特別寄稿コーナー


和尚さんの智恵袋

山内宥厳師(磐余山東光寺住職・詩人)


鷹の爪健康法

***鷹の爪が光った*** 

鷹の爪というのは、ゲド戦記にでてくる魔法使いでもなく、アメリカインディアンの 酋長の名前でもなくて、料理に使うとっても辛いとうがらしのことです。
先年スリランカで、あるハーブ植物園を見学したときに、これは爆弾といいますと いってガイドが教えてくれた、長さ1センチ太さは5ミリほどのちいさなとうがらし は、ほんとにすごい辛さで、ひとつちぎって歯のはじっこでおそるおそる噛んでみたの ですが、まさに爆弾という名に恥じない辛さでした。

とうがらしは、日本では一味という名前で小瓶につめられているのをうどんにふりか ける、ぐらいしか使わないひとが多いでしょうが、となりの韓国はキムチをはじめとう がらしの独特な文化を形成しているのはだれでも知っています。

私もインドかぶれの人間で、カリー(カレーにあらず)をよくこしらえます。  そのときにとうがらしをかなり使いますが、鶴橋の朝鮮市場で買ってくる一味とうが らしは、日本の一味にくらべるとかなりマイルドでこれをつかっています。
そういえば去年の水不足の暑い夏に、韓国のとうがらしが辛く育ちすぎて、キムチを こしらえるのに向かなくて、マイルドなとうがらしを探しているというニュースが流れ ていました。

鷹の爪はしかしやはりただのとうがらしではなくて、魔法使いの酋長だったというこ とをことし発見しました。
ご存じのように私は楽健法を普及させることを、人生の目標のひとつとして4半世 紀、ちゃらんぽらんとやって来ましたが、
こうした健康法をひとにやっていますと、上 達するにつれて、体質が霊感的になってきます。
俗にいう病気を受けると言うようなことが、ときどき起きてきます。

楽健法をやってるあいだに、相手の痛みが、自分のからだにそっくり起こったりする ことがあるのです。
そっくりといってもいわば疑似体験とでもいうのでしょうか、胃の わるいひとをやってると胃の痛みを感じたりするということが起きたりするのですが、 一昼夜もすると消滅するのがたいていの場合の経緯です。

しかし、初心者のあいだは、患者から受けるということがたび重なると、いいようの ない疲労感がおそうようになってきます。生気をすっかり奪われるような感じがするも ので、こんなことはもうやめようとおもうほど、きついものです。
こうした現象はからだに直接さわっていなくても、病気の平癒を護摩祈祷で修法して いてもしばしば体験します。

西洋医学の医師にも鍼灸医にも、やはり患者の病気の濁気念みたいなものをつよくう けるひとがいます。
医師のグループにたのまれて話をしたことがありますが、病人から受けた濁気の解消 法を教えてあげたところ、とても助かっていると感謝されたことがあります。

さて8月のはじめでしたが、肋間神経痛があるという女性に楽健法をやってあげたと ころ私の右肋間に痛みが出てきました。
我慢できない痛みではないので、軽く考えて放っておいたのです。
邪気とか濁気を解消する修法をそのつどやらなくても、1〜2日たてばとれてしまう ので、最近は自然に回復するのにまかせているわけです。
しかし、どうしたわけか、数日たっても痛みがとれず、いつもやってるように濁気は らいをやってみたのですが、いうことを聞かないのです。

じっと精神集中をして、いくつかの自己治療を試みましたが、痛みはとれませんでし た。
なぜだろうか? すこし気になり始めたのです。
わが念力もこんなところかと、すこしがっかりしながら、経過をみまもっていまし た。
2週間たっても痛みが去らず、弱ったなーと思いながらいつもどうりの仕事をこな していました。
その日、宅急便をだす必要があって、東光寺山の下にある米屋に行ったのです。
手続きをしながら店内を見ていると、おおきな段ボール箱が二つおいてあって鷹の爪 という字が目につきました。
米屋と鷹の爪の取り合わせを不思議に思って、聞いて見ると、米櫃のなかにテープで ひっつけとけば、虫がわかないかないのですと言うことでした。
和尚さんにもひとつあ げます、ともらって帰ったのです。
帰ってから、米櫃はないしと手にとってながめているうちに、ひらめくものがあっ て、肋間の痛むところにガムテープで鷹の爪の袋を、下着のうえからくっつけてみたの です。

おどろくなかれ、数分の間に、痛みが消失してしまいました。
そうか、そういうことだったか。
鷹の爪に私をひきあわせるために、きょうまで痛み がやまなかったのだ、と仏のみちびきのように解釈したものです。

  さて、翌日には家内が、腰が痛いといいながらやってきました。 これにとうがらしをとりつけてみたのは、無論です。効きました。

仙台の友人が親子とも風邪で咳がとまらなくて2週間も満足に休めないと電話して来 ました。のどに鷹の爪をといったところ、翌朝、久しぶりの熟睡だったと電話があった のです。

それ以来おおくのひとに教えてきました。成果は上々です。効かないのはやってみな いひとというのが、現在の状況です。

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使い方

  1. 使い捨てのお茶の葉などを容れる紙パックに、鷹の爪10本ぐらい容れて、鷹の爪入り紙袋を作成する。

  2. これを安全ピンで痛みのあるところに、下着のうえから止めるだけです。

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どうか鷹の爪を、おためしあれ!


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「和尚さんの智恵袋」は詩人であり、楽健法という健康法の創始者でもある奈良県東光寺ご住職の山内宥厳師のご好意の寄稿により連載されます。

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