜』から、最低でも『子羊たちの聖夜』から読んでほしい。でも、すでに入手困難なんだよなあ。
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『ALONE TOGETHER』 |
本多孝好著 |
+4点 |
死の匂いがする小説集だった前作を引き継ぎながらも、主人公が自分の幻影を振り切り、呪いを祈りによって昇華させるラストは未来への希望を感じさせてくれます。
初期の村上春樹が好きな人は特におすすめ。
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『麦の海に沈む果実』 |
恩田陸著 |
+4点 |
閉鎖された奇形の学園、生徒たちの謎の失踪、そして明かされる真実。
終盤、少年と少女がワルツを踊るシーンはとても切なく、だからこそ美しい。
恩田陸は『象と耳鳴り』や『木曜組曲』などのミステリ路線より、絶対こっち系(『球形の季節』や『光の帝国』のほうがいいと思う。
ちなみに本書は恩田陸の出世作『三月は深き紅の淵に』(新潮社)の第4章の作中作の長編化とういか別バージョンでもある。
全体的には『麦の海に沈む果実』のほうが好きだけど、ラストだけは『三月は深き紅の淵に』バージョンのほうが好きかなあ。
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『オルファクトグラム』 |
井上夢人著 |
+4点 |
徹底的に書き込まれたディティールに、先を読ませないストーリーテリングの妙。
いやもう面白いのなんの。久々に夢中で読み終えた一冊。
また、青春小説として読めるのがミソ。
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『幽霊刑事』 |
有栖川有栖著 |
+4点 |
有栖川有栖久々のヒット!
特に、幽霊刑事と霊媒刑事の掛け合いが笑えます。比喩も気が利いているし、ミステリ的にも伏線がきいてなかなか。まあ多少饒舌すぎる感はあるけど、些細なことである。ラストも思いのほかさらっとしててよかった。
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『茨姫はたたかう』 |
近藤史惠著 |
+3点 |
ミステリ的にも、ヒロインへの感情移入的にも前作には少し及ばないのだけど、シリーズものとしてのキャラクターが深化してるところが読みどころ。続編がいまから楽しみでしかたない。
読むと元気になる小説で、特に女性におすすめ。
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『ヴィーナスの命題』 |
真木武志著 |
+3点 |
正直、最後まで読み終えても事件の真相は???なんだが、学園青春小説としての出来は素晴らしい、特に後半は一気読み。
まあ全肯定か、全否定か、どっちかに別れるタイプの小説ではある。
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『少年計数機-池袋ウェストゲートパーク II』 |
石田衣良著 |
+3点 |
前作『池袋ウエストゲートパーク』より、さらに巧くなってます。
フェイバリットはじじいがいい味だしてる「銀十字」。ただラストの書き下ろし以後の展開が少し心配。
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『美濃牛』 |
殊能将之著 |
+3点 |
いやあ、キャラ立ちまくりでめちゃくちゃ笑えます。私的には『ハサミ男』よりこっちのほうが好み。
ちなみにいろいろ話題になってる『黒い仏』はまだ未読。
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『少年たちの密室』 |
古処誠二著 |
+3点 |
読み進むにつれ、明らかになる残酷な事実、そしてどうしようもなくやりきれない真相。
とにかく、少年たちの描写がめちゃくちゃリアルでだからこそ痛い。
やるせないよなあ。
『無限のリヴァイアス』が好きだった人は特におすすめ。
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