日本では伝統的に、瓜実顔で切れ長の目が美人であることの1つの要件であったはずですが、彼女はこの条件を見事にクリアします。そのようなわけで、たとえば「MOOK21
外国映画 女優」(共同通信社)の彼女の項には、「コンピュータ・グラフィックで理想的な美女を描けば、たぶんこうなるのではないかと思われる完璧な美貌」とあります。けれども、彼女のセールスポイントはそれだけというわけではなく、アカデミー主演女優賞にノミネートされること3度というキャリアが示すように、演技派でもありました。コンピュータ・グラフィック美女にしては、グラフィックな派手さに訴えるところが少なく、むしろ地味な印象を受けるのは、彼女が単なるお飾りなどではなく、実力派の女優であった証拠であると見なせるでしょう。また、現在では、「サウンド・オブ・ミュージック」(1965)の男爵夫人役によって、もっとも鮮明にオーディエンスの記憶に残っているかもしれません。ジュリー・アンドリュースにクリストファー・プラマーを取られてしまいますが、かつてのコンピュータ・グラフィック美女とまだまだお子ちゃまで恐ろしくお色気不足のジュリー・アンドリュースを見比べていると、「ホンマかいな?」と思わざるを得ません。「わが愛は終りなし」(1955)では小児麻痺で半身不随になるオペラ歌手を演じてオスカーにノミネートされましたが、さすがにプッチーニの「蝶々夫人」やワグナーの「トリスタンとイゾルデ」などからのアリアを歌うシーンは吹き替えだそうです。 |
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1946
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Of Human Bondage
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1955
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わが愛は終りなし
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1950
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女囚の掟
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1955
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黄金の腕
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1951
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探偵物語
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1960
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肉体の遺産
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1952
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血闘
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1961
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青春の旅情
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1953
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ブラボー砦の脱出
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1965
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サウンド・オブ・ミュージック
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1954
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黒い絨毯
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1966
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オスカー
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1955
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渡るべき多くの河
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1966
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殺しの逢いびき
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